幕間 それぞれの明日……
ミューブル王国への武力侵攻は、29か国の連合軍を
ミューブル王国は数名を投入しただけで、連合軍を
全滅にした報告が入り、各国を驚愕させた。
法皇、皇太子を亡くし、次なる法皇が、神ソラスに指名される間、
法皇の弟のオートボイ・カーディナル・ライムが
摂政をすることになり、ミューブル王国に密偵と使者を送ったが、
密偵は黒き影に殺され、使者の謁見も出来ず帰還した。
「どうだった! 町並みは……
「オートボイさま、以前、訪れた時と同じ、のどかな感じでした。
宮殿では騎士が稽古をしていましたが、我が騎士団に比べ、
動作ものろく、あれでは戦闘は無理だと感じました」
玉座で座って聞いている私は、その話に興味が湧いたので、
「ほほぉ……どんな感じで?」
使者Aが立ち上がり、右手で上から下へと騎士の動きを見せた後、
ミューブル王国の騎士の動きと言って、先程の動きより、
ゆっくりと右手で上から下へと動きを見せた後、
「と、このように、騎士に入ったばかりの新人騎士か
騎士見習いのようでした」
「そのようなレベルの者しかいない国に、なぜ全滅された!!?」
ビッくと体が反応し、顔を下に向きながら、何も言えずにいると、
「ロディアやエンリーが倒されるはずがない!!」
と、チャイリートル総騎士団長が言い放ち、
更に、「あの国の総騎士団長のティーナは見たか?」
チャイリートル総騎士団長の方を見ながら、
「いえ、居ませんでしたが、カーディオン王国の
ロックティラ・サーバンが、ボロボロになりながら、
立っていました」
「!? ロックが? で、動きは?」返答に使者Bが、
「先ほど言いました通り、のろく、よく似た者でした」
「最初は、国から逃亡したロックティラ・サーバンと思いましたが、
我々が知っているロックティラ・サーバンは、あなたよりも……
使者Bに変わって、息巻いて言った使者Aは怯える様に顔を下げて、
「自分の実力は分かっているが、似た者か……
顎髭を右手で触りながら、
「で、他に気が付いたことは?」
「王都を出る時に、男が女性を何人も連れていまして……
「? それが、王族なら普通だろ!」
「それが、何でも屋で働いている者で……
「私でも、3人おるから不思議ではないだろう」
「いえ…… 使者Bがためらっているので、使者Cが、
「50人以上で、これから山の方へ、ハチミツを取りながら
ピクニックとか……
使者Cを見下ろし、
「私でも5人だ! 兄も側室は何人もいたが、今回の件で、
親の元に帰った者、自害した者、私の手伝いをしたいと残った者。
だが、50人以上は無いだろう、それに……
「ライム卿! 此処で言うことでもないだろうと私の名を言い、
改めて、チャイリートル総騎士団長は使者たちを見ながら。
「……で、その男は、
周りではどのように言われているか聞いたか?」
使者たちは困ったように、お互いの顔を見合して、
「ええっと……神ソラスの娘を妻にし、更に多くの女性を妻にした、
ミューブル王国の勇者ツカサ!! 別名カインド・オブ・ナイトと」
私は椅子から立ち上がり、
「勇者だと!! 馬鹿な!!!」
使者たちを見渡し、「勇者は行方不明で、神の娘!!?
それで、後は!!」
と怒涛のように叫び、
「これ以上聞くなら、命が無いと言われ……
それに、密偵を出すなら、門番兵レベルにしてから来なさいよと……
使者Aは、ビクビクしながら話をして、
「なぜ! それを先に言わん!! それを言ったのは誰だぁぁ!!!」
使者たちは、顔を下にして、一斉に、
「「「「「 この国の勇者であった、ヒトミさまです!!! 」」」」」
私は、それを聞いて、勇者は死んだはずだ! そうか、
「似た者か……ミューブル王国に行って亡霊を見たか?
