78話 つかさを追いかけて……
俺たちは、つかさが操縦する馬車を追いかけるために走っている。
なぜか走っている、とにかく走る。
俺は走りながら、つかさに出会った時の事を思い出していた。
あの練習試合は、救急車、パトカー、消防車が来て中止になり、
俺は体が半分になりながら、つかさを取り囲む人の方を見ながら、
「全員、死ぬと思っていたぁ! 「力加減って、難しいね」
「野球をしていて、魔物と戦った後みたい!」
「会長さん! 試合にならないって言ったのに……
「無かった事になりませんか?」
「明美! やって!!……
って言うのを聞きながら、女の子に囲まれ、俺のクラスの女の子より
何倍も綺麗な美女を連れて、その中の銀髪の女の子が超美人で、
つかさにキスをしているのを目が閉じる前に見て、目が覚めると
家で寝ていて、今日の試合もなくじゃなく、在ったんだよ!
記憶を変えられていたのが、つかさに会ったことで、
この世界の力なのか思い出させてくれたが、
つかさを含め魔法使いだったんだ! 俺たちの世界にも
居たんだ! あの時の出来事も魔法で変えたんだ!!
そのつかさが此処に居る。俺だって、この世界に来て、
魔法を覚え、昔の俺じゃない!!
街から出ようとしている馬車を見ると、先程の女性たちと
楽しくお喋りをしている。つかさを見ながら、あの時も、
今も、女性に囲まれ、俺は、むさ苦しい獣たちと一緒で、
一緒に来たクラスの女の子は、戦闘に出せないから、王宮で
貴族として過ごさせるだと!! クラス一の女の子で、チャンス
だと思ったのに、ツカサめぇぇぇ!!!!
俺は鞘から剣を抜き、「ツカサァァァ!!!!」と叫び、
「テルタ! 此処は街中です!!」
急ブレーキをしながら剣を天に向けて、街中の人々は驚いて、
逃げ出し……
「神よ! 街の人々に災いが起こらないように、神の壁を……
詠唱をしてる間に、剣を大きく振り、その衝撃波が
馬車に向かったが、馬が甲高く鳴き、衝撃波が見えない壁に弾かれ、
街は、その余波で建物が壊れ、人は傷つき、街の出口の警備兵が、
詰所から出てきたが、吹き飛ばされ、剣で跳ね返ってきた衝撃波を
斬りながら、馬車に向かうテルタに、
「あれは!! 魔物です!!」と言う声も届かずに向かう
テルタに、馬車は止まっているのか、その馬車から1頭の馬が外れ、
テルタに向かいあった瞬間、テルタは私たちの方に吹き飛ばされて、
「アルテイラ!!」 ダルザニアは叫ぶが、
私もテルタにぶつかり、後方へ吹き飛ばされ、
地面に転げ落ちて、馬車の方を見ると、先程、茶色の毛並みだった馬が、
白き毛並みになり、翼を広げ、私たちを睨みつけ、
「おい! あれは……
片膝を着きながら、ダルザニアは白き馬を睨み返しながら叫び、
「ぅぅ……ダルザニア……神の馬な……
神が降臨する際に用いる天馬で、神殿で降臨の間で、
神と会った時に見た、あの馬が、なぜと疑問に思っていると、
つかさと言う男性が、吹き飛ばされた人を助けていて、馬車に乗っていた
女性たちも手伝っていて、空間が歪み、そこから女性が出て来たのを
見た後、私は気絶して、目が覚めると、家の壁に背持たれていて、
周りを見ると、街の被害もなく、人々も怪我もなく歩いているが、
私たちを見て、軽蔑の目を見せながら通り過ぎて行った。
私たちを見下ろす、男性と女性たちが、
「街中で剣なんか振り回すのが、獣族では流行ってるの?」
プラチナゴールドの髪が風で少し揺れ動いている女性が言い、
「ツカサが、女とイチャイチャしていた……
テルタがブスっとしながら言うのを、
「呆れたぁ!! 嫉妬って」
怒って言う黒髪の女性から、
「美里のおかげで、被害もない! ありがとな」
男性は、プラチナゴールドの髪の女性に言い、
「私は、鶏の丸焼きの準備中だから、帰るね」
と言って、空間に歪を発生させて、その中に入って行って、
消えて行った。
「空間を繋ぐ……
獣族の魔術師でも行える者がいない魔法をボンヤリと見ていると、
「さて、俺たちは、行くから、もう変なことするなよ!」
と言って、彼らは馬車に向かい、この街を去って行った。
座り込んだまま、腰にぶら下げいる木の容器の栓を抜き、
口につけて、水を少し飲んだ後、
「あれが、スタンテッド王国の勇者か?……
ダルザニアは、街から離れた馬車の方を見ながら、更に、
「だが、この国の勇者は、ゲームに参加せず……
アルテイラは肩を落としながら、
「国の命令だったのでしょうか……?」
俺は、2人の会話など聞かずに、下を向いたまま、
「羨ましい……あんな良い女を……
