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旧アケミと共に異世界アドベンチャー……  作者: ウッドスチール
第1章 ドラゴンの足止め? 討伐? それとも……

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幕間4 襲来、そして……

 俺は朝日が昇り始めた時間に

2階のギルドマスターが寝ている部屋の扉を叩いていた。

 目を擦りながら長めのチュニックを来たギルドマスターが

  「どうした……

 「話したいことがある」 

   まだ眠いのにと言う感じで言うので、真剣な目で 

  ギルドマスターを見ながら言うと、ギルドマスターは

 俺の表情から只事では無いと察した真剣な目で

  「入れ! 聞こう!!」

 俺を部屋に招き入れた。

 

 部屋に通された俺は椅子に座り、テーブルに水が入った

ポットを置いてコップも置いて、氷が入った籠を置いて、

 「飲みながら聞こうか?」

   ギルドマスターは言うが、部屋の隅に置かれた箱から

  テーブルを飾る物が出て来たので、

 「何ですか其の箱?」

箱を見ながら言うと、 

   「魔道具で、水や氷を作ってくれる」

 凄い物があるなと思って

  「何処で?」

    「ウーレン共和国さ!」

 聞くと、購入先を言うので、

  「ウーレン通りましたけど、氷は魔術師が、水は雨水、

    井戸、川から得たもので……

 見たことが無いと言うと、コップに氷を入れて

ポットから水を注ぎながらフッと笑うギルドマスターから

 「厨房にある魔道具の殆どがウーレンさ」

   「王都でもありませんよ!!」

 聞かされたことに呆れながらギルドマスターから

コップを渡されたので一口飲んでから言うと、

 「冷蔵庫と言う魔道具があるが、

   ウーレンのは魔素切れがあるが、このギルドのは無い」  

 「可笑しいですよ!」

   「内緒な、神からの贈り物だ!」

 更に、聞きなれない言葉を言うギルドマスターから

ウーレン共和国が使用している物よりも上だと

内緒の話だと言って聞かされたことに

 さすが、ジース王国発祥の地。だが、神が便利な道具を

此の地の冒険者ギルドだけに贈るのは不味いだろう。

  「揉めません?」

「ウーレンで買えば良いだろ、余所者には売らない感じだが」

  ウーレン共和国は国民と他国から来る者を分けた

 街作りをしている。俺たちが通った時は、他国から来た者が

使う施設しか使えなかった。

 他国用の城壁の壁の向こうに国民用の街があるなど知るわけがない。

  「意味ないでしょう。男爵が此処を欲しがるわけだ」

 ギルドマスターは一口飲んでから、

  「近いうちにあると思う……

 冒険者ギルドがリーフ男爵と戦争になることを言い出して、

  「その為に、神が御嬢様を降臨させた」

 昨日会った胸が大きいだけの令嬢は

  神メホーラが送り込んだと言うので、

   「冗談で…… 

肩で笑って言うと、

 「お前付きのトーラントが酒が酔ったうえでゲロッた!」

コップに入っている水を飲むのを止めて、

 ギルドマスターに目を鋭くして見つめていると

 「驚くなよ、ティーナはトーラントたちの師匠で、

   神であり、少女の義理の姉だそうだ」

ニヤッとして言うギルドマスターの言葉が続く、

 「男爵から此のギルドを守るために神メホーラが

   頼んで来てもらったと」

「どうやって……

  いくら酒に酔っているとはいえ、トーラントが

 簡単に秘密事項を言うわけがないと思いながら言うと

  「ティーナと会った時の反応で鎌をかけて……」

 「それだけで……

 確かに、少女の姉がウーレン共和国にある本店の支店を

王都【ジース】に構えるのをトーラントが説明をしていた。

 ギルドマスターもジース王国との繋がりの為と言っていたから

軽く流していたが、少女の姉とトーラント、ベターラとの関係を

探っていたわけか。

 目の前のギルドマスターに恐怖を感じる。

   「それに、執務室で話していた時からティーナを

     見ていて絶望感しか感じなかった。

      相手にしたら死ぬとな」

 「それじゃ……

   「そんな人間はいない、ただ俺たちは知っている……

 ゴクッと喉を鳴らして俺は、

  「俺たちの片思いの相手……

ギルドマスターは頷いた後に、

 「話を聞こうか、少女絡みなんだろ」

   俺に話しかけて来た女性の体に憑依して来た未来の女性から

  聞いた話をすると、

 「普通なら、頭おかしい奴と終わるが、今日の夜か?」

「到着してからだと思うので……

  朝日が昇る景色を窓から眺めながらギルドマスターが言うので

 女性の話を聞いた感じだと俺が居ないと

始まらない感じなので言うと、フッと笑ったギルドマスターから

 「アス村いくの止めた方が良いな」

   「何もありませんから」

 ドラゴンが来るところに行かない方が良いに言われるので、

確かに俺たちにはドラゴン用の武器がないと告げるが、

 「けど、行きます!」

   決意は変わらない。なぜなら

「少女、ティーナの妹が来るからか?」

  ギルドマスターが俺が言おうとしたことを言うので、

   「えぇ、多分、そんな気がするので」

 俺は椅子から立ち上がり、ギルドマスターを見ると

  「リストォラは、どうするんだ?」

    「一夫多妻ですから……

 リストォラのことはと聞くので答えると、コップに入った水を

俺に掛けて来るので、

 「な、なんですか?」

   「ドラゴンに殺されろ!!」

 「自分が年寄りだからって、妬かないで!!」

   「俺は30代に見えるんだ!!」

 「白髪が無いの可笑しいですよ!!」

   「知るかぁ!!」

ギルドマスターと言い争いをしていると扉が叩かれたので

 「開いている!」

   ギルドマスターが扉の向こうにいる者に言うと

 扉が開かれて、

  「エィシア! 早いなぁ……

  目が緑色で髪をアップにしている女性が入って来て、

   「誰だ! お前は?」 

ギルドマスターが女性の名を言うが、直ぐに警戒しながら言うと

 「陛下、貴方、アス村に言ったら川の畔に村の人たちを

   シルヴィアは家や馬車は壊しますが、其方は攻撃しませんから」

 「何を言っている……

目が緑色の女性の言うことが分からないギルドマスターが

 身構えながら言うと、

   「情報を少しは教えようかと」

  「未来から来た!!……

 目が緑色の女性がアス村での出来事を言うので、

昨日の女性と同じく、未来から目の前の女性に

憑依しているのかと叫ぶと

  「あれ、ギルマス? 食事の準備をするので来てほしいと」

 目が緑色から黒色に変わっていて、この部屋に来た理由を言うので

  「シゲが? 分かった、直ぐ行く!!」

ギルドマスターが言うと御辞儀をして扉を閉めて行った。

 「パクちゃんが陛下で、俺が貴方?」

   ギルドマスターが俺を見ながら言うので、

 「どこかの国の王らしいです」

 疑問に答えた後に、貴方とはギルドマスターのことなので、

  「ツヴァイセル・フルツさん、結婚おめでとうございます」

  笑みを見せながら言うと、

「50過ぎが……

   呆然としていて、いやぁ良かったライバルが減って

  内心喜んでいると、

   「君にやろう! 一夫多妻制オーケーだから」

 変なことを言い出すので、

  「受付嬢で仲が良いんでしょ!!」

 「彼奴は筋肉モリモリが好きで!!」

   「だったら、俺は痩せてますよ!!」

 「筋肉は付いてるだろう!!」

   「あんただって!」

 今の女性を妻にしたくないので言い争いをしていると

双方とも疲れたので、

 「まぁ、未来は変わるはず……

「えぇ、少女に会って変えてもらいましょう……

  ギルドマスターが言うのを聞いて

   未来を変えれるのは少女ならという希望を持って言ってから

 「支援、お願いします」

ギルドマスターに言うと、

 「ギルドにあるポーションは全て持っていけ!

