76話 嘘でしょ!……
いよいよ最終日、屋敷から見えるキューイル様が住んでいる
丘台の屋敷に目を向けると
キューイル様と竜巳との婚約の御祝に集まった人々の声が
私の耳に聞こえて来る。
「うぅむ、魔王陛下が認めても……
白ワインの香りを楽しみながら呟いていると
「次期、魔王候補が黙ってないですか?」
ヨウケイいや、父上が私に聞いて来るので、
「はい、キューイル様の相手は人族です。
情報では、キューイル様に……
ルービュークス・ウーマルチィーからの情報で
キューイル様を第4王子、第9王子は妻にしようと
動いているという話だが、キューイル様が選んだ相手は
人族である。
「心配することは無いでしょ、あなた」
私の妻の1人【スマージャ】が私の本を何冊か持って
歩きながら言うので、
「相手は人族だ! そ、それに、男に見えるか?」
「魔王陛下が次期魔王と決めたのは容姿の為ではないでしょう」
此方も本を何冊か持って歩きながら妻の1人【エリシャーラ】が
言うので、
「魔王陛下は娘を得たと……次期魔王……
「太陽界では圧倒的、他の界でも上位に入る程の
アイドルですから、魔王になっても人気の面では……
魔王陛下が言っていたことを告げると
妻の1人【モルモーラ】が私の書斎の机を持ちながら
私に話しながら歩いているので
「それをどうする?」
「捨てるんですけど」
私が騎士学校に入る時に母上に買っていただいた机を
書斎から持ち出しているのでモルモーラに聞くと捨てると言うので、
「書斎で魔王陛下の大事な娘さまが住むと言って
捨てることは無いだろう!!」
「置き場所あります?」
「応接室に置けば……
魔王陛下の前世の娘で此の世では直接の血の繋がりは無いが
魔王陛下は自分の娘として秘密裏に警護を付けていた。
挙句の果てに娘の両親の家は魔王家御用達の裁縫屋として
商いをしている。そこからは特殊な糸を使った服が作られ、
魔族の正装のビキニなどに採用されている。
その糸は神ゾウラスト、いや神ソラスが提供している。
神ソラスは裁縫屋の養女として居座り、
商業ギルドのマスターもしている。
その糸自体は商業ギルドで売られているので
誰でも購入可能だが、その糸を使って仕立てる工程が難しいので
その糸を使っての商品は神ソラスを養女にしている裁縫屋だけである。
魔王陛下、神ソラスは前世の娘の為に、娘の両親の為に
他の裁縫屋のことなど考えずに援助した結果、
ほとんどの裁縫屋が前世の娘の転生して生まれた両親の
裁縫屋の傘下に入っている。
その娘【サラウェル・フラング】が我が屋敷に住むことになり
何処の部屋を提供するかで決めたのが私の書斎であった。
今日の夕方から住むことになり、今は私の本、本棚、机などを
第2応接室に運んでいるのだが、私がモルモーラに置けるからと言うと、
「応接室に合ったサイズを購入しますから」
モルモーラは軽く持っている机では応接室に似合わないので
神界で購入すると言うが、それは私の
「母上が!!」
「モルモーラさま、旦那様の亡くなった御母様の大事な品。
捨てずに御願いできませんか?」
叫びが、父上を動かしてモルモーラに告げるが、
「その母上さまから許可を貰っています」
モルモーラの言葉にエッとなる私たちに
「魔族の大陸の貴族が貴方に会いに来るんですよ!
大事な机とは思いますが、次期魔王の片腕となるのですから
机1つでも格下の物を見せてならないんです!」
更に言うので、
「そうだが、来るのか? 此の左遷場所に!!」
キューイル様が魔王候補なのに今まで誰も来ていない。
商人、行商はミューブル王国と貿易をしているので来ているが……
だから、母上に買っていただいた机は捨てることは無い。
母上は地下の棺桶安置場で安らかに250年後に他界する為に
寝ているのをモルモーラが起こして許可を得たと言っても
捨てるなど許しがたい!
それに人族の大陸に居る我々は魔族の大陸から見れば
落ちこぼれである。私も魔王陛下、神ソラスが此の地で
娘が過ごしやすいように開発してねと言われて渋々承諾した後に
私を亡き者にしようとして偽の魔物討伐の為の隊に私を参加させて
頃合いと見た仲間に殺されかけたりしたくらい人族の大陸に行くなど
私の国にとって恥であり汚点となる行為である。
その為、ニコール家からも破門になり、
妻たちも家から破門を言い渡されて来ている。
父上と母上は上記のことを夢で聞いているので一緒に来てくれた。
父上は家督を私に移すと同時に執事として私に仕え、
母上は棺桶に入っている。
その為に、魔族の支配下にあるとはいえ、
人族の大陸に行くことは下等動物の仲間になると言う烙印を押され
地位など何もかも失うものである。
が、アレタさまは魔王陛下の妻の1人の妹の娘なので
特別となっている。
アレタさまの祖母であるパレスさまが此の地で余生をと言って
来ている為に第4王子、第9王子の側近が来ているが、
私の屋敷には来たことが無いのだよ!!
だから、机は捨てるなと
「応接室に置く!!」
モルモーラが持っている机を取り上げて言うと
「重いですよ」
モルモーラの言葉通りに私の体以上にある机の重みで
床に倒れた私は
「軽いと思ったのが間違いだった」
机を持ち上げて床に降ろしてから、モルモーラが簡単に
持っていたから力入れずに持ったのを後悔しながら言うと
「捨てれる時に捨てた方が良いんですけど、応接室に……
モルモーラは捨てるのを諦めたようで第2応接室に
運んで行ってくれた。
私は壁に掛かっている時計を見ると午前7時で、
朝食はと入り口の扉の方を見るとメイドがパンなどを
用意しているので作業しながら食べるかと歩き出すと
玄関の方からドアノッカーが叩かれている音がするので
玄関に行って扉を開けると
「朝早く……
港町ロブシェリルを守る護衛騎士団の団長
【トップコット・ギ・クライトトップ】が朝早いので
済まなそうに告げるので、
「5時起きで部屋の片づけをしているから気にするな」
私が屋敷に招き入れると、トップコットは脱いだコートを
メイドに預けた後に私と共に第1応接室に着くと、
「今日からだったか?」
応接室に置かれた荷物などを見渡してサラウェルさまが
住むのだと思いだして後にすればと後悔している感じだったが
「ソファーに、何か飲み物を」
私がソファーに座るようにトップコットに言うのに続いて
メイドに指示を告げた後に
トックトップはソファーに座り私も向い側に座ると
「息子の結婚のことだが……
「ようやく縦に振ったか?」
「親より先に逝く人生を選び取ってな」
副団長をしている息子のタックトップ・リル・クライトトップと
花屋の娘との結婚に許可をしたことを私に告げるのを聞いて、
私から見ても相性が良く、娘はタックトップを支える女性だと
思っていたので喜んで言うと、トップトックは魔族と人族の
寿命のことを言うので、
「私に別れさせるようにと言っていた貴方が……
港町【ロブシェリル】で魔族と人族との結婚はあるのだが
寿命で悩んでいる者が多い。人族は100歳、魔族は500歳と
差が大きいので、大抵は人族側が寿命で亡くなった後に
再婚してねで結婚に踏み切るが、タックトップの場合は
娘が亡くなったと同時に死ぬと言うので
トップトックは反対をしていたが、
「魔王陛下とソラスさまの関係でな……
フッと笑って言うトップトックを見ていると
ポットに入った紅茶を運んで来たメイドが
私たちの前にあるテーブルに木のコースターを
置いてからカップを其処に置いて、ポットからカップに
紅茶を注いだ後にポットをテーブルに置いてから
私たちに御辞儀をして作業の方に去って行った。
私たちは少し紅茶を飲んでから、
「聖女のことか?」
「あぁ、魔王陛下の前世、今世、来世を見てな、
息子が娘の後を追って亡くなった後に
転生した息子を探して鍛えることを条件に……
「ソラスさまが?」
「許可を得た! 魔族じゃなくてもな」
人族側が召喚した聖女【ナルエ】は魔王陛下の転生後に
神ソラスと出会い結婚をして生まれた子である。
私たちはサラウェルさまの件で驚いた時以上に
驚いたことである。つかさに嫌がらせをしている
魔王陛下を見ると、来世のことなのに聖女の心配をしている
親バカぶりが微笑ましい。
神ソラスが魔王陛下の前世、今世、来世と追いかけた結果であり
神ソラスが時空を超えても魔王陛下と離れたくないと言う結晶が
前世の娘が亡くなって転生したサラウェルさま、
魔王陛下として神ソラスとの間に生まれたキューイルさま、
魔王陛下が亡くなり転生して神ソラスの間に生まれた聖女と
此の地に3人が揃っている。
時空を超えた家族愛を形成している光景を
トップトックは自分に照らし合わせて息子のタックトップに
親より先に死ぬのなら息子の転生後も息子として付き合いたいと思い立って
魔王陛下と共に居る神ソラスに聞いたら許可を得たので
満足しているようだ。だけど、
「息子を束縛か?」
「いや、頼りにしてほしいと」
「転生後の両親が居るだろう?」
「それでもだ!!」
転生後も前世の親に何か言われるのは嫌だろうにと言う感じで言うと
トップトックが揉め事などがあれば頼りにしてほしいと言うが
転生後の両親を頼るだろうに普通はと言うと
転生後の両親より私を頼れと語気を強めて言うので
呆れて、
「その条件を飲んで結婚を認めもらう方も
貴方に転生後も親子でいたいのか?」
タックトップが条件を飲んだことについて
親子の縁を切りたくないほどトップトックを
親以上に見ているんだなと思って言うと、
「あぁ、そうだが……
本棚を運んでいるモルモーラをチラッと見たトップトックが
「結婚の報告なら朝早くは来ないのだが……
紅茶を少し飲んで更に言うので、
「モルモーラに用か?」
「あ、エっとな、神なんだろ?」
私がモルモーラに用事かと聞くと
最近になって知ったことを言うので、
「そうだが、神だが……
肯定を言うと
「ルービュークスをどう見る?」
今日の夜からサラウェルさまと一緒に寝泊まりをする
美里の眷属となった後にサキュパスなので見た目は変わらないが
若い生気に満ちた女性になっているので
「迫られたら抵抗は出来ないな」
「そうじゃなく、ミサトは神の眷属なんだろ!
