72話 一騎打ちの相談……
人族対魔族のゲームも3日目を迎えて、
カーディオン王国の王都【ガーディートルク】の
宮殿【ギルべダン】の王子たちの部屋の1つの扉を叩く女性が
「殿下!」
大声で叫びながら何度も扉を叩いている。
私は手紙を書いているのにマチルダめ!
誰が扉を開けてやるかと知らんぷりをしていると、
ドカァァンと扉が壊されて、私は壊れた扉の方を見ると
マチルダの手には神界の冒険者ギルドで売っている
ギャク・ハンマーを持っていて、
「お前、何をやって……
マチルダに注意すると此方に歩いて来て、
「居るじゃないですか!? 殿下」
「何時もの居留守だろ! 壊す……
私に鋭い目で見るマチルダに怯えながら言うと、
「陛下が御呼びです」
冷たく言うショートカットの赤髪の素敵な御姉さまに
「頭が、腹が……
志願するように言うと、部屋を見渡して
「またゲームですか?」
「今は手紙」
マチルダが言うので答えると、
「友達以上になれないのに……
手紙を書いたところで無理でしょうと見据えて言うマチルダに、
「文通なんだから!!」
怒って言うと、
「陛下が御呼びです!
駄々をこねるなら、
手紙を明美御殿のポストに入れませんよ」
私の弱みを付いてくるので、
「親父は何用だ?」
「人族対魔族の戦いについて、バード・メールが
先程届きまして、陛下、殿下たちで相談をと」
「家族だけでか?」
「はい、そのように聞いています」
聞いていると嫌な話だろうなと思ったので、
「頭が……
「で、ゲームですか?」
「クリアしてないからな。レポートを明美に」
「一応、王子として生まれたんですから」
仮病で頭がと言い出すと、モニターの画面のゲームを見ながら
マチルダが言うので答えると、カーディオン王国の王子として
生を受けたんですからと困った顔を向けるので、
「わかった、マチルダ、ゲームをやっていて」
「カードゲームですよね、デッキは?」
ゲームが終わっていないので、マチルダに後を頼むと
「ゲーム機のところに」
カードを構成したデッキはと言うので答えると
左腕に装着して、嬉しそうに右手で触っている。
家庭でインターネット経由でカードバトルをするために
開発されたゲーム機である。
インターネットでカードバトルのゲームアプリはあるが、
紙、紙にエンボス加工など様々なカードを手に持って
戦うスタイルで、ゲーム機のスキャナーにカードを置いて
瞬時に読み取ってモニターに表示されたカード置き場に置かれる。
音声入力もあり音声指示も出来るし相手との会話も出来る。
ルール変更で過去のカードが使えない場合も
相手やグループ内で自分たちのルールを作って大会などを
開くこともできる。
オフラインでコンピューターと対戦も出来る。
私は開発段階のゲーム機なのでコンピューターとの対戦である。
見ているポイントは反応、やり易さなど。
神界ではバトル開始で亜空間に移動して直接戦うのが普通だが
明美が生活している世界では此処までは無理なので
上記のゲーム機を出そうかと恭子の御父さんが
プロジェクトチームを作って開発がされている。
希望小売価格は5万円(税込み)で出したいそうだが
10万円は超えるだろうと思う。
ゲーム機のCPUは魔石回路で明美が試作して、
神界の製造会社に頼むことになっているが、明美の世界では
存在しない物なので良いのかと手紙を送ったら、
独自で製作したで押し通すからと書かれた手紙が帰って来たが
恭子の親父も無茶なことをするなと思う。
最近は、レコードが復活して来ているが、
本は逆に電子書籍が多くなって来ているので
商品を買って手に持つと言う行為は無くしたらいけないので
良い取り組みだと思っている。
神界ではゲームセンターは存在せずにクレーンゲームなどは
スーパーマーケットなどのゲームコーナーにあるだけなので
明美の世界でも此のゲーム機が出ればゲームセンターの縮小が
更に加速するだろう。
対策としては複合施設にするか体感用の車や戦車、飛行機などを
置いてのゲームか実体験ゲームなどで生き残りをかけるのだろうか。
まぁ、私が考える事でもないが……
マチルダの意気込みを聞いた後に部屋から廊下に出て
家族が揃うレイドバックルームに向かった。
部屋の前に着いたので扉を叩いて中に入ると
親父、御袋、兄、姉たちがソファーに座っていて、
「遅れてすみません、父上」
親父に礼をして開いているソファーに腰かけると
「部屋に籠り切りで、たまには運動をしろ!」
第2王子のダバルトが私を見て言うので、
「運動は苦手です。兄上のようには……
「太り過ぎで、早く死ぬぞ!」
「私は無能です。早く死んだ方が皆さんの為でしょう」
私が答えると体系を言うので、私は今の此の体から
神界の誰かの上級神の息子に転生したいので喜んで言うと
フフッと御袋たち女性陣は笑っていて、御袋は私を生んだことを
後悔しているので早く死んでと言う笑いだろう。
「2人とも! 喋るのは止めよ!」
親父の眼光を鋭くして言うので、
「父上! なぜ我々を招集させたんですか?」
ダバルトが親父に尋ねると
「今朝! キャブルトから手紙が来た」
人族対魔族のゲームを観戦している
第1王子のキャブルトからの手紙の件でと言うので、
「ゲームに勝利した手紙ですか? お父さま」