   魔術師たちにも至急作らせる!」

 有難いことを言うので、

  「感謝します」

 ギルドマスターに御辞儀をすると

  「死ぬなよ! 俺が着く前に!!」

 後からアス村に行くというギルドマスターを見つめて

  「俺は未来じゃ、陛下ですから」

 フッと笑って言うと

  「そうだったな、だが、気を引き締めていけ!!」

 ギルドマスターが念を押すので頷き、

  ギルドマスターの部屋から俺は出て行った。



  「本当か?」

 ダァーツ帝国の帝都【グラーブト】にある冒険者ギルド

ウイング・ホープの職員に聞く俺に、

 「お、コウキさん、アス村に居る社員の話です」

カウンター越しから答えるので、

 「ドラゴンが来る? あるのか?」

怪訝な顔で職員に聞いていると、

 俺の冒険者パーティーの紅一点のアイリが、

  「どうしたの? 職員と見つめ合って?」

 俺にホモ疑惑を掛けながら笑みを見せて言うので、

  「アホォ! 恋人の御前が言う?」

 振り返って抗議すると、俺にローブを着た上から体を寄せて、

   「だってぇ、1秒も見ていたから」 

 俺は苦笑いしつつ、アイリの黄金色の目を覗き込むように

数秒見た後に、

 「満足した?」

   「えぇ……

 俺はアイリの頬にキスをした後に、

  「マスターは? 応接室で!!」

職員に言うと、俺たちの行為に呆れながら頷き、

 カウンターから少し離れた所の椅子に座っている

オーダビーツとギスクリックに目で合図をして

職員と共に3階の応接室に向かった。

 

 応接室で、俺とアイリはソファーに座り、

オーダビーツとギスクリックは立ったまま扉の両脇に立ち、

先程、俺と話をしていた職員は俺が見える位置に立ち、

ギルドマスター【ヴィアフター】が俺と向かい合うように

ソファーに座っている。

 そして、職員がアス村に居る諜報員からの話を語る。

  ジース王国の王都から商業ギルドの商隊がアス村に着くと

 商業ギルドのマスターと村長が対面し、アス村の権利を

リーフ男爵から商業ギルドに移すように要請。

 リーフ街の商業ギルドとの交渉で2割の権利を収得する

ことに合意となった手紙を渡したが、ジース王国の第1王子が

商業ギルドに全ての権利を授与するように命令し、

更に、アス村を第1王子の傘下にすると言い出した。

 それに反発する村人に

  「今夜! ドラゴンは来る!! 指揮は俺がする!!

    勝手な行動は負けを意味する!!

     俺の手足になれ! その為に俺の下に就け!!」

 高らかに叫び、

  「村の村兵だけではドラゴンに対応できない!

    商隊の為の護衛の強者を投入するには

     此の村の権利を渡すしかない!!」

 更に叫ぶ第1王子に、村長はドラゴンなど来ないと主張するが

  「こんな話、誰も信じないだろうが、

    俺を信じろ!! 村の損害を最小にするために!!」

 それでも村長たちは来ないドラゴンが来るという

第1王子に反発するが、

 「リーフ街の冒険者ギルドマスターは信じた!!

   明日になれば大量のポーションを運んでくる!!」

 その言葉に村長たちは戸惑い、

  「村長よ! 俺の言葉を信じなくても良い!!

    かつての冒険者仲間のマスター、

     ツヴァイセル・フルツを信じろ!!!」

 その言葉に村長以下、村人たちは第1王子に跪いて、

  「貴方と共に、ドラゴンに打ち勝ちましょう!!」

 村長の言葉に

  「頼む! 俺の命の全てを掛けて此の村を守る!!」

 第1王子が言うと、村人たちは立ち上がり礼をして

対ドラゴン対策に入って行った。

 

 「ギスクリック、どう思う?」

扉に居る線の細い男であるギスクリックに尋ねると、

 細い目を鋭くして、

  「私の生まれる前、生まれた後でも

    ジース王国にドラゴンが現れたことはありません」

 「私もです皇子」

ギスクリックが言うとヴィアフターが続けて言うので

 「此処で皇子と言わないでくれ」

俺こと冒険者をしているコウキ・ダエーマは

 ダァーツ帝国の第1皇子【コウキ・ダ・ダァーツ】である。

  次期皇帝である俺は15歳の成人の儀式を受けた後に

 親父から外の世界を見て来いと帝宮から追い出された。

  次期皇帝になる者が通る道なので、冒険者パーティー名は

親父が使っていたサァブデュゥードゥを名乗った。

 メンバーは剣の師匠であるオーダビーツ、

宮廷魔術師であるギスクリックを採用した。

 アイリは、俺が帝宮から抜け出して帝都内に遊びに出た時に

知り合い、平民であるがアイリと深い仲になって行った。

 アイリは宿屋の看板娘で、彼女が居るから泊りに来る奴もいた。

俺は其れが気に食わないので、一緒に冒険に出ないかと

誘ったが、足手まといだからと断られた。

 だが、俺は諦めたくなかったので、彼女の目が黄金色であることが

気になりギスクリックに見てもらうことにした。

  見てもらうと雷系の魔法が使えることが分かったが、

魔導書には雷系の魔法が載っていなかった。

 ギスクリックたち宮廷魔術師たちも雷系の魔法を知らなかった。

  「ゲームの攻略本みたいに何処かに無いの?」

アイリが言うので、ゲーム? 攻略本? という記号が

出て来たので恐る恐る聞くと、

 「ゲームって?」

   「貴方は知らないと思うけど、DPQって解けなくって

     何冊も出ていたから買ったわ」

 ドラゴン・パーティー・クエストって、

同僚と夜から店に並んで買ったゲームソフトで、

国民的ゲームソフトであり、シリーズも3まで出ていた。

 それ以降も出ているはずだが俺は知らない。 

  「もしかして、転生した日本人とか……

 俺は当時28歳で電子機器設計製造の会社に勤めていた。

戦前の岩崎財閥が岩崎グループになり、その中核となる

ソヌース・エレクトリックの下請けが多い会社で、ビデオデッキの

基盤、LDプレーヤーの基盤、レコードに変わるCDプレーヤーの

基盤などの設計製造をしていた。

 俺はソヌース・エレクトリックのプロジェクトチームに

参加をして設計などをしていた。

 プロジェクトチームには凄い方が多いので、

俺など勉強することが多く参加してて良いのかと思うことが多かった。

 試作品をもらい無い部品は秋葉原で購入して実際に組んだりして

次の集まりの時に不具合などを検討していた。

俺は両方から給料を貰っていたので羽振りは良く、

付き合っていた女性は10人になっていた。

 その1人の女性の家に行く途中で急に道路に出て来た人を避けるために

ハンドルを左に切って回避したが電信柱に衝突して、目を覚ますと

見知らぬオッサンの顔を見て、何処?と思っていると

 見知らぬオッサンたちの話声で、元の世界から

ダァーツ帝国の第1皇子として転生したことを知った。

 前世の記憶はあるが、道具などが無いので役に立たなかった。

  

