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旧アケミと共に異世界アドベンチャー……  作者: ウッドスチール
第2章 女神は、わが子の為に……

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56話 ウインライム法皇国の勇者……

 今回の人族対魔族のゲームも、3日前になり、

人族の大陸の29の国々から、勇者や勇者の護衛の為に結成された

騎士団が、ミューブル王国の王都【ブレーリト】に集まっている。

 勇者のみが王都に入都を許可され、ミューラ宮殿の兵舎で

待機することを許可されて滞在していたが、昨日の昼から

騎士団が駐屯している王都【ブレーリト】の西の城壁の外で

勇者も滞在することになった。

 今日の朝早くに、最後のウインライム法皇国の勇者と護衛の

法皇騎士団が入り、勇者87人、各国の騎士団を合して290人、

総勢377人が、王都の外で、テントを張って駐屯している。


まだ、王との謁見もしていないウインライム法皇国の勇者たちは、

王との謁見を希望し、承諾されて……


謁見の間で、 

 「遠いところよく来た、ウインライム法皇国の勇者よ!

   3日後のゲームは、最後の勇者たちも揃ったことにより、

    勝利は確実となった。期待している!!」

「「「 は、ははぁぁぁぁあ!!!!」」」

勇者たちと騎士団の騎士たちは、声を上げて礼を行い、

 「勇者たちよ! 何か質問はあるか!?」

お互いの顔を見合わせてから、

 勇者の1人が、

「ジャンパー王! 私は、福山光悦(ふくやま こうえつ)と言います。

    この国の勇者たちは、参加するのでしょうか?」

王の座っている右側にいる白髪交じりのおでこが広い男が、

 王の代わりに、

「お前も知っているだろう。我が国は勇者召喚に失敗した。

半年も稽古したが、一向にレベルも技術も上がらず、これ以上

タダ飯を食わすこともないので、宮殿より出て行ってもらった!!

今頃、死んでるか、どこかの国にいるだろう!!!」


その言葉を聞いて、騎士団長が、

 「我々の国なら、神の加護が強い! 見つけて、

     鍛えてやっても、良いぞ!!! 

         ワハアァァァアアア!!!!……」

王の顔を見ると嫌そうな顔をしているが、

 「お前の名は?」

騎士団長は立ち上がり、

「俺は、勇者護衛法皇騎士団、

       団長のエンリー・カーディナル・コーレット!!」

「神の声を聞くことが出来る者か!!?」

  「そうだ! 神に問いかけ、居場所を聞ける!!」

「そうか、もし見つけることが出来れば、エンリー司教よ!

  そなたの好きなようにすればいい!!」

「王よ! その時は、最低でも20まで上げて見せましょう!」

   跪いて、頭を下げたのを見てから、

 「期待している!」

白髪交じりのおでこが広い男が、

「これで、王との謁見を終了する! 勇者たちよ!