「テルタ……国に帰れば、お前を慕っている女は多いですぞ!!」
優しく言うアルテイラに、
「人間が良いの! 獣じゃなく……
「贅沢な奴だな!」ダルザニアは呆れた感じで言い、
俺たちの前を通り過ぎる巡回兵に、アルテイラが、
「すみませんが、恥を忍んで知りたいことがあります」
その言葉を聞いて立ち止まり、
「何か用か! 商人のようだが……
アルテイラは巡回兵を見ながら
「座ったままで、お許しください」
「それは良いが、何を聞きたい?」
「先ほど、あの門を通り過ぎて行った若者のことで……
その言葉を聞いて、少し考えながら数分過ぎた後、
「男1人に、女2人のことか?」
「はい! そうです。この国の勇者様で立派な方だと……
アルテイラは褒めるように言ったが、巡回兵は笑い、
俺たちは、なぜ笑うのか分からずにいたら、
「我が国の勇者は、6ヶ月前のゲームで、参加もせず、逃げて来た、
王より処罰され、王都で幽閉されている」
「幽閉ですか?」
「そうだ! お前らが言っている者は、ミューブル王国の勇者と
その妻たちだ!!」
俺たちはお互いの顔を見合わせながらいると、
「獣族側からすれば、納得しないのは分かるが、
この街に来た、獣族の商人どもは、同じ反応をするな」
困っているのを楽しそうに見る巡回兵に、
「他の商人から聞いたことがありません! この国と敵対関係に
ある国の勇者が、なぜ居るのですか?」
納得できる説明を求めるように言うアルテイラに、
「簡単なことだ! ミューブル王国の勇者ツカサが支配しているからだ!」
「「「 え、ええ!!!! 」と俺たちは叫び、
「だが、王は健在、政も今まで通りだが、王が国民に対して、
間違ったことをした場合は、王に罰を与える権限を持っている」
俺は、その言葉を聞いて、たがが勇者が、国を女たちを支配や
取り囲んで、マンガやラノベのような展開に更に驚いていると……
アルテイラは立ち上がり、
「29か国の100万を超える兵が、ミューブル王国との
戦いで亡くなっています。ミューブル王国への恨みは無いのですか?」
詰め寄りながら、激しく言い、
「無いと言えば嘘になるが、攻め込んで敗れたのだ!
それに……
巡回兵の目を見ながら、「……それに?」
「これ以上は止めよう!」
俺たちから少し離れてから、
「坊主! 先ほど見ていたが、勇者ミサトさまが
来なければ、お前は死刑になっていたぞ!
軽はずみな行動は控えるんだな!」
俺に向けて言い放って、去って行った。
俺は、獣族、人族の召喚された勇者たちの中で、1番強い。
その俺でさえ、元の世界に帰るのが優先で、国の支配など
考えもしなかったが、つかさは国を裏から支配し、女を従えている。
この世界は、強き者が正義で、王から娘をと言われたことは
あるが、つかさのように帰るまでの遊びで付き合えば良かったのかと
考えていると、
「ツカサと言ったな……この国の者の心を掴んでいると
言うことか?」
「そうですな、まずは……此処から見えている王都に行って、
王との謁見を……
と言って歩き出す2人に、
「王に会うより、つかさを倒した方が早いだろう!
ゲーム以外だが、問題ないはずだ!」
国を裏から支配しているつかさは、俺より弱いはず。
俺が、つかさに変わって、この国と思っていると、
振り返ってダルザニアが、
「神の馬を所有する者だ! 最強の勇者であるお前が手も足も出ない
で敗れたのだ! 俺でも無理だ!!」
「あの馬は強かったが、ツカサは馬より弱い!!」
「弱肉強食の世界だ! 強くなければ従わない!!」
レベル3のつかさが、あの馬より強いはずはないから、
「何かアイテムでも……
困惑しながら言うと、
「神の馬を従えさせる魔法やアイテムは、召喚された勇者たちでも
無理でしょう……伝わっている話以上に、人族側は変わっていますな!」
アルテイラも困惑している感じで言い、俺たちは門を抜け、
川に掛かっているアーチ状の石造りの橋を渡り、王都【インデット】の
東の城門に着いて、
門番兵が、我々を見渡しながら、
「入都料、3金貨になる! 高いが入るか?」
と言われ、またと思い、旅行手帳を門番兵に見せながら、
「ベイノーランで払って、此処でも高額なんですか」
アルテイラは嘆くように言い、
「ベイノーランでも聞いたと思うが、ミューブル王国からの……
同じことを言いだしたので、泣く泣く払い、
「王に貢物を渡したいと、ゲーカイラ神国の王ラミルさまより
預かっています」
門番兵は、アルテイラが担いでいる荷物袋を見た後、
「王は、29か国会議に出席のため、不在だ!
