65話 待っていてくれる良い敵です……
10時の鐘が港町【ロブシェリル】から聞こえて来る。
私は、参謀長官のパーセントと共に、右側に設置されている
観客スタンドを眺めながら、自軍と敵軍の間は直線で5キロあり、
その中間点に向かっている。
「よく来れる者だ!!」
此方には最強の勇者が居ると言うのを知っているのになと言う感じで
小声で言うと、
「そうですね……
疲れた感じでパーセントは呟くのを気にせずに、
観客スタンドから眺めている魔族たちを煽るように見ながら
我々が負ける要素が無いことをパーセントと話をしていると、
「絶対、勝てよ!! 「人族、勝てよ!!
「俺たちの未来のために!!
「キューイル様の為に勝てぇぇえええ!!!!
「何を言ってるのかな?」
私がパーセントに聞くと、
「さぁ、数は此方が少ないですから、憐みじゃないですか……
乾いた顔をするパーセントが言うので、
「くそ! 天の制裁で終わるのにな!!!」
怒り声で叫ぶと、
「対策はしてるぞ!!
「最初のアトラクションで盛り上げろよ!!
「人族の大陸を破滅するくらいのをしろよ!!!
「何を言ってるのかな?」
パーセントに聞くと、
「さぁ? 7日間ありますが、1日で終わるのが嫌だからでは」
「なるほど、流石、参謀だな。相手の心理が分かるとは」
感心して言っていると、
「相手の総司令官以外、味方というのはぁ……
パーセントが小声で言った内容が聞き取れなかったので、
「パーセント、何か言ったか?」
「皇太子殿下! 天の勇者の力を見せつけましょう!!」
パーセントが力強く言うので、
「その通りだ! 勝つぞ!!」
天に向かって右腕を上げる私に、観客スタンドから割れんばかりの
歓声が上がり、敵なのに、
「魔族の大陸へ送還されるが、1年くらいの補助はしないとな」
気分よく言う私に、
「この国に29か国が攻め込む話は……
パーセントが言うので、
「それはそれだ! 最強勇者は来たが、此の国は何も出さないからな」
最強の勇者【サンライト・サーバン】は、私たちを助けてくれた。
だが、ミューブル王国は自国開催なのに静観している。
ミューブル王国を29か国で分割するのは神の下で
正当な行いだ! 参加した者が、全員が、無事に
帰国できるわけではないのだから。
フィールドの中央に立っている魔族の女性を発見して、
気を引き締めて歩き出すと、反対側から魔族の男性が歩いているのを
確認して、あの魔族が総司令官かと目を鋭くして注意深く観察する。
魔族の女性を中心に双方が立ち並び、
「私は、総司令官を務めるウインライム法皇国の
皇太子【ケティング・レナ・ライム】だ!」
弱気を見せたらいけないと思い語気を強めて言うと、
「私は、総司令官になりましたラムータ・ギル・レイドルです。
7日間よろしくお願いします」
丁寧な御辞儀をする魔族を見ながら、勝ったなと思っていると、
「もう少し動かないでください」
何かを持って我々を撮っている紫のゴーレムから注文が入り、
「勝利の構図だな」
言った後に、ニヤッと右側だけ口を吊り上げて魔族を見ていると、
「負け構図です!!」
何を言っていると紫のゴーレムに、
「天の制裁で勝つんだ! 立ち位置を考えろ!
私が魔族を上から見てるだろうに!!!」
捲し立てて叫ぶと、
「隕石落としなんて古いですよ!!」
その言葉に、クスクス笑う魔族の女性は可愛いなと思いながら、
「最強だろ!!」
「落ち着いてください!! 総司令官!」
パーセントが宥めて言うので、
「そうだな、直ぐ分かる」
魔族を見下しながら言うと、
「それでは、今回のゲームのメンバー表を交換して下さい」
一段落したのを見極めて話し出す魔族の女性に、
「失礼ですが、貴方の名前は?」
ゲームの監視官なのは分かっているが、魔族でなければ妻にと
思うほど、気品があり、綺麗な人である。
ナルエを更に美しくした女性だ。
「私ですか? 名乗らないのが普通ですが」
困惑する女性に、
「彼女は、魔王様の秘書をしているアキナ・ソリュートさんです」
魔族が言うので、お前が言うなと思いながら、
「美しい名ですな」
恥ずかしそうに私を見る女性が、
「ありがとうございます。夫も私の名は美しいと言います」
エッとなる私に、
「未婚の訳ないでしょ! 俺の物にって顔に書いてあるぞ!!」
紫のゴーレムが持っている物に入っているガラスを向けて言うと、
観客スタンドから笑いが起こっているので、
「それは、まさか……
冷や汗を掻きながら聞くと、
「観客スタンドなどに今の光景が流れています」
これでは、人妻を口説いて振られた構図になるので、
「余りの美しさに、け、結婚してるか、き、聞くのを忘れた、だけだ!!」
観客スタンドから、自軍の方からも笑いが風に流れて聞こえてくるので、
「パーセント! 確認したか?}
話題を変えるために、メンバー表を見ているパーセントに聞くと、
「数が多いですが、ゴブリンがほとんどで、
ミューブル王国の王都に行く前に確認した数と
違いはありませんな」
何枚も重ねている羊皮紙を捲りながら見ているパーセントが言うと、
「そちらは、300人ですか? 増援とか……
魔族が聞くので、
「精鋭だ! 1人で1000人を倒すから問題ない!!」
私の言った言葉に感心するように、ほぉっと声を出すので
「其方の負け戦だな」
ニヤッとして言うと、
「此方は小出しで出して行きますので頑張って下さい」
魔族が言うので、
「余裕で! 天の制裁で終わるのに!!」
挑発すると
「隕石落としは古いですよ、対策もしてるし」
紫のゴーレムが言うので、
「ゴーレム! 喋るだけでも凄いが、
対策など出来るわけがない! 神の技なのだぞ!!」
神ソラスさまが、天の勇者にだけ与えた魔法であり、
使い方を誤れば、大陸を消滅させる威力がある物で、
どんな防御系のアイテムでも対策が出来ないことで知られている。
「出来たらどうするの?」
紫のゴーレムが言うので、
「そうだな、貴方と結婚しよう」
魔族の女性に向けて言うと、
「夫がいますが……
困惑する女性に、「出来ないことを言うので……
本気で魔族と結婚する気は無い、
結婚したら皇太子の座を追われて死刑だからだ。
「はぁ、夫と戦って勝てればで良いですか?」
女性が言うので、困ったぞ! 承諾するとは思わなかったので、
「私は魔導士で弱小なので、代わりの者でも?」
「はい、それで……
困った顔で見て来る女性の仕草も良いなと思いながら、
「それでは、我が最強の騎士サーバンで、貴方の旦那と」
女性が、フフッと笑った後に、
