24話 先輩……
パクオット(以下パク)とリストォラ(以下リス)は、眷属化が終了して、
まだ、体などの変化に戸惑いつつ、
「気分はどう?」
「体が軽いというか、力がみなぎってきて、自分じゃないみたいだな」
「私も体が軽いですし、周りの雰囲気や感覚などが、今までと違う感じで
再程まで見えていなかったドラゴンが、眠っているのが見えます」
「たしかに、見えるなぁ。カードルは見えるか?」
ローブを着た男は、森を眺めて、
「見えません、殿下は見えるのですか?」
「はっきりと見える」
「それは、眷属か準眷属の違いね」
と言う私を。3人が見つめて……
リスが「どういうことですか?」
「リスやパクは、私の眷属で、ドラゴンの魔法の効果を無視して見えるけど、
準眷属は、完全な眷属じゃないので、効果を無視できないの」
「主よ、私はまだ準眷属になっていません。なっても見えないのですか?」
ローブを着た男の方を見て、
「もうなってるわよ。私が気に入って、認めれば終わりだから」
「えっ……あの、キスは……」
「眷属じゃないから無しよ」
ローブを着た男は、地面に四つん這いになって、
「主とキスしたかったぁぁぁ!!!!!」
「カードル、お前が選んだ道だ、我慢しろ!!!」
「殿下、その勝ち誇った顔を見せないで下さい……
うああああああああああ……う、うぅぅふふ……」
ローブを着た男が泣き叫んでるけど、幌馬車の所に行って、
「もう行きましょうか。私の仲間の所に!!」
「アケミの仲間か……」
「そうよパク。みんな幌馬車に乗って、
私が御者席で操って行くわ!!!」
4人が乗りこんだのを確認して、ホレクトホースの手綱を握り、
少し引いて、幌馬車が動き出し、私はワープ・コネクトの神魔法を
詠唱し、前方に出現させた空間の歪へと入り、
恭子、勝人のいる場所へと向かった。
恭子、勝人がいる高台に空間の歪が発生し、そこから幌馬車が現れ……
「遅いわよ! ……連れて来たの?」
幌馬車が止まり、明美たちが降りて、私の所まで歩いて来て、
「いろいろあって、眷属と準眷属にしました!」
明美の後ろにいる、男と女、杖を持ってる魔術師2人を眺めて、
「魔術師2人が準ね?」
「……そうよ」
明美は、私と勝人を右手で指し示して
「この2人が、あなたたちの先輩になるわ」
勝人が右親指を立てて、自分の顔を示して
「俺が、先輩だぁ!!」
と言ったのをスルーして
「初めまして、私は岩崎恭子です。明美の眷属で、
父が人間で、母が神のハーフです」
4人に話をして、1人1人に抱きついて頬にキスをして、
明美の眷属、準眷属になったのを感謝した。
そして、勝人を右手で指して
「あそこで落ち込んでるのが、準眷属のハーレム男の
柴田勝人よ」
「おぉい、どうゆう紹介だよ!! ハーレムなど作る気もない!
愛する人は1人さ!!!」
と言ってから、4人と握手をした。
5人を乗せて来たホレクトホースを、ホレクトホースのスピルのいる場所に、
連れて行ってる明美の所に行って、
「吹っ切れたの?」
木に手綱を結んでいるスピルの横に並べて、手綱を木に結びながら、
「何が?}
「沙良や美里が怒こるわよ!」
「どうして?」
2頭のホレクトホースが、明美の頬を舐めていて、
「もう! ……
勝人と一緒にドラゴンを眺めている男を、チラッと見てから、
「秋人さんに、感じが似てるわね」
「そうかな……
「眷属にしたなら、先生とも……
「うん……パクならって、リスも……
私と共になら、沙良や美里も眷属に……
照れながら言う明美を眺めながら、
「で、結婚も……
「お兄さまも私が好きな人なら認めるって……
私は笑みを見せながら、
「逆ハーレムね!」
「い、1番は、お兄さまだから!!」
「分かってるわ! でも、あなたの心を射抜くなんて、
凄いわね」
私に背を向けて、背中に手を回してから、
「お兄さまと初めて会った時に、お兄さまと一緒に居たいと
いう気持ちを持った時と感じが、同じだったの……
「秋人さんは……明美が複数の男と一緒になるのを
知っているから、言ったかもね」
私に向き直して、体を斜めにして顔を上げながら、