その眷属が眷属にしたから若く、強くなっただろ!!」
誘惑されたら奥さんが居ても不倫するなぁっと
思って言うと、トップトックは違うと言って
美里の眷属になったからであり、その美里自身も神の眷属なので
蘇生など普通は在り得ないことが可能であると叫ぶので、
「眷属化ですか?」
モルモーラが此方に来て聞くので、
「そうだ! 貴方の眷属になれば……
モルモーラを見ながらトップトックが言うと、
「なって、どうするんです?」
「し、サー、ツカサを越え、サラと言ったか
超えたい!! 上がいて目指す者が目の前にいる!!」
動機はと聞くモルモーラに熱く語る
トップトックに
「強くなって、どうするんだ?」
「超えたいとは思わないのか!?」
ポットの紅茶をカップに注ぎながら
「規格外と争う気は無い」
「四天王だろ!! 神が御前に付いているんだ!!」
強くなる気は無いと言うと、トップトックがモルモーラが
選んでいるのは魔王陛下ではなく私だと言うので、
「魔王陛下には神ソラスが付いているが」
「だから! 魔王陛下は歴代で最強だ!!」
神が付いているのは私以外にも居ると言うと
魔王陛下の前の其の前の魔族の大陸を統一した初代魔王陛下が
歴代最強と言われるくらいなので、魔王陛下がどれだけ強いかは
レベルが高くても実際の強さは分からないが、此処は
トップトックの言葉に乗って
「魔王陛下を超えるために眷属か?」
「そうだ! まずはツカサを! 次はサラを!!
モルモーラ! 頼めるか!!?」
魔王陛下を超えるならモルモーラが言うレベルの上限を
超えるしかない。そのためには神の眷属になるのが最適だが、
トップトックに越えたい理由を聞くと
さっき言っただろうにと叫んで
モルモーラに睨んでいると
「ひとつ聞いていいですか?」
「あぁ……
「天の勇者は?」
今回のゲームを終わらせた
人族の1人の二つ名を言うモルモーラに
「ま、まずはツカサだろ」
「なぜです?」
「インチキするようなものは……
トップトックが光悦はフェニックスを鎧にさせて戦うから
論外と言うが、つかさと共にゴブリン部隊に突進した時は
フェニックスの鎧は着ていない。それに天空からの隕石落としを
敢行できるほどの意志の強さもある。
ようは、本能的に光悦とは戦いたくないと言っているなと
フッと笑っていると、咳払いするトップコットに
「フェニックスをテイムする者が、私の記憶でも、文献でも、
初めてですから、其れだけ強いと言うことですよ」
説明は要らないのにと私たちは肩を動かしてモルモーラの言葉に
笑ってから
「お前とは?」
「本来の力なら無しでも勝てません」
「あなたでも……
私がモルモーラに聞くと、光悦はフェニックスの力を借りなくても強く
偽りのレベルじゃなく本当のレベルならモルモーラでも対抗できないと
言うのを聞いてトップコットは冷や汗を掻きながら呟くと、
「此の世界のカンストのレベルは100ですが
つかさたちは越えて来ています。
私も本来はレベル300ですが
光悦はレベル500
未来から来ている沙良のレベルは
その上……
モルモーラの本当のレベルを言うのに続いて、光悦の、
沙良のレベルを言うのを聞いて恐ろしくなる。
私のレベルは40である。
レベル40以上になると王子、王女、魔王陛下のみとなる。
なので、私のレベルは魔族としても最高レベルと言える。
トップコットはレベル35なので高い方だが
魔族の中では普通である。私以上の者となると
表に出ていない者たちだろう。
騎士団に入っていない者になるが、キューイルさまのレベルには
行っていないだろう。
私と同レベルは知っている中で獣族の勇者がレベル40だが
私の敵ではない。経験は私の方が上なので……
だが、昼から行われる未来の沙良対つかさの戦いは
誰もが未来の沙良の勝ちと思っている。
私でさえ未来の沙良には勝てないと思えるほどの
強さを感じるが、未来の沙良は天の勇者に負けている。
負けた理由は、急に近寄ってきた天の勇者に戸惑い
天の勇者に軽く触られただけで昇天してしまい、
其の後、気持ちよく気絶した。
つかさも同じ手で行くかもしれないが
旦那では無いので効くかだな。
この戦いは賭けの対象になっているので
私は何方に掛けるかをモルモーラの話を参考に考えていると
「それは、アケミの眷属だからか……
「眷属になってからのレベルの成長は早いですが
鍛錬してますから」
「そうか、で、貴方の眷属に!!」
「ごめんなさい、私では貴方の寿命を此の世界の
魔族の限界の寿命まで引き延ばすこと以外は出来ません」
「どうしてだ?」
「私には下級準眷属のスキルしかないので。
強くなるなら上位準眷属、眷属のスキルを持つ者に
頼むしかないわ」
トップコットはモルモーラと話しているのを聞いていると、
モルモーラ自体には魔族を眷属化をしても、
つかさ並みの強さには出来ないと言うので、
「此の世界に来てる者で……
「明美、美里のみね」
「だったらミサトに頼めばいいのだな」
「ルービュークスを眷属にしてますから、ただ……
「ただ?」
「男を眷属にする気は無いと思います」
「男の方が良いだろう! 女より強い!!」
眷属化が出来る者はと聞くトップコットに
天の勇者の恋人か其の恋人が好きな女性を言うので
そうか、今日から此処に寝泊まりする女性は人族なので
嫌だったが神ソラスと同等の人物になるのか。
モルモーラの言葉で改めて思った後に、
確かにルービュークス率いる隊の全員を女性は眷属にしている。
女性、いや美里は眷属にした理由をモルモーラから聞いたら
明美と絡む時の経験が豊富な方が良いからと、ルービュークスたちを
気に入ったからと、だが、女性では男性に比べて力が弱いので
トップコットは男の方が優れていると吠えているが
キューイルさまのことを忘れているなと思いながら紅茶を飲み干して
まだポットに残っている紅茶をカップに注いでいると、
「結婚を意味するんですよ」
「そ、そうか、私は妻以外は……
美里が男性を眷属化する場合は結婚を意味していると言うので
確かにルービュークスたちは女性だが美里に惚れているので
結婚と言えばいえるか。つかさ達を明美の準眷属と言っていたので
従者、家来を意味するのだろうか。
結婚は出来ないと言うトップコットは
「他の方法は?」
「薬がありますが魔法での詠唱より下ですし、
人間を眷属にするより神界でパートナーを
見つけてパーティーに加入させた方が
良いので眷属化は廃れています」
モルモーラに他の方法を聞くと薬があるが
魔法での眷属化より劣り、人間を眷属化するより
神界で神族を募集したほうが良いので廃れていると言う。
だが、つかさの力はモルモーラ、アドラーに匹敵するので
眷属になってからの鍛錬があっても廃れる理由が分からない。
「ツカサたちは……
「明美は神界の人と組むより人間と組む方を
選んでいる珍しいタイプですよ」
トップコットも廃れたにもかかわらず明美が人間を眷属にしているので
疑問に思ってモルモーラに聞くと、神界の住人より人間を選ぶ
明美は珍しいことであると言う。後から聞いたら
眷属化には眷属、準眷属とあり、準眷属は上中下と分かれている。
眷属化をする理由の多くは気に入った人間が天寿を
全うしてほしいと言うのが大半らしい。
眷属は結婚、準眷属は従者か友達と言った感じで、眷属は転生しても
眷属をした者の相手として付き添って行くが、準眷属は転生したら
其処で眷属は解かれて普通に戻る。
眷属の力は眷属にした者の力によって変わるが余り強くなく
使い捨ての駒レベルであるので上記のように廃れているが
天の勇者【コウエツ】は明美の眷属でモルモーラを遥かに超える力を
眷属化によって得ているが在り得ないことであるらしい。
これを知ったモルモーラの上司は調査をして明美の眷属者は
神扱いになっている。竜巳たち準眷属は上記の天寿を全うしてほしいのと
怪我がないようにという感じであったが準眷属になった時にレベルは
3倍になり成長も早い。これもモルモーラの上司が調査して
今まで別れていなかった上中下に別れて上は神扱いとなった。
「なぜ、アケミと言う者は人族を?」
「神界で生まれていないこと、下級神で女性なので
パートナーを組む者がいないので……
「アケミは相当レベルが高いと思うが?」
「冒険者をしてますが成果を上げても
手伝った者が居るからか、奇跡で成し遂げたとしか
見てくれません」
トップコットがモルモーラに明美について聞こうと探りを入れながら
問うが、モルモーラの回答は階級差別、性差別の為に人間を眷属にしている。
だが、明美はアドラー、モルモーラと仲がいい。
アドラー達は明美の眷属になれば天の勇者以上になれるのか。
そんな疑問が浮かんだので、手始めに
「それは、下級神だからか?」
「そうよ、あなた」
モルモーラに聞くと、下級神と言うだけで
差別を受けていると言うので、
「モルモーラ自体は?」
「下級神と言う殻を被った化け物。
試練の塔など無しに人間を神の域に
到達させる力。
私は創造神と見ています。
新たな神界を創造する……
モルモーラが明美をどう見ているか聞くと
私の想像を超える答えを言うので、
苦笑いするしかないが、
「眷属になる気は無いのか?」
モルモーラに聞くと、
「眷属は人間に対して……
「神同士は?」
「前例が……
「してみたらどうだ?」
明美の眷属にならないかと聞くと、眷属は神と人間の
契約行為であるので、神同士では行えないと言う。
天の勇者が本当の力がレベル500。対するモルモーラが