 アイリは頷き、俺は上記の付き合っていた女性のことは

言わずに話すと

  「前世の名前は?」 

 日本名が気になる感じで、

  「前田幸樹(まえだ こうき)! 」

 「私は、本田娃利(ほんだ あいり)

   俺が言うとアイリも前世の名前を言うので、

 日本の話で盛り上がった。アイリは高校生で

学校に行くために電車通学をしていた。

 ホームで電車を待っていた時に、誰かに押されて

電車の前に出てしまい、其のまま……

 目を覚ましたら、俺と同じようになっていたと言うので

誰が押したのかと聞きたかったが聞くのを我慢しているのを

悟って、「貴方に会えたから、もういいの……

 笑顔で言ってくれるので、その時の夜は燃えました。

  雷系の魔導書を得るなら南の大陸にあるダンジョン

オールドリメーインにならあると思い俺たちは向かった。 

 地下2層で大型コウモリを倒したらドロップアイテムが

現れて手に取ると雷系の魔導書だった。

 早速、宿に戻りアイリに渡して恐る恐る開くと

アイリは困惑しているので俺も見ると、

 「何で! 日本語で書かれてるんだぁぁああ!!!」

   大声で叫んでいたので、隣の部屋から苦情が来てしまい、

  隣の部屋の扉の前で謝った後に、改めて見ると、

呪文は炎系などと同じような物が多く、ダンジョンでも使用可能と

書かれているので、炎系より優れている。

 でも、呪文もカタカナで書かれていて、最後にアイリ用だよと

書かれていたのには苦笑した。

 此の世界は神メホーラによって創られたと言われているが、

親父も祖父も神を祀る為の施設はあるが実際に見たわけではない。

 アイリは魔法を収得し魔術師として俺たちのメンバーとして

活動して行った。

 アイリの雷雲を発生させて行う最大魔法は親父から

ジース王国を含む中央大陸統一で使うので

今は使用禁止となっている。

 俺とアイリは非公式だが親父から婚約を認められた。

アイリは女性なので爵位を授与することが出来ないので

身分は平民のままである。

 その為に、俺が皇帝になった時に皇帝の権限でアイリを

皇妃にするつもりだ。反対する者は排除する。

 元日本人だが、帝宮でのドロドロした憎悪や暗躍などに

接していれば

 上位のような考えも芽生えて来るのは仕方が無いだろう。


 「リーダーは、どう思うんだ?」

オーダビーツは皇子と言わずにリーダーならと聞くので、

 「来る! パクオット・ナール、いや

   パクオット・ビーコック・ジースが言うんだ!!」

 「ですが、何処から不確定です」

   「ギスクリック! リーフと揉めた冒険者ギルドの

     ツヴァイセル・フルツも来ると信じている」

  「ですから、ジース王国には……

 ドラゴンがアス村に来ることを信じる第1王子を

信じると言うとギスクリックが来るわけがないと言うので、

冒険者ギルドの土地を巡って対立したツヴァイセル・フルツの

名を出しても来るわけがないとギスクリックが叫ぶので、

 「俺を含めて3人だ!」

アイリが手を上げて、「私も来ると思うわ」

 「平民の分際で!!」

ギスクリックがアイリを睨みながら言うので、

  「ギスクリック! 今度言ったら斬る!!」

俺はギスクリックを殺意のある目で見ながら言うと、

 「皇子、失言でした」

   深く御辞儀はするがアイリを殺したいと思っているのは

  知っているので、ギスクリックが心から言っていないことは

 分かっているが

   「分かればいい……

 パーティーメンバーとして、帝国にとっても必要なので

  今回は許す感じで言っていると

 「ダンジョンで共闘したと聞いてますが……

ヴィアフターが険しい顔で聞いてくるので、

 南の大陸のダンジョンの1つで、たまたま受付で会って、

第1王子が一緒にと言うので攻略が楽になると思い承諾した。

 リーダーは何方にするかで俺で良いと言うのでリーダーをした。

ダンジョンは初めてで、東の大陸を中心に

活動をしていると話してくれた。

 付き添っている女剣士は、第1王子を殿下、殿下と言って

寄り添っていたので、パクオット・ハイネスと思っていた。

 女剣士が殿下と言うたびに、第1王子は剣を構えて

女剣士が見る方向に動いて、第1王子の仲間の魔術師が

光系の魔法を唱えるので俺たちは何事と思っていると

巨大な蟻が地面から出て来たところを第1王子は剣で蟻を刺し、

魔術師は光のカッターを蟻たちに向けて放っていた。

 女剣士は探知能力があると聞いて、入る前に言ってほしかった。

ギスクリックにも探知能力はあるが女に負けて悔し涙を流していた。

 このダンジョンは地下15階で終わりで、其の間に

第1王子が俺に変わってリーダーになっていた。

 第1王子のメンバーは、第1王子、女剣士、魔術師、魔術師の

弟子の子供の4人で、子供は戦闘には参加しないが、

回復を主に行い、俺たちの怪我を治してくれた。

 子供といっても魔素量はギスクリックより上で、

ギスクリックは女に負けて、子供にも負けて

帝国一、世界一と思っていたプライドが崩れて泣いていた。

 此処で、ギスクリックは魔術師がジース王国の宮廷魔術師の

カードルと気づいて、第1王子が冒険者としてジース王国を

離れたことは知っているので、パクオットと言う名は多いが、

女剣士が言う殿下は名字ではなくジース王国の王子だから

言っていると俺に言うが、ダンジョン攻略で共闘しているので

此処で第1王子を討つことは出来ないと言うと

