53話 漁港……
私と北条君は、同部屋で寝泊りしていて、
まだ、日が昇らないうちに、スマートフォンの目覚まし
アプリが作動し、
「もう時間ですよ! 起きて、あ・な・た!」
と、天理の声で発して、
「うぅぅ……ん……もう時間?」
私は、スマートフォンの画面の停止ボタンを押して、
窓のカーテンを少し開けて、
「まだ……暗い……
北条君も私と反対側の壁に寄せてあるベットから起き上がり、
淡い青の色の半袖のパジャマを着ていて、
「もう……時間か?」
私が振り返り、 「そうよ!!」
私は、黄色の襟付きの長袖で膝まであるシャツを脱ぎながら、
「港に、マグロ系が揚がってるといいけど」
私に背を見せながら着替えている北条君は、
「勇者は、日本人が多いから喜ぶだろうな」
着替え終わった私たちは、部屋から出て、
隣のキューイルと松本君の部屋のドアをノックして、
暫くして、ドア越しに松本君が、
「もう……着替えるから待っていてくれ!!」
と言うので、廊下で待ってる間、
「目覚ましの声って明美だろ?」
「宮殿では、板で部屋を分けてるけど、聞こえてなかった?」
「鳴ってるのは知っていたけど……初めて聞いた! どこで?」
スマートフォンを見せながら、
「私のって、前はクラスの皆と違って普通だったでしょ!」
「? そうだな……学校は持って来ても、授業中は使えないし、
俺たちのクラスは、中学から入った神崎や渡辺たちは持って
来てるけど、俺たちが休憩の時、見たことあるか?」
「な、無いわね。授業中に使用していたら没収で、家族が来ないと
返さないルールだから、休憩中には、小学校時代の友人とメールしたり、
帰ったらLINEでやり取りしたりで、クラスの人たちとメールやLINEって
言っても、持っていないというから、信じられなかったわ」
壁に寄り添いながら、
「だろ!」
「でも……持ってるでしょう!」
腰にぶら下げている皮袋から出して、
「神界のだけどな」
「普通に使えるよね……アキナさん達とメールでやり取りしてるし……
「使えるよ……神界のだから、一般の生徒からだと見えないけど」
「え!? そうなの……
「授業中に、動画見たり、親とメールしたりしてるけど、
このスマホの存在が知れたら困るだろう。それに、
DOKODEやAQやCBと契約もしてないから、色々と調べられ、
騒がれるだろ。だから持っていないと言ってるんだよ」
「使用料のお金はどうしてるの? 神界だってタダっていうわけには
いかないでしょう。
私のは秋人さんから貰ったから、分からないんだけど?」
「明美の準、眷属や、その家族に、秋人さんの家族や関係者……全員で、
明美に聞いたら……
「聞いたら……
「1年間、1万円だって!!」
私は聞いて、
「ものすごく……安くない!?」
「ただ……アプリなどの金がかかるタイプは、自身の魔素で
払うみたいだから、俺みたいに少ない者は、計画的に
使わないと気絶したりするけどな」
スマートフォンを再度見ながら、
「魔素って言っても、少し休めば回復するから……
タダみたいなものね」
「……そうだな」
部屋の扉を少し開けて、こちらを見ている2人に気が付いて、
「何見てるの……
「仲良くさ! 会話してるのを堪能してました!!」
「まるで、夫婦じゃな!!」
スマートフォンをキューイルに見せて、
「これの説明をしていたの!
