81話 今年最後の……
キューイル、ナーナナと俺は、王都の西の城門の詰所の中で、
トランプなどで遊びながら、王都から出て行く他国の人たちの
記憶を少し替える仕事を毎日している。
替ると言っても、昨日の夜のカラオケ大会で皆が歌っていたのを、
スタンテッド王国の民族音楽を聞いていたとかに記憶を替えたり、
ミューブル王国関係のことをスタンテッド王国のことに替えたり、
道具などはコンピーコム王国経由とかに替えるくらいである。
今日も朝から多くの他国の人たちの記憶を替えて、
ひと段落したので、門番兵は詰所でトランプで遊んでいる
俺たちを眺めて、
「俺も彼女ほしい……
呟いて椅子の方に向かうのを見ながら、
「よく話をする女性がいるけど、彼女じゃないの?」
門番兵のバングッドを見ながら言うと、
「タツミさまみたいに、この世界を支配できる力があれば……
諦め顔で言うので、
「支配できる力なんかないしさ! 在ってもする気は無いよ!」
キューイルとナーナナの方を見ながら、
「魔王の御令嬢を妻にしていて言いますか?」
人族、獣族を超える魔族の王の娘であるので、ミューブル王に
報告した時に、「世界を取って、どうするつもりだ!」とか言われて、
北条の109人の婚約者、神崎の神の力より、魔王の娘の方が
最重要で、更に、キューイルが第4王女で魔王候補で在ったのも
大きかった。また、魔王と共に来たナーナナまでが俺と結婚することに
秋人さん達は喜んでいたけど、ミューブル王などは唖然としていたので、
バングッドが言うのも分かるが、秋人さんから、王になった後の
苦労話などよく聞いていて、クラスの男子全員、王にはならないと
決めている。また、キューイルは、この世界を創造した駄女神こと
ソラスの娘でもあるので、俺が世界を支配してるとも言えるが、
ソラス自信が傍観者であり不干渉であるので、俺たちも同じだと
力説してくれて、ミューブル王は納得してくれたが、国民や
裏で友好国の国では、俺が魔族の次期王であり、ソラスの
娘婿として知られていて、貴族たちが自分の娘も俺にと、
怒涛のようにあったが、キューイルとの腕相撲で勝たなければ
認めないと決めたので、その結果、貴族たちは全員敗北し、
ようやく落ち着いたのが3ヶ月前であった。
バングッドに言われて、再度、思い出すように呟いていたら、
俺の手持ちのカードは、いつの間にかババしかなく、
「考えながらするものじゃ……」
と目を閉じて、悔しくしていると、
「此処で、あなたと共に仕事をするようになって、
何回も言ってますが、私たちは、魔族の地位を捨てた者です」
ナーナナの言葉に、キューイルも頷いていて、
「もし、力が無くても、この世界に召喚されて、
私と出会えば、私は竜巳さまを夫にしているので、
力も地位も関係ありませんわ」
バングッドに目を細めて微笑んでいるナーナナに、
「姉は、我が好きになったダーリンに興味を持って、
我の者だから、奪って、自分の方が上と示したいだけじゃ!!」
テーブルに両手を置いて椅子から立ち上がりながら叫び、
「あら、闇魔法を使うから、興味を持った子供には、
言われたくありませんわ!」
ナーナナの言う通り、俺が闇魔法の使い手であったから
興味を持ったのは正解である。だが、それはキッカケに過ぎず、
「無くても、ひと目見て、ダーリンしかいないと思ったのじゃ!!」
キューイルの言う通り、魔族、魔王の娘と関係なく、
会ったら直ぐ好きになると断言できるくらい相性が良いと、
その日の夜の行為で俺たちは更に思った。
「私もですわ}
俺に微笑んで言うナーナナは、長女で、兄たち同様キューイルを
敵視していたが、それは表面上で、本当はキューイルを溺愛していて、
兄、母親からのキューイルへの刺客から親父(魔王)が阻止して
いたのに安堵して、キューイルが王都から離れた後も、
様子を見に単独で行くくらい、キューイルを心配していた。
ナーナナには、第2王女のシーナッツ、第3王女ラーシカのように
婚約者は居らず、「私はキューイルを超える方を」と言う無理な話をして、
親父は諦めながら、「好きになったら、反対はしない」と言う言葉を
貰ったが、俺と会うまで、ずっと相手は居なかった。
ナーナナが求めたのは、キューイルが好きになった方と一緒にで、
キューイルが200歳までには好きな方が出来て、その人と共にと
思っていたら、親父と一緒にミューブル王国に来た時に、
俺がキューイルの横に居て、私もと押しかける感じで
俺たちと融合し、俺とキューイルは、ナーナナの気持ちを知って、
ナーナナを妻にしている。そんな妹思いのナーナナも、俺との行為や
デートの回数でキューイルと楽しく揉めているが、俺にとっては、