もう、下がれ!!!」
周りにいる兵が、使者たちに退去を求め、立ち上がりながら、
「ライムさま!! 亡霊など!!!」
と言う使者たちを棒で体に強く当てながら押して行き、
扉の外に出され 扉が閉められ、静寂が訪れた謁見の間では、
「魔族の武器か?……滅ばしたのは……
と呟きながら、今後のことを考えていると、
「ライム卿! ミューブル王国に行こうと思う」
チャイリートル総騎士団長が、私を見て言うが、
「密偵が戻らないのは、魔物に倒されたのだろう……
お前まで亡くすことは出来ん! 私もお前も、
これからは、子をつくり、騎士を育て、他の国を我が領土に
していかなければ、ミューブル王国が、この大陸の覇者になる。
そうなる前に……
行きたいのを我慢するように、
「分かった! 偽物でもロックに挑みたかった!」
チャイリートル総騎士団長は、謁見の間を後にした。
それを見届けて、
次のゲームは、ミューブル王国だけで戦ってもらおう……
私は、屋敷の中を見渡し、ミューブル王国での人族対魔族の
戦いで、国の宝であり、魔族と戦う者として教育し育てた
勇者を失ったばかりか、勇者支援騎士団の騎士まで失った
にもかかわらず、私だけが戻り、王は激怒し、私は全てを失った。
「私が生まれ育った場所……領土」
私は、窓から庭を眺め、小さい時に父と追いかけっこをした
ことなどを思い出しながら、鳥のさえずる声を聞きながら、
退去する時間まで眺めていようと思っていたが、
ノックされた部屋の扉が開かれ、
「旦那様、王宮より使者がお越しです」
私は、目に焼き付ける様に眺めていたいのに、
「まだ居たのか。お金も十分渡した。この屋敷のお金になるのも
渡した。それに、もう旦那様と呼ばれる立場でもない!」
部屋に入り、「私は、生まれた時から、旦那様方に……
「私は、リ・フレタ王国を去る身分だ! 妻は、息子の所で
生活すると言って、出て行った!」
「旦那様……
元執事を軽く横に追い出すように、ドカドカと入って来た男が、
「なぜ、出てこない! パーセント卿!!」
「お前は、ホイルッダ! どうした?」
私は、ソファーに座る様に導き、向かい合いながら、
「王が、お呼びだ!!」
「王が? スレッド! 何か飲み物が残っていたはずだ!
持って来てくれ!」
「畏まりました」と言って、料理場に向かった。
ホイルッダに向き直し、
「なぜ! 王が?」
「ミューブル王国への侵攻を知っているだろう?」
「知っているが……屋敷の片付けや、妻との喧嘩で……
で、勝利したんだろう?」
私を睨みつけて、知っていて言うのかと、
「全滅した!」
この男には不釣り合いな涙を目から流しながら私を睨み、
「冗談はお前の顔だけにしてくれ!!」
と言ったとたん、ドオォォンとテーブルを叩き、テーブルは割れて、
「もう、出て行くから、要らないとはいえ……
私の足やホイルッダの足で倒れるないでいるのを、ホイルッダは手で
割れたテーブルを持ち、壁にぶつけて、更に割れて、床に落ちた……
「お前は、今回の侵攻で、29の国が全滅すると王に言ったそうじゃないか!?」
私は確かに言った。ただ……
「魔族の武器を、そのまま所有したからな。忠告したんだが……
怒っているホイルッダを見ながら、
「それが、今の状態だ!」
と呆れた感じで言い、
ホイルッダから目を逸らすように部屋を眺めていると、
「王は言った! 魔族の武器よりも凄い武器を、お前は持ち帰った!!」
そう言われて、思い出すように、
「神から授かった剣だったな……」
「そうだ!」
「だが、10本しかなく、数が違いすぎる」
「俺は、お前が持ち帰った剣を振ってみたが、軽く、この大陸の
どの剣よりも斬れやすく、魔法も上位のも耐えられる……
魔族の武器よりも上のハズ!!」
力説する様に言うが、あれは、偽物で本物ではなく、
ロックティラ達が持っていた剣を、少し神の砂で加工しただけで、
私が所有している統星剣と比べるとガラクタなのだが、
「勇者たちを亡き者にした武器だ! 10本では無理なのは
分かるだろう!?」
部屋にワインをワイングラスに入った状態で運んできて、
テーブルがないことに気が付き、
「だ、旦那様……
「ああ、手で持つよ!」と言って、私たちは手で持ち、ひと口飲んでから、
「だが、その剣のおかげで、一騎打ちで、勝利を収めた!」
「だが、それだけだ……
私の顔を注意深く見ながら、
「お前……何か隠しているか?」
ワインを飲み干してから、
「無いな! 魔族が、なぜ一騎打ちを申し込んできたかも、
実は、はっきりしていないからな」
「……そうか、王には?」
「もう、私はこの国の人間ではない。地位も名誉も、妻も、
息子も、全て去って行った。もう時間だ! 行くよ」
とソファーから立ち上がり、その行動に戸惑いながら、
「おい! 全てを失った男の顔か?」
「吹っ切れたからな!」
壁に掲げられた鞘に入っている統星剣を取り、左手に持ち、
ホイルッダも立ち上がり、「王は、お前を騎士に復帰させるつもりだ!!」
「お前が来た時点で分かっているが、帰る前からの契約がある。
王には、私は、もう出ていったと伝えてくれ!!」
肩を掴んで、「どこへ行く!!」
「当てのない旅だ! いつまでも現魔王がいるわけじゃない!