  今夜の勇者歓迎パーティーまでの間、王都の外の

   テントで過ごすがよい!!」

「「「「 はぁ! わかりました!!! 」」」」

  頭を下げて言い終わると立ち上がり、宮殿の外に向けて、

宮殿の警備兵に連れられて、謁見の間を後にした。



 宮殿の前庭の門に居る警備兵に礼を言って、王都を囲む城壁の

西の門に向けて歩きながら、

 「エンリー! 王の前で良くやるなぁ!!」

「我が国がゲームの場所になった時、派遣もしない国に

  遠慮はいらない!!」

杖を持ち、白のローブを身に着け、髪はセミロングの

 須賀田愛栄(すがた なるえ)が、

「王を見ると、引きつっていましたが、

  ここの勇者は、噂通りの失格勇者と言うことですか」

「聖女様は、期待していたのか?」

  「エンリーさん、聖女様は止めて下さい!!」

髪はショートボブで、ワンピースを着て、マントを着けている

 田中仁美(たなか ひとみ)が、

「時期、法皇になるんだから、聖女でいいのよ! ナルエは」

「もう……私は、神の声は聴けるけど、必死でやってるだけよ!!!」

俺は、周りを見ながら、

 「3日後に、戦いがあるとは思えない光景だな」

エンリーも周りの様子を見ながら、

 「聖騎士よ! 戦う場所が遠いからだろうな」

「コウエツで良いですよ!」

 「俺より強き者で、神の声も聞こえて、その声を力に変えて

   戦う者は聖騎士だ!!」

俺は名前で呼んでほしいと思っていると、体に何かが当たったようで

 地面を見ると、子供が俺にぶつかって転んでいて、

  「大丈夫?」

 ナルエが天使の様に優しく言うと、子供は頷くので、

俺は倒れた子供を抱き起して、

 「気を付けろよ!」

「ごめんなさい! 慌てていたから……

 「おぉぉいいい、アキトさんに遅れると怒られるぞ!!!」

倒れた子を呼ぶ声が聞こえて、   

 「分かったぁ!!!……

   元気に返すと、俺たちに振り返り、

    「おじさん! ありがとう!!!」

  倒れていた子供は俺たちに感謝の言葉を言って、

   呼ぶ声の方に走り去ったが、周りは笑っていて、

 「俺は19で、おじさんじゃないぞぅぅぅうう!!!」

去って行った子供に言っても、届かないけどなと諦めていると、

 仁美が去って行った子供たちの方角を見ながら、

  「3日後の戦いは、関係ないという感じね!」

「ヒトミ……開催地が此処でないのもある、

  実感が無いのかもな」

 ミューブル王国は、自国開催にもかかわらず、

騎士団は出陣しない。

  騎士が死ぬことも無く、家族を失うことも無い。

 死ぬ可能性があるのは、此の開催地に来た俺たち、

他の国々の勇者隊と、開催地となったミューブル王国の

東側にある港町【ロブシェリル】を奪った魔族たちが

命を落すだけである。

 それなのに、この地に俺たちが来たのは、港町【ロブシェリル】を

魔族から奪還した後の税金の収入の半分を29か国に譲渡すると

ミューブル王国のジャンパー王から言われて、

法皇は参加することを決定した。

 俺たちは日本から召喚されて魔王を倒すのが使命である。

だが、此の世界で生きていくためには、法皇に命令されれば

何処にでも赴くしかない。

 今の光景を見ていて、エンリー達が居なければ、

ウインライム法皇国に、今すぐ帰りたい気持ちだ。

 そんな俺の気持ちを他所に、

  「良いところですね。子供たちも元気で……

呑気に言うナルエに、

 「王都の外で待機している俺たちに感謝も欲しいが……

   「王が言ったから……

 確かにジャンパー王は言ったが、王都の都民から

感謝のかの字もないのも腹が立っている。

 「早く終わって、帰りたいよ!!」

 先程思っていたことが声に出てしまうと、エンリー達も

頷くので、俺と同じかと思うと、俺たちに、

  「トウモロコシ!! 買ってくかい!!?」

 おばさんに呼び止められたが、

  「また……今度に……

「外にいる者たちにって、ミサトが大量に買ってくれたから、

  もう5本しかないけど……

 外と言うと、王都の外で待機している各国の勇者隊のことだろう。

そこへ購入したトウモロコシを配るなら、

   「今から、外に行くので……

  貰えるのに買うことは無いので、行こうとすると、

「そうかい。あんたらが弱い勇者の団体の人かい!?」

おばさんにハッキリと言われた言葉に、俺たちは固まり、

  「弱いとは……

 ナルエが、おばさんに優しく問いかけると、

「ああ……ごめん、ごめん……今のは嘘だから」

騎士Aが、「我々を愚弄しておきながら、ごめんで済むなら

 俺たちは要らないんだよ!!!」

腰にある鞘に入ってる剣のグリップを右手で握るが、

「落ち着け……

  エンリーが騎士Aを制して、

  「……団長!!」

  止めないで下さいと言う感じで言うが、

「どういう意図で言ったのか教えてもらおうか?

  返答次第では、お前を斬る!!!」

 エンリーも、おばさんの発言にキレていて、おばさんに

対して威圧を放っている。

 俺だって、弱いと言われて、エンリーじゃないが

  おばさんに対して怒っている。 

ナルエが慌てた感じで、

 「エンリーさん、ここは他所の国ですから!!」

「この国は、弱い騎士団、無能な勇者しかいない国だ!