「分かりましたわ……
答えたので、
「逆でしたら良かったのに……
此の賭けは成立しないことは分かっているので、
本気ではありませんと言う含みを入れて女性に言っていると、
パーセントがメンバー表を確認できたようで、
「総司令官サインを!!」
メンバー表の署名欄にサインをすると光出して、
魔族の参加メンバーを承諾したと言うことである。
名前も素性も分からないので、確認などしても分からないが、
形式みたいなものである。
魔族の方もサインをするかと思えば、
「ダークネスと言う名は?」
我々に聞いてくるので、
「本名は書けないと言うことで、偽名だ!」
パーセントが言うので、
「魔族かと思いましたので、除名をしようかと」
魔族が言うので、
「偽名がいけないと聞いたことがありませんが?」
監察官の女性に聞くように言うパーセントに、
「そうですね、魔族が人族に居ても問題ないですけど」
女性が困ったわねと言う感じで言うが、
「同族と戦う可能性があります! 此の1名を除名しないと
サインは出来ませんな」
魔族が言うので、
「サインが出来ないと、どうなる?」
女性に聞くと、
「最近は在りませんでしたが、人族側の負けになります」
その言葉を聞いて、戦わずに負けるなど断じて受け入れられないので、
「除名をしよう! 我々も其の名を知らないからな」
慌てて言うと、
「それでは消しましょう」
魔族が、ペンで名前に重なるように2本線を引いた後に
サインをして、
「それでは、契約が完了致しました」
女性の言葉を聞いて、魔族と握手を交わした後に、
パーセントと共に此の場を去って行った。
「竜巳が参加できないが、どうするんだ!! 総司令官」
砦の第1防御塀の前で、俺と共にアキナさん達を見ていた
アドラーが聞いてくるので、
「モルモーラが参加するから、本名で進次郎の所に
入れている」
アドラーが感心するように俺を見ながら、
「抜け目ないな! 消すのは打ち合わせ済みか?」
「今朝会って、7日間の構成も考えたよ!」
俺が笑って言うと、
「やらせか? セコイわ!」
勇太がアドラーの後ろから言うので、
「最初から分かってるのに、言うなって!」
俺が言うと、周りにいる者たちも笑っていて、
「で、どうするんだ! 天の制裁は防がれるのが計画だろ?」
アキナさんの件かと思いながら、
「秋人さんと戦って、勝ったことないからなぁ……
「勝ったことあるでしょう!!」
何時の間にか、アキナさん達の所から戻って来ている
セント・ギア【ムラサキ】が、カメラを持って聞くので、
「モニター室で聞いてるんだが……
確かに、最近は俺の方が模擬戦で勝つが、アキナさんを
自称皇太子に渡すわけにはいけない為にと言ったのに、
ムラサキが要らないことを言うので困った感じで言うと、
「秋人さまも分かってます!」
俺がワザと負けるのは承諾すると言う感じで強く言うムラサキに、
「ワザと負けると、もう1度って言うだろうな……」
以前、秋人さんに勝ちそうになった時に、秋人さんは俺より強いと
周りが知っているから、此処は王の威厳のことを考えてワザと負けると、
アキナさんに物凄く怒られたので、
今回も、秋人さんにワザと負けたことが直ぐ分かるので言うと、
「大丈夫! 魔族側が防げなければ良いのです!!」
ムラサキが自信満々に言うので、
「どういう意味?」
「内緒です」
ルンルン気分で観客スタンドの後ろの屋台の方に向かう
ムラサキを見ながら、
「俺たちが防ぐの?」
アドラーに聞くように言うと、
「隕石を防ぐアイテムは持ってないぞ!」
自分自身を守るのは出来るだろうけど、此の周りを守るアイテムは
アドラーも準備していないのは分かるので、
「シェルターはあるけど、砦の大きさは……
アレタたちを守ったシェルターでは小さすぎるので言うと、
「セーイラの防御魔法は?」
観客スタンドを見ながら、
「観客スタンドを守るために準備してるから……
「セント・ギアは?」
ミューブル王国を守るだけの防御壁は出来るけど、
「メンバー表に入れてないし、モルモーラに
冗談で入れて良いって言ったら却下されたから」
その言葉で思い出したのかアドラーが、
「……セーイラは治療で参加だったな」
頷きながら、光悦も此方の砦を壊す大きさの隕石は
落とさないだろうから、
「しょうがない、皇太子を消すしかないか」
諦めた感じで言うと、
「お前らって、悪魔だよな」
苦笑して言っているアドラーに、
「規格外が、悪魔やねん」
勇太が言うので、そうだなと笑ってから、最終確認を
各団長を集めて、俺たちは会議を始めた。
観客スタンドの内側にある控室で、
「良く集まってくれた!」
控室に集まっている男性陣を見ながら俺が言うと、
「時間が無い、始めてくれ!!」
天の勇者【コウエツ】が、俺を見ながら言うので、
「第1回、ツカサに奪われた女性を取り戻す会を開催する!!」
開催を告げると拍手が起こり、収まってから、
「議長を認める、ケイイチです」
拍手が起こり、収まってから、
「まずは、先程、恋人を奪われたオーソン殿下に……
オーソン殿下に男性陣の視線が集まり、
「勇者、勇者隊の女性たちが、神の神託で嫁ぐなど、
許されるわけがない!!」
テーブルの天板に拳をぶつけて言うオーソン殿下に、
「神の言葉は絶対だ! 神が嫁げと言えば従うしかない!」
太い眉をビクビク震えながら言うコンピーコム王国の勇者【トシツ】に、
「国のことなど! 私とサヴェンコフは幼馴染で、キスもしていなかった!!」
涙を流して訴えていて、
「うむ、まずは、神ソラスは何を考えているか考えようか?」
俺が男性陣に提案すると、
「神ソラスは、魔王と結婚している」
シン・ケイサム海洋国の勇者【ユウキ】が険しい顔で言うので、
「その通りだ!!」
俺も同じように叫んで言った。
神ソラスは我々を騙していた。人族、獣族、魔族の3大陸の神であり、
魔王と結婚をしていることを。
その魔王を打ち取るために俺たちは召喚された。
「だが、魔王が倒されるのを望んでいるぞ!」
カーディオン王国の勇者【ダイジ】が、神ソラスの
望みを言うと、
「魔王の寿命が50年と言っていたが、後2年か……
つかさが俺たちに言っていたことを改めて言う光悦に、
「何もしなくっても、帰れる」
俺の言葉に、召喚された男性陣は雄たけびを上げている。
俺も嬉しいが、
「聖女は、神ソラスの娘なのか?」
聞いているが、確認の為に、光悦に聞くと、
「本当だ! 次期法皇と言われたのも納得する」
笑って言うので、
「どうしてだ?」
「皇太子と結婚させないため!