ギスクリックはガッカリしていた。

 地下15階のボスの部屋の前で最終確認をするときに

第1王子にジース王国の王子かと聞くと、

 「良く言われるが、無能王子と同じ名で困っている」

白を切るので、

 「リストォラさん! なぜ殿下と?」

   女剣士に聞くと、

 「私にとっての王子様ですので」

   返答するので、「ジース王国の!!」

「違うよ! イチャイチ国のバカ王子とバカ婚約者!!」

  子供が言うので、第1王子と女剣士は子供に

 文句を言っている間に、

  「此処までに回復ポーションを使い切り、

    ボスを倒せばダンジョンは消滅し地上に出れますが……

 魔術師が今の状況を言うので、子供に文句を言うのを止めて

  「ボスを倒せばいいだけだ!」

 「簡単に言いますねナール」

第1王子が言うことに、魔術師が苦言を言うと、

アイリをチラッと見た第1王子が、

 「アイリさんの最大魔法ライトニング・サンダーボルトを

   使えば良い!!」

アイリが使用禁止にされた魔法を第1王子が言うので、

 「なぜ? 知っている?」

   「ウーレンで購入した魔導書に書いてあったよな」

問い詰めると、魔術師に確認の為に購入先を聞くと、

 「はい! 雷系の最大魔法ですが、私には適正がないので……

   魔術師がウーレン共和国と言うので、

 「一度行かないと……

   ウーレン共和国は騎士団を他国に派遣などしないので

  騎士、魔術師たちのレベル、使用する魔法などが分かっていない。

 雷系の魔法を使う魔術師も居るのだろうか。

  アイリ用と書いてあったので他に居ないと思ったが……

   「食料も底をついている。アイリさんが詠唱をしている間は

     足止めをしますので」

 第1王子が扉を開けようとするので、

  「アイリの魔素が少ない! 使えない!!」

 咄嗟に嘘を言うと、

  「嘘を言うな! 全滅するぞ!!」

 俺の鎧から出ているシャツの襟を掴んで叫ぶので、

    「嘘じゃない!!」

 第1王子を睨みながら言うと、俺を地面に叩き落して、

  「俺たちだけでやる! お前らは返れ!!」

 「分かった! 此処で……

第1王子が怒りながら言うので、ギスクリックが帰ると

告げるので、俺はアイリに起こされながら第1王子に

 「無事を祈る」

   言うと、第1王子たちは扉の中に入って行った。

 ギスクリックは親父が第1王子がジース王に成ることを

心配していたが、ボス戦で其の心配がなくなったことを喜んだ。

 俺たちは現れた魔物と戦わずにダンジョンから地上に出たので

第1王子たちの其の後のことを知らなかった。

 再度ダンジョンに訪れた時はダンジョンが無くなっていたので

第1王子以外がボスを倒したと思っていたが、受付で聞くと

第1王子たちがボスを倒して、倒した報酬で現れたペンダントが

2つあったので、1つを受付で売って賞金を得たと聞いて、

 「嘘でしょう!!?」

   受付の人に言うと、第1王子たちの討伐の話を聞かされた。

ボスは蜘蛛の人型モンスター【スパイダー・シルエット】で、

部屋に居たが戦わずに第1王子たちを接待した。

 食事、風呂と戸惑いながら第1王子たちは体を癒した。

  次の日に私は違うダンジョンのボスになるので、

 第1王子にサクッと私を斬って下さいと言ったが、

仲良くなったので斬れないと第1王子が言うと

違う形に生まれ変わりますので遠慮なくお願いしますと言われて

ボスを倒したそうだ。

 「あのう……コウキ、本当か?」

ヴィアフターが疑う気持ちは分かるが

 「嘘は言わないと思う、彼奴の性格なら……

「自分が王子じゃないと嘘は言ってましたが」

  第1王子が受付で言ったことは嘘ではないと言うと

 オーダビーツが身分を偽っていると言うので、

 「ジース王国から追い出されて、ウーレンの大統領の娘に婿養子に

   入るんだ! 嘘とは言えないよ」

 「なるほど……

俺が嘘ではないということを告げると

 顎髭に触りながら納得したオーダビーツが

  「リーダーのアス村に来る側に入る、これで5人だ!!」

 「根拠は!!?」

俺のドラゴンがアス村に来ると言うのに賛成するので

 ギスクリックが問い詰めると、

  「ジースの王子は神に愛されている」

 「ドラゴンが来るのと何が?」

第1王子が神に愛されていると言う言葉を聞いて

 「どうしてだ? オーダビーツ」

   ギスクリック同様に問いかけると、

 「私の無い頭で考えたことですが……

オーダビーツが最初に言い出した言葉を聞いて 

 確かに体が先に動くなとクスッと笑っていると

  「ダンジョンでの出来事を考えていました……

 オーダビーツの話が続く。

  オーダビーツ自身も神を信じていないが、神が創ったと言われる

南の大陸のダンジョン、塔、それを中心に国家が作られ、

ダンジョンなどの運営で国が成り立っている。

 俺たちが一緒に部屋に入ればボスと戦うはずが

第1王子たちだけだったので、ボスが自らの命を捧げた。

 あの時の状態では勝ち目はなかった。

  アイリの魔法が勝利の鍵であったので……

 次に、東の大陸で起こった巨人たちの戦いでは国家は動かずに

冒険者が集まり対応をした。

 巨人たちは人類側に奴隷となり生きることを要求し、

受け入れられない人類側は要もしない神に願っていた。

 戦力は巨人たちが圧倒的だった。

  未開の地には国家があるのだろうか?

