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旧アケミと共に異世界アドベンチャー……  作者: ウッドスチール
第2章 女神は、わが子の為に……

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48話 謁見

 開かれた両扉を通り、騎士、魔導士、貴族などが壁沿いに並び、

王が座っている王座まで絨毯が敷いてあり、絨毯を踏みながら

私たちはパティーレイスさんに連れられ歩き、王が座っている階段の

前まで歩き、パティーレイスさんが跪いて、


「陛下! 異世界からの勇者召喚に成功いたしました!!」

王の座っている右側にいる白髪交じりのおでこが広い男が、

王の代わりに、

「よくやった! これで我が国も勇者を迎え、他国に劣らない戦力が

  得られる!!」

反対側に立つ男は、マントをなびかせながら一歩、前に出て、

「アキーラ(秋人の偽名)は?」

そういえば、一緒に棺桶から出てきたはずなのに、周りを見渡しても

 いないので、パティーレイスさんを見ると、

「はい! 他の国でも召喚後の術者が亡くなるとおり、

  召喚後、命を絶たれ、死に絶えました!」

私は、床にスカートの中が見えないように座って聞いていて、

 「え! さっきまで……

と、声が出てしまったので、北条君が私の口を手で塞いで、小声で、

 「嘘だけど! 思っていても黙って!!」

「う、うん!! 

  

その行動を見ていた王は、

 「どうした勇者たちよ! 礼儀作法を知らないのは仕方がないが、

勝手に相談することは認めんぞ!! 今、話したことを述べろ!!」


その言葉に困っていると、

 男女関係なく同じ軍服を着ている兵の列から、マントをなびかせ、

ロングストレートの髪もなびかせて、女騎士が出て来て王に、

「ジャンパー!! 検索はするな! 

   お前たちは、パテオース(パティーレイスの偽名)と

       話をすればいい!!!」


王に向かって、何を言ってるのと目を見開いていると、

 「はい! 勇者たちには何も言いません」

と王が言うので、思わず北条君の方を見ると、

 「ティーナさん……カッコいいなぁ」

と呟いているので、

 天理のお兄さんが言っていた人?

目がキリッとして、髪もブラウンで艶もあり、

 癖っ毛もないサラサラで、靴はヒールがあるので、

170弱はありそうで、膝まであるブーツに、タイツを履き、ワンピース

 タイプの上着に、腰にはベルトを巻き、そこには杖をぶら下げながら、

私たちの所に来て、

 「秋人さん、何も言わずに消えたのね!

   肝心な、肝心なことは言えっていつも言ってるのに!!!」

小声とかじゃなく、普通にしゃべるので、

 「あの……王に何か言われます!!!」

私を見て微笑むティーナは、

 「もう王や他の者は、あなた達が何をここでしても、

 何も言わないし、何も思わないわ」

松本君が手を上げて、

 「それって、まさか、奴隷にしたとか……」

「ピンポーン! ピンポーン!! 大当たり!!!