回数くらいでと思うが、2人にとっては重要で、ババ抜きも、俺は
1、2位も取れず最下位をずっと更新していて、今も合わせると
100連敗中に対して、2人は交互に1位を取っている。
ババ抜きでも互いに一歩も引かない2人に、
「もう一度、ババ抜きを……
俺を見て、「100連敗中なのに」「100連敗中なのに、
良く言えるのじゃ」と言われて、「勝つまでやるの!!」
と言って、2人は座り、
「ダーリンが勝てば、昨日に続いて我が……
「フッ、竜巳さまが勝てば、今日は私です!」
お互いが、目で牽制しながら言い合い、
「ワザと負けるの禁止! 真剣に!!」
2人は、俺をジト目で見て、
「竜巳さまが、ポーカーフェイスをしたところで、
微妙な動き、仕草、皺の動きで丸わかりです」
「姉の言う通りじゃ!」
俺は勝つことが出来ないのかと考えて、それなら……
「100回やって、100連敗したら……
今日は、3人で……
その言葉を聞いて、「交互で100勝しましょう」
「姉よ! 勝つぞ!!」と微笑む2人に、
これで、勝った後のことを考えて、ミスが出るハズ、
「その内の1回勝つぞ!!!」
と叫んで、カードを分けて行った。
その光景を、テーブルに肘をつき、頬に右手を着きながら、
俺たちのやり取りを聞いていて、
「やっぱり……力だよなぁ……
と呟いている所に、獣族側の大陸から来た3人が、この西の城門の所に
来たので、バングッドは詰所から出て行き、3人と話しているのを
窓から見ながら、
「あれは、しなくていいのか?」
キューイルの問いかけに、
「頭悪そうで、弱そうな獣……
ナーナナの言葉に苦笑いしながら、
「光悦との戦いの時もしてるし、ある程度は、向こうに
伝わってもらわないと……
キューイルがナーナナの手札を1枚抜くと揃ったみたいで、
1位で上がり、俺はキューイルに微笑んでから、
「元の世界に俺たちが帰った後……と言い終わる前に、
ナーナナが俺の手札を取って、俺は、
「げぇ!!
また、ババが1枚手に残っていて、
「次、行こうか……
勝てるのかと思いながら、カードを切って行った。
「帰りの際は、スタンテッド王国【インデット】へ
立ち寄って下さい」とお辞儀をして、去って行く俺たちが
見えなくなるまで立っていて、
「こんなボッタくりの国に、もう来るかっての!!」
と吐き捨てるように小声で言うのを聞いて、
笑っている2人は、
「大声では言えないか……
ダルタニアは臆病者と言う感じで言って、
「門兵には……国王になら大声で言っても良いと思いますな」
アルテイラの提案に、
「変な罪で捕まるから、言えないよ!」
と言った言葉に、2人は笑いながら、
俺たちは、王都【インデット】から旅立った。
俺たちの所有する金は、金貨10枚(日本円で、約100万円)もない。
乗合馬車に乗るにも、コンピーコム王国に入るには、
3人で、銀貨1枚(日本円で、約1万円)、ミューブル王国に入る時は、
金貨1枚、各都市、街に入れば、更にということで、乗合馬車には
乗らずに歩いて行くことにした。
「聞いてよかったな……
先程の門番兵に確認し、王都の外の乗合馬車の停留所の値段も確認し、
乗合馬車停留場の係りの人に聞いても、同じ入街料だったので、
無駄な金を使わずに済んだので笑みを見せて言ったら、
「ミューブル王国周辺の入国料は高めだが、北の国、南の国
の者が入るには高すぎて不満は出てるだろうな」
ダルタニアの言葉に、
「どの国も人材不足で、国の内情を知られるのは嫌がるでしょうし、
仕方がないのでは?」
アルテイラの言うのも分かるが、行商や商業ギルドなどの馬車が
行き交うのを見ながら、「それでも、買い付けに来てるけどな……」
その言葉を聞いて、
「情報が漏れても良い所を行き交い出来るだけですし、
ベイノーランで聞くのも伝わってる話くらいですし……
少し怒り気味に言った後、ダルタニアの腰から下げている剣を見ながら、
「食材は豊富ですが、他国では武器はどうなっているのか……
ダルタニアは腰のベルトから下げている鞘に入った
青銅の剣のグリップに左手で触って、
「他国も同じじゃないのか? この剣のように
ボッタくりのしかないだろうけどな」
ダルザニアは笑いながら言うが、
「そうですな……
アルテイラは悲しい顔をして言った後、
「良い鍛冶師を獣族側に伝えられないのが残念です……な」
俺たちは、コンピーコム王国の東の国境に向けて歩いている。
王都インデットからだと、南西に向かって歩いて行くことになる。
1日、休憩など入れて10時間歩いて、1週間弱で、国境に
着く予定だ。今年最後の日、神へ1年のことを報告する日で、