レベル300であるので明美の眷属になれば
レベル500は行くだろう。
前例がないだけで、神同士の眷属化は出来ないはずはないので
モルモーラに尋ねると
「あなたを捨てて明美にですか?」
「え、そうなるのか?」
「冗談です」
「そ、そうか……
私を捨てると言うのでビクッと驚いていると、
モルモーラが舌を少しだけ出して笑っているので
安心していると、
「もう一度ききますが、つかさを越えたい為に?}
「そうだ、それに此れからは更に強い勇者が来る!!」
「つかさが嘘を言ったことを……
「そうだ、だから此の街を守るために、超えるのはついでだ!!」
モルモーラがトップコットに再度聞くと、
つかさの一言で追加された人族側の生贄を使った召喚で
最初からレベルが高い者が来るからと言うので
私がクスッと笑って
「笑うな!!」
「逆だろ!!」
図星を言ったので、赤面しながらトップコットが
「いいだろう、アケミに頼んでみる!!」
「明美はオジサマ好きですが、貴方はタイプじゃないので
無理でしょうけど」
「だったら、薬で……
「此の世界のカンストの100までなら……
明美に願うと言うが、モルモーラが明美の好みを言うと
トップコットが薬でもと言うが、
モルモーラが薬ではレベル100は超えないと言うので
決意したトップコットはソファーから立ち上がって、
「ダメもとでアケミに……
私たちに告げて屋敷を出て行った。
玄関ロビーでモルモーラに
「何しに来たのか……
「あなたが眷属になっているかもと」
トップコットが息子の結婚報告、明美の眷属になるぞと
昼からでも良い話を朝早くから聞かされた。
結果的には結婚報告以外は本人が決めることである。
朝早く来たのは、私がトップコットより先に眷属になっているかを
確認する為だとモルモーラが告げるので、
「なぜだ?」
「此の街の、キューイルを守るためには……
「新たな勇者が魔王陛下のレベルを超えるとは思えん」
理由を聞くと、港町【ロブシェリル】を、キューイルさまと言うが
魔王陛下より強き者は居ない。この世界ではレベル100を
超えることは無い。それに私だって鍛錬はする。
いくらレベルが高かろうが経験の差で私が圧倒する。
意気揚々とモルモーラに告げるが、
「分かりませんわ、明美が来年、魔王陛下によって召喚されます」
「? 今まで伸ばしていたのがって、アケミを?」
「本来、来る者と変わって……
「ツカサたちのようにか?」
「えぇ、ちょっと……
今まで先延ばしていた魔王陛下の召喚の儀が行われると
モルモーラが告げるので、召喚の儀は3人を呼ぶ為の
詠唱を唱えるが、人族側の事例で何時でも3人とは限らずに
1人、5人、10人と呼ばれることがある。
人数が少ない方が強力と言う報告が上がり、魔法陛下は1人を
確実に呼ぶ為に研究をしていた。
その召喚で呼ばれる相手が明美と言うので、
魔王陛下に就くのは良いけど、万が一、誰かにそそのかれて
このロブシェリルに攻め込まれたら不味いなと思っていると、
つかさ同様に来ると言うので、モルモーラが私の耳元で言う内容に、
「そんな奴がって、タツミと比べて……
「弱いですが、竜巳や明美と違って神界を恨んでいます。
魔王が亡くなって戻った時に能力が其のまま
残ります。それがどれだけ恐ろしいか」
「召喚される前に……
「えぇ、そうです。その為に明美が入れ代わって来るのです」
「……回避するか」
竜巳の服従魔法と比べても影響は弱いので
相手にするレベルではないと言うが
魔法陛下が亡くなって帰還した後に召喚で得られた
スキルが残るのが問題だと言うことで、召喚される前にと言うと
明美が代わって来るとモルモーラが告げるので
安堵して言った後に、此れから人族側が生贄を使った召喚で、
モルモーラが危惧するような者が来る可能性は高いはずなので、
「そうか、アケミ以上の者が来る可能性はあるか……
「私の知っている限りではいないですが」
モルモーラに聞くと明美以上の者はいないと言うので
確かにいないなと思う。なぜかと言うと、モルモーラが
つかさとは戦ったが明美とは戦うのを避けているのもあるし、
トップコットと共に聞いた創造神と言う言葉で
其れ以上はいないのは確実だ。
今日から敵に回したら行けない者の眷属が
「屋敷に住むから見極めるか……
どんな奴が人族側に召喚されようが
明美の、いや、美里の眷属になれば、モルモーラが言う
此の世界の上限のレベル100を超えて対抗できる。
トップコットのようにと言葉も発していたので、
私を覗き込むように見ながら
「あなた、気に入ってるのですか?」
「どうかな、怪我をした、重傷を負った者たち、
死んだ者たちを蘇生させた姿は……
モルモーラが変ことを言い出すので、美里の評価を言うと
「時間はありますから……
「第4婦人か? アケミ好きを好きになれるか……
モルモーラが美里と結婚を考えてと言うので、なぜ、そこまでと
思うのだが、4人になると魔族では4番目になる者がトップになるので
3人だと揉め事も無いが4人だと誰がトップかで揉めるので
実は、4人目を娶っていなかったりする。
私は3人を愛しているし、私にとって3人を同列と見ているし
4人になることで良好な関係を崩したくない!!
だが、モルモーラの口振りから、美里とは結婚するようだ。
それを3人は受け入れるのか?
それよりも、明美好きの女を好きなれるのか?
まずは、美里と言う人物を良く見ることだなと思って、
「2番目は嫌だが……
「貴方が私たちを同列に見てるように、美里も貴方と明美を
同列に見てくれるとは思いますけど」
「本当か?」
「さぁ?」
1番になれる可能性を探るつもりで言うと、モルモーラは
同列にはなれると言うのが、私は無理だと思うので聞くと
分からないと言うので、私たちはフッと笑ってから
柱時計を見ると、時計の針が10時半を指している。
昼からは会場に行く予定なので、書斎からの第2応接室に
荷物の移動を終わらせるためにモルモーラと共に
書斎に向かいながら、美里は明らかに明美に一途であるので
私を好きになることはないのに、モルモーラの口振りでは
私のことが好きなようなので此の屋敷に住むことになる感じだが、
美里と私は会話をほとんどしていない。
モルモーラ以外の妻たちは親の薦めで出会って
直ぐに結婚となったので恋愛感情は結婚後から育てて行って
今に至っている。つまりは、魔王陛下、親のように
この者と結婚しろと言うことである。
モルモーラは神であるので魔王陛下より上の存在なので
聞かなければならないんだが、モルモーラのように肌の色を
魔族側にしてくれれば……
トップコットが結婚に賛成したのは
人族である明美、美里の眷属になる為には
必要だったからだろう。私にも種族を越えて
眷属にならなければ新たな勇者に対抗できないぞと
忠告のために来たことは嬉しいが、
その覚悟がまだ私には無いので
美里を観察して好きになるところを探すことだろう。
第2応接室に移動する物が終わった書斎を見渡しながら
「さて、ベットは何処に置くんだ!!!」
ベットは置かずに床に直接マットを置くと言うので
書斎は土足禁止となり、なんか、美里の屋敷みたいで
何か嫌だなぁと思いながら、私が描いた絵が入った額縁が
壁から掛けているのを見つけて第2応接室に運んで行った。
観客スタンドを見渡しながら軽くホットドックを食べていると
「旦那さま」
俺を呼ぶローズマリーに食べるのを止めて振り向くと、
「勝てるか?」
心配そうに言うので、
「勝てない……
はっきり言う俺にナルエたちはテーブル椅子に腰かけて
サンドイッチなどを食べているのを止めて
俺を見ているので、
「……傷をつけれるか」
「それほどの? 天の勇者は……
心配そうに見ている皆に沙良に振れれば良いくらいで言うと、
椅子から立ち上がってキアリーが沙良に勝った光悦のことを言うので
「旦那だからな……
言いたくないセリフを言う俺を見ながらナルエたちはクスッと
笑っているのをキアリーが睨んだ後に、
「賭けの対象に……
なぜか賭けの対象になった俺と沙良との戦いに
「沙良に賭けるだろ! 俺には……
明美が俺か沙良の勝負で、どちらが勝つか賭けた者が
賭けに勝った場合は明美の中位準眷属にするという
掲示板が朝に立てられて読んだ者は100%沙良に賭けている。
さすがに、ナルエたちは俺と同じ上位準眷属になるので
此の賭けに参加していない。
ありす、零を取り戻そうとしている圭一たちは沙良に賭けている。
「さすがにゼロでは……
その声の方を向くと、片足だけ素足を見せるジーンズを穿いている
明美が来ながら言うので
「俺に賭けるのか?」
「そう、鉄貨2枚もはたいて!」
俺たちの世界で200円も無駄にするんだよと
お金持ちの明美が何を言ってるんだと思いながら俺に賭けるので
賭けは成立した。
「俺に賭けるなら、俺が勝てるのか?」
「ない! 絶対!! ない!!!」
明美が俺に賭けるのは、明美には未来視のスキルがあるので
滅多に使わないが使用してくれた結果だと思ったので聞くと
速攻で勝てないと言うので、
「俺たちの世界の全国家の予算を軽く超える御金持ちが
200円も賭けたんだぞ! 勝てる可能性は!!」
200円が勿体ないと言う明美に嫌味を含めて言うと
ナルエたち、魔王が驚くように口を開けて固まり、
駄目神がフフッと笑った後に、
「フッ、明美ちゃん勝てるの?」
明美に駄目神に聞く言葉で金縛りから解放された酒樽が
「おおおおおお!!!!!