 俺の元の世界の地図で言えばソ連くらいあるので

巨人の国もあるかもしれない。

 未開の地は大変険しく、巨人たちも東の大陸に来るまでに

10分の1の戦力が失っていると巨人たちの代表が

東の大陸の代表と交渉した席で語ったそうだ。

 交渉は決裂、巨人たちに蹂躙されるかと思いきや、

第1王子が指揮を執り、突然現れた冒険者たちが指揮下に入り、

各国から命令を無視して出て来た騎士団も指揮下に入り、

巨人たちとの戦闘に突入、半日も掛からずに巨人たちの

遺体で地面が隠れていた。

 その時は、ダンジョン攻略に俺たちは出ていて、

数日後にダンジョンの地下1層、2層の攻略を終えた俺たちは

受付で其のことを聞いて驚いていた。

 その勝利の鍵となったのは、突然現れた冒険者たちであった。

だが、突然現れた冒険者たちよりも指揮をした第1王子の功績を

称える声が大きかったので陰に隠れてしまった。

 この時もダンジョンと同じで第1王子が参加したために

神が助けたのではと……

 ダァーツ帝国も調査で東の大陸に向かって調べた結果、

突然現れた冒険者たちの殆どが女性で、そのリーダーを

務める男性が第1王子と

 「ナーラサとは結婚しないんだろうな」

   「しない、リスだけだ!!」

 交わした言葉を受けて、突然現れた冒険者たちは

巨人たちの陣営の後方を攻めて第1王子に勝利を与えた。

 今回、ドラゴンがアス村に来るのは、神が第1王子に

ドラゴンを与える為に神が告げたのではないかと言うので、

 「それは無いだろうな、ドラゴンを何頭も倒している

   俺たちなら分かるが、ドラゴンを倒したことも

    ない所に行くか? 神が言っても嫌がるだろう。

     格下の所には!!」   

 「そうですね」

それは在り得ないと言う俺に向けて、自身の考えが

可笑しいと気づいて肩を落とすオーダビーツに

 「その話、ゼロでは無いでしょう」

ギスクリックがオーダビーツを賛同するようなことを言い出すので

 「考えが変わったか?」

   「オーダビーツの話を聞いて、頭の良い私は……

 オーダビーツより頭良いんですよとアピールする

ギスクリックは嫌な奴と思いつつ続きを聞くと、

 「パクオットは運が良すぎます。

   天運とまでは言いませんがアス村をドラゴンが襲うと

    告げてアス村を掌握しました。

     これはリーフは激怒するでしょう。

      パクオットにリーフが手を出せば、

       リーフ側が不利、リーフ街、領地を没収されます。

        我々と組んでいることも露見されて

         国境を閉鎖され戦闘の準備に入るでしょう」

 「パクオットは無能で、ジース側は居ない方が良いという話もあるが」

 ヴィアフターがギルド間で噂になっていることを言うので、

  「そうかもしれませんが、ジース側はリーフを牽制するつもりで

    商隊を送り込んでいます。パクオットが参加したのは

     偶然かもしれませんが、ついでに暗殺も考えたかも

      しれませんが、パクオットに掌握されたみたいですね」

 クスッと笑ってギスクリックが告げていると扉が叩かれて、

俺が頷くのを見たヴィアフターが扉の向こうに居る者に入る許可をして

職員が入って来ると、俺を見た後に御辞儀をするので

 「緊急か?}

   職員に聞くと、リーフ街に居る諜報員からの報告で、

 リーフ街の冒険者ギルドが慌ただしく動いていて、

ギルドに来る冒険者に、アス村にドラゴンが来た報告がくれば

直ぐ向かうのでギルドで待機してほしいと告げているが、

殆どの冒険者が断っているという話である。

 「来ていないのに、信じることは無いか……

 職員は全員信じているようで、荷車に帆を張って、テント用の

資材などの準備、大量のポーションを魔術師に発注し、

24時間体制で臨むことをギルドマスターは告げている。

 「リーフに、空になったギルドを襲うなと……

   「分かりました」

報告を聞いて職員に告げると、俺に職員が敬礼をして去って行った。

 「今から親父に会って来る」

ソファから立ち上がり全員を見渡して言うと、

 「皇帝陛下に?」

ヴィアフターが俺に聞くので

「ドラゴンが来る! この状況を使ってジース王国を攻める」

  親父に会ってジース王国に宣戦布告をさせると言うと

  「攻める? なぜです!!?」

 オーダビーツは眉間に皺を寄せて聞くのは、時期的に早いことを

知っているからである。リーフを使ってジース王国を混乱させて

ジース王国に攻めることはオーダビーツは会議に出ていたので

知っている。だが、それは第1王子がウーレン共和国に

婿入りをした後である。

 親父は第1王子を警戒している。

  親父が第1王子と出会ったのは、第1王子が2歳児の時である。

それは、ジース王国の王宮でジース王と謁見した時である。

 その時に、第1王子を見て恐怖を覚えたらしい。

  その後、第2王子を次期王にすると聞いて、

   愚かなことをしたなと側近に漏らしたそうである。

 親父は第1王子との戦闘は避けたいので、ウーレン共和国とは

友好を、そして、第1王子の息子か娘を、俺とアイリの子と

結ばせる計画である。内から支配して行く……

 だが、神に愛されていようが第1王子が

 「ドラゴンを倒すことは出来ない、ドラゴンは逃げるが

   ドラゴン山脈には戻らずにジース内を動くはず。

    ドラゴンの被害が多くなれば手薄になる」

 「信じますか?」

 ギスクリックが来ないドラゴンで

  親父が戦争準備をするでしょうかと聞くので

   「パクオットの名を出せば信じる」

 親父は第1王子の冒険者での活躍の情報を見ている。

親父は言う、強運の持ち主だと。

 ダンジョンでのボス戦、巨人との戦い、勝利など皆無であり

勝つなど在り得ない状況である。

 「コウキ、パクオットが居るなら……

   アイリが弱気に聞くので、

 「アス村にドラゴンが来ることで運を使い果たしているよ」

   「2度あることはって……

 「3度めがドラゴンの襲来さ」

   大丈夫と言うと失敗が2度あると3度目もあるので

 注意しようって言う2度あることは3度あると言う

ことわざで会話していると

 「転生者同士で会話をしないでください、皇子」

 ギスクリックが苦言を言うので、

  「2回も同じ不幸があると3回目もあるから

    注意しようって言う話さ」  

 「何です、それ?」

説明をしても、ヴィアフターが首を傾げながら聞くので、

   「俺たちにとって、パクオットの活躍は嫌なもんだろ」

  第1王子の活躍が俺にとっての不幸と告げると、

「神に愛されてると分かれば、世界をパクオットに……

言い出す者も出て来るでしょうと

 ギスクリックが言うのを聞きながら、

   「いつ来るか分か……

 俺が言い終わる前に、扉が勢いよく開かれて

  「アス村にドラゴンが!!!」

 職員が大声で叫ぶので、

  「来たのか……地図を!!」

ヴィアフターに中央大陸の地図を見せろと指示をして、

棚から地図を取り出しながら、

 「どうします?」

   ドラゴン討伐の依頼を出すのかと聞くので、

「各ギルドにドラゴン討伐の依頼を!!

  額は何時も通り、前金で金貨5枚を払え!!」

   「ま、前金で……?」

職員は討伐もせずに大金を振る前と言う俺の言葉に驚いていると、

「皇子の命だ! 皇子、集合場所は?」

  職員を一喝したヴィアフターが冒険者たちの集合場所を

 テーブルに置いた地図を見せながら聞いてくるので、

  「此処だ!!」

 「ジース王国の砦がありますが」

ドラゴン山脈の麓に広がる草原を指で指すと、

 川を挟んでジース王国の国境があり、名目は

ドラゴンの監視の為に建てられた砦が

川沿いに建てられているので、

 オーダビーツが指摘するが、

   「此処から攻める」

 再度、地図を指して言い切ると

 「数万は居ませんが、増援が……

   オーダビーツが此方が陣を構えれば、直ぐに

 増援を呼ぶと言うが、

   「ドラゴン・カッターもない奴らではドラゴンを

     追い返すのが精一杯だ! ドラゴンが何処に逃げるか

      分からない以上、増援は出せない!!」

 オーダビーツの顔を睨んで、目を細めて断言すると、

  「分かりました、私たちも皇宮に?」

 根負けしたオーダビーツが聞くので、

    「アイリ、ギスクリック、オーダビーツは食料、

      ポーションを!! 俺の名を出してもいい!!

       会議終了後、すぐ出発する!!」

 アイリはソファーから立ち上がり、ギスクリックたちと

商業エリアに向かった。

 そして、俺は帝宮に入り、親父に面会し、ドラゴンが襲来した

チャンスを使ってジース王国に攻め込むことを提言するが

第1王子が居るので難色を示す親父に、

 「たった1人の男が怖いのか、親父!!」

   「強運を持っている」

 机の上を拳で叩いて叫ぶが、何が強運だ!

目の前の親父が小さく見える。 

 「アス村に居るのだろう、パクオットが!?」

   「あぁ、だが、攻め込む場所には居ない!!」

アス村は壊滅するので、第1王子は復興に手を貸すので

アス村から出ないはず。

 それに、ジース王国には第1王子の居場所はない。

此方が戦争を仕掛けても参加はしないだろう。

 「リーフ街は?」

   「拠点にする計画は変わらない。

     ジース王国を占領して行く」

 親父を睨みながら叫ぶと椅子から立ち上がり

窓から見えるドラゴン山脈を見ながら、

 「パクオットがジース王国を出てからではダメか?」

   親父が言い出すので、

    「なぜ、そんなことを!!?}

 ドラゴンがドラゴン山脈に戻る可能性は低い。

アス村を襲った後に、他の街や都市を襲うはず。

 ドラゴンによって弱体したジース王国を攻めるのは好機である。

  ウーレン共和国の南方にあるノットシン王国が船を使って

 ジース王国に侵攻する可能性もある。

  親父は窓から離れて机の引き出しから

 巻物を出して広げて、

  「パクオットに関する報告書だ!