今のゲームも、もう何年もない。それに、魔族から奪い返した
領地での暴動もある。美の里の無い者たちの助けになるのなら……」
手に持っている剣を見ながら、
「その剣は?」
「勇者ツカサから頂いた剣だ! この世にはない素材で出来た、
神剣だ!」
その言葉を聞いて、立ったまま黙り込んだホイルッダを見ながら、
「私は、ミューブル王国の参謀長官に任命されている」
「旦那様……
「敵に! 国を裏切るのか!!!」
鞘から剣を抜き、鞘を放り投げて構え、
「もう、私は、国に捨てられた身分だ!」
「あの戦いで、騎士団は壊滅! もう優秀な騎士がいない!!」
「お前がいるだろう!!」
剣を抜かない私を見て、
「その剣は、飾りか?」
私は左手にある剣を見ながら、
「外に待機している者は、何人だ!」
構えを解かず、更に凄みを見せるなか、
「さすがだな……国はお前が必要だ! 抵抗するなら……な」」
舌を出して、口の周りを舐めまわし、
「その者たちと、全員、相手にしよう」
その言葉に、「え! 俺にも勝てないお前が????」
頷き、外で待機していた者とホイルッダ、そして屋敷に残っていた
者たちと共に、祭りや政を王都の者に伝える場所である広場に赴き、
私ひとり、相手はホイルッダ含めて15人である。
見た所、剣や槍や長棒を構え、盾を所持しているが、魔導士は見えない、
弓で遠くからという隠れている者はいない感じだ。やはり、これだけの
騎士が集まり、私と戦うのを、都の者も見学に来ていて、
「パーセント卿! 私たちに勝てれば見逃すが、負ければ……
「都の人々も、私のことは知っている! 王がなぜ私を
必要になってるか、言え!!!」
集まっている人々は騒めき、私たちを見ながら言い合っているなか、
「ミューブル王国への侵攻で、100万を超える兵が……
すべて、息絶えた!! その場を観測する兵のみが戻ってきたが、
事の真相を話した後、突然、心の臓が止まり、魔導士の回復も効かずに
息絶えた!」と言う発言に都の人々は、更に騒めき、侵攻は勝利したと
言う話で、帰って来ない騎士は、村や街を占領下にしているため、
暫くは帰って来ないと言う話であり、王宮にいる一部の者たち以外には
真相は話されていないので、
「おい!! 今の話は本当か!!!」
「徴兵された、息子は!!」と言い出す者たちに、
「黙れぇぇぇ!!! 集まっている者たちは静まり、
「王は、お前が必要だ! ミューブル王国へ武器を整え、
新たな勇者を召喚し、再度侵攻する! 勇者を鍛えたお前の力が
必要なのだ!!」
私は剣を抜き、「集まっている者たちよ! 私の剣の間合いに入ってしまう。
危険だから、離れてくれ!!」
その言葉を聞いて、距離を取る人々を見てから、
「私を、再度、機会を与えてくれる王に感謝するが、
私は、神ソラス様より、直接、ミューブル王国で、腕を振ってほしい
と言われ、神アケミ様の眷属である勇者ツカサより、この剣を受け取った」
空気中の魔素を吸い込み、剣はオーラを放つように光輝き、
「ま、魔剣か?」
「先ほど言ったが、魔剣ではない、神の剣だ!!」
「神の剣だと…… 私を見ている騎士たちも動揺が走っているようで、
騎士Aは、「神ソラスと言ったか!?」
騎士Bは、「この大陸を見守る、神ソラスに……
真実を話すしかないと思い、
「先のゲームで、神ソラスさまの娘たちが、神アケミさまの眷属たちが
魔王の武器を超え、双方無傷で終了した。私は、その人外の力に
魅了されたのだろう。またその者たちと共に、
生きていきたいと思ったのだ!」
騎士Cが、「双方無傷とは……俺の友も生きているのか?」
私は周りを見渡し、ホイルッダも剣の構えを解き、人々も
私を無言で見つめ、騎士たちも、私の言葉を待っている。
剣を鞘に入れ、
「先のゲームで、勇者や騎士団が全滅は嘘だ!