雄たけびを上げてから、
「娘は、いくら貰っている!!?」
おい、酒樽、竜巳のことを娘と言うなと
苦笑いしていると、
「私からの給料?」
「そうだ! 年収だ!!」
明美の準眷属の竜巳の給料を聞くので、答えたら良いのと
俺にチラッと明美が見るので頷くと、
「金貨120枚だけど……
「此奴は?」
明美の言葉によって、酒樽が失望感を覚えながら
俺の年収を聞くので
「金貨12枚だけど……
その言葉にナルエたちも此れからの俺の御金使い放題と
思っていたのが一般年収より少ないのでガッカリしているので
本当のことを言わないでおこうと俺が思っていると
「あなた、竜巳ちゃんの年収が気になるんですか?」
駄目神が酒樽に聞くので、
「老後だ! 2、3千万は要ると聞く!!」
「老後って……
酒樽の言葉に呆れた明美が呟くので、
「転生後! 春奈の御金で老後を過ごすわけにはいかない!!」
「お父さん……
魔王としての死後に転生した俺たちの担任の
老後を竜巳の御金で過ごすと言うので
ナルエも呆れて呟くと、
「あなた……
駄目神が私を当てにしてという感じで呟くと、
「前世も御前に頼った! 今もそうだ!!
来世も御前に頼るのは男として恥だ!!」
酒樽の話を聞いていて、駄目神から竜巳に変わっただけで
ヒモ生活かよと呆れていると、
「ツカサ! お前は120万で
ナルエたちを養っていけるのか!!?」
俺たちの世界では此の世界の金貨1枚が10万円なので
俺たちの世界での金額で酒樽が言うので
「十分でしょ!!」
速攻で言うと、ナルエたちもエッとなっていて
「総騎士団長の妻なんだから、ドレスとか要るでしょ!
給料は上げるけど……
明美が嬉しいことを言ってくれるが、
「ソリュートでは仕立てないから」
「結婚するんだから、総騎士団長としての
給料に……
俺たちの世界の服屋で買うから問題ないと言うと、
ソリュート王国にほとんどいないので
金貨1枚で良いと言っていたが、今回、ナルエたちと
結婚することになってしまったので、明美が正規の給料を
出すと言い出すので、
「それじゃ、110枚で!」
その言葉に酒樽が、
「おいおい! 1440万円か……
嘆くように発した後に
「ナルエ! 別れなさい!!
109人とアレタを養っていけない!!」
俺との結婚を御金が無いので別れなさいと言う酒樽に
フフッと笑っている駄目神が本当のことを言わないように
明美が念話で話しているようだ。
「此の世界で過ごせば、お金はかかるものではない!!」
ローズマリーが言うので
「ゴブリン達の様に村を作るということか?}
「そうだ! 施設などは神界から
買って来ればいいと思うが」
人族対魔族のゲームに参加したゴブリン達は死んだことに
なっているので、港町【ロブシェリル】近郊に
村を作ることになっている。
建物などは近場の木々を利用することになっている。
足りない物は神界で買うことになっているので、ローズマリーは
同じようにすればいいと言うが、
「親父の後を継ぎたいから……
「魔王が亡くなった後は我々を残して……
俺は親父の電気店を継ぎたいので此の世界には留まらないと
言うと、悲しい顔でローズマリーが話すが、ありすとの特訓中でも
話したことを
「俺の世界で全員とな」
「でも、お金が……
告げると、キアリーが、俺の収入では過ごせないと言い出すので
「住む場所は昨日きまったから」
俺の言葉を聞いて、ナルエたちは今後どうしようかと考えてるのを
明美は俺の方を見てクスッと笑っているので、
「念話がタダ漏れ出来なくなって良かったよ」
明美の耳元近くで小声で言ってると、
観客スタンドの方からマイクを通した声が聞こえ出したので
その声を聞くと、俺が御金が無いので酒樽と揉めていると
圭一が嬉しそうに喋っている。
実況席で浩二と仲良く喋っているのを見ていると、
「住むと言っても……
仁美が心配そうに言い出すので、
「来年に会社を建てるから、拠点になるところで住んでもらうよ」
「そういうこと! 共働きで!!」
岩崎が来年に親の子会社を継ぐと言う形で独立した会社を建てる。
実際は岩崎が自分で会社を運営したいと言い出したので
岩崎の親が準備していた会社である。
拠点は長野県の岩世村。此処は岩崎の祖先の土地であり、
代々受け継がれている場所である。
今は戦後の農地改革で残った山林、家のみが残った所だったが
岩崎の一言で農地改革で失った土地を買い戻しているが、
土地を手放さない方が多いので対策を練っている所である。
その会社で俺も含めてクラス全員が働くことになっているので
ナルエたちも其処で働いてもらうことになる。
「どれくらい?」
外ハネの髪を触りながら奈緒美が不安そうに聞くので、
「つかさの給料だけ出すけど、衣食住は見るから」
「大勢だからかかるけど、明美! ナルエたちをよろしく!!」
明美の言葉でナルエたちは俺の給料だけと言う顔をしているので
明美が俺に同調してくれて感謝している。ありすとの亜空間での
特訓中に体を寄せ合ってすることはしましたよ! もう諦めましたが
この話を聞いて、別れるわと言い出すのを期待していると、
「何やら、圭一たちが御前の悪口言ってるな」
岩崎と勇太の愛の家の設置が終わったアドラーが
観客スタンドのスピーカーから流れている俺の悪口を聞きながら
俺たちがいるテーブルの方に来ると、
「ツカサの給料についてです」
ナルエがサンドイッチを片手に持ちながらアドラーに答えると、
「給料? 明美からの?」
「そうだ! ツカサの世界に行くと、10万では我々を!!」
ローズマリーも生活が出来ないとアドラーに訴えるので、
「そうか? 此の世界だと金貨1枚が10万円だったか?」
アドラーは言いながら俺と明美をチラッと見るので
本当のこと言わないでと両手を合わして志願すると
なるほどと言う顔をしたアドラーが、
「10万あれば良いだろ! 俺は今後のことを騎士団に」
十分と言う言葉を残して、今日で終わる人族対魔族の
ゲーム後のスカージット王国の勇者指揮団の今後についての
話し合いをすると言って立ち去って行った。
と言っても、騎士団長は重い足取りで国に戻って行ってるだろう。
勇者指揮団で残ったのが騎士団長のみであるので、唯一の救いは
ロックティラたちが使っていたガイア・ソードを受け取って
帰ることくらいか。それも偽物で……
それでも勇者たちが使っている剣よりは優れていて
明美が突貫工事で勇者たちの使用している剣を改良した物。
酒樽がゴブリン達に渡した武器も騎士団長には渡しているので
国で調べれば酒樽の武器の方が優れているので
玩具かと言われるだろう。使用したロックティラ達の技量が良かったと
結論するだろう。
勇者指揮団の構成は、勇者は勇太1人で、後は男性5人に
女性5人である。女性たちは俺の妻になってるので残りの3人は
此の国に残るか帰還するかを協議すると言うことである。
ナルエたちの方を見るとアドラーの言葉で暗くなっているので
面白いから暫くは黙っていようと思う。
お金ない人なんて一緒に居られないわで、俺と別れてくれないかなぁっと
明美に振り向いてクスッと笑っていると、
「言わなかったら?」
心で思っていることを明美が言うので
「思ってるだけだよ!」
言葉に出して言うことも無いし、俺に対しては金銭で
離れるとかはないのは分かってるが、人数が多いので
皆を平等に扱うのは難しいので思ってしまうだけ。
ナルエやローズマリー達のおかげで
特訓中でもうまくいったのは奇跡だろうな……
それに、俺の方が不釣り合いかなと思ってしまうくらい
素晴らしい女性たちなので、俺には
「……もったいないくらいだよ」
テーブル椅子に座って食べている全員を見渡しながら
明美に言ってから、明美が右手に持っているのを見て、
「俺に何か渡す物ある?」
「勝てないけど……
明美が俺に鞘に入った剣を渡すので持つと、
「これは?」
ナルエたちも俺が持つ鞘に入った剣を見つめだして、
「完成した天王剣。未来のパクから……
明美の言葉に耳を傾ける中で、
「今、製作中の?」
「そう、悩んでるところが分かったから
未来の私と、フッ、共作とはできないから師匠と……
勝人が新しい剣を欲しいと言って、明美が要望を聞いて制作していた
剣が此処にある。
俺は鞘から剣を抜いて天にかざすと、剣は神秘的な輝きを放つので
今使っている統星剣よりも遥かに優れているのが分かる。
軽く振ると空気が消滅するような感覚があり、これならアンデットも
苦戦せずに倒せるだろう。
剣の軌跡を見ると光の粒が現れては消えて行くのが見て取れる。
「凄いな、未完成の剣を持ってるだろ?」
明美に言うと皮袋から未完成の天王剣を出すので、
剣を交換して同じようにして見ると
未完成の剣の方が強度があり折れにくいと感じたので
「完成した方が……
明美に言うと
「勝人の要望を知ってるでしょ!!」
そうか、一撃必殺の技を出したいと言っていたから
「それが解決したのが……
明美が頷くので、完成した剣はワザと弱くして
必殺技の時だけ未完成の天王剣の強度を超えるのかと
明美が持つ完成した天王剣を見比べて思っていると、
「旦那様! 何方を……
ローズマリーが聞くので、
「明美が持っている方だ!!」
明美が持っている方でと叫ぶと
「勝てるのですか?」
愛くるしい顔が少し曇っている元勇者癒し騎士団の
チャーリーが明美に向けて聞くと、
「勝てないよ!」
速攻で言う明美に
「なぜ!!?」
ローズマリーが眉間に皺を寄せて聞くと
「レベル差が大きいから……
明美は言いながら未来の明美たちが姿を現したので、
俺から未完成の天王剣を受け取って
未来の明美の方に歩いて行ったのを見ながら。
「俺が知っている沙良はレベル200、眷属になったら
光悦と同じ500。だが、未来じゃ……
パクオットの天王剣が入った鞘をグッと握りながら呟くと、
「傷をつけるのが……
キアリーが勝てないのが悔しそうに言うので
「光悦の例もあるから……
笑みを見せて言うと
「負けたら、離婚だ!!」
酒樽が満面の笑みで叫ぶので、実況席でも嬉しそうに圭一たちが
零と別れろと叫んでいるが、零たちは毒でも盛ってとか