  神も、この国が亡くなることには目を瞑るだろう!!!」

 エンリーは爆弾発言を言い出してから剣を鞘から抜いて、

おばさんに剣先を向けている。

 もし、巡回兵などが来たら、殺し合いをするしかないと

決意し、戦いが終わったら直ぐに此の国から逃げださないと

 いけないと考えながら、

「待って下さい!! 今から、神に聞きますから……

ナルエが此処で神ソラスにと言うが、神殿でしか

 行うことが出来ないので、エンリー達を止めるための

  嘘を言ってるのは分かるが、

 だが、おばさんや周りの人たちが、

  怖がっていないことが不思議である。

それが余計に、エンリー達の怒りを買っているのかもしれない。


 「ミネルーさんから離れろ!!!」

その声がする方を見ると、

 前腕や脛に鎧を着けているだけで、

       俺たちより若い少年が、そこに立っていて、

「ツカサ!!! この人たちが!!!!」

 おばさんは頼もしい助けが来たように叫んでいて、

  「大の大人が、年寄りを……

 少年は腰から下げている鞘から剣を抜きだすと、

エンリーは少年に鋭い目つきで、

 「わが国の勇者を愚弄した! それは天を愚弄したことと一緒!!

   天罰を受けるべきだろう!!!」

その少年も、エンリーに鋭い目で返し、

 「天罰……駄女神を愚弄するなど、いつもしてるぞ!!

    お前ら勇者を、これから毎日愚弄してやるさ!!」

その少年の言葉に俺は、

 「神を愚弄するなど許されない、

     この国も神を崇拝している国……

「そうです!! エンリーさん謝って下さい!!!

  あなたに死が……

 ナルエが少年じゃなく、エンリーと言うので混乱してるなと

  思ってみると真顔で言ってるのに驚くが、  

 「レベル1ね……よく言えるわ……フッ」

 少年のレベルを調べた仁美が声を出して言うのを聞いて、

  「少年! 悪いことは言わん、我々に謝れ!!!」   

    エンリーは上から目線で言うが、

 「俺が謝るんじゃなく、お前らだろ。

   ミネルーさんが弱いと言ったくらいで、怒ったんだろ?」

その言葉にキレたエンリーが、おばさんから剣を少年に向けて、

 「逃げてぇぇええ!!!!」

ナルエが目をつぶって叫び終えた後、目を開けたナルエは、

 俺たちと少年を見渡し、少年が血が付いた剣を払っているのを

  確認して、エンリーが胴体から真っ二つになって、地面に

   倒れているのを見届けて、

  「……だから」

 悲しみの顔をするナルエだが、少年がエンリーに勝つことを

知っていた感じで、何処で会ったんだと思っていると、

 この国の兵が少年の方に歩み寄って、

少年は兵たちに、

 「遺体をどこかに埋めて来てくれ」

兵が少年に敬礼して、

「はい! ツカサさま」

  左手を頭から離すと、遺体となったエンリーを他の兵と共に運んでいき、

 「来るなら、全員相手になるが……

少年が俺たちを見渡して言い終わる前に、

 「火よ、大きな漆黒の炎となり、相手を打ち抜け!!!  

    ファイヤーボォォオオルゥゥゥゥウ!!!!!……

火の大玉が少年を包み込み、少年は火と共に消えたと思ったが、

 巨大な盾で防いでいて、何処から出したのか分からない盾が消えて、

俺の目が追い付けないスピードで仁美を斬りつけて、

 その場に倒れた仁美を見届けた後に、

  「お前は、何者だぁぁぁぁ!!!!!」 

  少年に向けて怒り声で叫ぶと、

「人間に決まってるだろ!!!」

俺が剣のグリップを手で掴む前に、俺の喉元に

 少年の剣の剣先が当てられていて、

 「今から、今あったことは忘れてもらう! 

   2人は生き返させるから安心しろ!! 

    今から、俺の仲間が来るから、ここで座っていろ!!!」


 少年は、皮袋から何かを出して、仲間に連絡をしているようで、

その光景を見ながら、

 「あんな奴がなぜ……

 光悦は少年を見ながら、自分の力量が無いことに苛立ってる感じで、

「信じられない……

  騎士Bが言う通り、

 エンリーさんや仁美が簡単に倒されるなんて、

  あの時の光景が思い出される。

 ミュー・クラッホーン魔導国の舞姫【アリス】が

北条つかさの背中に体を寄せていて、周りには獣族、人族の兵たちが

 紙くずのように散らばっていた。

  「神の眷属かぁ……

 つかさの姿を見ながら呟いていると、

「私がつい……ミサトと話しているのを言ってしまって……

  おばさんが私に言ってくれるけど、

「いえ……

  切っ掛けがあれば、エンリーさん達は暴走するだろう。

 だから、謝ることは無いと思っていると、

  「ナルエ……神の神託って出来るか?」

本来は神殿か教会の神託の間のソラスさまの紋章が描かれた

 絨毯の上で行うけど、私の場合は何処でも出来るので、

  「出来るけど、何を聞くの?」

 「彼奴が何処の勇者か?」

知ってるけど、言うと面倒なので小声で、

  「神よ! 我が崇拝する神よ、

    我の生末を教え、教授を!!!