  セーイラと秋人さんでね!!」

呆れて、両手を付けて天井を見ながら、

 「天理の関係者は凄いわ!!」

ティーナさんが私を見て、

 「あなたもね!!」

その言葉を聞いて、私は大声で笑っていた。


王たちとパティーレイスさんの話は続き、

私たちは、話の内容が分からないたびに、

ティーナさんに質問をしていた。


内容は、

 この世界には、人族、獣族、魔族の3種族が幅を利かせ

大きい大陸が3つあり、そこにそれぞれが干渉せずに、

各大陸の国々で戦争したり、友好国になったりと歴史を刻んできていたが、

大型船が開発され、各大陸を往来が出来るようになると、

他の大陸への侵略の考えも出て来て、人族と獣族との間で戦争になったり

していたが、魔族の大陸は、魔王によって統治された1つの国で、

貿易は決めた港以外ではしないようにして、他の大陸に不干渉で侵略も

しなかったが、攻めてくる国に対しては、防衛のために戦闘し、

追い返していたらしい。


 100年前に、ラッタクリーム王国の新しい王になった

メガーデスティー・ギルツ・ラッタクリームが、各国に対してゲームをしようと

言い出し、その内容は、陣取りゲームのリアル版であった。


 人族、獣人も魔法や剣など魔族には劣らないが、

魔王のみが使える死者をアンデットに出来る能力があり、

実際、アンデットにされた味方に苦戦を強いらげて、

逃げ帰ってくるという苦い経験の為、この提案を各国が受け入れ、

ゲームが始まった。


 ルールは、魔王が決めた場所の街か都市の近郊の平原で、

ゲームが行われ、指定さてた場所の大陸と指定した相手の大陸とで

争い、どちらかの総司令官が倒れれば終了し、指定された場所の大陸が

勝てば防衛が出来て。負ければ指定した相手の大陸が占領し、

1週間たっても決まらない場合は、引き分けとなり、指定された場所の

大陸の勝利となり、防衛が出来たことになる。


 魔王のみが指定できるのに不満も出たが、指定するための

アイテムを見せられ、目の前で何回も行われ、各国の魔導士たちが

そのアイテムを調べ、不正が出来ないことが確認され、

魔王に一任した。


この100年間で。計1200回のゲームが行われ、人族対獣族は、

400回戦って、400回とも引き分けで終わり、人族対魔族、

獣族対魔族は、各400回戦って、魔族が700回勝利を収めて、

人族、獣族の街や都市の280か所を治めている。


人族や獣族は、最初は、指定された国だけで魔族と戦っていたが、

魔族との戦力の差により、連合軍を作り戦うようになった。


私は聞いていて、

 「良い魔王っていう感じかな。人が亡くなってるのは

お互い様だけど、街の人たちはどうなってるんですか?」


「街の人たちは、徴兵されたりするけど、街の被害はなく、

村も被害が無く、農作物も取らず、魔王軍の占領下になっても

今までと一緒か、よくなってる感じよ! 

 また、同じところでゲームがあって、魔王軍が負けると

その街から撤退するでしょう。

撤退後はより厳しくなったりしてるから、魔王軍にもう一度攻めて

 来てくれって、思う人たちも多くって、

各王は困ってるみたいよ!」


「魔王の人の操り方がうまいんだろうな。勝っても、街などには

今まで通りで、更に街の為によりいい環境を与えて、数年後に、

同じ場所が指定されたら、わざと負けて、どちらの国が良いかと

比べさせるわけか」

「北条君!! ピンポーン!! ピンポーン!!!」

腕を上げて、人差し指を天井に指しているティーナさんに、

「ティーナさん! それはもういいです!!」

  「正解したときのポーズよ!!!」

不満一杯の顔でティーナさんが言うのが

 おかしくって笑っていると、


「笑ってるのは良いけど、皆、立っているのが辛そうよ!