ミューブル王国で、魔族を超えるために鍛錬をしている」
ホイルッダは私の所に歩み寄り、
「アンデットだが、俺もお前と一緒に参加したが、
弱いだろ!? 神ソラスさまより頂いた武器で……
「そうだ! 武器の差だ!」と騎士Aは言うが、
私は首を横に振った後。
「ミューブル王国は、勇者を、神の眷属の勇者を投入した」
集まってる人々も再度言われた言葉に騒めき、
「魔族側も、我が国の勇者より遙かにレベルの高い魔族を投入した!」
騎士たちは、その言葉に驚き、互いに顔を見合わせ、
「今回のゲームは、魔王の娘! ミューブル王国の
勇者に嫁がせないための戦いでもあった!!」
この言葉を聞き、静寂のなか、鳥のさえずる鳴き声が、川のささらぎが
聞こえるなか、「双方とも、莫大な損害が出たが、最終日までには、
ミューブル王国の勇者、ミューブル王国に降り立った神ソラスの
友人により、双方の死者が復活し、ミューブル王国の勇者に
魔王の娘が嫁いだ!」
沈黙が続くなか、「先のミューブル王国の侵攻で、話し合いもなく、
武力で占領を果たすのみで、ミューブル王国の民を奴隷にし、召喚もさせる。
29か国の家畜にするための侵攻に激怒した、神ソラスの友人により
全滅させられた。私も此処に戻っていたので、詳しくは知らないが……
都の人々は、もう戻らない息子や親、恋人のことで涙を流し、
呻いている者たちを見渡し、騎士やホイルッダを見てから。
「ホイルッダ! 屋敷で言った通り、私は、ミューブル王国で、
参謀長官の職に就いた。魔族から奪い返した領土で苦しむ人々を
救う戦い! 現魔王が亡くなった後の世界の混沌での戦いで、
我々の大陸が、獣族や魔族に支配されない戦いに赴く」
ゲームは永遠に続くと思っていたのか、
「次の魔王も…… と呟く声を聞いて、
「ゲームを開催し、3女神に承認させたのは、現魔王だ!
前魔王の時は、どこの大陸も内戦であり、唯一、統一したのが
魔族の大陸で、魔王の一族が強かったのもあるが、現魔王が、
家臣たちの反対の中、ゲームと言う形の陣取り合戦とした」
この話は、歴史書にも書いてあり、現魔王が世界統一を
する気が無かったのかについては書かれていないが、
ゲームによって、初期は多くの者が亡くなったが、
勇者を召喚するころになると、人族、獣族の被害はゼロで、
魔族側のアンデットが崩れていくのみで、ゲームで人や獣が
亡くなるとは思わなくなり、私も人族と獣族の会議に参加したが、
魔族の大陸に侵攻するにはどうするかと言う話し合いで、
魔族の者も会議には参加していて、現魔王の反対派であり、
現魔王が亡くなれば、ゲームは終わり、契約も解除され、
侵攻しやすくなり、次の魔王候補に力を貸せば、領土の何割かは
得られるだろうし、魔族の大陸を支配下に出来るかもしれないと
言われ、我が大陸のミューブル王国は弱小の国であり、勇者召喚も
失敗し、勇者は追放、騎士団は派遣しない状態であり、勇者たちも
同胞が居ない国で、ゲーム終了後は、魔族を追い出す間に、王都に攻め込み、
現王を退陣させ、29か国が選んだ王によって、より良い国になると言う
話をして、納得させていたが……
「今回のゲームで、魔族の本気の戦力を垣間見れて、
今のままでは、魔族に占領される! 魔族の奴隷となるだろう!!」
騎士の1人が強気口調で、
「お前は、この国の騎士で、魔族に勝てる戦力を創れば、我が国が
この大陸を統一し、魔族をも……
「はっきり言う! 私が、他が教えても、勇者を召喚しても、
魔族には勝てない!!」
私の言葉に、どよめきが起こり、更に、
「魔族に勝てる国は、ミューブル王国しかないが、
この大陸の統一も、魔族の大陸の統一も考えていない!
