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旧アケミと共に異世界アドベンチャー……  作者: ウッドスチール
第1章 ドラゴンの足止め? 討伐? それとも……

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22話 眷属……

 リーダー格の男が私に向かって、

結婚って言ったの? 私は男を見つつ、

 何こいつ、どの面下げて言うの。さあ、断ろうと……


「な……なぜ、今あったばかりで、素性もわからない者に

  言うのですか?」

「気に入ったでは、ダメか?」

はぁっと息を吐いてから、   

  「ダメでしょう!!」

リーダー格の男の前に、剣士が立ち、

  私を睨んで……

「この者は魔物です。ですから殿下の目を惑わせるのです。

  アス村からここまで、いくつもの村がありますが、

 街道はこの道のみ、仮に、辺境伯爵のウエーザー市から来るにしても

山を経由して、この街道で来るのみ。ウエーザー山脈の北側は

  未開の地で、魔物の巣と言われる危険地帯。

 我々がアス村を出発する時は、この魔物を見かけませんでした。

それなのに、商隊と共に来た冒険者と言うのは、おかしいです。

 我々が出発した後からアス村に着き、事情を聞いて出発しても、

  我々を追い越すことは不可能です。我々は出現した魔物と戦いながら、

   ようやくここに到着したのです」

「夜警の時に、眠りについてしまい、その間に追い越された可能性も

  あるだろう? リストォラ」

「それは、ありえません。交代もしてましたが、仮に寝てしまっても、

馬車や魔物が来たら、察知して目が覚めます。殿下も私の能力をご存知でしょう。

殿下が、この魔物を擁護したい気持ちはわかりますが、魔物は魔物……」


剣士は、剣を鞘から抜き、私に向けて剣を指して……

    私の方へ一歩足を踏み出した瞬間……

     私の右側の向こうにある木の下で、倒れて気絶していた。  


リーダー格の男、ローブを着た男、マントを身に付けている子は、

剣士がその場から居なくなり、代わりに私が立っていたので

「え……え、今、何があった?」

 「……殿下」

「リストォラさんは……どこ?」


私は、剣士の方を見て、死んでいないのを確認してから、

 「剣士は、あの木の所で寝てますよ」

私が、指で指した方向を3人が見て……

「ば……ばかな、王国最強騎士のリストォラが……」

 「リストォラさんが……

    杖を構え、私に向けるマントを身に付けている子に

 「無理だ! お前では」

      師匠……この魔物を倒さないと!!!」

ローブを着た男は、マントを身に付けている子の前に立ち、

  私を見つめた後、地面に膝まづき、杖を地面に置き、頭を下げて……

「この度の行いを深く反省します。主よ、どうか天罰を与えませんよう

  お願い申し上げます」

私に向かって跪いているローブを着た男に向けて、

 「何を言っているカードル?」

「殿下、ケントよ、主の前に膝まづいて下さい」

   困惑する2人とローブを着た男に、私は

「膝まづくことはないですよ。私は人間。誰が見ても人間。

魔物でも主でもありません。立って話しましょう」

と言ったのに、

   立ち上がってくれないローブを着た男は、

「主よ、あなたから感じる魔素は、この世界にはない物。それに

  我々に見えない動きは、人間には不可能です」

「大丈夫! 修行すれば出来ます。漫画でも修行して出来てるのが

   多いんだから!!!」

 「まんが……漫画とは?」

私は、皮袋から格闘漫画を出して、ローブを着た男に見せて

「これが漫画よ。このキャラクターは、最初は弱かったの。

  最初は、仙人の所で修行して、次に塔の仙人に、

   更に神様に、また更に神様の上の人にと……

      どんどん修行して、強くなっていったわ」


ローブを着た男やマントを身に付けている子が、一緒に漫画を

 読んでいて、私にあるページを見せて

「これは……」

「ああ……それは、連載していた時の最強バージョン3ね」

「我々も、このようになれますか?」

「身体強化魔法で可能じゃないかしら?」

「身体強化魔法では、主のようにはなれません」

「あなたはあなたで、私は私で……なれなくてもいいのよ」


リーダー格の男は、

  私とローブを着た男の会話を聞いて疑問に思ったので

「主という女よ。その本というマンガは、何処で手に入れるのだ?」

  私は、リーダー格の男の方を向き

「この世界では無理ね。私が住んでる世界では、誰でも買えるし、  