第1王女のアーシーリヴァが可愛い声で親父に聞くと、
「まだだ……
勝利の話ではなく落胆した様子の親父に、
「吉報なのでしょ?」
「最初の手紙は何だった?」
ダバルトが聞くが、親父が問う最初に来た手紙と言うと、
人族対魔族のゲームが終了したら29か国でミューブル王国を
攻める準備を早く行うべき。魔族の国へとミューブル王国が
染まり出している……
書いてあり、戦争の準備に村などの2男、3男を徴兵させて
訓練をしている。
ミューブル王国には、つかさが居るし、秋人たちが居るので
29か国全滅だなと思っているが言わない。
「お父さま、29か国で早く攻めないと……
戦争は嫌ですけどという感じで、アーシーリヴァの妹
第2王女のリースラヴァが親父の問いに答えると
「そうだが、準備には時間が掛かる」
右腕を太腿に置いて顎に右手を置く親父が言うので、
「7月の終わりに、ミューブルの国境の西側に
29か国が集まります。我が国だけで
単独で動くのは……」
「キャブルトが今日ミューブルから出発する。
帰国して直ぐに兵を連れてミューブルに行く気だ!」
「直ぐですか?」
「そうだ! ウインライム法皇国は皇太子と途中で
合流して国境に行くそうだ」
ダバルトが29か国対ミューブル王国の戦争は7月と言うと
親父は他国も戦争に向けて直ぐ動くと言うので、
「一体何が、ミューブルで?」
ダバルトがミューブル王国で何が起こったのか
不安な顔で親父に言うので、
「手紙を読んで見よ!」
親父がダバルトに手紙を渡すと、
突然立ち上がり、
「勇者隊が全滅!!? 我が勇者隊は勇者、べルールと
センシーラが戦死? 残りの神の剣を得たロックティラたちが
ミューブルが再召喚したサンライト・サーバンと共に
活躍して1日目を終了!!?
ミューブルが勝利しても魔族は留まることは
決定事項であり、魔族が今回用いた武器を
ミューブルも使うことがあれば
人族の大陸はミューブルになる危険あり!!
その武器も大半は壊れたが、時間が過ぎれば、
魔族の大陸から武器が魔族経由で……
ダバルトは読み終えた手紙を床に落として、
「本当なのですか? センシーラが……
涙を流すダバルトに
「戻ってからだが、天の勇者も……
親父も落胆の色を隠さずに涙を流している。
女性陣も涙を流して悲しんでいるが、
天の勇者が死ぬわけないだろう。彼奴は明美の眷属で
彼奴がカーディオン王国で行われた人族対獣族のゲームの時は
明美から面倒見てねと手紙で来ていたので、嫌がるくらい
接待してやった。彼奴は記憶を封印されていたが
聖女以外に好きな奴が要るだろうと言うと
男友達なら、友達として好きだった奴は居るけど
と言うから、明美のことが好きだと確信した。
明美も好きみたいで旗が立つ!!
「どうした、カレム?」
「いえ、亡くなった方が生き返るなら
いくらでも涙を流しますが……
私が言い終わる前にダバルトに頬を叩かれて
「お前は!!!」
ダバルトが、私を殴った右手を震えさせながら言うので、
「兄上の片思いのセンシーラも我々にとっては駒です。
駒が、蟻と言いましょうか、蟻が何ぴき死んでも
我々が悲しむことはないでしょう!
それに、ロックたちが神の剣ですか?
サンライトと言う召喚者で
ミューブル、人族が勝つと兄上から
手紙が来てませんか?」
私の物言いに、親父たち全員が睨んでいるが、
「もう1枚に、一騎打ちに持ち込んで
勝てるので、帰国するとな」
親父は私の言ったことを肯定するように
キャブルトからの手紙を見ながら言うのを聞いて、
私は殴られた頬を手で触りながらソファーから立ち上がり、
「今ので良いアイデアが浮かびました。
部屋に戻って小説を書きますので……
言い終わって、親父に礼をしてから部屋を出た。
「父上! なぜ 弟を!!……
ダバルトが、私が叱りもせずに
カレムを部屋から出したことを聞くので
「貴族連中はカレムを押している。
キャブルトは行動するのが好きで
戦場に出たがる。何時死ぬかもな……
答えると、ダバルトは眉間に皺を寄せて
「29か国の作戦に、兄上も?」
「次期王だ! 実績もいる」
「……そうですが」
「連合軍で、1か月もあれば落ちる。
お前も出るか?」
ミューブル王国に攻める話になり、
ダバルトも出るかと聞くと
「私は剣を置いた身、内政で兄上の政をやりやすいように」
「そうだったな」
「お父さま、席を外しても?」
アーシーリヴァが澄んだ綺麗な声で私に聞くので、
「構わない、カレムから詳しく聞いた後に
軍議会議を開く! アーシー!!
一緒に参加してくれ」
私に笑顔を見せて
「分かりましたわ、お父さま」
承諾するとソファーから立ち上がり会釈をして
部屋を出て行った。
それに続いて妻たちも退席した。
部屋には私とダバルトだけとなり、
「センシーラが亡くなったな」
窓の外を見ながらダバルトに言うと
「はい、勇者隊が全滅で……
「ロックティラたち8人に、サーバンという者で9人」
私の背中を見ながら悲しみの声で言うダバルトに
勇者隊は9人いると告げると、
「途中から兄上の護衛の者を……
無理なことを言い出すダバルトに
「メンバー表に名を連ねている者のみだ」
「……そうでしたね」
無理な理由を言うと、ダバルトは力なく返事をするので、
「ミューブルを魔族の拠点に出来ぬ!