ミューブル王国に向かって来る者だけを叩くと!」
「国によって考えが違う! だが勝てる理由は!!?」
ホイルッダは、左手で振り払うように動かして言い、
「ミューブル王国には、神ソラス、神ソラスの友、
神の眷属である勇者、その勇者に就いて行った者。
勇者が帰った後、我が大陸を守るために、神から与えられた
力を使いこなすために、今は鍛錬中だ!!」
「だったら、弱小の国より、我々の国で鍛えた方が遙かに良い!!」
「この国のレベルは4番目の強国だが……ミューブル王国にいる
ゲーム後、魔族は留まっているが、共存できるか?」
周りも騎士たちも「魔族など排除だぁ!!」など叫んでいるので、
「私は、共存を求める!」
「魔族にも魂を……
「そろそろ、行こう」
私は歩き出し、集まっている都の人々は、軽蔑の目で私を見ながら
道を開けて、その先に、女性が3人立っていて、
「門の所で待っていたが、来てしまったのじゃ!!」
「ま、魔族!! 全員!! 戦闘隊形!!!」
ホイルッダは剣を抜き、魔族に剣を向け、騎士たちは、集まっている
人々を守るように、魔族に剣を向ける最中、私は跪き、
「神ソラスさまのご息女のキューイルさま、此処まで足を運んでいただき
大変ご足労をおかけします」
「此処まで来る間、街並みを見たが、大変美しい街じゃな」
「ありがたちお言葉」
「お前の妻や息子たちは、母が寿命まで守るそうだ!
安心して、ミューブル王国で采配をするのじゃ!!」
「御意!! 私の心配をくみ取っていただきありがとうございます」
「さあ! 行くのじゃ!!」
私は立ち上がり、キューイルさま、パティーレイスさま、
ダークエルフのミューウエーヴと共に行こうとすると、
「魔族が、神ソラスの娘!! の声が空しく響くなか、
パティーレイスさまの空間転移により、私たちは姿を消した後……
日が落ち、暗闇のなか、私の息子の屋敷に、王自ら乗り込んで、
「我が王国を裏切り、ミューブル王国に寝返った反逆者。
スコーナー・ウエイト・パーセントの身内を全て、公開処刑にする!!」
リ・フレタ王国の王【スワィプ ・リ・ターンイン】が息子の屋敷の前で
告げて、「陛下! 父の失態は、私だけの首だけで!!」
息子のサークレットが跪き志願するが、
「魔族に屈する者など、我が王国の恥であり、この場で同じ息をするなど
論外! 全部差し押さえ、明日の昼に広場にて、処刑を行う!!」
事の成り行きを見ている貴族たちは、屋敷の窓から覗き込み、
騎士たちは、妻や息子夫婦を、子供を縄で縛り、子供は泣き叫ぶが、
気絶され、私の親戚も同罪として、息子の屋敷に連れて来た騎士たちは、
「陛下! 王都にいるパーセント家の者は全て捕まえました!
王都以外にいる者は明日……
騎士の1人が言い、「見つけ次第、殺せ!!」
「御意!
と言って行こうとした騎士は、
「陛下! 神ソラスがパーセント家を守ると言ったそうでは
在りませんか?」と振り向き、
「偽物だ!! 魔族がソラスさまの子などありえんわ!!!」
と言った瞬間、風が起こり、サークレットが目を開けた時には、
王以下が、そこに立つ魔族に跪き、
「「「 パーセント家の罪を不問にし、一切の手出しは無用、
神ソラスの娘、キューイルが命ずる 」」」
「「「「 は、はぁ!!! 」」」」
と叫び、「「「王よ! お前の家族よりも大切に扱え!!