    最近、ウーレン共和国の密偵が我が国に侵入し

     捕えた時に白状させた内容も書いてある」

 親父が第1王子に関することが書かれた巻物を読めと言うので

  書かれた内容を読むと、

   「……本当なのか?」

 冷や汗が出る内容であった。

  最初の方は俺も知っている内容だが、俺が知らない内容に

入ると、第1王子が冒険者をしている裏で、ウーレン共和国が

第1王子護衛の為にジース王国、東の大陸に

 最低Aランクの者を送っている。

  更に、第1王子が南の大陸に行く途中で我が国を通るので、

密偵は調査と泊りそうな宿を調べていた。

 密偵が宿を調査していた時に、親父が皇都内を見回っていて

不審な行動をしている密偵を発見して捕まえた。

 その密偵は隠すつもりが無いのか色々と話した。

  第1王子の護衛の為に1000人以上が動いている。

  第1王子の傍にはSクラスの2人が護衛に就いている。

  それを指揮するのは大統領の娘のナーラサである。

  ウーレン共和国にはSSクラスの者がいる。

  第1王子がナーラサと結婚を望まなくても不在のまま

 結婚式は行う。

  通信手段は通信石ではなく、転生前の皇子の世界で

 誰もが使っている携帯電話。

  「捕まった者が簡単に白状したが、

    何時の間にか脱走して行方不明だ」

 読み終えて、親父が密偵が脱走したことを言うが、

  「親父、俺が転生者ってウーレンじゃ知ってるのか?」

 「それを尋問してる者から聞いて驚いた」  

   俺が転生者であることは剣のレベルが普通の騎士より上で、

  幼い年齢ではありえないと言われたので白状した。

 このことは同じ転生者たちと親父、数人しか知らない。

  尋問した者は可哀そうだが俺が転生者と知ったので

   消されたはずである。

 冒険者稼業をしている中に多くの転生者が混じれていることは

名前が日本風で分かる。俺が会った者の殆どが元日本人である。

 転生者の多くは、転生者と言うことを隠して生きている。

  転生者と何気に聞くと、俺と同世代が多く、

 元の世界のことで盛り上がる。

  それ以外で、俺が転生者と知っている者は居ないはずで

 ウーレン共和国の者が知っているのが気になるが、

俺の元の世界で携帯電話って車用から発展した物はあるが

使い勝手が悪いので会社でも導入は止めて

ポケベルを其のまま使用していた。

 会社で支給されたポケベルは恋人にも教えて使っていた。

  携帯電話って言うので、手で大きさを見せると、

 親父は巻物で大きさを示すと手の平サイズで

俺にとって在り得ないだろうという大きさで

  「本当に俺の転生前のって……

 「一応、ウソ発見器を置いて尋問した」

親父が言うので俺の元の世界だろうけど、

 「牢に残っていた……

   ラブレターで使われる封筒を机に置くので

  机から封筒を手で取りながら、封は切られていたので

   「読んだのか?」

 「文字が読めなかった……

   親父は読んでいないと言うので中身の手紙を見ると、

    「ナーラサこと沙良でぇす。幸樹さんへ警告でぇす。

      パクちゃんを虐めるなら、1秒で幸樹さんの国を

       滅ぼしまぁす。私の力はぁドラゴン以上!!

        幸樹さんが転生してからぁ、

       20年以上たったので色々とゲキばねよ!    

      友好国になりたいと聞いてるからぁ、

     御会いしたらぁ、2018年の日本を見せましょう。

    この手紙は読んだ後に自動的に消滅しまぁす。

   バイバイ!!」

日本語で書かれていて、俺は机に左手を置いて、

 右手に持った手紙は消滅していた。

  「何が書いてあった?」

   「エッ! 何がです?」

 「手紙は?」    

   ナーラサは転生者で、力はドラゴン以上と言うことは

  1人で世界征服が出来る。

 そんな相手が第1王子の婚約者。

俺が亡くなったのは1990年。それから28年……

 ナーラサは行き来できるのか?

  妹がいるが、もう孫は、まだ早いか……

 読んでいて頭が痛いが、親父が手紙の内容を聞いてくるので、

  「ナーラサは転生者で、俺の元の世界の言葉で書かれていました」

 「内容は?」

   男のドアップの顔は見たくないぞと親だが少し離れて、

    「パクオットが結婚したくないので、俺に乗り換えようと……

 モテる男はつらいなと髪を右手で払いながらカッコよく言うと、

  「本当か?」

 「本当ですよ! パクオットはアス村から此方に来るので、

   敵対することもありませんし、リーフ街まで2週間で

    占領して、ナーラサに俺の凄さを見せますよ、ハハハァァアア……

 親父は疑いの目で見て来るので、第1王子は俺たちの戦いには

参加することが無いことを強調して、

 「アス村は?」

   「パクオットが居れば、一緒に復興の手伝いを!

     味方につけれるなら味方に、

      此方に来るなら護衛をつけましょう!!」

 「そうか、もう一度言う、パクオットは運が強い」

パクオットと遣り合うなと再度言う親父に、

   「パクオットとは敵対しません!」

 バックに付いてるナーラサが、第1王子に手を出すなら

此の国を亡ぼすと言うので敵対なんか出来ませんから言うと、

  「パクオットとは友達作戦だ! 良いな!!」

 国ではなく個人と言うので、

  「はい、分かっています!! 

    パクオットの為なら!! それ以外は……

 此処まで言ったので、ジース王国への侵攻の許可が出るかなと

不安そうに親父を見つめると

 「コウキ!! 我が息子よ!!

   ドラゴンがジースを襲うのを利用して、

    ジースを攻めるぞ!!」

 親父は力強い目で俺を見つめて、

  俺が待ち望んでいた言葉を発した。

   親父は更に、

  「お前を光輝帝国騎士団こうきていこくきしだん

    団長に任命する。リーフ街をまずは占領しろ!!」

  皇帝直属の騎士団まで出すと言うので、

 親父の本気度が伝わる。

  親父は椅子から立ち上がり、執務室の扉を開けて

 護衛の為に扉の前に立っていた兵に、

  「緊急会議だ!!」

 親父が命令し、俺はアイリたちと合流して、

光輝帝国騎士団の準備が済み次第、決戦場に行くことを告げた。

 

 この決定が、ダァーツ帝国の崩壊に繋がるとは

    俺も、親父も、アイリたちも、誰も思っていなかった。

 


 「良いのか? ナーラサさまの力を借りなくても……

「結婚しないのに、借りられないよ」

  対ドラゴン対策で、アス村は総動員で家財道具など

 動かせる物を動かしている。

俺も籠に入った鍋、釜などを運んでいる。

 村に着くとドラゴンが来ると突然言い出した

俺は王子特権を使い村を掌握、テードルたちには護衛で雇っている

冒険者たちを対ドラゴン戦に突入する代わりに村の商業権を与えた。

 誰もがドラゴンが来るのかと疑いの目で見て来たが、

俺を、ツヴァイセルを信じろと言って疑いつつも

対ドラゴン戦の準備に入っている。

 トーラントは、沙良に連絡を定期的にしているようで

ドラゴンが来るか来ないか分からない以上、

ドラゴンに関して連絡はしていない。

 アス村に着いたと言う報告はしているが、

  俺がティーナの正体、ナーラサこと沙良の正体を

   酒の勢いで喋っていたトーラントで知っていることは

    気づいていないようである。

 トーラントは、ドラゴンが来る可能性があれば沙良に連絡をして

アス村に増援を送りたいようだが、愛もない50年を過ごすという

俺を馬鹿にした沙良の応援など要らないので断るように言うと、

 「……ドラゴンが来るんだろ?」

  「あぁ、間違いない!」 

 疑いながらトーラントが聞くので

  未来から自分の過去に憑依した者から聞いたので

   来ると言うと、

 林の中の木の根っ子に籠を置きながらトーラントが

   「誰から聞いたんだ!?」

 聞いてくるので、地面に籠を置きながら

  「勘だ! ツヴァイセルも信じてくれた」

 言うと、苦笑いしつつ当てになるのかと

トーラントは思いつつ

 「ナーラサさまに連絡したら……

   沙良の力を借りようと言うが、

    「これ以上、ウーレンの力は借りない!」

  「ドラゴン相手では……

 素直に成れと言う感じでトーラントが言ってくれるのは

嬉しいが、

 「被害を最小限にするために今してる! 