魔族なぞ悪しき存在なのだ!!」
私は右拳に力を込めて告げると
「勝っても負けても、29か国で占領を……
「その時にセンシーラの遺体も回収しよう」
ダバルトは力なく言うので、平民のセンシーラなど
どうでもいいが、シーラ公爵の娘の遺体の回収の
ついでに回収という感じで言うと
「ありがとうごいざいます!」
私の背中を見ながら、ダバルトは礼をしているようだ。
私は振り返り、
「武器の調達を急がせるように! 鍛冶師たちに!!」
「ハッ! 父上!!」
敬礼して部屋を出て行ったダバルトを見ながら、
「侯爵の娘と会わしてみるか……
呟いた後に、私は窓から曇り空の空を見ていた。
部屋に戻った私が見た光景は、
カードゲームのはずが、オセロゲームの画面に
変わっているモニターの前に
服を脱いで下着姿でゲームをしている
「マチルダ! 何を?」
「オス!」
秘書に聞くと、物を口に入れて喋るので、
「食ってから言え!!」
何を言っているか分からないので注意すると、
秘書は口の中の物が食道から胃に行ったので
「ボス! 早かったですね」
「途中で退席した! 下着姿なのは?」
テロ組織時代の地位で言う秘書に
早く戻って来た理由を告げて、秘書の格好を聞くと
「熱くって! 熱くなって、ゲームは興奮しますので!!」
ゲームに熱くなり、体も熱くなり、服など着れないと言うが、
「服を着てくれ! 御菓子も片付けろ!!」
誰かが来たら勘違いするレベルなので服を、床に御菓子袋が
広がっている部屋は私の部屋なので注意すると、
服を着て、御菓子袋を皮袋に入れている秘書に
「カードゲームをしていたはずだろ?」
「終わりましたので、オセロしたいなって言ったら……
「画面がオセロゲームに? それじゃ、将棋と言うと?」
モニターが将棋盤の画面になり、盤の上に駒が置かれている。
「……マイクに向けて言っていないのに」
カードゲーム専用機じゃなく、マルチゲーム機で
マイクなしで音声確認するとは、
「明美! やり過ぎだぁぁぁ!!!」
神界の明美御殿には居ないが、其処に向けて叫んでいると
「何を叫んでいるの?」
ギャグ・ハンマーで壊れた扉は、ギャグ・ハンマーの
修理機能で扉は直っていたが、扉を閉めるのを忘れていたので
私が絶叫していたのを聞いたアーシーリヴァが
私に声を掛けて来るので、
その声の方に振り向いて
「姉上……
「急に大声で叫ぶ……
冷や汗を掻きながらアーシーリヴァに言うと
アーシーリヴァは断りもなく部屋に入って来て
「何ですか? 壁が光っていますが、模様?」
アーシーリヴァが不思議な物を見る目で
モニターのことを言い出すので、
「姉上! 見なかったことに!!」
真剣な目でアーシーリヴァに訴えると、
「そ、そうですか」
私から離れて納得しないが困惑しながら言ったので
部屋から出て行くかと思ったら、
「カレム! 聞いてもらいたい話があるけど良いかしら」
私に相談だと! この部屋は秘書のマチルダ以外は
入れたことが無い部屋で、神界でマチルダが購入してくれた物で
溢れている部屋に長く居させたくないのだが
「そ、ソファーに」
右手でソファーを指して言うと、
ソファーの方に歩くアーシーリヴァに続いて行く間に、
「マチルダ! 何か飲み物を!!」
マチルダに注文して、私たちがソファーに腰かけると、
マチルダはオレンジジュースの入ったペットボトルとコップを置いて
私の部屋から去って行った。
マチルダは自分以外の者を入れたことに嫉妬したのだろう……
物珍しそうにペットボトルを見ているアーシーリヴァが
「ガラス?」
「薄いガラス製ですよ!! ハハハ……
素材を言うので、誤魔化しながらペットボトルの蓋を取って
オレンジジュースをコップに注ぐと、
「綺麗な色」
アーシーリヴァは呟いて、コップに口を付けて少し飲むと、
「甘みもあるけど酸味も? 何時ものと?」
感想を言うので、
「目を覚ますのには、しょっぱいのが良いですけど
今は少し甘いのもと思って秘書が……
誤魔化すしかないと思って言うと
「そうですね、気に入りましたので、明日から
おやつの時間に一緒に飲みましょう」
気に入ったらしく、美味しそうにオレンジジュースを飲み干して
空になったコップを私に見せながら言うので、
「何処で?」
「此処ですが、いけませんか?」
場所は私の部屋と言うので
「明日は変わるかも……
「構いませんわ、何処で購入したの?」
今日はオレンジジュースですが、明日は違うのになるので
此処で飲むのを諦めてくれと願って言うと、
願いは叶わず、購入先を聞いてくるので、
姉上の目を真っ直ぐ見て、
「聞かないでくれますか!!?」
「わ、分かりましたわ、お父さまにも……
購入先は聞かないでくれと、
アーシーリヴァに御願いすると分かってくれたが
親父にも勧めると言い出すので、
テーブルに手を置いて頭を下げながら、
「誰にも言わないで下さい!!」
お願いすると、
「わ、分かりましたが、侍女の……
「秘書と共に来て下さい!!」
分かってくれたが、侍女もと言い出すアーシーリヴァ。
今回は親父との会議だったので、侍女たちは連れて
来なかったが、何時もは5人の侍女を連れて歩いているので
その代わりをマチルダに変えて下さいと願うと、
「フッ……
笑ってから上目遣いで、
「分かりましたわ、でも……
もう、これ以上は誤魔化せないので、