ナルエが望んで言わなければ、
皇太子が勝手に言っていても、
誰も信用はしないからな」
光悦は嫌そうに言いながら語ると、
「私も、皇太子殿下から何度も聞かされていたが、
聖女さまからの言葉ではなかったので……
ウインライム法皇国の勇者隊のチェンジャーが
光悦の話の正当性を告げるので、
「娘を守る為か……
迂闊に現法皇から結婚をしろと言えなくさせる為かと呟くように言うと、
「議長! 今回のゲームも、ある意味、娘のキューイルを
守る為だろうな」
友人の十須が挙手をして発言するので、
「守る? 今回のゲームは、
魔王に、タツミとの結婚を認めさせるかどうかだったな」
「だからさ! タツミは闇魔法を使う!」
「毒や奴隷だったか……
十須の言葉に答えるように言うと、
リオーダン王国の勇者【アオイ】が挙手するので、許可を与えると、
「キューイルと話していて、タツミお姉さまの奴隷魔法は群を抜いていて
あそこ迄の効力はないそうです!!」
「それは、ベルローズ王国の勇者で知っている」
ベルローズ王国の勇者3人は、竜巳の奴隷となって、今までしなかった
テント張り、料理の手伝いなどを行っている。服従系などでは数時間で
効力が無くなるが、未だに効力があるのが信じられない。
ヴァンパイアのように牙を埋め込むわけでは無いので……
「だから、キューイルを守るために、神ソラスさまは
タツミお姉さまを婿にしたんだ!!」
目を潤まして言う蒼に、
「お姉さんじゃなく、君じゃないの?」
俺が言うと、全員が、そうだなと頷くが、
「だって! グラビアアイドルのタツミだよ!
写真集も買って、同じ服か、似た服を買って、
2人に見せてね!!」
両隣に座っている裕也、勉を見ながら言うと、サッと明後日の方を
向いていて、「どうだったんだ! 聞かせてくれよ!!」
芸能界に入れるルックスを持つビルッド王国の勇者【アキヒト】が
ニヤニヤしながら聞くので、
「お、劣るよ……
「しょせん男だから、ハハハ……
乾いた笑いをする2人に、
「着た時に、僕で抜けるって……
真顔で言うので、
「昔な! 喉ぼとけは出てないが、何処から見ても男だから!!」
裕也が言うのを聞いて、
「だから、僕もタツミお姉さまのように女になる!!」
化粧した竜巳は女性としか見えなかったが、
「? 女って、性転換の薬で?」
プロールクト王国の勇者【シンジロウ】に、セーイラさんが
神界で購入した男の娘セットを渡すついでに、性転換の薬も
買って来ていて、クチナが性別を間違えたとか言い出して、
進次郎に飲ませようとしてたので、ひと悶着があり、
結果、馬が飲み込んでしまい、馬は雄から雌に変わったので、
俺たちは驚愕した。
実際に、セーイラさんやアキナさんに聞くと、本当らしく、
性別を間違えて生まれることが、年に数件あるらしい。
理由は分からないが……
その為に、性転換の薬が用意されている。
俺たちの世界で使用すれば、生まれた時からの経験を全て
リセットして男なら女として生まれて来たと書き換えられるが、
此の世界では、魔法が発達して、変身魔法もあるので、
性転換の薬を使用しても、其の場から変わるだけである。
「そう! タツミお姉さまのように、男から女に、
女から男になれるのが理想だけど、僕は持ってない!!
だけど、女性の服を着ると安心感があるんだ!
だから、セーイラさまに買って来てもらうから!!」
嬉しそうに裕也たちを見つめながら言うので、
「それ以降は3人で! ツカサについてだが……
俺が、神ソラスが何故109人を、つかさにナルエ以下を
嫁がせたのかを議題にしようとすると、
蒼が挙手するので、
「女になる講座なら、他所でだぞ!!」
蒼は笑ってから、
「ツカサについてだよ!」
「そうか、神ソラスが聖女だけなら分かるが、
勇者、勇者隊の女性までだが……
俺が議題を言うと、蒼は頷いてから、
「さっきも言ったけど、性転換の薬で女になる!