  召喚した理由を!!」

私たちの所に来た、髪はベリーショートで、色はダークグリーンで、

ノースリーブのチュニックで、腰にベルトを着けて、パンツを履き、

ブーツを履き、手に手袋している女性に、

「遊んでません! 今か今から!!」

「もう! 秋人さんを夜独占の日だから早く!!」

  「はいはい! それでは今回の召喚について

 話しましょう!!」


 80年もゲームを繰り返し、騎士団長や魔法団長など主だった者も

倒され、老衰し、新たに兵から選抜し鍛えるにも、時間がなく、

ゲームは進んだんだけど、なぜか、魔王軍は負けだして、

この優位に立ってる間にと思っていても、優秀な兵もいないので、

各国が困っている時に、獣人の大陸に住むエルフたちから、

異世界召喚について書かれている古文書が見つかって、

召喚された者は、この世界の者よりも何倍の強さを持って来ると

書かれていて、エルフの国の魔導士が行ったが失敗し命を落としたの。

研究した結果、召喚を行う魔導士は、召喚のために命を捧げなければ

ならないことが分かり、更に、この世界を創られた神の信者にならないと

いけないので、魔導士たちが教会を建て、神官として、この世界の神から

教えを聞き、広め初めて、ようやく、5年前から異世界召喚が始まったの!」


北条君が、「最近なんですね! 召喚された者たちは?」

 「ほとんどの者が、剣や魔術に関して素人だったし、育成するのに

時間がかかって、半年くらい前からゲームに参加しだしたの」

「この国の召喚は、誰かやるかで時間が掛かって、私たちがこの国に

来て、秋人さんが召喚して、あなた達が来たの。これで、魔王国以外の国が

召喚し終えたの」


「召喚した者たちは、帰れるんですか?」

  「まあ……魔王が倒されれば、戻れるんじゃないかな?」

ティーナさんが目を逸らして言うので、

「ええ!! 帰れないんですか!!」

「心配するな! 私たちは、3年後に魔王が倒されようが

倒されなくても帰ることにしてる。君たちもだよ!」

 私たちは、その言葉に安堵していると、

 「でも、ナンシー、3年もいるのも退屈ね」

「そうだな、この世界にはダンジョンもないし、

  冒険者ギルドも潰れていて、秋人も、何でも屋でもするかとか

     言っていたよ!」

 この人たちは、魔王を倒すことに興味がないことに驚いきつつ、

私は、ナンシーさんを見上げて、

 「ナンシーさん? 天理の……」

自己紹介がまだだったな。 私は秋人の嫁の1人、

 ナンシーリエット! ナンシーと呼んでくれ!! よろしくな」

「は、はい……

  私は立ち上がり、ナンシーと握手をして、周りを見渡すと、

王や騎士など、謁見の間から出て行ってるので、謁見も終わって、

それぞれの部署に行くのかなと思っていると、

  パティーレイスさんが、私たちの所に来て、


「これで、あなた達の召喚の報告も終わりました。

さて、あなた達が、3年間使う部屋に行きましょうか」

 行こうとするパティーレイスさんに、

「これから、俺たちは、どうすればいいんですか?」

  「私たちと一緒で、引きこもり、引きこもりの

夢のような生活よ!!」

 「ティーナ! お前と一緒にするな!

   私は、このあたりの魔物と戦って、修行だよ!!」

「あの……魔王とは?」

  「戦わないよ! 召喚された勇者が倒すことになってるし、

 私が戦って、次の魔王になってくれとか言われるのも嫌だしな!」

「ナンシーさんの魔王か……

 「松本!! お前がなると言うなら、すぐ倒しに行くが!!」

「嫌ですよ! 北条!! お前がさ、なれ!!」

  「こちらに振るな! 転生なら仕方がないけど……

  今は、人間として終わりたいので!!」

 

扉の所で立っているパティーレイスさんが、

 「早く来なさい!! 北条君!!

   明美ちゃんから受けとった皮袋出しなさいよ!」

困惑する北条君は、

 「で、でも……

「私が頼んだの! 明美ちゃんのお母さまに! だから……

   手を差し伸べて、見つめるパティーレイスさんに、

「女同士や男同士やグラビアとか……

  「あら、見たの?」

「この世界に行く準備の時に貰ったから、

    暇な時に見ようかなと、確かめるためにチラッと

 見ただけですよ!! それに……パティーさんに渡すなんて

聞いてませんし、今、知りました!!!」

 「だったら渡してね!」

「は、はい」 

北条君は皮袋を渡して、

  「今回は2人じゃないから、暇してる時間に読むのゲットよ!!

      これで、この世界を100%楽しめるわ!!!」

と言って、私たちは、謁見の間から歩き出して、この世界で

住む部屋に向かった。


「この世界を堪能することしか考えていないのは、

            魔王にとって運が良かったのかな」


私たちは、この世界での生活が始まった。



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