北条君に振り向き、
「明美の声の目覚ましは、
秋人さんのアプリから貰ったものよ」
スマートフォンが気になるキューイルは、
「それは、何じゃ!! 光っとるし、その女性は?」
天理の体育の時の体操服から、
胸がチラッと見える画面を隠しながら、
「み、港に向かう馬車の中で説明するわ!!」
私たちは、パンとジャム、そしてミルクで朝食を取り、
この街に来た時に使用した、秋人さん所有の馬車で、
漁港まで向かった。
御者席には、キューイルの侍女で、男を魅了し、精気を糧に生きる
サキュバスで、誕生は、人族は猿から人間へと進化し、獣も人型へと変化する
時に、天使の使いの精霊たちも彼らと同じように地上で生活したいと
思い、色々な実験をして、エルフとして地上で生活するようになり、
人や獣と交わることで、その中から闇魔法を使う者が魔族となり、
新たな大陸に移動し、その大陸の魔素が強力で、長い年月を経て、
いろいろな魔族が生まれ、その1つに、人間の男の精気を得て、
生きる者がサキュバスとなって、何百年と歴史を刻んで行き、
サキュバス種族として、魔族の大陸の村や街や王都に住んでいる。
両性具有なので、女性として子を生むことが出来るし、男性として
相手の女性に子を産ませることも出来るが、生まれてくる子は、
サキュバスとして生まれる。
「と書かれています……
スマートフォンの画面に書かれている内容を読んでいた
私は、キューイルに振り向くと、
「凄いなぁ! エルウイーナ! お前の種族の歴史が書かれているぞ!!」
「はい! エルフと人、獣の交わりが、我々の起源なんですね!」
「そうじゃな!」
「でも……精気でというのは昔はあったかも知れませんが、
普通に食事を取りますし、性交も普通ですし……
「だが……魅惑したり、心地よい夢を見せたり、精気を取ったりは
するだろう!?」
「まぁ……仕事では……
私は、2人の話に参加して、
「心地よい夢を見せてくれるなら、今度してくれるかな?」
「インキュバスになってしますよ!」
「うぅうんん……
頭を振って、
「そのままで……
「え!
エルウイーナは、その言葉で後ろを振り向いたら、
私は、北条君に口を押えられて、
「今言ったこと、気にしないで下さい!!!」
「は、はい……
キューイルは、北条君を見て、
「ツカサはどうじゃ!」
「俺はいいよ! しないよ!!」
エルウイーナは、呆れた感じで
「最初あった時に、魅惑などで骨抜きにしようとして、
かけてましたが、無理でした! 私は姉には劣りますが、
王族やキューイルさま以外で初めてでした!」
「そうだったのか? その反射したのが我に……
松本君はキューイルに、
「それだったら……北条にいくさ!!
俺が見た君の目は、魔法も何もかかってない目で、
見ていてくれたから……
「……ダーリン」
と私たちの目の前でキスする2人を見ながら、
恋の魔法にかかってる奴なんか見たくないわと
エルウイーナに、「この馬車は、どんな感じ?」
「昨日も思いましたが、この馬たちや箱車は凄いですね!
私たち魔族の馬でも、この箱車の大きさでは、2頭では無理ですよ!
普通は4頭じゃないと……馬車も、これだけ路面が荒れてるのに
揺れが少ないのが凄いですよ!」
松本君に寄り添いながらキューイルも
「この馬車は凄い! タイヤが木じゃない! ゴムと言うタイヤじゃ!!
それに中も冷蔵庫という物やテレビという物もある、異世界から
これらも召喚したとは、この国の魔導士は、父と同等の力があるな」
と言って、私は、
「ねぇ……松本君から聞いてない?」
「何をじゃ!?」
「天理のお兄さんのことを……
「母やテンリ……は神だったな、というとその者も?」
「ええ……そうよ!」
私の隣に座っている人型になっているワーウルフのブランストが、
「まだ、いるのですか?」
「王都にね!」
「父にとっては最悪じゃ!!」
北条君が、
「俺たちや秋人さんは、何もしないよ!!
元々、召喚された俺たちの学園の奴を守るために
来たから」
ブランストが北条君を見ながら、
「守るため……これだけの……
「しばらくは此処にいるから、自分の世界から持ち込んだ物だよ」
北条君の言葉に興味を持ち。
「王都にいかねばならないな」
「殿下……楽しみです!!」
ニヤニヤしている2人を見ながら。
「文明開化の足音が聞こえるのかな……
と呟いていると、
御者席に座っている、ダークエルフのミューウエーヴが、
「もうすぐで、漁港です、商業ギルドのカードを
用意してください」
その言葉にハテナマークが浮かび、
「キューイルやあなた達の顔パスで入れないの!?}
「無理です! 漁港を治めている奴は頑固なので……
北条君がカードを出して、
「持ってるし、大丈夫だよ」
見えてきた漁港は、陸側には、木の門の両端は山まで続く感じの
塀が立ち、私たちは門の前に着いて、人型の魔族が門番をしており、
私たちは馬車から降りていると、更に詰所から、頭から巨大な角を
伸ばし、私たちを軽く超える身長の男が出て来て、
「ここは。商社が買いに来るところだ! 買うなら店に行け!!」