僕は心が女だと分かったのは、ユウヤ、ツトムのことが
好きだと自覚した時なんだ! 其処から、
僕が男に生まれた……
「その話は、此処では……
俺が注意すると、
「もう、僕が言いたいのは、此処に居る男性たちより
女性の立場で言えることなんだ!!」
「心が女性だからだろ?」
光悦が言うので、頷く蒼が、
「ツカサは、頼りがいのある人で、傍に居ると安心する人で、
どんな困難からも救ってくれる人で……
頬を染めて言う蒼に、
「女になったら、俺たちを捨てるのか!!?」
勉が叫ぶと、
「それはならないよ! 109人の中には入りたくない!!」
ポッチに誰かがなる可能性もある、興味が無くなれば
捨てられる可能性も、今から、あの中には入れないなと思っていると、
「ケイイチ! レイたちは、あの中に入って行った!!」
十須が控室に響くように言うと、
「レイは、俺と会う前に会っていたから……
此処で簡素に、つかさと零との出会いを語った後に、
「ずっとか? だが、アリスは魔物から救って貰っただけで、
恋に落ちたんだ! カズエまで……
ミュー・クラッホーン魔導国の勇者【コウジ】が
前髪を払いながら嘆くので、
「レイに関しては、ずっと想っていたらしい」
美知恵、りつに関しては、その場で映像を見た後に、
求婚して、レイも承諾して、聖女たちと合流している。
「体の関係も持っていたのに!!」
叫ぶ浩二に、それは酷いなぁという雰囲気の中で、
「コウエツ君! 君は神ソラスさまの眷属で、
ツカサも同じだったかな」
ウインドフィル王国の勇者隊のシモンドが、光悦に尋ねるので、
「俺、ツカサは、アキト兄ちゃんの妹の眷属さ!」
光悦が秋人さんと仲が良いなとは思ったが、妹繋がりなら、
「その、妹の眷属に、私たちをアキトさんから……
零を取り戻すには同じ土俵に上がる必要があると思ったので
光悦に告げると、
「彼奴は、おじさま好きで、してくれないだろうな」
クスッと笑って言う光悦を見ながら、
「だったら、なぜだ?」
「ツカサに関してはアドラーに、俺の場合は、キスの練習だな」
思い出しながら笑っている光悦に、
「どうして、キスの練習を……
蒼が聞くので、
「彼奴はアキト兄ちゃんが好きで、その練習で!!」
光悦の言葉で、ブラコンかと誰もが思っていると、
「それで、眷属に……
大二が光悦を睨みながら言うので、
「あぁ、すっかり忘れていたけどな……
右手の薬指に嵌めている指輪を私たちに見せてから、
「だがな、眷属の力は使わない! ナルエを俺の下に
来させるようにするには、人間じゃなちゃいけないんだ!!」
「行かないと思うけど」
蒼が言うと、椅子からずり落ちる光悦を見ながら、
「どうしてだ!?}
俺が蒼に尋ねると、
「眷属の力を見せればいいと思うよ、レベル500なんでしょ」
エッとなる控室で、
「ローズマリーに見せたが、それでもツカサが良いんだと!!」
嫌なことを言わすなと言う感じで言う光悦へ、
「本当か? だが、眷属になれば……
尋ねると、
「ケイイチ! マジで言ってるか!? 奴隷だぞ!!」
ドスの利いた声で言う光悦に、
「それでもだ!! アリスを!!」
「サヴェンコフは、神ソラスに騙されているんだ!!
眷属になれば!! 私の所に戻る!!」
浩二、オーソン殿下が激しく叫ぶので、
「冷静になれ!!」
私がそれ以上に叫ぶと、黙り込んだ2人を確認した後に、
「ツカサより優れた男を見せる必要がある。だが……
光悦に顔を向けた後に、
「レベル500の男の力を見せても別れる気は無い!」
「そうだな……
十須が呟いたので、十須に視線が集まり、
「映像を見た限りで言えば、1人で数万の兵と戦える力がある。
コウエツは出来るか?」
十須が光悦に振るので、
「今は無理だな、経験が無い……
フッと笑った後に、
「アオイが言った安心感は、彼奴の経験の積み重ねだ!
実際の年齢より倍以上は生きている」
光悦が経験の差と告げるので、
「俺たちも此の世界に来て……
大二が言うので、
「俺たちは温室育ちさ!!」
光悦は椅子から立ち上がり、
「どういう意味だ!?」
私が光悦に尋ねると、
「彼奴は何時も死と隣り合わせで、俺たちはゲームという
籠で守られている」
扉の方に歩き出す光悦を見ながら、
「魔族と戦う時は、獣族の者が暴動する時は、
死人が出ていて言ってるのかぁああ!!?}
浩二がテーブルの天板に拳をぶつけて、
テーブルは、その衝撃で割れて崩れている中で、
「そうだろ……
光悦が扉を開けると、紫のロボットが立っていて、
「何がです?」
紫のロボットが不思議そうに聞くので、
「気配を消して聞いていただろ?}
エッとなる俺たちを、紫のロボットが見渡した後に、
「最強の敵と戦った経験が無いですから」
紫のロボットが言うので、
「そうか、俺も無いな」
笑みを見せて紫のロボットに言う光悦に、
「魔王を倒せばいいでしょう!」
紫のロボットが光悦に言うので、
「俺が?」
「今、シナリオを書いてますよ! 明美さまが……
控室が騒がしくなり、
「ナルエが俺に少しでも……
「そのつもりですよ! 光ちゃんの為に……
光悦に笑顔の感じを見せている紫のロボットに、
「俺のこと、どうでも良いのか?}
「明美さまは、光ちゃんが複数の女性を持つことは
気にしないそうですよ」
「ホントかよ! まぁ、彼奴もか……
笑顔で言った光悦が、
「開始時間だ! 其処にモニターがあるから
見ながらゆっくりしててくれ!!」
光悦が、俺たちを必要なしなことを言うので、
「おい! 魔王を倒すとか、アケミって!!!」
扉の出入り口の所まで来て叫ぶ浩二を無視して、廊下を歩いて行く
光悦と紫のロボットの姿がモニターに映されていて、
浩二は後を追えないようで、
「バリアーがあって、出れない!!」
本当かと、俺たちも戦闘準備にと壁を壊したりして行こうとしたが