ルックバックデイと言い、家で家族が今年のことを話しながら過ごし、
年が明けると、神が今年のことをはっきりと言わずに語るために、
各国の王宮の降臨の部屋に舞い降りる神の降臨の儀があり、
その言葉を国民に告げて、年明けから1週間の祭りがある。
だが、俺たちには関係ない、ミューブル王国と29か国の戦いの
詳細を掴むために……
今日の野宿のために、落ちている枝などを拾いながら、
周りを警戒しながら、準備に入っている。
「川もあり、葉っぱや果実もあり、魚も食べれそうなのが
いますな」と尻尾を振りながらアルテイラが言い、
購入した剣で、木の枝を斬り、火が点きやすい様に、
木くずを作っているダルザニアは、何度も剣を見ながら
確認するように削っていて、
「どうした……
「テルタ……いや、今まで使っていた剣より軽くな……」
新しい方が良いと言う子供みたいなことを言うので、
「それは、新品なんだから、すぐ悪くなるさ」
ダルタニアは剣を眺めてから、
「……そうか」
木くずを集め、薪を置き、アルテイラの点火の魔法で
火を点けて、その上に、鉄の鍋に水を入れ、食べられる葉っぱや
草を入れ、小麦粉を少し入れて、鍋の周りには、魚を木の枝で
刺したのを並べて、出来上がるのを座って待っている。
「予定よりも、だいぶ遅くなりますな……
温まった水を木のコップに注ぎ、そのコップを俺に渡しながら言い、
「ツカサが居れば、今頃はミューブル王国だったが……
昨日会ったつかさを思い出しながら言うと、
ダルタニアは、フッと笑ってから、
「それは無理だろう」
「そうだな、酒場で討論になってツカサと別れたからな……
魚も焼けたので、取って食いながら、
「神の馬か……譲ってくれって言ったら……
「無理なことを……
アルテイラは葉っぱや草を入れたシユーを飲んだ後、
諦めなさいと言う感じで言い、
「後は、入街料が恐ろしく高いのに、びっくりしたことかな……
呆れた感じで言うと、
「私は、修道院での祭りですな」
王都の人が集まり、透明な魔石が光る幻想的な光景を思い出しながら、
魚の腹に入れた匂い消しのための果実の感触を味わいながら、
「この国の民族音楽だったな……
俺は言った後、なぜか涙を流していて、
「何か感ずるものがあったか……
不思議そうに見るダルタニアに誤魔化すように、
「いや……その音楽に、お前らはキレて……
ダルタニアを見ると、
「俺は剣を失い、
腰の剣を見てから、「青銅の安物を……な」
アルテイラもダルタニアを見ながら、
「炎の鳥に……鑑定する暇もなかったです」
魚を豪快に食って、悔しそうに言うアルテイラに、
「幸い傷もなかったが、ベットに縛られて切るのにな」
俺はぐっすり眠っていたので実は知らないのだが、
朝、宿屋のおやじに怒られていたのが面白かったが、
「ええ……この国は、ツカサと言う者に統治されているが、
裏から……
深刻な顔をして言うアルテイラが言う
ミューブル王国の勇者【つかさ】は、スタンテッド王国に
住んでいて結婚もしている。魔族にも好かれていて、魔王までもと
言う感じで、
「この国だけが、表向きには敵対してるが、
裏では同盟国と言うことだな」
ため息交じりに言って、たき火の揺らめく火を見ながら、
つかさは小6の時に親戚の町内会で行われた卓球大会で出会って、
再会が昨日で、良く思い出せたなと感慨深く、神の馬の件さえ
うまくいけば、今頃はミューブル王国に……
だが、王に反旗をして国を奪取した感じもなく、どうやって国を
つかさが得たのかが分からない。
何処の勇者も、魔王が倒れれば元の世界に戻ることが出来る。
その魔王と仲が良いと言うのもあり得ないし、この世界で国を治めたり
することは出来ないはず、帰るんだから……
俺は、たき火の火が揺らぎながら天に昇り消えて行くのを見ながら、
「この依頼が終わったら、ミューブル王国に魔王が消えるまで
居ようかな。ツカサの女を……フ、フフ……
それを聞いて呆れている2人は、さっさと食事を終えて、
俺も慌てて食い終わり、夜の警護を順番に変わりながら、
明日の朝を迎えるために寝に入った。
火が少し弱くなり、追加の薪を追加せずに、ウトウトとしている時、
森から、複数の光る眼が此方を除くのを、アルテイラは感じて、
地面に敷いてあるシートから置き上がり、
「テルタ! ダルザニア!! 起きろぉぉ!!!」
俺は目を覚まし、薪を持ち、「火が消えたかぁぁ!!!」
と言ってるのを、ダルザニアが、
「寝ぼけてなるな! 魔物だぁ!!!」
腰の剣を取り構えるダルザニアに、
俺も聖剣【エビデンス・オブ・ブレイヴ】を構え、
「神よ! 聖なる光の壁を我らのために形成を!!フィールド!!!