   俺たちにはドラゴンを倒す術はない!!

    追い払うことが第1だろ!!」

 「だが……

   トーラントが苦言を言うが、トーラントの腰から下げている

  皮袋に触ると黒い板が出て来たので、手に持ちながら見ていると

   「スマホ!? なぜ……

 トーラントが隠れて沙良に連絡していた物かと

  思いながら手で潰して、

   「殿下が触って出る!?……

 黒い板が壊したよりも、どうやって入っていたか分からない

皮袋から出た方に驚いているので、俺の中に少女の力が

宿っている為かと思いながら、

 「ベターラは持っていないのか?」

   「俺だけだ!」

 凄い形相で俺を睨んでいるトーラントを見ながら、

  「そうか、それは良かった!!」

 林から家が並ぶ方に行こうとすると、

  「世界最強のナーラサさまの力を借りない!!?」

 トーラントが叫ぶので、

  「神の力を持つ沙良に頼っているばかりでは

    俺たちは強くならない!!」

 振り返り、神の使徒である沙良のことを言うと、

  「なぜ、し、知って……

 俺が知っていることに驚くトーラントを見ていると、

突然暗くなり、ガオォォオオオ!!!!と叫ぶ声を聞くと同時に、

 頭の中に「僕は強いんだぁぁああああ!!!!」

  響き、強大な紫のドラゴンが村の広場の地面に座っていた。

 ドラゴンは翼を動かして風を起こして、テードルの馬車を吹き飛ばし、

家を吹き飛ばし、突然のことで対応が遅れた人を吹き飛ばしていた。

 空から来ると思っていたが、

  「テレポートを使えるのか?」

 トーラントが鞘から剣を抜きながら言うので、

  テレポートと言う魔法があるのかと疑問に思いつつ

 俺も鞘からドラゴン・ソードを抜いてドラゴンに向かう。

  林の方を見ると林に居た人は無事である。

 吹き飛ばされた人は動ける者たちによって担がれて

林に向かっている。

 林の中で回復魔法、ポーションで動けるようになった者たちは

剣、盾を構えて林に居る者たちを守る感じだ。

 ドラゴンに向けて、木の先端を縄で引っ張り、先端に板を付けて、

石を置けるようにした簡易投石器から石がドラゴンに向けて

放たれているが、まるっきり効かずにドラゴンの翼の動きで

起こる風によって吹き飛んでいた。

 ドラゴンを倒すなら、まずは翼と言うことで、

魔術師が魔法を唱えて行っているが効いていないようだ。

 ベターラ、カードルと合流し、ケントには怪我をした人に

回復を命令し、

 「リスは?」

   「ドラゴンの前足に!!」

 リストォラがドラゴンに向けて剣を叩いているのを

  ベターラが教えてくれるが効果は無いようだ。

   「俺たちも行く! 援護を!!」

 俺とトーラントがドラゴンの足元に行く間に

  ドラゴンの口からブレスが放たれて魔術師たちに当たり

 体が燃えていて地面に倒れながら必死に炎を消している。

  カードルの方にも放たれたが、ベターラの氷の壁によって

免れているようだ。俺たちはリストォラと合流し、

ドラゴンの体を斬って行くが固く弾かれてしまう。

 トーラントは剣圧でドラゴンの翼を斬ろうとするが

ドラゴンが急回転して尻尾が来るので急いで離れるが

遅れたものは吹き飛ばされて地面に叩き落されていた。

 立っている者を確認すると、

  トーラントが居ないので、何処かと探していると、

 ベターラがトーラントの所に居るのを発見したが、

  はっきり分からないが両腕が無いのか……

   あのドラゴン何時の間に……

 勝てない、追い返せない、此処までか……

  「ドラゴンを倒して、貴方を救うわ」

 この状況で聞こえないはずのベターラの声が聞こえて

  「マジック・ボールよ! 神の域に!!!」

 ドラゴンが気が付いて、ベターラにブレスを放つが

ベターラの体の光によって消されて、

 「カードル!! ドラゴンに向けて!!!」

   俺の言葉でカードルは炎弾を無数に放ち、

    俺はドラゴンが巻き起こす風に耐えながら

   ベターラが此れから行うことに期待しながら

    ドラゴンの後ろに行こうとすると、

  動ける者が俺とリストォラ、カードル、ベターラだけと

   気が付いたが、ベターラの凄まじい光に掛けるしかないと

    林にリストォラと共に隠れて、近くに居た人たちに

     ポーションを渡していると

 「人が、神の域に達した魔法を受けよ!!!

   全ての動きを、凍らせ、生命としての未来を束縛し、

     朽ち馳せろ!!!

      アイス・ライフ・コールドォォオオ!!!!!」

 ベターラが叫ぶと、ドラゴンは氷に覆われて動きを止めた。

  ベターラが地面に倒れたので、俺たちはベターラの所に来ると

   トーラントは両腕が無くなり重傷で、

    ベターラは体中にヒビが入り、骨も砕けているようだが

     息はしている。

 これで終わったと思っていると、覆われていた氷が溶けだし、

砕け落ちて行き、ドラゴンは再活動をした。

 「嘘だろ……

   「殿下、逃げましょう、無理です」

 カードルが言い出すので、

  「村人を置いて逃げれるか!!!」

 一喝するが、打つ手がない。

   リストォラを見ながら、

 「結婚式……駄目になったな」

   俺はドラゴンと刺し違える覚悟で言うと、

    「貴方と共に死ねることが……

 リストォラが悲しく言うのを聞いて

  「何が何でも追い返すぞ!!」

    俺は叫び、ドラゴンに突進して行く。

 ドラゴンが起こす風を、ブレスを剣で割きながら

一定の距離を取りながら対応し、カードルは

  「炎よ! 無数の弾となり、全て燃やせ!!!