壊れることが無いので、クソっと思ってモニターを眺めると、
『魔王の軌跡って言うタイトルで、ソラスからの依頼で……
『トリを俺にか?』
『はい! 2番目に強い敵を勇太さんに……
『不幸な星の下に居るな』
『レベル85なんですよ! 敵はそれくらいじゃないと』
エッとなる俺たちは、勇太ってレベルが上がらなくって、
勇者として下位のレベル王って言われてるのにと、誰もが思っていると、
『フェニックスの鎧を着て、レベル80になるけど、
勇太だろ普通は……
そう言えば、屋台の射的でロックティラや光悦が凄いアイテムを
得ていた。それで、次の日に俺たちも屋台に向かったが、凄いアイテムは
全て出てしまっていた後で、初日に行けばと後悔した
そのアイテムのことを話していて、
『光ちゃんの為に、再調整してますから……
『映像で見たが、相変わらずだな……
『見た目はどうです?』
『アキトさん聞いてるんだろ?』
『はい!』
『言えるか! ナルエを俺の手に!!」
『あっ! 誤魔化した!!』
『魔王を倒したら俺の下に来るんだろ!?』
『無理ですよ! 1000年後!!』
『1000年後って……
『つかさが、子供は1000年後と言うので』
『子供と結婚するの?』
『違いますよ! 出産するまでの間に介抱などしていけば……
『ツカサは忙しくっていない間にと……
『そうです、そうです』
『その間は、アケミで我慢しろと?』
『ピンポーン! ピンポーン!!』
『フッ! まずは、1万の軍勢と戦いますか』
戦場に出て来た光悦を、観客スタンドの魔族たちが盛大な握手で
迎えていて、
『お前は……
アップになる光悦の顔がカメラ目線で言うので、
『私は、戦場カメラマンです!!』
『邪魔するなよ』
『もちろんです!』
『そうか? ツカサ!!』
つかさ、アドラー、シャドウたちが立ち並び、各勇者隊の
団長が並び、ロックティラ率いる神器の鎧を着たカーディオン王国の
勇者隊が並んでいる。
そこへ光悦が着くと、
『他は?』
つかさが聞くので、
『お前から恋人を奪い返す相談をしている。
今日の活躍で、俺は、ナルエを貰うぞ!!』
つかさに堂々と言う光悦に、
『無理だな、身も心も俺の物だ!!』
それを聞いていた俺たちは、クソっと涙を流していて、
蒼はカッコいいと叫んでいた。
『で、お味は?』
光悦が言うので、お前、何を聞くのと、
涙で揺らいでいるモニターを見ながら叫ぶと、
『宮殿で聞いてるんだぞ! 言えるか!!!』
つかさは怒鳴るように光悦に声を浴びせていて、
『ツカサさま! アリスの事は後で……
シャドウが聞くので、
『アリスに聞いてからな……
その言葉を聞いた後に、控室で私は、
「ツカサの欠点を探して、レイたちの目を覚まさせるしかないだろう」
告げると、此の控室に集まった者たちが、
「「「「「 観察する!!! 」」」」」
ストーカーのように行動することを告げた。
もちろん、眷属になることも諦めていない。
「もう時間か? 敵は防御塀、指令室に……
上空から敵の砦を観察しながら、人族の兵が少ないことに
不思議に思いつつ、観客スタンドにロブシェリル民が居ることに
驚きつつ、自軍の砦の指定室のベランダに降り立ち、
指令室に入ると、
「遅くなった! !!?」
指令室に居る者に詫びを入れた同時に、妻たちが居ることに驚いた。
「なぜ? お前たちが?」
妻たちを見ながら疑問を投げかけると、
「貴方が不在の為、妻である私たちの言葉で、兵に励ましの言葉を
告げて下さいと、ラムータ卿に言われまして、此処に居ます」
妻の1人、スマージャは私に説明するので、
「そうか、ラムータ!!」
女性は、妻は、屋敷に居るののである。男性が、夫が屋敷を空ける時、
屋敷を守るのが女性、妻の役割である、それを、戦場に連れ出したので、
ラムータへ激しく怒ると、
「旦那様! お叱りは後に……
執事のヨウケイが、敵のメンバー表を見せるので、
「見せろ!!」
奪うようにメンバー表を手に持って、捲って行くと、
「本物のメンバー表か?」
私の言葉に、
「サインもあります、監視官のサインも……
ラムータが本物ですと言うが、
「そうじゃない! 数が300なのだが?」
指令室の緊張が和らいだ感じを受けながら、
「間違いありません! 向こうは隕石落としで終わると……
ラムータが不敵に笑って言うので、
「対策もしていないと思っているのか?」
「敵の総司令官、人族は、そう思っているようです」
ラムータの言葉を受けて、相手の総司令官は馬鹿かと
フッと笑い、陛下から受け取った指輪、いや……
「防御の指輪だ!」
指令室に居る者に見せるように右手薬指に嵌めている指輪を
見せると、
「まぁ、素敵な指輪ですわ」
妻の1人、エリシャーラが嬉しそうに言うので、
「ゲーム後に、エリシャーラに、プレゼントをしよう……
普通なら、妻の3人で取り合いになるが、私の所は違う!
エリシャーラに妻2人が集まり、良かったねと言葉をかけている。
2人にも何かしらプレゼントは居るだろうが……
妻の1人、モルモーラの服がドレスでは無いので、
「モルモーラ! なぜ、パンツスタイルなのだ?」
上は襟付きの長袖に手袋、ベストを上に着て、下はパンツで、皮靴を
履いているので聞くと、
「戦場に出る為ですわ、あなた!!」
「戦場? 戦闘は出来るが、メンバー表に……
戸惑っている私に、
「旦那様! 旦那様が、お戻りにならない時の場合を考え、
メンバー表に書き加えております」
ヨウケイが説明するので、
「遅くなったせいだな……
床を見る私に、
「なぜ、遅くなったのですか? ニコール卿!!」
ラムータが聞いてくるので、
「陛下から、この指輪を貰った直後に、神ゾウラストさまが
さらに強力な神器の指輪を私に授けた……
指令室に居る者たちが、私の指輪に集中するので、
「直径50キロの範囲を守れる物だ!
