3話 男って……
食堂に向かう間に、
「恭子、もう大丈夫。1人で歩けるよ」
勝人は、私に言って、少しフラフラしながら、1人で食堂に入っていった。
勝人の歩くのを見た後、振り返って……
ティーナさま、いつからこの世界に来ていたんだろう?
先週はいなかったから今週? 私たちが先月から来てるのは知ってるから、
何か厄介ごとを伝えに来たのかな……私は勝てないから明美! がんばって!
などと考えながら、私は食堂に入って行った。
食事をしている大男のバムが、勝人に気が付いて
「坊主、こっち来い!! ヒック! 一緒にどうだぁぁぁぁ!!!!!」
大声で呼びかけて、
「あっ、バムさん!!」
返事をして、呼びかけたバムさんの方へ向かい、テーブルに着くと、
鞘に入った剣の状態のまま、
テーブルに立て掛けて置き、バムさんの向かい側に座った。
テーブルを見ると、空のガラス製のビールジョッキが大量にあり、
バムさんの顔を見ると少し赤くなっていて、これだけ飲んで、
酔ってる感じがしないのは凄いなと思ってると、
恭子がこちらに来て、バムを一目見て嫌な顔をしたが、俺が座っているので、
俺の右側に座ろうとした時に、
バムさんが恭子のショートパンツから出てる足を見て、
「キョウコ!!……1週間間ぶりだなぁ……タイツ履いているんじゃねぇぇ……
生足を見せなぁあかんだろうがぁ!!!」
バムさんは、恭子に大声で言った。
椅子に座った恭子は、
「あなたに見せたくないし、いやらしい目で見ないでよ!!」
怒って言い、
バムさんは、ワァハハハハハ……と大笑いしながら
「美しい物を見るのが、ヒック! いけないのかぁ!!」
バムさんは言い、恭子は頬を少し赤く染めながら……
「全体で見てほしいわ……」と呟いた。
俺たちの方に、このギルドでウェイトレスをしているスゥさんが、
注文を聞きに来て、
「1週間ぶりですね。今日は2人?」
「明美も来てます。今は受付で……」
「3人で……他の方は?」
「穀物の栽培の準備と柵などの修理してます」
「そうかぁ……あなた達も頑張って稼いで帰ってね!」
「はい!」
俺とスゥさんと話してる間、バムさんはスゥさんをジロジロ見ていて、
「お前もタイツだなぁ、生足見せろやぁ……」
「今日は寒いですから……
バムさんを見て、笑みを見せながら
「男には見せなくないので!」
「そうか……ヒック! いい男にしか見せないってかぁぁぁ」
「ええ!! そうですよ」
と、バムさんを見ながら笑っているスゥさんに、
「スゥ! もう一杯!!!」
「はい!わかりました」
スゥさんは俺たちを見渡して、
「今日は何を召し上がりますか?」
恭子はメニューを見ながら、
「パンとミルクとサラダをお願いします」
と注文して、俺も、
「リトルラビットシチューとパンと、バムさんと同じワインで……」
俺たちの注文を紙に書き終えて、
「はい、かしこまりました」
と言って、スゥさんは、テーブルの上にある空のビールジョッキの内から
4本を手で持ち、厨房へと向かって歩いて行った。
その後ろ姿を眺めながら、バムさんは、
「お尻がエロくっていいよなぁ……何回見ても、ヒック!」
バムさんが言うのを聞いて、恭子は、
「もう……男って、そんな目でしか見れないのかしら?」
ギロリと俺を睨む恭子に対して、
「お、俺は違うぞ! バムさんや他の男はそうかもしれない……だ…… 」
「へぇ……エリナ見るとき、どこから見る?」
目を細めて言う恭子に、
「そりゃ、む……あっ、バ、バムさん、どうしてここにいるんですか!!!!」
俺は誤魔化すために、バムさんに振ったんだけど、
「ヒック! そうかぁ!! お前は胸か!!!
俺は尻だぁぁ!!!!」
バムさんが言うのを聞いて、俺は青ざめて、
「胸ねぇ……今度会った時に、胸で選んだって言ってあげるわ!!!」
俺は、右手を左右に振り、
「そ、そんなわけないですよ。あっ、どうしているんですか……
答えてください。お願いします、この流れを変えたいので!!!!!!」
バムさんに、頭を少し下げながら言い、
ワァハハハハハ…………とバムさんは大声で笑い、ワインを飲み、
一呼吸して、
「どうして、この場所にいるかっていうと、ヒック!
王都からの騎士団を待ってるからさ」
バムさんは、ニヤリした顔を、俺たちに見さながら答えた。
唇は、好きな人だけに、それを……
次回
第4話 一線を越えると……
神の力が見えるかも。