「それは……ないよ! 未来に行く魔法を持ってないし、
私を支えるのに、お兄さまやお義姉さま達だけでは
とは思っていたとは思うけど……
「……そうね。もう時間もないし、やりましょうか!!」
私たちは、勝人たちの所へと、歩いて行った。
明美は、眠っているドラゴンに向けて、
汝の周りへのとけ込みを、眠り込みを、我の願いにより解除せよ
ミミクリー・スリープ・アウェイィィィク!!!!!……」
パクやリス、ローブを着た男とケントは、私が詠唱で起こした
神力の渦が、ドラゴンの周りを包み込み、
渦が泡のように消えていくにしたがって、
徐々にドラゴンが姿を現す光景を見ながら、
「これが魔法か。いや、けた違いすぎる!!」
ローブを着た男は、私を見ながら叫び……
「さっき使ったワープの方が、もっとすごいんだけど……
目に見えるのが、分かりやすいからって……」
「そうね。でも、これで驚いていては困るわね。明美が使う
神魔法の中では、レベルが低い方よ」
「これで、低いですか? この神秘的な光景を見ますと、
主よ、我々の魔法の幼稚さに落胆します」
「落胆することは無いわ。私たちが居ること自体がありえないし、
私や恭子の神魔法を見ることもないんだから……」
パクが、ローブを着た男の所に歩み寄り、肩に手を置いて
「カードル、私たちは別の世界に足を踏み入れたと言うことだ。
いちいち驚いていては、身が持たんぞ!」
「……殿下」
勝人とリスは、ドラゴンが姿を現し、徐々に目が覚めて行くのを
見ながら……
「いよいよだな。この剣の威力を見せる時が……
俺は、左手の親指が鞘の方になるように剣のグリップを握り、
ガチャと剣が入った鞘ごと外側に押して、リストォラをチラッと見て、
「ドラゴンは俺が倒す!!! リストォゥラ!!!
よく見とけよ、俺の戦いを!!!!!」
「はい! 先輩!!!」
ドラゴンは、完全に目が覚め、辺りを見渡し、口を開け
グワァァァァァァァァ!!!!!!!!!!‥‥…
と叫び、俺、リストォラ、明美、恭子、パクオット、カードル、
そして、ケントがいる高台を睨みつけて……
俺は、鞘から剣を抜き、両手でグリップを握り、刀身をドラゴンに
向け、明美が俺に身体強化の神魔法をかけ、恭子はドラゴンの翼を
切るために、シャイニング・サークル・スライサーの詠唱を唱えていて、
俺は、剣を天に上げ、
「一刀両断!!!!!」
と叫び、柄に埋め込まれている魔法石が光り出し、
空気中にある魔素を吸い込み始め、刀身が光り出し、その光が
刀身より更に伸び……
「行くぞぅぅぅ!!!!!!」
と高台からドラゴンへと向かおうとした時、明美が、
「待って、ドラゴンが念話で、殺さないでくれって言ってるわ!!!」
「何を言ってるんだ!アス村の人たちを襲ったんだ!!
聞く耳持たん!!!」
「さらに言ってるわ。ドラゴン山脈にある金鉱をあげるって!!」
「金鉱などいらん!!!」
「え、金鉱は、自分しか知らないから……」
「明美!!! 聞くことはない!!!」
「嘘じゃないでしょうね!!!!」
ドラゴンは明美に向かって、首を縦に振って……
「勝人!! 私は、この話に乗るわ!!!」
「はっ! 何言ってるんだ!!!」
リストォラ、恭子、パクオット、カードル、そして、ケントが
明美の態度が変わって、ドラゴンの話に乗るのを聞いて……
恭子が
「念話は、私には来てないし、本当に金鉱が???」
「恭子! ドラゴンの嘘に惑わされるな!!!」
恭子が明美の所に行って、会話をし始め、恭子は納得したのか
「私も乗るわ。勝人はどうするの?」
「馬鹿言ってるんじゃないぞ!! 誰がドラゴンの誘惑に……」
明美が俺の所に来て、耳元で……
「金鉱は、ドラゴンが言ってる場所にあるのを、スマホで確認したわ。
ねぇ……勝人、エリナのために金細工でプレゼントしたら喜ぶんじゃないかしら」
と言われ、俺は……
その場で正座し、
「今からでも遅くないかな。僕も乗ります。
乗っちゃうもん。はははははぁぁぁ……」
後の4人も、この話に乗ることになり、
ドラゴンとの会談が始まった。