どんな大きさの隕石でも、我々は無傷だ!!」
オオォォオオオ!! と、ラムータ、ヨウケイ、伝言兵たちが
声を上げているが、妻たちはジッと指輪を見ている。
「欠点として、相手の砦も守ることだな」
ヨウケイとラムータが顔を見合してから、
「相手は戦意喪失」
「ロブシェリルは魔族が引き続き……
それぞれが言うので、
「人族と付き合ってる者、夫婦が離れることが
無いことは嬉しいことだ!」
私は本心で言っている。魔族が人族と恋など、魔族の大陸では
受け入れないことであるが、此の街【ロブシェリル】では、
人族、魔族の垣根を越えて、普通に生活をしている。
陛下と人族の女性と一夜を過ごした場所であり、人族から
ゲームによって、30年前に此の地を得てから、
人族の大陸、獣族の大陸の中で、魔族が唯一住んでいる場所である。
普通、得られた土地は、ぞの土地の者に監視を付けながら
今まで通りに政をさせている。
陛下が別荘を建てたことで、魔族の大陸で問題に成った時に、
陛下の一喝で沈黙したが、別荘の管理などは魔族となった為に、
特に貴族は行くのを断った。商人などは3大陸を往来しているために
人族の大陸の拠点として住むようになったが、魔族の大陸での
商売が出来ないと言うことが起こり、陛下が商業ギルドの
長となり、陛下が認めた者たちだぞと圧力を掛けて、
前と同じように商いが出来るようになった。
そして、商業ギルドのマスターには、後にキューイルさまの
乳母になる裁縫屋の娘であった。
私は、陛下に四天王の1人に抜擢されて、ロブシェリルを
任せると言われて、私は困惑した。
人族の大陸に住むということに、私が仕えていた
デレクヴァイス国の王から、陛下に断りを言うように言われたが、
陛下が国を捨てれば良いだろうと簡単に言われて苦悩した。
王は、山賊に村などが襲われているので、私に小人数で討伐に行くように
勅命を言い渡し、私たちは盗賊のアジトに向かったが、
待ち構えていた山賊、味方だと思っていた兵たちが
私に牙を向けて襲い掛かり、山賊のボスの強さに、
私より強い者がいることに驚愕し、私は死を受け入れた時に、モルモーラが
私の前に現れて、一瞬で盗賊たちを亡き者にした。
モルモーラを私の妻に迎えて、私は国を捨て、妻たちも親たちと縁を切り、
私は、此の街【ロブシェリル】の町長に就任した。
初期のメンバーの大半が、夢の中で神ゾウラスト、いや神ソラスに
お願いされて来ている。
10年後に生まれくる陛下と神ソラスの子が、此の街に住むための
足掛かりを頼みますと、神ソラスが頭を下げて言うので、陛下との
関係を聞いたうえで承諾した。
そして、私は人族と魔族の貿易は、此の街のみとすることを皮切りに
此の街を発展させていった。
此の街に、人族側の国々から商人、行商が訪れ活気が増して行く、
その効果は、ミューブル王国にも持たされたのである。
村、町の宿場などが潤っていったからである。
魔族の大陸から此の街に足を踏み入れる者も出て来た。
その大半は、此の街の評判が良いこと、ミューブル王国の農産物、
鉱石などが魔族の大陸に渡り、評判が良いことである。
人族、魔族の間で恋仲になる者も出て来たが、異種族間では子が
出来ないと言われていたが、なぜか、子を授かる者が出て来て、
陛下に、神ソラスに聞くと、神ソラスが人族で子を産むと言うことで、
此の街限定で、異種族間で子を授かることが出来ることにしたのを
聞いて唖然とした。
その子たちは、成長が早く、力も通常の魔族よりも強いことが
分かって来ると、人族を受け入れても良いと思う者たちが
此の街に住むようになった。
「さて、天の勇者の攻撃は何時かな……
指令室からベランダの方を眺めながら、対策は十分と
余裕を持って呟いていると、
「20分後でしょう! 13時ですから」
階段から指令室に入る赤きゴーレムが答えるので、
「ゴーレム?」
陛下が制作しているのは知っているが、目の前のゴーレムは
見たことが無い型であり、声を出すゴーレムも見たことがないので、
周りを見渡すと、
「ニコール卿! キューイル様の為に、魔王陛下が制作した
ゴーレムであります」
ラムータの説明で、
「そうなのか、陛下も凄い物を作るな……
キューイルさまのお相手は、攻撃的なフォルムが合うのかと
ジロジロ見ていると、
「私は、魔王陛下に作られたゴーレム……
手の持っている物を、近くに居たモルモーラに渡してから、
「赤い彗星! スオウであります!!」
右手人差し指を天井に向けてビシッと決めるゴーレムに、
呆れながら見ていると、妻たちはクスクス笑っていて、
ゴーレムは赤いから、まぁ、分かるが、彗星って?
まさか飛べるのって思いながら、
「スオウ君! 君は何をしに来たのかね?」
聞いてくれてありがとうと言う感じで、
「此の指令室の模様を観客スタンドに!
記録として残すことを命令されています」
モルモーラが持っているのが写真機で、観客……
「このゲームを子供たちに見せるのか?」
ラムータに聞くと、
「あぁ、観客スタンドですか?」
「そうだ! 死人も出る! 子供たちには刺激が……
妻たちが、夫らしいわと顔を見合している。
「ロブシェリルが、今まで通りに行くかの瀬戸際であります。
その戦いを目の当たりにして、ロブシェリルに居る事は
多くの犠牲の上に居る事を知ることだと
思いまして……
ラムータが言うが、
「だがな……
写真機を構えて、私を見ている赤い彗星が目に入るので、
「スオウ君! 向けないでくれるか?」
私が言うと、
「観客スタンドのモニターに映っていますから、何か一言!!」
エッとなる私は、観客スタンドに流れているのかと、
観客スタンドの方を見ると、
「息子は! この戦いに目を背けないために!!