 ゴット・オブ・マイ・インストラクション・エンド・オブ・ライフ」

発動したが、頭の中にソラスさまの声が聞こえてこないので、

 「……いつも陽気に話しかけて来るのに」

光悦が落胆する私の肩に手を乗せて来て、

 「何処かに出かけているのかもな」

 冗談交じりに言う光悦の声が聞こえたのか、

   「駄目神か?」

 私たちに振り向いて言うので、

  「ソラスさまを……

 つかさを怖い目つきで睨みながら言うと、

   「何でも屋で会議中だよ」

 呆れた感じで言うので、

  「降臨してるって……

 疑いながら聞くと、

  「此処の商業ギルドのマスターをしているよ」

 つかさがクスッと笑ってウインクするので、

  私もウインクを返していると、

私の前に光悦が立ち上がり、

 「ウインライム法皇国の勇者、コウエツ! お前は?」

「俺は、この国の失格勇者!」

  「し、失格? 俺よりも強いお前が……

騎士Cが、「先ほど、この国の王が、半年も鍛えても……

 つかさは座っている私たちを見渡して、

  「まぁ……記憶も消すし……どう言おうか?」

その言葉を聞いて私は、

「記憶……そんなことは神以外……

  驚いている私に、

「ナルエ! 神はなんと……

       「コウエツ……反応が……


つかさの仲間が駆け寄って来て、

 「なんじゃ! 全員倒さなかったのか?」

肌が黒く、幼い感じで、うしろ髪を1つのおさげにして膝まであり、

 頭には、髪から少し見えるように2つの角があり、

  「!? 魔族……

    コウエツが剣を抜こうしたが、

「動くな! 俺の仲間だ!!」

つかさを見つつ、集まってくる仲間を見ると、

 魔族が5人、人族が4人、その中の1人が、

「遺体は? 

  つかさが指を指す方を見てから、

   「ここに、置いていただければ、楽だったのにね」

 女性は嫌味のように言うと、つかさが指を指す方に向かって行く。

  「今の女性は!」

「俺の友人の姉で、神の1人、セーイラさんだ!」

その言葉を聞いて、座っていた私たちは、

 「「「 神!? 」」」

そして、私が。 

「この世界は、ソラスさまが……

  名前を言い出した時に、 

「呼ばれてきました! 私が……

   踊りながら姿を現わし、最後まで言い終わる前に、

魔族の1人に頭を叩かれていて、

 「何をするの!! 親に!!!!」

「ママ! 普通に出て下さい!!」

魔族の女がママと言うのもビックリするが、

 私は立ち上がり、

  白い布を幾重にも纏ったソラスさまに、

「神ソラスさま! 今回の行いの是非を!!」

ソラスさまは、

 「ナルエ! 返事が出来なくってごめんなさいね。

   今日は、子供たちが、はちみつを集めた後の食事のことで

    相談していたから」

「それは、すみませんで……じゃなく」

少し私は怒り気味に言ったからか。

「ツカサや娘たちより、圧倒的に弱いし、ミネルーも

  いつもミサトといるから、ミサトの力を知らずに体験してるから

   弱いって言ってしまうから……

ブツブツ言い訳のように呟くので、

 「駄女神! 子供たちも待ってるから、早く記憶を消してくれ!!」

つかさは、ソラスさまの前でも堂々と言うので、

「もう! すぐ言う……

  頬を膨らまして言うソラスさまに、

  「傍観者じゃなくちゃいけないのに、

     娘たちをひいきにしてるからだろに!」

私たちに聞こえないくらいの小声で何か文句を言った後に、

 私たちへ、

 「今から、ツカサとの関りなど記憶を消して、

   西門へ、今日の夜のパーティ―の話などして

    向かってくださいね」




 私たちは、王との謁見の後、王都の外の勇者たちが集まっている

テントに向けて、西門へ歩いている。

「ここの勇者たちは、今頃、どうなってるのかな」

光悦がミューブル王国が召喚した勇者のことを心配して言うので、

「鍛えても無駄だったんだから、魔物に襲われて、今頃は……

エンリーが光悦の問いに答えると、

  「そうね……ナルエはどう思う?」

 仁美が私に聞いてくるので、

「え! 私……


…… 周りにいる者たちよ! 今のことは忘れなさい!