戻ってくるのは、新年の神の降臨の儀以降だ!!」
俺たちの獣族の大陸でも、シソーラスの月末は、神に1年間の感謝をする
感謝の宴がある。そして、年を超えて同じことをするが、
「……そうですか」
と落胆するアルテイラに変わって、
「王が不在なら、ミューブル王国へ行きたいが、
南下すれば良いか?」とダルザニアが言うが、
固い表情で、
「ミューブル王国との国境は閉鎖だ! 行きたいなら
此処から西の国、コンピーコム王国を経由すれば良いだろう」
と、俺たちの旅行手帳にハンコを押しながら言うのを聞いて、
「コンピーコム王国は、閉鎖していないのか?」
ダルザニアは驚きながら門番兵に尋ねると、
「半年前の29か国とミューブル王国の戦闘の場でも
ある国だが、リ・フレタ王国と連合して、2、3ヶ月ごとに
ミューブル王国に戦争を仕掛けている」
「……戦争だと! それで、なぜ閉鎖しない!!?」
語気を強めて言うダルザニアや俺たちの顔を見てから、
「お前らとのゲームで、ミューブル王国が敗れさせるためだろう。
閉鎖しない理由は分からないけどな」と笑って言う門番兵に、
「……そうか」と、ダルザニアは理解不能という顔をしながら言い、
「通ってもいいぞ!!」と言われ門を潜り、王都へと入って行ったが……
家や木々に飾られている小さな電球が点滅し、点滅の光が人や動物を形どり、
元の世界のクリスマスのイルミネーションが派手に飾られていて、
俺は、「何じゃこれわぁぁぁああ!!!!」と大声で叫んだ。
俺の叫びで、周りに居る人は変な目で見るが、2人とも
この幻想的な光景に驚いていて、
「何だ! この光の点滅は……
「此処の神、ソラスを光で表現……
感想を述べている2人から目を逸らし、大きな木を見ると、
クリスマスツリーのように飾られているのを見て、
「何なんだ……これは」
よく見ると、屋台や露店が並び、サンタの格好をした人もいたりで、
アルテイラが歩いている人に、
「これは、何の儀式ですか?」
「ああ……王を不在にして、その間、新年まで祭りをしようと
勇者ツカサさまの提案で、開かれるものらしいよ」
「ツカサが……
華やかな風景を見ながら呟いていると、
「確かに、我々の国でも、1年の終わりの1週間は、
神ソラットさまへの感謝の宴をしますが、これは……」
今まで見たことのない光景に戸惑いながら言い、
「私たちも驚いているよ! ソラスさまも許可を出したと
神の眷属の勇者の方も言うでしょう。子供を連れて修道院に行こうと
思っているわ」
と言って去って行ったが、
「まずは、商人たちが、いつも使っている宿に行こうか?」
と言って、2人は頷き、周りを見ながら宿屋へと向かった。
宿屋のカウンターで、部屋を前払いで2部屋借りて、
金額は、年末の特別料金とかで、銀硬貨で3枚で、
日本円で3万円で、2部屋なので6万だと、
怒る気もなく、払って、俺は、2人と別の部屋なので、
別れて部屋に入り、鎧を外し、鎧棚に入れて、
アーミングダブレットからチュニックに上着は変えて、
後はそのままで、ベットに横たわり、外の明かりを見ながら、
今日の出来事を思い出しながら、
「ツカサかぁ……神の馬を持ち、ゲームにも勝ち、
29か国の侵攻を防ぎ、この国を実質支配している……
俺だって、出来ないことを……レベル3……」
夕食を食べていないが、このまま寝ようと思うと、
隣の修道院から、俺が好きな
歌手の曲が流れ、女性が歌い始めて、盛り上がっているのを
ベットから起き上がり、
「この世界で、カラオケ? 嘘だろう……
メドレーで歌っているのを聞いて、俺は涙を流していた。
俺は最強なんだぁ!!!
馬に負けたな……
カラオケで満点出して最強を!!!
どうやって?
70点が最高です……銀色の髪が綺麗ですね
90点出せたら、キスしてあげる
次回
第79話 宴会……
私も参加して、キスをぉぉぉぉ!!!!
そういえば、私って、出番がまだだったわ
次、出ないの?
しばらくは回想で出るから、我慢して美里……