「港町は、貴方がたのおかげで、私たちが居る事の意味を
娘は知るべきだと……
「キューイル様の為に負けろ!!
「蘇生されるんだ!! 神の力を息子に!!! 等と
叫んでいて盛り上がっているが、観客スタンドに来ている
子供たちは、戦いの残酷さを覚悟で見に来ているのだろう。
陛下が亡くなれば、ゲーム形式の陣取り合戦も終わり、
人族、獣族との血泥の戦いが繰り広げるだろうが、
港町【ロブシェリル】の子供たちが成長し、人族、獣族が
助けを求めて来た時に、自然と手を差し伸べて助けることが
出来るのであれば、今回のゲームを見て、戦争の惨さを
学んでほしい。
私は椅子から立ち上がり、
「総司令官のラムータ様に変わり、スタンドにいる
ロブシェリルの民よ! 私は宣言する!……
私の耳に入って来る会話は無く、私の言葉を静かに聞いているようだ。
「人族に勝ち! ミューブル王国から独立をする!!
そして、ミューブル王国の王を退けて、
キューイルさまを、ミューブル王国の王にすると!!!」
キューイルさまの名が出たので、スタンドは喝采が起こっていて、
「今回のゲームは、人族が敗れ去る1ページの1つになるだろう!!!」
更に叫んで言うと、なぜかスタンドは静かになってしまったので、
エッとなっていると、私の近くに光る板が現れて、
「なんだ?」
人族が映っているので、
「モニターです! 人族側が映っています」
赤い彗星が言うので、良く分からないが納得していると、
『総司令官に変わって言おう!』
青年が言い出すので、負ける話をするのかと思っていると、
『今から、天の勇者の天の制裁で魔族側は敗北するだろう』
此方は対策をしているので、それも分からない愚か者の人族かと
思いながら光る板を見ていると、
『……が、対策はしている。 余波がどれくらい出るか予想できないが、
スタンドに居る者たちには被害が出ないので、安心して見ていてほしい』
対策はしていることは分かっているか、
スタンドのロブシェリルの民を気遣うとは、敵でなければ
友人になれたかなと思いながら見ていると、
『今日は、日没3時間前に終わる! 今日の夜も
バカ騒ぎしようぜ!!!』
青年が言うので、何を言ってるのかなと思いながら頭を抱えていると
スタンドから私の口上よりも凄い歓声が上がり、
「ツカサ!! 女1人くれ!!!!
「お前1人で、蹂躙しろ!!!
「お兄ちゃん!! 添い寝!!!
「100年は早い!!!
笑いが起こったりして、お祭りのようで何だこれはと、
妻たちを見渡すと、
「最後の足掻きでしょ……
「負けは決定ですから……
「圧倒的に勝つ!!
スマージャ、エリシャーラ、モルモーラがそれぞれ言うので、
「戦闘準備!! 第1陣をまず出す!!」
赤い彗星が私を見ているので、
「声と口元は写さないでほしい」
苦言を言うと、「分かってます!」
ニッコリと笑った感じで言うので、
「そうか……
笑みを返してから、いよいよか、長き7日間が始まる。
13時を告げる鐘が、港町【ロブシェリル】から響いてくるので、
「光悦! 天の制裁だ!!」
「待て! これだけで戦うのか?}
俺の号令に待ったをかけるセイパレール国の勇者隊の団長の
ギルヴェザンに、
「十分だ! 神の神器もある」
ロックティラ達を見るギルヴェザン達に、
「シャドウたちが王族を守る。死んで来いや」
その言葉に、
「蘇生か、だが……
ウインライム法皇国の勇者隊の団長のエンリーが
俺を睨んで言い出すのを遮って、
「全力を出せ! 弱いんだから」
俺の言葉に怒り顔を向けるエンリーが、
「あぁ、分かった! 神アキナさまの眷属にさせろ!!」
神ソラスじゃなく神アキナか、自称皇太子も魔族に扮していた
アキナさんに見惚れていたから、まぁ、分からんでもないので、
「眷属化のスキルを持ってないから……
「それじゃ……
ガッカリしているエンリーに、
「アキナさんの旦那さんなら眷属化は出来るけど……
嫌そうな顔をするエンリーは、
「ま、まだか! 早くしろ!!」
ムラサキと光悦の方を見て言うので、
「いや、項目が多くって、タブレットに出して確認中で……
その言葉に全員が光悦の周りに集まるので、タブレットから
光が出て、空間に天の制裁の項目が映し出されていて、
「お前って、魔法1つなんだな」
「ツカサ! 魔法が使えないお前が言うな!!」
光悦を見ながらフッと笑ってから、
「剣専門だ! 頼むぞ!!」
「私が押そう!!」
光悦に言ったのに、ムラサキが言い出すので、
「俺の魔法!!」
「タブレットに出した時点で、誰でも光ちゃんの魔法が使えます」
スマートフォンのアプリで魔法が使えるが、光悦の魔法をタブレットで
使えるアプリで起動したのかと、明美、何時の間に制作したんだと
苦笑いしていると、
「俺の役どころ!!」
光悦は言うが、「あっ! ナルエさんだ!!」
スタンドの方を見ながらムラサキが言うので、
宮殿に居るのに、パティーさんが連れて来たのかと
俺たちがスタンドの方を向く間に、
「ポチッとな!!!」
ムラサキがタブレットの画面に指で押して、タブレットが光出して、
「!? 音が……
空を見上げて言うと、巨大隕石が落ちて来ていて、
「おい、ソラスが俺に買わせた防御用の指輪じゃ無理だぞ!!」
ロックティラが、エンリーが、スナーラたちが額から汗を流していて、
「ムラサキ! お前なぁ!!! ワザとやったな!!!」
ムラサキの首を両手で挟んでガクガクと動かしていると、