「要件は?}
アーシーリヴァの空になったコップに
オレンジジュースを注ぎながら聞くと
「最近、変な夢を見るの?」
「夢ですか?」
「えぇ、男の方と、その……行為を」
頬を染めて言うので、
「テードルと?」
婚約者のダラス・ルゥ・テードル・ナァ・シシリーラと
夢の中でイチャイチャしてると思って言うと、
「いえ、違う方で、その、男のか……
顔を真っ赤にして言い出すので
「言わなくていいです! なぜ! 私に?」
止めると、コップを隠れ蓑にチラッと見る
アーシーリヴァに聞くと
「相談できるのは、貴方かなって……
「そうですか、それで其の男は?」
私に相談って言っても困るのだが、
可愛らしい顔を染めている
アーシーリヴァの為だと思って聞くと、
「人族対獣族の時に、晩餐会に獣族を招き入れたでしょ」
去年の8月に行われた人族対獣族のゲームは
カーディオン王国で行われて、本当に戦うわけでもなかったので
獣族側を晩餐会に招待して交友を深めた。
「その時の獣族側の?」
アーシーリヴァは頷いた後に
「獣族最強の勇者……
それ以上は言えないという感じで俯くアーシーリヴァに
「マザコン野郎ですか?」
「? マザコン?」
「気にしないで……
クチナの息子で、強度の母親好きなので
思わず言ってしまったが、
昨日の夜に、恋愛映画を見て寝ようとしたら、
突然部屋に来て息子自慢をするクチナ。
クチナのことを叫ぶ輝太の場面を何度も再生するので
頭を抱えていると、仲間のスオウが部屋に訪れて、
クチナを部屋から連れ出してくれたので平穏が戻ったが、
輝太がアーシーリヴァの夢に出て来て、
夜の営みをしてるのか気になるが、
「好きになったとか?」
恐る恐る聞くと、
「敵ですよ! それに魔王が亡くなれば……
オレンジジュースを一口飲んだ後に言うアーシーリヴァへ
「そうですね、礼拝堂でソラスに聞いて見ます」
「聞けるのですか? 法皇でもないのに?」
輝太との行為の夢を見させないようにするには
ソラスに聞くしかないので言うと、法皇以外がソラスと
話せるのは枢機卿クラスか各王のみである。
なので、私がソラスと話せるのは可笑しいと言うので、
「剣、魔法も使えない引き籠りです。
心配したソラスが話しかけてくれるようになりまして……
誤魔化すように言うと、アーシーリヴァはソファーから立ち上がり
「お願いします……
頬を染めて言った後に、
「神ソラスさまを呼び捨てはいけませんよ」
私がソラスと言っていることを注意して
アーシーリヴァは部屋から出て行った。
夢の件は、マチルダからソラスに言えば夢を見なくなることは
出来るが、アーシーリヴァは8月にテードルと結婚することが
決まっている。
なぜ輝太なんだ?
29か国対ミューブル王国戦で、
テードルが亡くなると言うのか?
だが、私にとっては関係の無いことなので
明美に送る手紙の続きをするために机に向かった。
その後、アーシーリヴァは輝太との夢を見なくなった。
テードルと会って会話をしたり、剣の修行を見たりして
テードルがミューブル王国に向けて出発するまで傍にいた。
私とは、3時のおやつの時に私の部屋で神界で購入した物を
見ながら聞くので、その度に、アーシーリヴァに
聞かないでくださいと言う私の困る顔を笑って見ていた。
アーシーリヴァの侍女たちから、アーシーリヴァが
夜に自慰行為をするようになったのは、3時のおやつの時に
私が変なことをアーシーリヴァに教えたのかと
聞かれたが、覚えが無いので否定をした。
アーシーリヴァから洩れる声から輝太の名を言ってると言うので、
輝太とは、侍女たちが私に聞くので、テードルを輝太と
言ってるのではと答えて終わったが、
侍女たちが心配するので、アーシーリヴァの寝室の隅に隠れて、
自慰行為をするアーシーリヴァから漏れる声は、
「テルタ! 貴方の為に……好き!! 転生してからも好き!!……
輝太の名を叫んで激しく悶えていた。
私は耳を塞いで目を閉じて、其の場にジッとしていた。
侍女たちにはテードルの名を言ってますね、
会えない寂しさでと嘘を言って、
これ以上、関わらないほうが良いと判断して、
3時のおやつ以外は、今まで通りの引き籠もり生活を続けた。
港町【ロブシェリル】の船が停泊している
道の隅の草むらの地面に腰かけて
「……ナルエと」
初めては好きになった女性と思っていたのが、
夢に破れて黄昏ていると、
「光ちゃん?」
その声に振り向いて、
「明美か? 戻ったんじゃ?」
未来の明美じゃなく今の明美で、小等部バージョンでなく
大人バージョンで、未来の明美と変わらなかったが
服装が違うので間違えずに言うと、俺の横に座って
「買い物して戻って来たの」
微笑んで言う明美に
「そうか」
ショートパンツから見える生足を見ながら言うと
「光ちゃんて、何時も足から見るよね」
足から目を背けて、
「私は女だぁって言った時の影響じゃないかな」
弁解する感じで言うと、
「初めてキスした時の……
「ずっと男だと思っていたから」
「化粧もしてませんし、髪も短かったので……
今は少し化粧をして、薄らと口紅を塗ってる感じで
胸もあるし、腰は細いし、髪も伸ばしているので
今は女性らしいでしょうと言うので、
「中身は変わらない」
外見だけと言うと、明美がニヤッとして、
「ナルエと出来なかった光ちゃんですが……