唱えるアルテイラによって、俺たちの前に、光の壁が形成し、
魔物は突進して来るが、光の壁に弾かれていて、此方からの攻撃は
出来るので、魔物を斬って行く。
「こいつらは。カリーカンス! この大陸にもいるのか!?」
牛族の国【クインラーム】の山の麓で生息していたのが、船などで
渡ったのが繁殖したのか、数は30匹……
「タヌキめぇ!! すばしっこい!!」
剣を振っているが、かすり傷を負わすくらいで、
「尻を見せて……
不味いと思っていると、
炎の弾が、カリーカンスに当たって吹っ飛んでいる間に、
「テルタ!! 剣をファイヤーソードに!!」
アルテイラの言葉を聞いて、
「炎よ! 剣に纏い、帆の剣となれ!! ファイヤー!!」
剣に炎が纏わり、炎の剣と同時に、カリーカンスの尻から
出る煙で、光の壁が壊され向かって来るのを、俺は剣で斬り、
斬った後、燃え上がるカリーカンスの匂いに、たじろぎながら、
アルテイラの援護攻撃で戦いを続けるが、カリーカンスの煙によって、
剣に纏う炎が消され、聖剣に戻り斬って行くが、血が付き、剣の切れ味が
鈍くなっていく。
「倒したのが5匹……、まだ……
俺は肩で息をしながら、ダルザニアを見ると、足元には、10匹の遺体が
あり、1番大きいカリーカンスと対峙していて、尻を見せると風下に回り、
カリーカンスも回りながら前足の爪で攻撃するのをダルザニアはかわして、
その隙に尻から煙を出すのを剣の圧の衝撃波で吹き飛ばしながら、
カリーカンスも飛ばされるが、地面に片足を付けるタイミングで
ダルザニアは斬り込み、すくい上げるように、片手で剣を振り上げ、
その剣の軌道上にあったカリーカンスの腹は斬られて、血を出しながら
吹き飛んで行った。
他のカリーカンスは、それを見や後、森の方に逃げて行った。
剣に付いた血を拭きながら、ダルザニアも此方に来たが、剣を見ると、
血が付いていないので、
「もう、拭いたのか?」
「ああ……軽く振ったら、血は飛んで行って、この通り……
剣を見ると、あの武器屋で買った時と同じ輝きを見せていて、
俺の聖剣は、鍛冶屋に出していないので、鈍く、刃こぼれも
している。アルテイラの剣も同じだが、
「新品で買ったからだな……
と呟く俺に、「使って見ろ!!」と剣を渡されて、
「この青銅の剣で……
剣を見ながら呟くが、
「あそこにある石でも斬ってみろ!!」
指で指す石って、俺より大きいんだが、
「折れても知らないぞ!!」
「ああ……構わん!!」
と言われ、石の前に来て、上段から振り下ろし、
思った通り、折れました。
俺は、折れた剣を見ながら、ダルタニアに申し訳なさそうに、
「すみません! 剣を……
と言って、お辞儀をして謝っていると、
「形あるものは何時かは…… ダルタニアは笑って話、
俺は、魔剣も失い、俺のせいでボッタくりの剣までと悔しんでいると、
ダルタニアは、俺から折れた剣を受け取り、
「さて、予想通りか……?」と言うダルタニアの言葉に、
俺たちは不思議に思っっていると、折れた剣をそのまま鞘に入れ、
ダルタニアは石で割れた残りの剣の破片を見ていて、
「コンピーコム王国で、あなたの剣を……
悲しい顔で、ダルタニアにアルテイラが言うのに対して、
「必要はない……やはり」
その言葉を聞いて、「ボッタくりの剣を使って可笑しくなったか?」
俺が言った言葉に笑った後、
「金貨50枚は安い剣と言うことだ!!」
俺たちは互いに顔を見合わせながら、
「意味が分かりませんな?}
俺たちに向き合い鞘から剣を抜き、折れていた剣が元に戻っていて、
「こ、これは?」 「聖剣でも……
俺たちが驚いていると、先程、地面に散らばっていた剣の破片の所を
ダルタニアは指を指して、「どうやら、折れた部分が鞘に収集されて、