  電子書籍でも買えるわね」

「と言うことは、主という女よ。お前は、別の世界から来たということか?」

「ええ、そう……あっ……」


ローブを着た男が立ち上がり、私に詰め寄って、

 「主よ、別の世界があるのですか? ぜひ私を連れて行ってください!!」

「無理よ! あなたは、この世界から移動は出来ないわ」

リーダー格の男は、その言葉に、

「出来ない!? 私も別の世界を一緒に見て歩き、

  共に生きていきたい!!!」

「無理よ!一緒にって!!」 


私が困っている姿をリーダー格の男が眺めながら、

 私に近づいてきて、私のすぐ横に来て、私がドキドキしてる間に、

私の右頬にキスをして……

「えっ!!」

「条件があれば言ってくれ!」

私は、キスされた頬に手を添えて、しばらく立ったまま

 ボウっとしていると、

マントを身に付けている子が、

「このマンガ、手に入れたいです!!」

という言葉で、我に返り、

 「じょ条件ね。わ、分かったわ」


私は冷静を装いながら、3人を見渡し、表情を見ながら、

「私は、この世界の神ではありません。管理してる神でもありません。

   別の世界で、人として生きている神の1人です。

で、あなた方が望む別の世界へは、私の眷属になるか、準眷属になるかで、

私と共に行くことが出来ます。

 眷属は、私と共に無限の時間の地獄を生きることになり、

  もし、私が転生したい時に一緒に転生され、

 そこでも、私の眷属としての義務が生じます。

準眷属は、寿命が少し長くなるのと、魔素や魔法のレベルが

  少しUPするくらい。どちらを選びますか?」


その言葉を聞いた3人は、しばらく考えて……


リーダー格の男は

 「私は眷属で、一緒に共に生きていきたいから、ずっと……」

   「殿下……主よ、私は準眷属で……」

「眷属じゃないのか?」

「……転生したら、別の君主に仕えたいと思いますので」

  「……そうか」

 「僕は、よくわからないので、今のままで……マンガは読みたいです」

「漫画なら、今度買って、持って来てあげるわ」

  「ホント? でも字が……」

「読めるように、後からあなたに魔法をかけるわ」

  「ありがとう!!」

「……あなたの名前は?」

「僕は、ケントと言います」

  「いい名前ね……」と私も微笑んで言って……


屈託のない笑顔を見せるケントに、私はこのパーティーと共に

 行動を共にしていくのも悪くはないと思い始めて、

リーダー格の男の方をチラッと見て、お兄さまと同じような目をする

 リーダー格の男に、恋心が芽生え始めているのを感じながら、

倒れている剣士は、リーダー格の男を好きなのは分かってるから、

 どうしたものか。

「まずは、ローブを着た男さん。倒れている剣士に

 回復魔法を……」

 「あっ……わかりました!」

剣士が倒れている木の所に駆けよって、回復魔法をかけたことにより、

   目が覚めて、ふらふらと起き上がり、

      ローブを着た男と共に私たちの方へ歩いて来た。


4人が私の所に集まり、私はリーダー格の男に、

「それでは条件を出します。それを嫌がるなら

  話は無しです。良いですか?」

 「ああ……構わない」

私とリーダー格の男のやり取りで不振に思った剣士は、

 「条件? 魔物と……殿下!!!」

ローブを着た男が、剣士に

   「リストォラ、主は魔物ではない。この世界を創られた

 高貴な方だ!!」

「このせ……カードルさま……神とでも……???」

  「そうだ! 我々が相手にしてはいけない方だ!!」


話が長くなりそうなので……

「もういいかしら、剣士さんの名前は……」

 「わ……私は、リストォラと言います」

剣士の名前を聞いて、リーダー格の男の方に振り向いて、

「あなたの名前は……」

「私は、ジース王国第1王子、パクオット・ビーコック・ジース。

  主という女よ、お前の名は?」

「私は、この世界と違う世界で、兄が(まつりごと)をしている

   王国の第7王妃、

アケミ・ソリュート・テンリ・フォン・ウエスギ=ジャパン。

 アケミと言って構わないわ」

「王妃か……貴族とは思っていたが……私のことをパクと呼んでくれ」

  「王妃だから、結婚も眷属も無理でしょう!!」

「アケミ、お前が誰と結婚していようが構わない。

  私は、お前を見て一緒に生きたいと思ったから、

 眷属にもなる!!」


決意の固いパクオットと私の今後のための、対立が始まった……




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