言い出しているので女って怖いなって思いながら
「さて、控室にいきます」
ナルエたちに言うと、椅子から立ち上がり片付けに入った。
明美は勝てないとは言ってるが、負けるとは一言も言っていないので
引き分けなのは分かるが、どうやって引き分けになるんだと
右手に持つ鞘に入った天王剣の柄を見ながら
一刀両断って言うタイミングがあれば勝てるのかなぁ……
控室の扉を開けて入ると、
「0%じゃなくなったのに……
未来のパクオットが俺に言うのに続いて
「ナルエと別れる決意したか?」
笑みを見せて言う光悦に、
「何回も抱いたからないね」
自慢するように言うと、光悦がクソっと言う顔をして、
「未来だけど……沙良と」
光悦が御返しに言うので俺も左拳を握り締めながら
「最初は明美とだから、だ、誰と何回と気に……
沙良は明美1番なので、沙良が最初に抱かれる相手は
男になった明美である。それに、困ったことに
明美が気に入った男ともするだろう。
だから、詰まりながら俺が言うと、
未来のパクオットが笑い出して
「今も昔も変わらないな、お前達!!」
言うのを聞いて、
「御前から沙良を!!」
「ナルエをな!!」
更に俺たちは宣言して笑っていると
「で、勝てるか?」
未来のパクオットが聞くので、
「知ってるんだろ?」
俺が言うと、光悦も未来のパクオットに振り向くと、
「歴史は変わらないと言うから……
パクオットが肩を竦めて言うのを聞いて、
「沙良も勝つと聞いていたらしいからな」
光悦が言うので、勝と言われたが光悦に抱かれて
敗北したので、部屋に入って行った時に
パクオットが最初に言った言葉を噛みしめて
「ゼロじゃない……
「天王剣の使い方を教えようと待っていた」
呟くと、未来のパクオットが天王剣の使い方と言うが
ブリップを握った時に説明が頭の中に入ったので
必要が無いと思ったが折角なので聞くことにした。
説明書には書いていないが、少しずつ言いながら貯めて放つことが
出来ると言うが、もちろん未来の沙良は知っているだろう。
だが、此れで少しは勝機が見えたと思う。
そして、いよいよ未来の沙良との勝負である。
「どちらが勝つかね?」
「サラとか言う女性だな」
「天の勇者に負けましたが……
目の前の景色が我々と違うウインライム法皇国の
自称【皇太子】のケティング・レナ・ライムが勝ったとか
叫んでいる横で、私はスコーナー・ウエイト・パーセント、
ウインライム法皇国の枢機卿のエンリー・カーディナル・コーレット、
ミュー・クラッホーン魔導国の元宮廷魔導士の
シャドウ・ファイヤ・マクガバン・レイン・ライトと
1時間後に始まる戦いについて議論を始めて、
「シャドウ殿は何方に?」
私がローブを着ているシャドウに尋ねると
「ツカサさまですね」
「どうしてだ!?」
ウインライム法皇国の鎧を着た
エンリーがシャドウに聞くと
「何かをしてくれると……勘ですね」
「聖騎士は旦那だったからと……
不確定なことを言うシャドウに、エンリーが沙良と言う女性が
負けた理由をゴーレムから質問されて観客スタンドに向けて
話していたことを言いだすので、
「不死鳥の鎧のおかげだろう……一瞬で近寄って」
天の勇者と沙良の戦いを思い出しながら私が言うと、
「アリスから聞きましたが……
シャドウが言い出す話は、神の世界で生息する不死鳥で
炎を纏った鳥である。その不死鳥を天の勇者【コウエツ】が
鎧として纏っている。
神の世界でも誰もが成し遂げていないことで、天の勇者のみが
成し遂げている。
そして、不死鳥のおかげでレベル30から60に、
更に不死鳥を纏うことで80まで上がる……
「本当か?」
在り得ないだろうとエンリーは額に手の甲を付けて
笑っているのを見ながら、
「納得する話だな」
つかさは天の勇者より上で、沙良は更に上のレベルと言う話でも
天の勇者が不死鳥のおかげでレベル差を埋めて勝てたのだろう。
だが、私が思っていたレベルは、天の勇者が不死鳥効果でレベル50、
つかさがレベル60、沙良がレベル70くらいだと思っていた。
魔王がレベル90と言われているので……
それを軽く超えるなどエンリー同様に笑うしかない。
シャドウの話の続きで更に驚くことを聞いた後に、
「眷属に戻ると……
「神と言うのか聖騎士は……
「アドラーさまを越えている」
神から力を与えられて共に生きる眷属と言う制度。
その眷属にも準眷属と言うものもあるが、神ソラスさまと
同じ神であるアドラー・ナイト・ジャイブのレベルを越えて
天の勇者は人でありながら神の域にいる。
つかさは準眷属と言うことで天の勇者より劣るがレベル120。
だが、スキルのレベル3倍を使えば一気に360まで上がる。
そのレベルはアドラーを超える。
そして、つかさに剣を見せている少女は、天の勇者、つかさ、
竜巳、美里の主である。未来から来たと言う者たちと同様
相手にしたくないくらい恐ろしい少女であるが、美しい少女の下に
就くなら悪くない気持ちでもある。
「レベル1000か?」
「それより上の存在を……
「奇策として……
新の力を開放して挑んだ天の勇者。沙良の
旦那という賭けで勝負した。
その時のレベルが1000。在り得ないだろうと言う気持ちで
言うと、沙良は更に上のレベルと言うエンリーと共に
夢の世界に居る感じで苦笑いするしかない。
シャドウは天の勇者が普通に剣で挑むと思っていた沙良の
斜め上を行った奇策で勝った。
その後、沙良はニコール、ニコールの妻のモルモーラと
戦っていない。
だが、つかさと戦う。
天の勇者に負けたが、つかさには勝つだろう。
誰が見ても未来の旦那でないのと圧倒的な差を感じるので……
その戦いは賭けの対象になっていて、賭けた方が勝てば
少女の準眷属になれるという。
「何方に賭けますか? パーセントさまは?」
シャドウが聞いて来るので、
「見てるだけだ!」
勝った負けたで得られるものなどに興味が無いので言うと
「エンリーさまは?」
「しない!」
シャドウがエンリーに聞くと即答で返すので、
「理由は?」
「少女の眷属になる気は無い!!」
シャドウが理由と聞くと語気を強めて言い返すので、
「誰の眷属なら……
エンリーは神ソラスさまに信仰している国の枢機卿であるが
最近は秋人さまの奥様たちを見ているので少女以外ならと聞くと。
「そ、ソラスさまに……
動揺して言うエンリーに、
「出来ないそうですよ」
冷たく言うシャドウに
「アキナさまには無いの……あ、いや、その……
慌てて誰の眷属になりたいかと言ってしまったエンリーに
「ソラスさまの旦那さまは魔王ですから。フッ……
シャドウがソラスさま以外を信仰する気持ちは分かると言って
笑顔を見せてエンリーに言うと、
「それは気にしない!!」
普通は気にすることでウインライム法皇国に伝われば
大問題になるだろう。ウインライム法皇国としては隠す方向に
行くかもしれないが、
「好きになったわけか? 人妻を」
私がエンリーに問いただすと
「我々は結婚はしないから好きになるなど……
赤面するエンリーに、
「出来ますよね。ゲーカイラ神国より緩いですから」
ウインライム法皇国は司教でも結婚は許されているので
獣族のゲーカイラ神国のように厳しくはない。
ただし、ゲーカイラ神国は助祭の地位なら結婚は許されていて
有名な人物でアルテイラ・カーディナル・カンナビがいる。
噂では、天の勇者と同じ隕石落としが出来る者である。
「私は、神ソラスに捧げて!!」
まだ言っているエンリーに、秋人さまと奥様方が観客スタンドの方に
現れて来たので、
「想い人が来たぞ!!」
告げると、
「愛くるしい、清爽で、金髪の髪を撫ぜる姿が……
恋する人が来ましたという感じで呟くエンリーに
「で、残るのか?」
私たちの隣でサンライトが勝った宣言の後に倒れたと嘆く
自称【皇太子】が煩いがエンリーに尋ねると
「パーセント! サーバンが!!」
私の肩に手を置いて亡き叫ぶ
自称【皇太子】の邪魔が入るので、
自称【皇太子】に見えない紙を皮袋(どんなものでも収納できる物で
秋人さまから頂いた物である)から出して、
「相打ちだったのでしょう」
「そんな淡々と!!」
冷たく言う私に自称【皇太子】は怒るが、
「事実を言うまでです」
「私と馬が合う者だったんだ!!」
我々には聖女たちが片付けをしている光景が
自称【皇太子】にはサンライトが地面に横たわっている光景に
見えているので、
「相手の方が上でしたので……
「皇太子殿下! 相打ちだったのです。残念ですが……
私が魔族側の総騎士団長の方が実力が上だったので、勝ったのは
奇跡であると言おうとしたら、ロックティラが悲しそうに
告げるので、
「そ、そうか……
涙を流す自称【皇太子】を見ながら、
つかさが短時間で自称【皇太子】と良好な関係を築けるとは恐れ入る。
私など上から目線で我が国の参謀にと言われて断っているのに……
何処の国からも参謀にと言われているが、はっきり言うと
参謀の才はないと思っている。
「サーバンの姿が……
人族対魔族のゲームの監視官も驚いていると言っても
橙色のゴーレムが秋人さまにインタビューしている光景だが、
紙に書いてある通りに進む自称【皇太子】の行動に
苦笑いをしつつ
「相手はバンパイア、その攻撃を受けていたのでしょう」
「それでか……
私が述べると、ロックティラが納得するように言うが
ティーナさまのジャケットが閉められないくらいのシャツの膨らみを
鼻の下を伸ばして言うので、私はエンリと共に笑うしかないと
明後日の方を見ながら
「この大地に染み込み永遠に生きるのでしょう」
「我が国で英雄として迎えたかった……
紙に書いてある
サンライトは体が溶けるように崩れて行きながら
土に染み込んでいるらしい光景を浮かべながら
私が述べると、自称【皇太子】の悔しそうな言葉へ
「彼のおかげで、神ソラスさまが剣を……
「我が国でも、次期王の側近になれる人だと思います」
ロックティラが明美さまの制作した剣のグリップに
手を添えながら言うと
つかさの妻となったレディ・べルールが
ベルローズ王女の方に早く行きたいと
表情に出しながら言うのでクスッと笑っていると、
「皇太子殿下! 人族側の勝利です!