人の心にグサッと来る言葉を言い出して、
「未来の私とはどうでした?」
忘れたかったことを言い出すので、
「いくら未来の自分だからって……
未来の明美とすることを容認する明美に
止めてほしかったと言い出す前に
「で、どうだった?」
上目遣いで聞いてくるので、
「犯されたという感じかな」
目を背けて言うと、
「そう、経験を積んだ光ちゃんは……
両手を俺の頬に置いて、明美の方に顔を向けさせられて
明美の顔が近づいて来て、明美は俺と唇を重ねていると
昨日の未来の明美と同じ匂いがしていたので
思い出したように明美を抱きしめて
地面に明美を押し倒して行くが
理性を取り戻して明美から離れると
「ナルエとしたかった?」
意地悪そうに明美が言うので、
「振られるから出来ないけど……
「お兄さまの後だけど、その度に……
答えると、俺に覆いかぶさって
見つめている明美に、俺は目を閉じて……
暫く俺たちは地面に寝転がっていて、
「人族対魔族の戦いで勝つ為に来たのに」
フッと笑って言う俺に、
「つかさのお嫁さん、竜巳のお嫁さん、
光ちゃんのお嫁さんラッシュだね」
笑って言う明美に、
「ミサトとサラウェルは要らないな」
「沙良は?」
明美だけで良いと言う俺に
明美が沙良はと聞いてくるので
「ツカサを虐めるのに丁度いい」
ニコッとして言うと、遠くでガサッと物音がしたが
「ひどいの!!」
ブスッとして言う明美に軽くキスをすると、
「私たちが要らないなら、明美を愛すな!!」
森から隠れて見ていた美里、サラウェルが出て来て
美里が文句を言うので、
「俺を愛していないからだろ!!」
反論すると、
「明美が好きになった方は、愛が無くても愛します!!」
美里が言うが、
「未来と同じこと言うなぁ!!!」
未来の沙良や美里が言ったことと同じようだったので叫ぶと、
「明美とした唇の感触を!!」
「止めなさい! 美里!!」
「負けない! 奴隷魔法に!!」
明美をどかして、美里は俺を両足で動けないようにして
明美とした感触が残っている唇に、美里が自分の唇を
重ねようとするので、明美が魔法で止めようとするが、
美里は抵抗して、
「明美が好きな人は、私も同じくらい好きなの!!」
愛の告白をした反動で魔法を排除して、
「光悦! 私とはしたくない?」
涙を潤まして言うので、
「起き上がるから……
美里はどいてくれて、美里とする前に、
右手薬指に嵌めている指輪を外して、
封印が解けた状態の明美眷属バージョンになりまして、
「つかさ! 会場いけ!! ムラサキ!
カメラを止めろ!!」
森や船、休憩場から隠れて見ている者たちに
威圧を放って言うと、ドタバタと逃げ出していて、
「何時から知っていたの?」
サラウェルが聞いてくるので、
「明美が来た時点で見に来ただろ」
美里とサラウェルが顔を見合していて、
「つかさたちは、ムラサキが呼んだな」
ムラサキが此方に来るので言うと、
「明美さまが戻って来たので……
「教えることは無かっただろ!?」
此の世界に戻って来た波動を感知するとは
俺よりも凄い。だが、つかさ達に教えることは無いはずで
ムラサキはカメラのレンズを俺たちに向けているので、
俺の周りに3人が寄って、パシッと写真を撮ってから
「此処で今日の第1戦が行われるかなと」
ムラサキは言うが、戦う場所は人族対魔族の会場で、
今日の10時から
つかさと俺との試合があり、次にキューイル、
最後に未来の沙良と、俺は連続して戦う。
「戦うわけないだろう! ロブシェリルが消滅する」
「其れも有りです!!」
ムラサキが恐ろしいことを言うので、
「その後どうするんだ!?」
「明美さまに……
蘇生が出来る明美なら大陸が消滅しても問題ないが
「スタンドも在って、お金取ってるから」
「そうでした! イベントでしたね」
ロブシェリル・フェスティバルのイベントの
1つに組み込まれているので、指定会場でするべきと言うと
思い出したように言い出すムラサキに、
「今日の明美さま成分は良いのか?」
「美里さまから……
俺に抱き着かないのかと聞くと、先に美里と言うので、
「美里!」
俺が美里を呼ぶと、俺の横に座るので、
「ナルエと明美! どっちを取ると言うなら……
俺は4人に対して言い出すと、明美たちは俺に注目して
明美は右手を握って見ている。分かってるのにな。
「明美を取る! 美里が明美を好きなら
美里も取る! サラウェル、沙良もな」
その言葉に目を潤まして閉じる美里にキスをして
「3連勝を贈るよ!」
明美に、美里に、サラウェル、ムラサキを見渡した後に
今日の3試合を3連勝すると言うと
「沙良は無理じゃない?」
「レベル1000以上でも
相手が俺だから手を抜くよ」
肩を竦めて言う俺に
「そうかも」
美里が俺からどいてくれて、
俺の方に明美が近寄って言うので
「秋人にいちゃんのレベルって……
「1万プラス表示されるレベル」
その言葉に驚く美里、サラウェルに
「そうじゃないと、明美の暴走を止められない」
「ひどい!!!」
「怒るなって! 12柱以上が居ると
誰が抑えるのかなって思って」
驚くことではないよと言ってから
未来の明美たちのレベルは12柱以上で、その力が
地球を破壊した美里のように暴走した時に抑える者は
誰と考えたら、思い浮かべたのが秋人にいちゃん達だった。