全員が跪き、「ハイ!!」と言って、何もなかったように動き出したが、

 「時間は戻せないのか?」

つかさが言うけど、「私、明美ちゃんじゃないから無理よ!!」

 その言葉を聞いて、「使えない奴!!」

  額に手を当てて、つかさは天に向けて言うと、

   「宮殿から出た所からにすれば?」

セーイラさんが言うので、

 「1時間くらいだから、更にやれるか?」

ソラスさまに聞くので、

 右手でVサインをして、「出来るに決まってる!!」

  自信満々に答えて、私たちは宮殿の門の前へ歩き出した。

門に向かっている間に、ソラスさまが私に、

 「ナルエちゃんは、私のこと……

体をくっ付けて来るので歩きにくいけど、

 「何時もは顔を光で隠していましたね、お母さん!!」

 そう、此の世界の人族の大陸の人々が信仰しているソラスさまは

私のお母さん【須賀田ソラス】でした。

 名前が同じで、なぜ、私がウインライム法皇国の次期法皇なのか

疑問に思っていたころ、母と同じ名前だから、まさかと思いつつ

此処まで来ていたけど、今日で疑問が晴れました。

 私はワンピースのポケットから写真を出して、お母さんに

見せながら、

 「ありすから色々と聞いたけど……

   「ナルエの旦那にって、どう?」

 光悦たちは無意識状態で門まで向かうが、私とお母さんは

立ち止まって、

 「お父さんの同僚が……

   「お父さんは知らないけど、私の正体を知っているわ」

 そうか、お父さんが入院した病院に駆けつけてくれた3人の女性は、

つかさが写っている写真を、お母さんに頼まれて私に渡すために

ワザワザ来てくれたのでしょう。

 3人が帰ってから、お父さんはブスッとして、とても機嫌が悪かった。

お父さんの容姿は、イケメンでは無いので、私とお父さんのことで

いろいろ言われたのだろう。親戚にも、お母さんが不倫して生んだ子と

言われて、親戚付き合いは悪いです。

 「で、どうなの……

   「写真を見て……

赤面しながら言うと、

 「お見合い成立ね」

嬉しそうに言うけど、「つかさには……

 右手人差し指を立てて振りながら、

  「ありすちゃんから聞いているでしょ……

 想い人の沙良がいるが、沙良に何回も告白して振られ続けている。

それでも諦められない人で、普通なら遠慮する相手であるが、

 「聞いてる、2人で求婚しようって……

私の居場所は、つかさと共にだと思うので、

 「まだまだ増えるから、覚悟はしてね」

ニヤッとするお母さんが言うので、

 「一夫多妻じゃないですよ! 私たちの世界は!!」

「愛人や妾で行けば、問題なしよ!!」

  世間に発覚したら何を言われるか考えても恐ろしいと

 思いながら、

 「お母さんは、何人くらいだと……?」

フフッと妖しい笑顔で、

 「ナルエ、ありすちゃんを含めて、109人ね」

その数を聞いて、

 「大奥なの……

   唖然としながら言うと、

 「ナルエの世界が駄目なら、他所の世界で王様になればいいのよ!!」

宣言してから、大笑いするお母さんにつられて……


私が思い出し笑いをしてると、

 「どうしたの……

「な、なんでもないよ!」

顔を少し赤くしていたのか、

 「恋人でもできた!?」

  「な、なんで……仁美!!」

「あっ! もっと赤くなった!!」

悪魔的な笑いを見せながら言う仁美から逃げるように

 露店が並んでいる通りの1つの露店の前に着いて、

  「残ってるトウモロコシください」

「綺麗な娘だね! 彼にでも上げるのかい?」

  ミネルーさんが、

   竹の皮でトウモロコシを包みながら言うので、

 「はい!! 一緒に!!!」


私はミネルーさんに、満面の笑みを見せて答えていた。





 カッコよかったな……

何をニヤニヤと?

 ヒトミも良かったね

何が?

 ……内緒

次回

 第57話 王都の外で……

  たった9人で!!

 呼ぶしかない!!

ありす、誰を!!?

 私の最愛の旦那様!!

だ、旦那様???

 カム、ヒヤー、ツカサァァアア!!!



須賀田愛栄 (すがた なるえ) 

今後は、須賀田ナルエかナルエと表記します。

 って、名前はルビを付けなくても良いようにね。


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