34話 丘の向こう……
明美ちゃんと私は、念話で会話を継続していて、
「そちらはどうなの」
「今、第2近衛騎士団の団長と共に、騎士団の方へ
向かっています」
「危険はないの!?」
「あっても、対応できるように警戒はしています!」
「バムが復活して、明美ちゃんのこと恨んでるみたいだから
気を付けて!!」
「復活……憎む……それなりの対応をします」
「わかったわ。こちらも近衛騎士団の方に向かいます。
それじゃ、また後でね!」
「うん、待ってます!!!」
私は、念話を終了して、ボブヒルト(以下ボブ)達を
見渡して、
「今、この丘の向こうに、近衛騎士団が進行を止めて、
その場にいます!
明美ちゃん達は騎士団長と共に、
近衛騎士団へ向かってる最中です!!」
エィシアが不思議そうに、
「おかしいわよ! 今朝アス村からウエーザー山脈に
向かって行ったのに、今、この丘の向こうにいるなんて!!」
「ドアを開けてみたら、違う場所っていう魔法があるから……」
ドアを手で開けるようなジェスチャーをして言い、
「だったら、馬車なんていらないで、ドラゴンの
所に行けばいいのに!!」
マーチネルが、もっともな意見を言っていますが、
行けない理由を考えたので、
「ええっと、アス村へ行くのに、馬車で行かないと
怪しまれるし、行きかう馬車も多いから……
私たちも、なるべく、なるべく普通の人と同じですよって、
行動しないといけないから大変なのよ!!!」
と両手を合しながら、目を潤ませながら言い、
ルーソアが疑うような目で見ながら、
「アス村からウエーザー山脈へは、行きかう人などが
いないからって言うことね!!」
「そう、そうです!!」
納得してくれたかなっと思っていると、
ボブが、「このまま、馬車で近衛騎士団の所に行くのか?」
「私と、マーチネルの2人で行きます。ボブは、
3人を此処で守っていて下さい」
「ちょっと待ってよ! 私たちも行くわ!!」
異議を唱えるエィシアに、
「足手まといだし。戦えないでしょ!}
「そうだけど……」
それでも行きたいと言う顔をするけど、
「ここで、私たちの戻る場所を確保して待っている
ことも大事よ!」
ボブが、私とマーチネル以外を見渡した後、
「そうだな! ワシらは、ここで待っているよ!!」
「頼みます、ボブ!!」
ショルダーバッグ(アイテムボックス型、盗難防止付き)から、
ボブに、鞘に入ったままの短剣を渡し、自分が身に着ける為に、
鞘に入った剣や鞘を吊るすベルトを出して腰に付けていく。
髪が腰まであるストレートなので、うなじの所で紐で結んでポニーテールにして、
タオルを出して、
「スゥ、ルーソア、胸をタオルで潰すように縛ってくれない!!」
「はい!」
「大きすぎなのよ!
吊りバンドは取った方が良いわ!」
外そうとするルーソアに、
「スカートが落ちるから、そのままやって!!」
準備が出来て見渡すと、エィシアが私のショルダーバッグを
また調べていて、
「これって、どこから剣とか出てくるの!?}
「アイテムボックスと言って、私が手を突っ込むと、
収納している物から、私の欲しい物を瞬時に出せる物よ」
「すごいわぁ。買ったり出来ない?」
「無理よ! 神界から怒られるから!!」
「……そうなの」
ボブは、私が準備をしてる間は、私たちから離れて、
キャトル・カヴァッロに水を与えていたりしていたが、
準備が完了したのを察知して、私たちの所に戻ってきて、
「近衛騎士団と戦う可能性はあるのか?」
「バム次第でしょうね!」
マーチネルが悲しむように
「狂気染みた考えで……
私に顔を向けて、
「キョウコ達と近衛騎士団を戦わせるんだろう……か?」
バムと戦うことを覚悟している様子を感じて、
「……マーチネル」
としか言えず、私はつらい気持ちになるが、
スゥにもマーチネルのように、覚悟をしてもらいたいから、
ル―ソアたちとショルダーバッグを見ながら話をしている
スゥを呼び、
「今から言うことは……
口を強くかんで、恭子ちゃんから聞いたバムの死後の
スゥの取り乱しを思い出しながら、それでも言わないといけないと思い、
「私たちは、明美ちゃん達を助けるために、バムと……
戦う可能性が高いわ。あなたと……もう2度と会えない可能性が
高いわ」
スゥの顔を見て、悲しみの様子をしているので、
「私たちを恨んでくれていいわ。あなたの気持ちが
それで安らぐなら……」
その言葉を聞いたスゥは、顔を私に向けて、
「覚悟は出来てます! 先ほどのあなたの話しで、
神であるあなたやキョウコちゃんに……
剣を向けるんです! それに、冒険者は、いつ死ぬかわからない
危険な職業です。付き合い始めたときから死は覚悟しています!!」
言い切ったスゥの顔を見て、
「……戦いが終わったら、酒を一緒に飲みましょう!!」
「はい! ……帰ってきてくださいね」
笑顔を見せて言い、私は皆を見渡して、
「それじゃ、行ってすぐ帰ってくるわ!」
と言って、隣にいるマーチネルを、お姫様抱っこして、
「きゃぁぁ……何するの!!」
「これで行く方が早いから!!」
私は、少し走ってからジャンプし、100mくらい先で着地して、
またジャンプしてを繰り返して、
「マーチネル! よく言わなかったわね!!」
「な、何を……」
「バムと生活していて、子供もいることを……」
「それ、は……バムが言うことだ、きゃぁああ!!!」
「しっかり捕まっていてね!!」
あっという間に丘の向こうに行ったティーナたちを
見ていたワシ達は、
「馬車……いらないじゃない!!」
エィシアは、ショルダーバッグを見ながら言い。
「ワシに声をかけた時は慌てていたが、人としての振る舞いは
忘れずに馬車を要求したんだ! 今は正体を教えたから、
神としての力を見せてるんだろうな!!」
ワシを見て、
「ボブヒルト……」と悲しそうに言い、ルーソアが、
「神で、王族で、異世界の救世主で、
それなのに、私たちと一緒に受付嬢をしてるなんて、
物語を超えていて、理解不能よ!!」
丘の向こうに行ったティーナ達の方を見ながら言い、
「ルーソア……それだから、人生は楽しいのかも知れないがな!」
クスっと笑った後、
「……そうね」
「もし、私に力があれば……バムさんを止めることが出来て、
ティーナさん達に、辛い思いをさせなくても……」
涙で目を潤ましているスゥの横に行き、肩に手を置いて、
「力のある者が、力のない者の代わりをする……
ティーナたちは分かってるさ!!」
「ボブ……ヒルト!!!」
と叫びながら、ワシの胸の中で泣いた。
念話って便利ね!
でも、距離があると……
そうなの? 子供が王都に居るし、私が居ない時多いから……
私も子供が小さいときは、これで……
何!? その小さい長方形の物は?
明美ちゃんの眷属になったから、後から渡すわ
次回
第35話 戦いの果てに……
俺は、また、お前に……