明美から本来のレベルを聞いて
「明美の眷属なのか?」
「うん! 知ってるのはソラス、ハッちゃん、サンちゃん
これを読んだ方は何となく……
表紙にシン創世記【ソリュート王物語】と題名が書かれた本を出して
俺に見せるので
「バレてるか……
「聖龍をテイム出来ないし、創作って言われてる」
未来の明美からシルヴァアは聖龍と聞いているから
出来ないと言う明美に
「シルヴァアは?」
「経緯は教えてくれないけど、
下級ドラゴンで登録されてるって!」
未来の明美は俺には言わずに、明美だけに説明をしたのか。
聖龍とバレないように
「誤魔化してるわけか」
「そう、そうじゃないと私は解剖される」
「無理だから、神界が消滅するだろ」
捕まって調べられて、私はモルモットにされてと
いう感じで言うので、明美に何かしたら美里や俺が
神界を相手にして消滅させると冗談で言うと
「かも!」
舌を少し出して可愛く言う明美に
笑っていると
「……そうなると」
美里が不安に言い出すので、
「未来の明美は、子供を授かることが出来ないから
嘆いていたよ」
多分、子供のことかなっと思って言うと
「お兄さまとの子供も……
「俺たちは不老だから、3000年後には……
神界だと、1億年、神話の時代から子供がいない方もいるし、
そのうち俺たちより力が強い奴は出て来るだろう。
そうなれば、安心して子供が作れる。
子供の力ほしさで、許嫁や婚約はさせたくない。
つかさも同じ気持ちで1000年と言っているのだろう。
「力が無い方が良かった!!」
「日本の少子化対策に貢献できませんね」
明美が叫ぶと、
ムラサキが、俺たちの世界のことを言うので、
「そうだね……
俺たちは苦笑いしてから、
試合に臨むために会場に向かった。
観客スタンドは満席、実況をしているのは
のぼると理登で、女装好きの進次郎の友人がしている。
『ニコールさん、どうでしょうか?』
『如何とは……
『天の勇者を見まして』
『この力があれば、いつでも魔王を!!!』
『マサト! ニコールに!!』
『此処に居たくないんですが!!』
『ニコールさんほどの強者も逃げ出すというくらい
圧倒的な力を見せています……
「おい! 光悦! それは無いだろう!!」
「沙良と戦うんだ!!」
「「 フェニックスの鎧は反則なのじゃ!! 」」
つかさ、タッチュールが、封印の指輪を外して
フェニックスの鎧を着た俺に文句を言っている。
レベル500にフェニックス効果で2倍のレベル1000。
未来の沙良は其れより上だが互角には戦えるはず。
つかさは襟付きの長袖のシャツに手袋、ワイドパンツ、
皮靴に、腕と足に変形自在の鎧を付けている。
タッチュールは、魔族の正装【ビキニアーマー】を着けて
腰から前掛けを垂らしている。足は素足である。
魔族の正装は男性はブリーフかトランクスタイプに腰から
前掛けを、女性はビキニスタイルに腰から前掛けを……
1000年前は殆どが裸で、戦闘時に揺れる部分を固定する為に
布や麻、綿などの生地を使っていた。
それ以外は裸である。
変身する魔族は、変身後に人に戻る時は裸なので
人族、獣族のように服を着る者はいなかった。
人族、獣族の貿易が始まると、流石に裸は不味いので
徐々に服を着るようになった。
変身する魔族のことを考えてビキニに落ち着いた。
王族は第1正装はビキニであるが、貴族、平民は
燕尾服、タキシード、ドレスが許可されて、日々の生活では
俺たちの世界の様にカジュアルな服装を着ている。
変身する魔族用の服は開発中で、キューイルは屋敷のメイドや
フットマンのことを考えて裸で通していたが。
竜巳と付き合い出して、竜巳以外には裸を見せたくないと
言い出したので、アキナさんたちに変身する魔族用の服を
神界で買って来て貰って、キューイルの屋敷の者たちに着させている。
「2対1で良いって言ってるだろ!!」
「1対1だろ!!」
「最初はそう決めたが、沙良に勝ちたいからな」
「「 いくらレベル差があろうと一騎打ちをするべきじゃ!! 」」
俺、つかさ、タッキュールは揉めていた。
「2人掛かりで勝負して負けるのが嫌なのね」
未来の沙良が言い出すので
「そ、そんなわけないだろ!!」
「「 2人では圧勝だから……
つかさとタッキュールは図星を言われて動揺するが、
『ニコールさん、どうです?』
『何が?』
『ツカサとタッキュールの2人なら……
『……私が入っても勝てません」
『……』
のぼるがニコールに聞くが、俺に3人掛かりでも
無理だと言っているので、つかさが明美の方を見ながら、
「俺たちが勝ったら、フェニックスの鎧をくれ!!」
集音マイクから会場に流れた言葉に
つかさが無茶な要求をすることを含んだ歓声が上がり、
「ほしい奴に全員はどうだ!!」
つかさが更に要求するので、明美は
「勝てたら良いよ」
承諾の返事をしたので、ゴブリンが居るスタンドも歓声が上がり、
其方で座っている未来の明美たちを見ると
笑っているので、予定通り勝たしてもらうかと
「それじゃ! 2人纏めて料理する!!」
俺が言うと、それが合図となり、
俺は2人の間を音速を越えて通ると
2人は吹き飛ばされて、
つかさは左足の鎧が杭となって地面に向けて発射されて
杭は地面に埋めこまれた。
だが、杭で其の場に止まることが出来なかったので
土煙を上げながら俺が通った所から離れるが、