しなかった場合、この国が我が母により滅ぼされると思え!!」
「我が名において、従います!!」
「解散しろ!!!」
とキューイルさまが叫んだ後、王以下、王宮などに戻って行った。
残った者、屋敷から見ている者たちは、この一連の行動に理解不能で
キューイルさま達を見ているなか、キューイルさまが光だし、3つの人影を
形成し、光が収まると、「よくやったな! タツミ! キューイル! ナーナナ!」
と親戚を連れて来た騎士は言い、「ロックがうまく隙を作ってくれたから、
奴隷魔法を掛けることが出来たのさ!」
「ロック!? あ! 師匠!!!」と仮面を取っている
ロックティラの顔を見て驚いているサークレットに、「久しぶりだな!」と
言い終わる前に、駆け寄り、ロックの胸の鎧の上で泣きながら、
「死んだと…… 「簡単にくたばるわけないだろう!!」
ロックティラから離れて、「なぜ? 魔族と!?」
「ああ…… 竜巳さま達を見ながら、
「神ソラスと魔王の子キューイル、魔王の娘のナーナナ、
2人を妻にしたミューブル王国の勇者タツミだ!!」
「勇者って…… 疑問に思っているサークレット、家族、親戚、
屋敷の窓を開けて見ている者たちに、
「サークレットよ! 我が母に変わって言う! 今より、
この国は、お前を王にし、ミューブル王国に挑め!!
お前の父は、超えることを楽しみにしているそうじゃ!!」
「私が…… 「あの……息子が王ですか…… 「無理だろう……
「魔族がこの国の次期王を決める? などが囁かれ、
「詳しいことは、お前の屋敷で……
「は、はい! 師匠!! エールとか持って来てくれ!!」
サークレットは周りにいる召使いに言い、家族と親戚と共に屋敷に
入って行き、周りの屋敷からも人がぞくぞく出て来て、
「どうするのじゃ…… 「これだけの人の洗脳は……
「フッ! こういう時に頼るのが親だろう……
「ダーリン? 「竜巳さま……
竜巳は天に向かって、「駄女神!! カム・ヒアァァ!!!」
叫んだとたん、「誰が! 駄女神ですかぁぁぁぁ!!!」
と竜巳の胸ぐらを掴んで姿を現した神ソラスさまによって、
記憶を消され、「師匠!! 早く、早く」と恋人に向けるように
叫んでいるサークレットに、「あれじゃ! 無理か? 駄女神!
行くぞ!」と屋敷に向かうロックティラに、
「ロックまでぇぇぇ!!!」と怒りながら屋敷へと入って行った。
この後、リ・フレタ王国は、公爵となった
サークレット・フライト・パーセント・リ・プロビデンス
によって、政が行われ、ミューブル王国に戦いを挑むが、
毎回敗戦をするが、ミューブル王国の治療により死亡者は出ず、
ミューブル王国に攻め込む国があれば、協力して撃退した。
「ああ……今日の釣りは、成果なしか……
籠の中を確認しながら呟き、ナマズやフナに似たものを血抜きをして、
紐で吊るしている参四郎の方を見ると
「良いよなぁ、5匹も連れて……
「貝など取ってるじゃないですか?」
「嫌味か!! と言って笑いながら、大聖堂の広場を通ると、
「ミューブル王国に29もの国が襲った! 神が可哀そうだと思い、
使者を降ろし助けた!! それにも関わらず、ミューブル王国は、
神への感謝もなく、教会を建てるわけもなく、魔族を受け入れている!!