帰国の準備に」
ロックティラが自称【皇太子】に告げるので、
「そうだな、此の国の分割後に得られる土地を此処に……
自称【皇太子】が重い足取りでウインライム法皇国の
護衛隊の方に歩きながら呟くのを聞いて、
「ミューブル王国を魔族の手から!!」
私が右拳を天に向けて上げながら叫ぶと
ロックティラ達はクスクスと笑った後に
べルール達は此処から離れて行き、ロックティラが
私の所に来て
「此れから、どうするんだ?」
ロックティラがエンリーに向けて聞くので、
「一緒に帰って……
ミューブル王国の西の国境の方をエンリーは眺めてから
「一生を終える」
自分の生涯を終えることを告げるので、
「良いのか!!」
ミューブル王国に残れば終わらないとばかりに叫ぶ
ロックティラに
「部下を、勇者を失った罪は大きい」
「お前ほどの男を!!」
ロックティラが認めるほど剣技は素晴らしく、
ロックティラがいなければ人族の大陸の最強騎士と
言われるはずだった男である。
「運命だ!」
そう言ってエンリーは自称【皇太子】の方に歩き出すと
銀髪の少女【明美さま】が立っていて、
「記憶を変えるわ、私では嫌だろうけど」
「それが本来の……
明美さまの髪の色はブラウンであったが、今は髪の色はシルバーで
エンリーに話すと、明美さまが本来の姿で迎えてくれたことに
感謝しながらエンリーは跪いて、
「いえ、私が仕えたいと思う神に出会うことが出来、
感謝しています。ありがとうございます」
エンリーが明美さまに告げると、明美さまは右手の平を
エンリーの頭に向けて詠唱し終わると、
エンリーは立ち上がり、私たちに振り返らずに立ち去って行った。
明美さまの
「タイミングよく蘇ると良いけど……
エンリーを見送りながら呟くのを聞いて、私たちは
エンリーが戻ってくることを確信した。
そして、明美さまは私たちに振り向いて、
「ロックティラ! 貴方をミューブル王国の遊撃隊の隊長に!!」
ロックティラがミューブル王国に残ることを決めたことによって
勇者、勇者隊の殆どがロックティラと同様に残ることを決めたので
新たに騎士団を作ることが話し合わされて今ここで告げられた。
残る理由は様々だが、29か国がミューブル王国に戦争を
仕掛けることは自称【皇太子】たちより聞かされて、
つかさ、天の勇者、美里、竜巳、キューイルなど
圧倒的な力を持つ者がいる国と戦争するなど負け戦である。
なので、ミューブル王国に滞在した方が安全だと思った者が多い。
それに、勇者隊に参加しているのは次男、3男が多いので……
国によっては死んだことにより恩給が出るので
親は喜ぶと言った者もいる。
表向きには全員死んだことになっている。
「私は帰還しますので……
だが、ロックティアは報告の為にカーディオン王国に
帰還する。その為に嘘がバレないようにエンリー同様に
記憶を変えることになっている。問題になるのが
ミューブル王国に戻るようにするにはどうしたら良いかの
案が出ていなかった。
つかさたちでロックティラを拉致するにしても
現時点では国際問題に成る。29か国がミューブル王国に
攻め込んだ後のドサクサに混じれてなら問題ないだろうが、
29か国の筆頭騎士としてロックティラは来るはずなので
無理な話である。
「牢屋に入って幽閉されることになってるから」
「そ、それは……?」
明美さまによってロックティラの今後のことが言われて
ロックティラは困惑するように言うと
「フッ、記憶を変えずに此のまま帰還してもらうわ」
「え、えっと部下もですか?」
何もせずにカーディオン王国に戻すと言うので、
ロックティラは配下の者の記憶も変えないのですかと聞くと、
「そう、つかさの妻になったべルールとセンシーラは死亡したので
帰国しないけど……
「ですが、記憶を変えないと……
明美さまが言うことに私が苦言を言うと
「大丈夫、カレムが上手く運んでくれるから」
明美さまは笑みを見せて言うので、
私はシャドウの方に顔を向くと
シャドウも分からないと困惑している。
「で、殿下とは……
ロックティラが困惑しながら明美さまに聞くと
「友達よ! 前は敵同士だったけど」
軽く言う明美さまの言葉で、私の脳裏に浮かんだ言葉を
「前世が上の……
発すると
「そう、前は私も通っていた学校の先輩よ!」
「それでは、敵同士とは……
学校関係の先輩と言うが、明美さまは敵同士と言うので
疑問に思ったので聞いてみると、
「専守界を壊滅しようとしたから
ハッちゃんに頼まれて阻止したの」
カーディオン王国の第3王子のカレム殿下が専守界と言う場所を
攻めたので、明美さまがハッちゃんと言う人物の依頼で
阻止したと言うが、あの引きこもりの能力なしの無能王子が
前世とはいえ行ったと言うには結びつかない。
ロックティラもアレがするのかと考え込んでいる。
「前世の記憶は……
シャドウが恐る恐る聞くと
「持って生まれてるわ。今は早く死にたがってるから
引きこもり生活をしてるわ」
明美さまが軽く言う言葉に
「それでは、本当は……
冷や汗を掻きながらロックティラが聞くと、
「前世の力は無いけど、智将で相手にしたくない相手ね」
「それほどの……
優れた男と称賛する明美さまの言葉に
カレム殿下が王になった場合のことを考えると
次期王と言われるキャブルトより厄介な相手となるので
言動とかで騙されていたことに腹が立つ。
カレム殿下を無能としか思わなかったことで呟くと、
「表面ばかりでは……勉強になったね」
明美さまが人の見た目で判断するなと注意するので
「勉強になりました!」と告げると共に
つかさたちのこともそうだ! 見た目で騙されているばかりで
洞察力を磨かなければならないなと思っていると
「それで、今は、友達ですか?」
「そうよ!」
ロックティラが明美さまに聞くと
笑顔で言うので、どんな経緯で敵同士が友達になるかは
分からないが、多分、カレム殿下は明美さまのことが好きなのだろう。
だが、此れでロックティラの件は片付いたなと安堵していると
「それでは……ツカサ達の戦いを見終わった後は
出国の準備に入ります!」
ロックティラも不安が消えたように力強く言って
此の場所から観客スタンドの方に向かい出して行った。
「パーセント!」
明美さまが私を呼ぶので振り返ると
「つかさが話し相手で此の国にって言ったけど……
確かに、つかさは私に参謀になれとかは言わずに
話し相手として友人としてミューブル王国に来ないかと
告げられて、リ・フレタ王国での私の功績などを考えて
国外追放で収まると思っていたので承諾した。
「貴方の才をミューブル王国で生かしたいから
参謀長官になってくれるかな」
私は言われたことをより良くするために
意見を言ったりしたことで何時の間にか参謀の地位に
なっているだけで自分では……
だが、明美さまの命なら
「謹んでお受けいたします」
礼をしながら告げてから明美さまを見ると
明美さまは笑みを見せて私の前に来ると
「屈んでくれる」
言われるので、少し膝を曲げると
「エッ!!?」
私の額にキスをするので
「明美さま……
頬を染める私に
「受けてくれた御礼」
「参謀長官の役職をアケミさまの名に恥じないように
尽くしたいと思います」
役職に就いた御礼と言うので、指名してくれた明美さまの為に
尽くしたいと言うと
「倒れたらダメだよ」
「はい!!」
私の体のことを心配して言われるので目から涙を少し流して
返事をすると、
「それじゃ、実況席の方に行くから……
明美さまが観客スタンドの実況席に行くと言うと、
「アケミさま、奴隷にしたとはいえ王の……
シャドウが王を差し置いて人事を決めることに
王の側近や貴族たちから反発があると言おうとすると
「私、この国の建国にたずさった1人だから
王より権限は上よ」
明美さまが衝撃の事実を言うので、シャドウは指で数え出すので
「……しないでくれる」
年齢を検索するなと明美さまが苦笑いして言うので、
「時間軸が違うと言うことですか?」
私がフォローにまわる頷く明美さまに
「詳しく……
「宮殿の壁画を見てくれると良いわ」
経緯を聞くとミューブル王国のミューラ宮殿の
壁画と言うので、神が降り立ちミューブル王国を
建国したと言う流れの壁画が門から描かれているが
神ソラスは一応は度の国にも対等の立場をとっている。