「数じゃなく、キロか……
ムラサキに騙された光悦が言うので、
「何キロ?」
「ハハハ……10メーター迄だったけど……
笑っている光悦の言葉で、
「10キロね……
青ざめている俺に、
「ニコールの使用する指輪では無理なんだな!!?」
ロックティラが聞くので、
「そうだ! 全員! スタンドの控室に!!!」
号令をかけて、観客スタンドの方に走り出すと、
『今から、隕石をミューブル王国の宮廷魔導士パティーにより
消し去ります』
秋人さんの声が流れて来たので、
「空間転移か!!」
俺は走るのを止めて、「光悦を先頭に攻撃準備!!!」
ナっとなっているロックティラ達が走るのを止めて
俺を見ているので、観客スタンドの天井に居る
パティーさんを指さして、
「パティーさんか! 100%じゃなければやらないと……
光悦が笑顔で行った後に、
「全員! 持ち場に戻れ!! 魔族に勝つぞ!!!」
言ったが、
「控室に行く!!」
ロックティラが言い出して、此の場には、俺と光悦とサヴェンコフが
残るのみで、
「怖くないか?」
サヴェンコフに聞くと、
「貴方の顔を見て、安心しています」
上等と思って、サヴェンコフにキスをしている間に、
パティーさんのゲートの魔法が炸裂して、巨大隕石は消えていた。
その模様を見ていた観客スタンドは盛り上がり、王族の方では、
「す、すごい、ミューブル王国に、嘘だろ……
「彼女をスカウトしないと……
「私の婚約者に……
声が上がっているが、あれでも30過ぎの子持ちですと
声を出さずにパティーさんを見ていると、
パティーさんが怖い顔をしているので、
「……美里じゃまだ出来ないので、ありがとうございます」
お辞儀をしていると、
「あなた、如何したのですか?」
サヴェンコフが俺に寄り添って言うので、
「顔には出さない方が良いと言うことだよ」
「? 嘘付けないのですね」
サヴェンコフが微笑んで言うので、
「フッ、そうだな……
魔族の砦の方を見ると、第1防御塀の前に、盾を持つゴブリンが
並んでいるので、
「ロックティラたち……
「2人で戦うのか?」
俺の言葉に光悦が言うので、
「3人では?」
サヴェンコフが聞いてくるので、
「秋人さんがいるモニタールームで見ていてくれ!」
「モニター?」
俺は観客スタンドを指さして、
「観客スタンドの中さ! ナンシーさんお願いします」
何時の間にかいるナンシーさんに言うと、
「行きましょう! つかさ君の活躍を一緒にな」
ナンシーさんがサヴェンコフを抱っこして、
一瞬で姿を消したので、呆れながら其の場に居ると、
「2人で、どうする?」
光悦が聞くので、
「指輪を外してくれ!!」
フッと笑ってから光悦が、
「死なないといけないんだが……
「後から、俺が殺すよ」
鞘から剣を抜き、此方に動いているゴブリン達に剣を向けると、
「今日で終わらすか?」
指輪を外して、
プラチナ・ストロベリーシルバーの髪になっている光悦が
言うので、
「剣もつか?」
「さぁな、ミスリルの剣では……
手に持っている剣を見せるので、皮袋から、
「ドラゴン・ソード! ドラゴンの骨で作られた剣だ!
神気にも多少は耐えられる」
鞘に入ったドラゴン・ソードを渡すと、持っていた剣を捨てて、
俺から受け取った鞘からドラゴン・ソードを抜いて、
「炎の魔法が使えるか……
さすが明美の眷属、直ぐ分かるかと光悦に笑みを見せた後に、
ムラサキがカメラを持って俺を見ているので、
「お前だけか、戻って来たの?」
「私は、戦場カメラマンなので……
ムラサキがフフッと笑って言うので、
「しっかり録れよ!!」
「分かっています!!!」
元気よく言ったので、
「スタンド! モニターを見てる奴! 王族よ!!
今から、俺たちの無双を見届けよ!!」
剣を天空に捧げて言った後に、
「お兄ちゃん!! 頑張れぇぇええええ!!!!」
アレタの声で更に勇気を得た感じで、ありがとうなと感謝した後に、
「光悦!
「つかさ!
俺たちは剣をゴブリン達に向けながら顔を見合して、
フッと笑った後に、
「「 行くぞ!!!!!! 」」
俺たちは大声を上げて、ゴブリンたちの方に高速で走り出した。
沙良も、我慢して待つなぁ……
婚約者だから
無能でしょ
王族だし、我が国にとってね
幽閉されてるとか?
公には出てないけど、死んでないから問題なしよ
そうなの、まあ、沙良が幸せになればいいので良いけど……
恭子から聞いたけど……
冒険者の彼のこと! アイドル感覚よ!
そうなの?
調べればいいでしょ!!
怒らないでよ! 沙良の世界には、沙良に会いに行くか
今度、冒険者で、みんなで行く所くらいしか興味ないから!!
その割に、私がお父様の手伝いでいない時、どっか行ってるよね
暇だから、散歩!!
ねぇ、どうして、リーフ街周辺にしたの?
ド、ドラゴンを見たいから!!
次回
第66話 思惑……
山脈で!? 此方はAクラス居ないんだぞ!!
報酬を高くすればいいのでは
この前はウルフで、今度はテストゥドで、
向こうのギルドも王都に応援を呼んでいるが!!
高くすれば、騎士団を派遣するのでは?
陸亀くらいで来るわけがない!!
マスターが行くしかないのでは?
私は此処の!!
元Sクラスで、今でも現役で……
時間が無いか、仕方がない、行くぞ! ボブ!!
これで、のんびりできる!!
ツヴァイって、カッコいいなぁ
スマートフォンから体へ振動が伝わったので
沙良が部屋に帰って来るか、戻らないと……