元に戻るみたいだな」と言う言葉で、俺たちは地面を見ると、
破片はなく、ダルタニアの方に向くと、
「木を削ったり、斬ってる時に、刃が少し欠けていたのが、
さっきの戦闘で、元に戻って戦えて、しかも、俺が今まで使用した
剣の中で最高の物だった。まあ……あそこまで欠けて再生するとは
思わなかったが、この鞘にも秘密がありそうだな」
アルテイラは、ダルタニアから鞘を受けとり、見たりしているが、
「分かりませんな……この鞘自体が、魔道具と言うことくらい……
俺の刃こぼれしている聖剣を鞘から抜いて、
「俺の剣を、この鞘に入れたら……
アルテイラは、俺の聖剣と鞘を見比べてから、
「サイズが違いますし……剣と鞘がワンセットでしょうから」
メンテナンスフリーになるのになとガッカリしながら、
「この人族の大陸は、俺たちの武器よりも……魔族のも
超えてると言うことか?」
アルテイラは、鞘を見ながら、
「……かもしれませんな」
俺たちは、日が昇るには時間が早いので、もうひと寝入りして、
日が昇り出したころに起きて、朝食を食べてから、
コンピーコム王国へ向けて出発した。
道中、魔物や動物に遭遇しながら、食材に出来る魔物などは
その日の食事で食べて、ダルザニアの剣を借りて、魔物などを
倒して行き、その切れ味に驚き、聖剣に魔法を纏って戦う以上の
成果に、「この剣を、聖剣にしよう」と言った言葉に、
「王が、エルフ族の鍛冶師に作らせた物ですから、
それは、やめましょう」
と言うアルテイラに、ダルザニアは、
「これは、鍛冶屋で売っていた剣だ! 人族の勇者たちが使う剣は……
「睨み合っていただけですので、剣を交えたことはありませんが……
あなたの剣よりは劣るのでは?」
俺が使用している聖剣はエルフの鍛冶師が丹念に制作した物で、
人族側も同じものを使用している。武器に関しては、魔族の武器は
エルフの鍛冶師が制作する物に匹敵するが、人族側の制作する
武器は劣る。今、ダルタニアが使用している剣は、人族の鍛冶師が
制作した物……
「テルタは、どう思う?」
ダルタニアが俺に問いかけるので、
「聖剣より上と言うことは、この6か月の間に、何かの進歩が
あったと見るべきじゃないのか?」
あの鍛冶屋のおやじも鍛冶師がいないからと言っていたが、
嘘を言っていたことになる。この剣を売り物に出来ると言うことは、
それ以上の剣があると言うこと。王の命令で鍛冶師が集められて、
エルフの鍛冶師が制作する剣を超える剣を制作していて……
「魔族の武器の改良ですか……
アルテイラが俺を見て言い、
「ミューブル王国に行けば……ツカサのことなど分かるさ!」
俺は2人を見渡して言い、
2人とも頷き、俺たちは日差しが暖かいなかを歩き出した。
スタンテッド王国は、つかさが裏から統治している国。
つかさはミューブル王国の勇者である。武器の制作は
ミューブル王国の主導の下で製作されているはず。
ミューブル王国対29か国の戦いで、この剣以上の武器が
あれば、谷を崩壊せずとも勝てる。獣族対人族のゲームで
使用されたら、獣族側が負ける可能性が高い。
俺の後ろを歩いている2人も同じように考えているのか、
俺の先の道を真っ直ぐ見つめていて、その先には、
コンピーコム王国の東の国境の砦が姿を現し、今年最後の日の
9時頃に到着した。
王から特使として貰った金も……
この国で相当……
俺も買えば良かったぁ! 聖剣を売って……
お金が無くなります
次回
第82話 今年最後の戦い……
行くぞ! 俺たちのターンやぁ!!
ゴールドスライムキングを倒せばぁ!!!
くらえ!! コールド・スリープ!!
!? 召喚するんか!! ミニスライムがぁぁ!!!
…… 全滅しました セーブポイントからやり直しますか? ……
このゲーム、惨いわ!!