1つの国に加担はしないはずなので他の神なのだろうか。
明美さま達の様に……
「神の名は?」
明美さまに聞くと
「ミューラ、魔王の先祖でもあるわ」
我々にとって衝撃の言葉が告げられた。
現魔王とも繋がりのある神がミューブル王国を建国した。
ミューブル王国の王族は魔族の血を引いている。
そう言えば、他の国に比べて寿命が長いことが災いして
人口が1番少ない国でもあるが、つかさたちが来る前の
合同練習で来ていたミューブル王国の騎士団は
屈強の騎士団であった。
それが、総騎士団長がティーナさまに変わってから弱体して
今に至っている。
と、私も此処に来るまでは思っていた。
実際は、つかさ達が参加して更に強い騎士団へと生まれかわり、
つかさ達を攻撃に、騎士団は防御にと役割が振られて
騎士団は防御に特化した訓練をしているためである。
ミューブル王国が久しぶりに合同練習に参加した時に、
ティーナさまは剣が重いとか言って笑われていたし、
騎士団も攻撃をさずに守りに入っていたが、騎士団の連携が
上手く出来ずに訓練用の味方の砦を破壊されている。
ティーナさまは力を見せないための行為であったし、
つかさが参加して初めて機能する騎士団なので
弱いのは当たり前である。
「このことは……
シャドウが明美さまに聞くと
「隠すことでもないから」
言いふらしても良いわよと明美さまが言うが
流石に今は無いだろう。
「そうですか……
シャドウは気楽に言わないでくださいという感じで
呟くと、
「それじゃ行くわ」
明美さまは手を振って立ち去って行った。
「簡単に言いましたね」
シャドウが明美さまの参謀長官に就くことを
直ぐに承諾したことを聞くので
「拒む理由が無い」
「エンリーさん、貴方も、相手が居る者を……
答えると、神であり、人妻であり、恋人がいるのに
恋をしてと言うので。
「シャドウ殿は?」
「娘です。アリスは」
「そうじゃなくって、主と決めた!!」
「アリスですよ! ツカサさまに嫁いだのが嬉しいです!!」
「神の名は!!」
「娘の様に見守ってきたアリスですよ」
「なぜ?」
「聞いてません?」
「何を?」
「アリスもツカサさま同様に神に成るんですよ」
神の眷属とは神の域に居る人間であり、神と同様に
神として崇められる存在であると聞いたので
つかさも神と言えるが本人は人として付き合ってほしいと
言っていたのを思い出しながら、
「見つけていたのか」
フッと笑って言うと
「はい、ツカサさまとアリスの子として生まれ変わることを!!」
先のことを言うので、つかさは1000年後とか言っていたので
死んでから長い道のりだなぁと思いながら
「その願い叶うと良いな」
「えぇ、転生エリアで待ちますよ! 何年も!!」
シャドウに言うと、聞いたことのない言葉を言うが
つかさから後から聞こうと思って、
「そうか、私は観客スタンドの方に……
シャドウに告げると、
「アリスの方に」
私に告げて、私たちは言った場所に動き出した。
フィールドに未来の沙良と向かい合って
開始の合図を待つ間は何も言わずに睨み合っている
俺は沙良の格好がダブダブのオーバーオールで
光悦の時と違い露出が、体の線が出てないことに
「元夫婦だろ! 光悦の時のように
へそ出しスタイルで来いよ!!」
我慢できずに叫ぶと
「夫婦って、偽装でしょ! 別々だったし……
未来の沙良がギルドの依頼で一緒に向かった先での
嫌な奴からの求婚回避で俺と偽装結婚したのは本当。
何もなかった、本当に悲しいくらいに、
「動けるのかよ!!」
ダブダブの服なので動きにくいだろうと言うと
「貴方レベルなら、此れで十分よ!!」
そうですね、俺はレベル120で沙良はレベル500。
目の前の未来の沙良はもっと上のはず。
それに、未来の沙良が着ている服は、
神界で神聖なスパイダー・スレッドの糸で制作された
物なので激しい動きで破れることは無いし、鎧として
使用しても遜色のない物である。
俺が着ている服も同じである。
値段は日本円で100億円であるが
神界では鎧を買わずに購入する冒険者が多い。
俺は鎧を持っているが身に着けないのは
着けてない方が強く見えるから……
だけど念のために……
「直ぐに裸にしてやるぜ!!」
天王剣を鞘から抜いて未来の沙良に向けて叫ぶと
「大人になったのを公開してもらうわ」
未来の沙良が童貞を捨てた俺のアソコを披露させると言うので
「使い古しを!!……
負けじと沙良の大事な部分のことを言い出したが、
子供も居るから此れ以上言えないと悔しんでいると
実況席から毒舌合戦は未来の沙良の勝ちと言う声が
スピーカーから流れていて、
「次は勝つ!!」
俺が宣言すると未来の沙良は鞘を地面に捨てて
「本来の力、魔法無しでも私に勝てないのに」
余裕を持って言う未来の沙良に、
俺も鞘を地面に捨てて、
「ナルエたちが俺の勝利を信じている。
剣では俺の方が上だ!!!」
情けないが、将棋で言えば飛車角なしで相手してやるよと
言われるくらいの差があるわけだが、剣だけで言えば
俺は今の沙良と少し下くらいだから可能性は、
勝つ可能性はあるはずだと言う気持ちを込めて
未来の沙良に突撃するが、未来の沙良は余裕で交わして
俺の後ろに来るので振り返り天王剣で未来の沙良に斬りにかかるが
未来の沙良は明美作のレイピアで天王剣を払って直ぐに俺の後方に
行くように動くので、俺も振り返るが未来の沙良のレイピアでの
突きの高速の攻撃に天王剣で受け止めていても全てを防ぐことが
出来ずにシャツが斬られて行くとアンダーシャツとして着ている
鎖帷子も傷ついていく。未来の沙良の攻撃に此のままでは
駄目だと思い、天王剣の必殺技の詠唱を少しずつ行うと
天王剣が光出すので未来の沙良は攻撃を止めて
俺との距離をとった。
実況席で圭一が俺の不利な状況に歓喜のコメントを
告げるのを聞いた観客スタンドで未来の沙良に
賭けている者たちも勝ったとばかりに叫んでいる。
未来の沙良はフッと笑って俺を見るので
ギアを上げるのかよと天王剣を右手のみで持ち直し、
左腕のアーマーを盾に変形させて
未来の沙良が来るのを待つ。
未来の沙良が動くと砂埃が巻き上がり姿が見えなくなったが
空気の波動で後ろかと振り返るが
「!!?、チッ……
更にかよと振り返るのが出来なかったので
背中に未来の沙良の蹴りが入り俺はバランスを崩しながら
地面に倒れても直ぐに左手の盾を未来の沙良に向けると
未来の沙良のレイピアで盾を粉砕されても攻撃が来るので
俺は左腕を盾代わりにするとレイピアの先が
俺の左腕を貫通したので抜かれない内に地面から立ち上がり
天王剣を捨てて右拳を未来の沙良の顔に放そうとすると
未来の沙良はレイピアから手を放して俺から距離をとった。
俺はレイピアを左腕から強引に抜き取って血が噴き出すが
直ぐに二の腕に右手で圧を掛けて強引に血を止めるが
動かせば血が出るなと思っていると
未来の沙良は俺に向けて格闘スタイルで行くと
ポーズをとっているので
「あれで、本気じゃないのが……
呟くと同時に未来の沙良は俺に向かって来るが
俺は防御できずにサンドバック状態になって
最期の蹴りで吹き飛ばされて左腕を庇いつつ地面に倒れると
「降参したら」
未来の沙良が言うが、俺はフラフラと立ち上がって
「誰が……
俺は最後の力で未来の沙良に向かうが
未来の沙良は右足を俺の腹にめがけて放ち、
俺はもろに食らって上空に飛ばされて行ったので
頭から落ちないように少し体を動かすが
未来の沙良は容赦なく両手を重ねて俺の頭に
ぶつけて来てたので、俺は地面に叩きつけられて
地面に減り込んでしまった。
「言わないの?」
「ま、まだだよ……
未来の沙良は降参と言いなさいと言うが
俺は言わないと告げると未来の沙良は実況ブースの方を
見ているので、動けたら1発と思うが
もう体が動かない。
「まだ、やるの?」
未来の明美たちが試合続行と言うので
未来の沙良は呆れて呟いている。
俺も思う。普通なら試合はもう終わっている。
明美は言わなかった、負けるとは……
本当かよ、俺にはもう……
「お兄ちゃん!! 勝ってぇぇえええ!!!」
アレタが叫んでいるのが聞こえる。
ナルエたちが俺が勝つのを疑わずに叫んでいる。
俺みたいな男の妻になると言った者たちの声援のために
指よ、体よ動けよ!!
