28話 間が悪い……
私がギルドの建物から出て、門の所でボブヒルトが
来るのを待っていると、玄関から冒険者たちが出て来て、
私の顔を見ると、青ざめた顔をして去って行った。
「あれくらいで……マスターに鍛えてもらわないと……
と思っていると、こちらに向かって来る人影があり、
見て見ると、バムに、ホォイと、その他2人が息を切らしながら
私の所に来て、
「受付所のティーナ! ハァハァ……そこで何をしている!?」
とバムは、膝に手を置きながら言い、
私は、先程の光を見ていた間に、明美ちゃんがバムを生き返らしたと
思っていると、私は視線を感じたので、その方向を見るとマーチネルが、
私が困っているから、念話で事の成り行きを伝えてくれて、
今の状況が分かったけど、マーチネルを準眷属にしたのは、気に入るところが
明美ちゃんにあってしたのだろうけど、スゥや受付嬢やマーチネルと、
一言くらい言ってあげないと本人たちは無自覚で、先程や今も使うからと
呆れながら、
「マーチネルさん、ありがとう」
と言うと、「何をです?」と言うので、
明美ちゃんに関することは、記憶が無いようになってるなと思い、
バムの近くにいる場合は、その方が良いと思い、
「うぅん~~ 勘違いよ!!」
不思議そうに、「……そうですか?」
私は右手を見せて指を軽く動かして、「ええ……」
と言って、マーチネルは笑みを見せてくれていて、
「女同士で、何をやってるんだ! 此処で何を!!!」
と相手にされていなかったので、バムは叫び、
「ええっと……
私の頭の中に、「ティーナ義姉さまの言ったことに
この世界の動きを合わせますから……」と明美ちゃんが言うので、
一緒に行くはずだったからと、
「バムさんこそ、近衛騎士団と一緒に
アス村に向かったんじゃないんですか?}
私の問いにミウラが
「そういう話か……」
私は、分からないわという態度をとり、
「ハァ、ハァ……無理があるな。もう2度と、この距離は……」
ホォイは、まだ息が荒く、
「大丈夫ですか? 」と心配そうに私は言って、
マーチネルが、水筒をホォイに渡して、水を飲んでいる間に、
バムが私に向かって、
「ティーナ! 馬車を用意してくれ!!」
「えっ! なんでいるんです? 近衛騎士団の馬車は?」
ミウラが私を見て、
「ここに、戻ってくる時に馬車が壊れて、戻れなくなったからさ」
「そうだったんんですか。困りましわねぇ。ギルドにある馬車は
すべてアス村に行ってまして、ありませんわ。どこかで探してください」
私の答えに落胆する4人の中で、
マーチネルが、
「ティーナ! あなた、まだ仕事中でしょ。なぜ此処にいるの?」
バムも気にしていたから聞くのねと、
「私ですか、ずっと1人で受付をしていたので、受付の方も戻って来ましたので、
今日は早退して、体を休めたいと思いまして、今から帰るところですよ」
私の完璧な答えを出したので、
「……そう」としか言えず、疑問も無くなったので、バム達は、ギルドの門から
離れるために歩き出した時、ギルドの建物の玄関ドアが、
バアァァァァァアアンと開けられ、受付嬢のエィシアとルーソアが、
私に向かって勢いよく駆け寄り、
「テイーナ! 私たちだけで片付けさせて!!!
「そうよ! ルーソアも言い、
「冒険者は?」
「逃げたわよ! 見たでしょ?」
エィシアは、悲しそうな顔で言い、
「見たけど……全員じゃないでしょ?」
もうこれ以上は言わせないでと言う感じで、
「まあ、良いわ。さっき言ったこと、どういうこと!!」
と話題を変えて、エィシアは私に言い、
「何が……」
「結婚や子供や年齢よ!!!」
「帰ってから話すから、2人とも受付の方へ!!!」
「今日は、冒険者も居なくなったし、もう店じまいよ!
私たちもウエーザー山脈へ行くわ!!!
行く間に説明してもらいましょうかぁ!!!!」
と私に、鬼の形相で詰め寄って来た。
門の所から聞こえてくる話し声を聞いて、
「ウエーザー山脈へ行く? ティーナが!?」
バム達は、足を止め、押し問答をしている私たちの所に戻って来て、
「ティーナ! お前は家に帰るんじゃないのか!?」
その言葉を聞いたエィシアとルーソアは、
「「 バムさま!! 」」
「近衛騎士団と一緒に行ったバムさまが、どうして此処に?」
エィシアが嬉しそうに言い、
「用事があって戻って来たんだ! それより、どこに行くって!!!」
「はい、バムさま、私たちは今からボブヒルトが馬車を借りてくるので
その馬車で、ウエーザー山脈に行くところです」
とルーソアが、親切に教えてあげて、ミウラは、私が困ったような顔を
しているのに気が付いて、
「ティーナ、家はウエーザー山脈にあるのか?」
「ないですよ、無いです。ウエーザー山脈に行くなんて言ってませんよ!!!」
エィシアがら強い口調で、
「ティーナ!! なに嘘いってるの!!!
ウエーザー山脈に行くんでしょう!!」
「エィシア、私は言ってないわ。勘違いよ!”!」
「私も聞いたわ。早退するんでしょう。ウエーザー山脈に行くために!!!」
バムが、ティーナの肩を掴んで、逃げないように、
「ティーナ! なぜ嘘を言う。説明してもらおうか!?」
「ええ、説明なんて……嘘も言ってませんし、バムさん、
女性の肩に、断りもなく触るのはセクハラですよ!!!」
「セクハラ……なんだその言葉?」
私は冷や汗をかきながら、
「ええっとですね。あなたが明美ちゃんに無理やりキスした
ことと、同じ嫌な行為のことを言うんですよ」
その言葉を聞いたバムは、
「なぜ、知ってる、俺がキスしたことを……」
マーチネルは、
「アケミにキスをしたの……いつ?」
「昨日の食堂で……」
エィシアとルーソアが驚いたように、
「小娘とキスしたんですか。昨日?」
「アケミって、銀髪の女でしょう。バムさまは、
私たちより、若い方が良いんでしょうか?」
「ルーソア! おかしいわ。バムさまって、昨日の昼前に、
サーベルウルフと戦って、その傷を治療するために
リーフ男爵の魔術師の所に行ったのよね?」
「ええ、そうよ!」
「アケミの冒険者パーティー【アポロ】は昼過ぎに、
此処に来たことも、ティーナがマスターに連絡して聞いてるよね」
私は、さらに冷や汗をかきながら、バムから脱出するには
力を見せるしかないのか、どうしようか考えていると……
遠くから、2頭のキャトル・カヴァッロが牽引している郵便馬車が
見え、御者席に座っているボブヒルトが、手を振っていた。
私は心の中で、「なぜ今来るのよぉぉぉ……」と叫んでいた。
設定書
キャトル・カヴァッロ
牛と馬の魔物を交尾させ、育成魔法などで人間が
創りだした魔物。
馬の特徴と牛の特徴を持つので、馬に比べ、エサ代が半分以下で
済むので、長距離に適した魔物。
1頭の値段が高いので、各国の運搬ギルドくらいしか所有していません。