勢いが弱まったので、つかさは右足で地面を蹴って
俺がフェニックスの剣を構えて待って居る所に向かう。
タッキュールは、俺に吹き飛ばされたのを利用して、
背中から後ろに回転して地面に膝を曲げて着地をして
直ぐに天使の翼を展開して俺に向かって来る。
俺はフェニックスの剣を手に持ち、つかさは統星剣を手に持って
俺たちの剣同士がぶつかり、その衝撃で土煙が舞い上がる。
俺の背後からタッキュールが回し蹴りで来るのを避けて、
つかさにぶつかるようにするが、つかさも回避して距離を取りつつ
剣圧を俺に放ってくるので、タッキュールの猛攻を避けながら
つかさに向けて炎を纏った剣圧を放つが、
つかさは回避して距離を取る。
3人とも距離を取りつつ睨んでいると、
スタンドから歓声が上がる。
俺たちの動きは肉眼では取られ切れないので、スタンドの前にある
モニターには、数秒遅れでスロー再生された映像が流れている。
其の間も、
タッキュールが攻撃を仕掛けるのを回避すると、つかさの攻撃が
来るので、2人の連携プレーに苦戦しながら回避する。
つかさの鎧も俺のフェニックスの剣で焦げたり溶けたりしているが
原型を保っているので、さすが神界製。
タッキュールも体を身体強化させて、俺のフェニックスの鎧に
攻撃を仕掛けると火傷、皮膚のただれなどを起こすのを
闘気でカバーしている。
俺たちは距離をとって御互いを見渡して
フッと笑ってから攻撃を再開する。
「やっぱり魔法を使わないんだな」
パクちゃんが、光ちゃんの戦いを見ながら
自分の時と同じように魔法攻撃をしないことを言うので
「それが光ちゃんの良いところ」
剣士は剣士、魔法剣士なら魔法剣士と同じ立場で戦わないと
相手に失礼だと思っている光ちゃん。
相手は本気で戦ってくれないことに憤慨するかも知れないけど
フェニックスの鎧を来た時点で相手との差は歴然で、
魔法なんか使ったら一瞬で終わり。
時空を飛び回るフェニックスのカレンが、
光ちゃんを好きになって、一緒に戦いたいと言うことで
カレンを鎧にしました。
つかさとタッキュールの連携は、光ちゃんと
レベル差が大きいのに互角に戦っている。
光ちゃんは、まだまだ余裕だけど……
「ええぇと、旦那様に勝つのよね」
光ちゃんの戦う姿を見て、沙良が不安になって
聞いてくるので、
「忘れたから……
「明美が忘れたなら、私も忘れた」
何年も前だから、沙良が目の前の光ちゃんと戦って
勝ったかどうかは忘れたと言うと、美里も言うので
「俺の時も違ったけど……
秋人にいさまと戦って勝つと、パクちゃんには言っていたけど
結果はムラちゃんに敗北。
本当は覚えているけど、勝つと言えば頑張ると……
つかさとは住む世界が違うので、パクちゃんは
つかさと頻繁に会うことは無い。
沙良の件もあって、つかさは今回の件は忘れたと言っている。
秋人にいさまたちは、ムラサキに負けた黒歴史として
誰にも話していない。
私がパクちゃんを好きになった理由は、今の明美に言わずに
帰る予定である。理由がしょうもないのよ……
光ちゃんは自分の過去と会うなんて嫌だねと言って
来ていない。
まぁ、私たちとイチャイチャしている場面を
見たくないのが本音でしょうけど。
沙良、公衆の面々で!!!
「色々なことがあって忘れたことを
思い出す卒業旅行だよ!!」
「ホント?」
「ホントだよ、ねぇ美里!!
卒業旅行の目的でもあることを言うと
沙良が忘れてること嘘でしょうと確認するので
嘘じゃないと確認の為に美里に振ると、
「明美としたことが印象深くって
ニコール以外は忘れてるから……
沙良から目を背けて言うので
「まぁ……勝てばいいか」
美里が嘘を言ってるなと感じながら
沙良が光ちゃんに勝つと、光ちゃんが
優勢になって来た戦闘を眼光鋭く見ながら呟いていた。
「ハァ、ハァ……
「「 余裕なのじゃ!! 」」
疲れが出て来た2人を見ながら、
「まだ、やるか?」
俺が言うと、
「次は勝つ!!」
「「 もっと修業して! 勝つ!! 」」
つかさとタッキュールは俺に向けて言った後に
降参を告げて試合は終了した。
スタンドから握手が起こり、俺たちはスタンドに向けて
お辞儀をして、手を振った。
つかさはナルエたちの所に戻って労いの言葉を受けていた。
タッキュールは竜巳とキューイルに分かれて抱き合いながら
ラムータたちの所に戻り、俺は明美たちの所に戻って
明美たちと軽くキスをして、昼食に入った。
さて、13時からの第2試合は
俺と未来の沙良との戦いである。
沙良はスポーツブラにレギンスに皮靴を履いて、
腰に剣ベルトを巻いている。
剣ベルトに鞘に入った剣を繋げている。
赤髪はポニーテールにして、俺を睨んでいる。
俺はフェニックスの鎧を着て沙良を睨んでいる。
「言っておくわ! 更なる力があるけど使わないから」
沙良から告げられて、
「あってもなくても俺の勝ちだ!!」
「強気ね……
『開始前の探り合いが続いていますが……
『沙良さんの方が余裕ですね』
『ニコールさんから見ても?』
『何方も化け物ですが、天の勇者は言葉が多く、
負けるかって言う感情が出まくりです』
『胸の大きさは進次郎の方が出てる……
『マサト! 大きさを言ってるんじゃない!!』
『……魔族の頂点に立つには』
実況ブースで好き勝手言いやがって、
だが、沙良の方が強い!