我が正教は普及活動を行い、神への感謝と、蛮族の魔族を
ミューブル王国から……
一生懸命に話をする司祭の話を横目にしながら通り、
修道院の前を通ると、俺たちに「こんにちは……
と挨拶する、元勇者遊撃隊のシャルソンに、
「正門の周りを清掃ですか?」
竹ほうきを持ちながら、
「はい! タクさん達は、魚釣りですか?」
俺は、右手から肩にかけている竿を見ながら、
「サンシロウだけ、と参四郎の方を振り向き、
シャルソンも参四郎の吊り下げている魚を見ながら、
「2人で食うには多いですね?」
「冷凍魔法で固めますが、屋敷には5人いますから」
と参四郎は言い、クスっと笑うシャルソンの左手の薬指にある指輪が
光で当たって輝いていて、
「もしかして……
頬を染めながら、「はい! 婚約しました」
「で、でも…… 修道院に入っているので、結婚など出来ない
と思っていたので、参四郎は言い出したが、
「私は見習いなので……父や母は反対しましたので、
家族の縁を切って……
俺たちは、その言葉を聞いて、
「す、すごいですね!
「で、相手は?
「い、言えません!!!
と言いながら修道院の建物の中に入って行った。
「もう! 言えないならするなって、言ったのに!」
と呆れる感じで言う、元シン・ケイサム海洋国の勇者ショウコに、
「で、相手は?」
「本人が、タクたちに言えないのに、私からは言えないわよ!」
と左手を見せびらかすように言い、俺は、
「ショウコさんの、相手は?」
「知ってるでしょ! ツにカにサよ!!」
言い終わった後の、ものすごい可愛い笑みを見た後、
「それじゃ、俺たちは」と言って立ち去ってから、
「ああ……1人くらい分けてほしい……
俺の言った言葉に対して、
「でも……元の世界に帰れば、無職で、無収入で、親だって……
「それまでの良い夢を見れるならいいだろうよ!
ああ、捨てたい!!!」
笑いながら話しながら、屋敷へと向かう間、俺は、
ミューブル王国の勇者ツカサ、最強の勇者で、3か月前の
人族対魔族の戦いを勝利に導き、更に、29か国の連合軍を
ツカサが仕えている神によって全滅させ、ミューブル王国に
残りたい者たちは、各国の王などの記憶を変え、魔族との最終決戦に
備えている。
俺たちは戦力外通告され、この王都で生活をしている。
だが……
「どうしたの? 暗い顔して?」
「魔王と戦いたかったなぁと……
「僕は、もうこれ以上、魔族を殺したくないから、
この状態に満足してるよ!」
「そうか……ツカサみたいに力があれば……
「この世界で力があっても、戻れば只の人だよ!」
「そうだよな……元の世界に戻って、ハーレム作るために
動画サイトで、魚料理の動画をアップして稼ぐぜ!!」
「協力するよ! 明日も魚釣りで、捌き方の練習だね」
「おう!! 200人目指すぜ!!」
元の世界に戻った数年後、つかさがハーレムを作っているのが分かって、
光悦と共に、「俺たちも異世界で冒険者を! ハーレム作らせろ!!!」
マスコミのインタビューに答えている岩崎恭子の所に乱入して、
岩崎恭子に詰め寄って吠えた後、
「大型連休の後には、ゲームのやり過ぎで出てくるのでしょうね」
と言われて、家に帰ったら、親にめちゃくちゃ怒られた。
ようやく、第1部が終わりました。
美里の呪文、一発で終わるゲームが長かった。
そうね……北条君は109人と、松本君は2人と結婚おめでとう。
まあ、俺たちのことは、天理や岩崎が何とかするだろうけど、
女にされるとは思ってもいなかった。
そうね……美人だし、ずっとでも、いいんじゃない?
女同士で……
出来る国もあるし、国籍を変えるのは簡単だからな。
面白がってるだけだろう、お前ら!!
次回
第2章のキャラクター紹介
魔族の方が、最初の方に書かれてるね。
クラスメイトになる方が多いからな。
年とかどうするんだぁ!
明美の力で、俺たちと同い年にするさ!
と言っても、担任の娘たち3人しかしないけど。
気が付いていたの?
ああ……魔王がナルエの父親と分かった時点でね。
いつも、俺ばかり当てて、宿題は多いわ、進路で冒険者って書いたら、
娘をお前なんかに任せれるかって言った時は、誰かと勘違いしてるかと
思ったけど、分かって納得した。
わぁ! 帰ったら、授業でって……変わらない?
変わらないが、弱みになるネタを集めて、反撃したるぅ!!!