「未来の貴方は私を遥かに超えた人になってるわ。
だけど、今日は負けよ!」
未来の沙良が、未来では俺は沙良を越えた人物になってると
本来なら言ってはいけない情報なのに教えてくれたのは
まだ戦おうとする俺に諦めさせるため。
だけど、
「声援してくれるのに、言うかよ!!」
「そう」
降参なんて言うもんかと言うと
沙良はレイピアを手に持って、
「心臓に突き刺して終わりましょう」
フッと笑って俺の心臓に剣先を向けると、
ナルエたちの声援が涙声になりながら聞こえて来ると同時に
観客スタンドのポールの天辺に止まっている聖龍が
泣き叫んでいる中で未来の沙良が俺の心臓にレイピアを
刺そうとしたが、
「剣が!!」
見えない壁によって防がれたので驚く
未来の沙良が
「シルヴィア! 邪魔を!!」
聖龍に向けて言い放つ未来の沙良に
『ナルエたちの愛のバリアーです』
未来の明美が言うので
「ありなの?」
助太刀ありなのと未来の明美に向けて言う
未来の沙良に
『奇跡が起こっているので有りです』
明美が言うので不正ではないとなったが
観客スタンドからはブーイングが上がっている。
誰が見たって俺の負けですよ……
「私の最大魔法で消滅させるわ」
未来の沙良が詠唱し出したので
アレタが、ナルエが、ローズマリーが、俺の妻たちが
「「「「「 勝ってぇぇえええ!!!! 」」」」」
叫ぶと、ナルエたちの体から小さい光の玉が飛び出して
俺の体に吸い込まれて行くのを見た未来の沙良は
詠唱を止めて俺から距離をとった。
俺は体中から力が湧き上がると同時に傷が治り、
地面から立ち上がる姿に
「うそ……ブーストモードに」
未来の沙良は驚きの声を上げている。そして
『つかさの最終形態、真・創世神モードよ!!』
未来の明美が俺の姿に対しての名前を言うと
「私もなっても良い!!?」
未来の沙良が実況席に向かって叫んでいるので
観客スタンドから驚きの声が上がっている。
実況席の明美ズから
『『 ダメ!! 』』
と言われて、
「……私の負けよ!」
未来の沙良が降参と告げると
観客スタンドから物凄いブーイングが上がるので
「俺の負けさ! 他の力を借りては反則だろ」
「違うわ! 貴方を想うナルエたちの力は
つかさの力だから反則では無いわ」
「そうか、そしたら引き分けで!」
「そうね」
俺と未来の沙良は握手をするが、
観客スタンドに居る皆様は納得しないので
『『 引き分け!! 文句ある!! 』』
明美ズがドスの効いた声で告げると
観客スタンドから拍手が上がり
「納得していない拍手だね」
明美ズに逆らえば自分たちがどうなるか
分かっているので受け入れるしかないと悲しみの声が
聞こえる拍手なので言うと
「でも、シルヴィアの力を借りたとはいえ
その姿になるなんてね」
未来の沙良が俺の姿を見ながら言うので
空を飛ぶ時の天使の翼は光に当たると色々な色を見せている
オーロラのような感じで、服の上から着ている布は
幾重にも重ねてワンピースの様に形成されていて
天使の翼と同様に色々な色を見せている。
髪の毛も手で少し伸ばして見ると同様であった。
「創生とか言っていたけど……
「神界を創れると言うことよ」
未来の明美が俺の姿の名前を言っていたので
未来の沙良に聞くと神界を新たに誕生させれる力と言うので
「世界じゃなくって……
「そうよ」
俺たちの世界、此の世界のように神界の住人が
自分の思い描く世界を創るのを飛び越えて
俺が神界を創れると言うので念のために聞くと
未来の沙良が言うので、
「沙良も?」
「なれるわ、でも、世界を創るより難しいから……
「世界を創れるようになってからか?」
「そうよ、けど、安定期までに行かずに……
「俺と一緒か?」
「魔素の吸入で、どうしても入れ過ぎて……
未来の沙良も俺と同じ姿になれるかと聞くと
肯定したので今の明美じゃなく未来の明美の力で
得たはずなので未来の明美の力に少し怖さを感じつつ
俺も世界創生キットで何度かチャレンジしたが
途中で爆発して失敗している。沙良も失敗していて、
明美も失敗している。未来の沙良に聞いても
失敗しているので神界を新たに創るなんて無理だなっと
思って、
「駄目神のように出来る人に
其処までしてもらってが普通だからな」
ナルエの母親の名前を言いたくないが言うと
「そうね、だから修行中よ!」
「やりたくね」
ナルエの母親の所で修行をしていると言うので
世界を創るでも創った世界を良い方向に向かわせるのが
難しいのに神界を創ると言うことは更に難しいこと
なので冒険者稼業をしていた方が楽なので言うと、
「フフッ、どちらが良い神界を出来るか競争ね」
「沙良より上だったら俺の嫁になれ!!」
「出来たらね」
未来の沙良が素敵な神界を創る競争と言うので
俺が何時もの様に言うとフッと笑って
結婚はしないわよと言う含みで言うので
「絶対だぞ!!」
「分かったわ」
約束破るなと言うと軽く言うので
破る気満々なので苦笑いしつつ
沙良との関りが増すので騙された感じで
「指切りげんまん……
小指を未来の沙良に向けながら言うと
「今の私にしてね」
と言って光悦たちが待つ席に向かった。
あのなぁ、今の沙良に未来の沙良に
会ったよくらいしか言えない。
伊藤先生の前世のツヴァイセルについては言えないし
言おうとしても明美が邪魔をするだろう。
岩崎は面白いから言わないだろう。
大石も自分の命が欲しいので言わないだろう。
クラスの皆にも言えない。ただ、俺が大量の嫁を貰ったという
話しか出来ない。
クソっとうまく逃げられたので天王剣を持って
「一刀両断!! 天王剣!!」
叫んで振ると、地面が抉られて山も崩壊し……
『凄いでしょ!!』
『勝人の希望通りね』
明美ズが天王剣のスペックに満足してるが
『私に未完成のでも良いので……
実況をしている圭一が明美ズに聞くと
『眷属でないから……
『眷属に!!』
『好みじゃないから!!』
『ツカサは!!?』
『成り行きで!』
『だったら!!』
『私の眷属にはする気は無いです!!』
圭一と明美が押し問答をしている間に
俺の所に来たナルエたちと抱擁していると
「旦那さまの様に」
抱擁をし終わったローズマリーが聞くので
「先だろうけど、俺に力を貸してくれて
負けずにすんだよ!」
未来で得る真・創生神モードに聖龍が力を貸して
皆に見せている。未来の沙良がなれるので
明美の眷属になる予定のローズマリー達も得るはずだ。
だが今は、負けずに済んだことを俺を取り囲んでいる
俺の妻たちに感謝を言って
人族対魔族のゲーム及び、
ロブシェリル・フェスティバルが終了した。
未来の沙良たちは此の世界から離れて
今度は伊藤先生が召喚された世界に行くそうだ。
その世界は塔やダンジョンの数が国の大きさを示す世界で
伊藤先生の友人が王をしていた国へ降り立つ予定らしい。
伊藤先生の友人は60を過ぎているので孫が王に就いている。
俺もパクオットの件が終われば、伊藤先生の召喚された世界に
遊びに行こうかと思う。
ダンジョンの1つ、2つは攻略したいなと思う。
もちろん、ナルエたちも連れて……
ロックティラたちはべルール、センシーラを残して
カーディオン王国に出発したが、
ロックティラ達の馬車に乗り込んだ大二が
スタンテッド王国の王都で降りるので
スタンテッド王国経由でカーディオン王国に
向かうことになった。
ほとんどの国の騎士、魔導士たちは
ミューブル王国に留まることになった。
理由は色々と有るが、素の状態の俺に勝って
明美の眷属に、アキナさん達を自分の主と決めて
近くで一緒に過ごしたいとか、
魔王が亡くなった後を考えて、
ミューブル王国に居た方が安全だと思った者たち等で
ミューブル王国は勇者隊を何でも屋の騎士と言う形で
取り込んだ。その結果、俺が居ない時でも
ミューブル王国を安心して任せられるので
学園が休みの時は冒険者稼業が出来るなと此の時は思っていた……
「凄かったな……
屋敷に戻った私はソファーに座り、父上に言うと
「美里さまの旦那さまになるんですから……
明美の眷属である美里の名を言うので、妻たちに案内されて
私の書斎に向かった方向を応接室から見ながら
「人族との結婚で、もう戻れないな」
メイドが注いでくれたコーヒーを少し飲んでから
美里にも美里の思惑で私との結婚をすると言うが
美里も私のことを本当に好きではないだろう。
未来の美里がどのように言ったかは分からないが、
魔族が下等な人族と結婚となると
此の町に来た以上に一族との関係が悪化するだろう。
今でも絶縁状態なのだが……
「人族ではなく神族でしょう。旦那さま……
メイドやフットマンが応接室に居るために
父上は執事として振舞っている。
「そうだったな。あの力……
「モルモーラさまも、ベイベラさまも……
神であるモルモーラたちを超えた力。
それは頂点に立つ者が降りることを意味する。
モルモーラは神界に神を越えた力が知れたらどうなるかを
心配したが、ベイぺラさまは
「すべてを捨ててでも横に居たい男だけのことがあるわ」
喜んでいた。
明美は天使化スキルの交換ポイントが人数分無いからと
喚いていたが、ベイぺラさまが規制されても与えるからと
言うので明美は貯め込んでいたスキルポイントを全て
天使化スキルに交換した。
「未来の明美! あの力、私たちにも貰えるの?」
明美の上位に居る者が下に就くと言うので
「さぁ? 教えれないから」
未来の明美は言わずに去って行った。
「欲しがるのは分かるが、聖龍がカギだな」
神界に聖龍はいるがシルヴィアのような
未来で得られる力を再現させるような力を持った聖龍は
居ないそうだ。
モルモーラは明美の分身体ではと考えているようだが
今は考えない方が良いかと思うし、私にとっては
ロブシェリルの街を守るのが最優先で行うことである。
29か国が1か月後にはミューブル王国の西の国境に
陣を引く。国境の壁が破壊されて侵入されれば、
数日後にはロブシェリルに侵攻するだろう。
だが、ミューブル王国の真の戦力が発揮されたら
その心配もない。
事実、29か国の連合軍は西の国境で全滅した。
「さて、美里の歓迎会の準備は?」
「もう少しで……
飲み干したカップを眺めながら29か国の運のなさを
フッと笑ってから父上に聞くと答えるので、
「書斎を気に入ったか聞いて来る」
父上に告げて応接室を後にした。
美里との同居生活が始まり、暫くすると
私は妻たちと、美里はサラウェルさまとの行為を
御互いに見せながらの勝負が繰り広げられるとは
思いもよらなかった。
神である私が……
モルモーラ! 何回もあるでしょう。
神界での喧嘩とかなら……人間に、眷属に……
あの剣は、つかさ君の剣を折ったから、未来の明美ちゃんが……
あんな剣みたことないわ!!
使いきれない……普通の剣で修行をしないと……
つかさ君、がんばって!
次回
幕間 大二は……
うん! そう、今から行くって!!
なんだ?
馬車で行くから、時間はかかるけど……
ミサト! スマホで誰と?
体綺麗にして……ね!
おい!
私の友達と! ロックが呼んでるわよ! 大二。
スマホで!!
怒られるよ!!
はい!今行きます!!
と美里から去って行く俺に、
新婚旅行、行ってらっしゃい!!!
ロックは男で、俺には、そんな趣味はない!!!