沙良が力を抑えていても冷や汗がでる。
開始の合図は俺たちで勝手にしていいから、
沙良が動いたら行くか?
「光悦! まだ?」
「それが、沙良の剣か?」
右手に持つレイピアを見ながら俺が言うと、
「明美作の剣よ!」
沙良の右手が動いたので、俺は……
沙良に勝つ為の秘策を敢行した。
「……えっ!? 嘘?」
俺の顔を見ながら驚く沙良に
「テレポートさ! 知ってるだろ?」
俺に抱きかかえられながら、
「私より速く何て……
沙良の髪を触りながら、
「全魔素を使った! 抱くために……
俺と沙良は見つめ合って動かないでいる。
スタンドから俺たちが抱き合っている姿に
観客は呆然としていて、つかさはムラサキに
抑えられているが、俺に向かって罵声を
浴びせているがスルーだ!
沙良は顔を赤く染めていて、
「沙良の中は気持ち良かった」
「ア、アナタ……
涙目になっている沙良に
「俺の勝ちで良い?」
「えぇ……
目を閉じる沙良の唇に俺の唇を重ねた。
沙良はスイッチが入ったのか、
スポーツブラを脱ごうとするので、慌てて部屋でねと
耳元で言っていると、
「妹以外で、大勢が見てる所で良くやるな!!」
秋人にいちゃんが俺の方に来ながら言い出すので、
「勝つ為に! 此れしか!!」
弁解するが、
「少し御仕置だ!!」
ボキボキッと指を鳴らしながら言い出すので、
「沙良とは未来で夫婦なんですが!!」
「時と場所を考えろ!!」
俺とカレンは、テレポートに全ての魔素を使ったので
テレポートで逃げることが出来ない。
沙良と共に秋人にいちゃんに
やられるわけにはいかない。
俺は沙良を御姫様抱っこをして立ち上がり、
「封印を解かずに勝つ気ですか?」
明美ズ、美里たちが俺の方に来るのをチラッと見ながら
秋人にいちゃんに言うと、
「その為の武器がある」
明美に聞いたなという顔をしながら告げる
秋人にいちゃんの方にもアキナさん達が来ている。
セント・ギア【スオウ】達が来るが、クチナは不在である。
クチナは輝太を見に行っている為に……
「未来の明美が、どれほどか見ようか?」
「お兄さま、真の力を使わなくても勝てますわよ」
兄妹の睨み合いの中で、セント・ギアと融合するアキナさん達。
その姿にスタンドは驚きの声が上がり、
『3頭身から、8頭身?』
『融合するとは……神の武器』
『俺にもくれぇええええ!!!!』
のぼる、ニコール、理登が、スタンドに居る者たちの
代弁をしていた。
此の場所で戦うのは危険と判断した秋人にいちゃんの妻の1人
パティーレイスさんによって月に移動させられて、俺は明美から
魔素を受け取り、沙良も復活して、大バトルを展開した。
結果は引き分けとなり、此のままソラス星を見ながら
月で夕食をすることになった。
俺とパクオット、秋人にいちゃんと朝まで酒やビールを飲んでいた。
明美たちは女子会を開いて朝まで楽しく過ごしていた。
改めて思う、俺って人間じゃないのね……
まぁ、時計ですの?
姉上! あまり触らないで!!
懐中時計にベルト?
腕に巻くんです
まぁ、でもゴツイですわ
男性用で、こちらが女性用です
同じデザイン
えぇ、秘書にですね……
好きなの?
御世話になってますから
ふぅん……スマホ持っていたら要らないよね
両手をつ……エッ?
どうしたの?
スマホって……
カレム、インターネットや買い物に便利なアイテムよ!
此の世界で使えないのが!!!
あの、姉上! 何者?
貴方の姉で、アーシーリヴァよ
ですから、なぜ、スマホを知っているんですか?
秘密です
そうですか……
ペアウォッチはあるのに、ペアスマホってないわね
同じの買えば良いでしょう!
まぁ、ケースはあるから、テルタと相談
勝手にしてください!!
次回、まぁ怖い!
第73話 夜にはご用心……
此処が明美の家
お姉さま、寝姿を見るのは……
何を言ってるの!
愛する明美のあどけない寝顔を、ちょっと見るだけよ
でも、明かりが
明美のお母様が仕事をしてるから
漫画家でしたね
締め切り前かな
どうします?
行くわ
お姉さま! インターフォン押してどうするんですか!!
し、しまった、緊張して!!
はい! どなたって、美里?
明美? 起きていたの?
お母様の手伝いで
2時過ぎてますよ
女性にとって夜更かしは……
何しに来たの?
明美お姉さまの……ブゥウ……
瑠衣と散歩! 夜風に当たろうと、明美の家の近くに来たから
そう……
明美! 資料で異世界行って!!
異世界?
背景資料で!
私たちも?
写真を撮りまくるだけだから良いけど
それじゃ、お邪魔します
スタッフの方は10人も?
皆、ソリュート王国の人だけどね
日本人は?
私と御母さま
明美は日本人なの?
日本人だよ! 何を言ってるの、もう……
あのぅ日本人比率か少ないので……
私たちをスタッフに!!
ベタ塗りからやる?
やります!!
デジタルじゃないんですね
本物の線で書きたいんだって!
こだわりかぁ……
早く! 行ってきて!!!
はい! 皆行くよ!!