    ファイヤー・ガドリング・ショットォォォ!!!!」

カードルの持つ最大魔法を詠唱し、ドラゴンの動きを止めようと

魔素が尽きるまで放ち続けている。

 リストォラは燃え上がる屋根の上を走り、

  木々を使ってジャンプし、

   ドラゴンの眉間に剣先を向けて、

   「もらったぁぁぁぁ!!!!」

 ドラゴンの眉間に剣が当たったが、剣は砕けて、

  ドラゴンは顔に乗ったリストォラを振り落としたが、

   リストォラは謎の光の中に居て、

    ゆっくりと地面に降りて来ていた。

 ドラゴンは力尽きている俺を見ているが、

  もう俺は動くほどの力は無く剣を支えに立っているのが

   精一杯で、少女に会えずに死ぬのかと思っていると、

    ドラゴンの舌が俺を舐めるので、

  「味を調べているのか?」

    食う為の味見かと思っていると、

   ドラゴンは地面に寝転がり、俺の横で顔を地面に着けて

    目を閉じていた。

 その光景を見ていた村人と同様に、

  「寝てるのか?」

 ドラゴンの攻撃が終わったのかと安堵していると、

頭の中に

 「ドラゴンよ! そこで、まだ暴れるなら、今から私が行って

   お前を打ち崩そうぞ!!」

 女性の声が響くと、ドラゴンは目を開けて、

  「パクちゃんと添い寝!! 怖いよ! オバサン!!」

 ガッオオオ!!!! と

  叫ぶ内容を頭の中で聞きながら

 ドラゴンがアス村を飛び出して行ったのを

  俺は呆然と立ち尽くしていた。


 まずは、トーラント、ベターラ、負傷した人たちを

治療しなといけないと地面から立ち上がり、

 林に隠れて無事な人たちと合流して、

  焼けていない家に負傷者を運んで行く。

明日になればツヴァイセルが来るので、残り少ないポーションを

魔術師たちに使い、魔術師たちは全快とはいかないが、

剣士、村人の治療に当たってもらっている。

 焼けている家は川から水を運んで消火して行く。

  一段落して、広場に集まった俺たちは焚火の周りに座り、

   此れからのことについて会議が始まる。

 会議には、俺、リストォラ、村長のクール、

商業ギルドマスターのケードル、ダァーツ帝国の冒険者ギルドの

職員(密偵)【ケケルット】の5人である。

  重症者や軽症者の看病や燃えた家などの片付けに

 他の者は就いている。

日も落ちて、星がキラキラと見える中で、

 「予定以上の被害が出てしまい、申し訳ない」

 俺は座りながら頭を膝まで下げて言うと、  

  「馬車が破壊されて大損害だ! どうしてくれる!!」

 ケードルが木のカップに入った水を俺に浴びせて叫ぶので、

  「殿下に!」

    リストォラは予備の剣を鞘から抜いて立ち上がるので、

 「良い! 馬、馬車の弁償は俺がします」

   「……殿下」

 俺はリストォラを制止させて弁償すると言うと、

  「国を出るんだろ! 何処から金を!!?}

 ケードルが激しく言うので、

  「冒険者……

 「稼げるわけないだろう!! 御前の腕じゃ!!!」

   「言い過ぎです!!」

 ケケルットがケードルに注意するが、

  「確かに、ドラゴンに傷も付けなれなかった腕です」

 「王子さまの剣は?」

   言われても仕方が無いので言うと剣を見せてほしいと言う

 ケケルットに鞘から抜いてドラゴン・ソードを見せると、

  「見たことのない素材で出来た剣です。これで……

 言い出すのでケードルも俺にもと言い出すので

  ケケルットがケードルに剣を渡すと、

   「確かに、私も今まで何百と剣を見て来ましたが……

 ケードルの目は初めて玩具を買ってもらった子供のような目で

  ドラゴン・ソードを眺めながら、

   「何処で入手を?」

 「親父への献上品、ウーレンから」

   「ウーレン……

 「只のドラゴン・ソードだから倉庫で眠っていた。

   王都に出る前に武器が無いので持って来た」

 入手ルートなどをケードルが聞くので答えると、

  「ウーレンからの献上品なら私は鑑定をしていますが……

 なぜ、その時に未知の材で出来たのを駄目剣と言ったのか

ケードルが悔しそうな感じで言い出すと、

 「それは、パクオット陛下を剣が認めたから……

声の方に振り替えると、ゆったり系のチュニックの上に

ミスリルの胸当てを付けて腰から鞘に入った剣をさげて、

ズボンを穿き、皮靴を履いた俺にドラゴンが来ると言った

女性であり、右手で髪を掻き分けながら俺たちの所に来ると

 「マーチネル! 陛下?……

   女性を見ながらケードルは立ち上がり呟くと

 ケードルをニコッと笑って見た女性は焚火を向こうに居る

俺に向けて跪いて、

 「陛下! シルヴィアの攻撃を良く耐えてくれました。

   シルヴィアはトーラントの両腕を斬った所で思い出したようで

    ハラハラしました」

 女性が言うことを何を言ってるのという感じで見ている

クールたちを他所に

 「突然、現れるとは聞いてないが」

   俺は苦言を言うと、

    「歴史を変えるわけには行けませんから」

 ケケルットたちは何を言ってるのか分からないまま

  「そうか……

 座っているケードルから剣を返してもらい、

  「此の剣で、なぜ斬れない!?」

 女性に向けて剣を見せて言うと、

  「剣に陛下の闘気を注がないと本来の性能は

    出ませんが、相手がシルヴィアでしたので

     本来の性能を出しても無理ですが」

 女性が淡々と言うので、

  「闘気を注ぐとは?」

    「陛下に流れる魔素と思って下さればいいでしょう」

 「俺には出来ないが」

   「シルヴィアを探しに行く前に私が教えます」

 闘気とは何か、剣の本来の性能、女性の所に赴き

跪いている女性に、

 「リストォラにも御願いする」

お辞儀をして頼むと、女性はニコッと笑って、

  「最初から、そのつもりです」

 答えてくれるので、跪いている女性に立つことを言って

  握手をしてから

   「ツヴァイセルは?」

  「夫は此方に向かっています。

    今は休憩していますが、2時間後には」

 ギルドマスターの動向を聞くと、既にリーフ街から出発していて、

後2時間の距離まで来ていることを女性が告げるので、

 「さすがは、君たちの夫だ!!」

   フッと笑って女性に言うと   

    「貴方の宰相ですから、遊びまわってる貴方と違って……

 フフッと笑って、その場から消えて行った。

  俺が陛下で、ギルドマスターが宰相って、何処で国を建てるんだ?

 ギルドマスターが東の大陸に行くとは思えないが、

  未来のことを考えていると、

   全員が俺を睨んでいて、

    「どうした?」

 「マーチネルは結婚はしていないが、バムと言う男がいる。

   なぜ、リーフ街の冴えないギルドマスターを?」

 「殿下? 殿下を陛下と言いますが?」

   「ツヴァイが結婚するのか?」

 「消える魔法なんて、初めて、うううん、魔法があるなんて……

   問いかけると色々と言い出すので仕方が無いので、

 未来から自分の体に憑依して来たことを告げた。

  多分、俺たちの周りは時間が止まっていただろう。

   このことは他言無用と告げて、

    「通信石が壊れていて……

  ダァーツ帝国の冒険者ギルドに連絡をしなければならない

 ケケルットは1本の三つ編みにした髪を触りながら言うので、

  「壊れていなくっても、誰が信じるかな?」

 俺が肩を竦めて言うと、リストォラたちは笑っていた。

  

  2時間後、ギルドマスターたちが到着した。

 シチューなどを用意してくれて、遅くなったが夕食となり

干し肉などをシチューに付けたりして空腹な腹を満たしてくれた。

 その間に、テードルがマーチネルにギルドマスターに

乗り換えたのかと聞くので、激怒したマーチネルがテードルの

頬に平手打ちをしていた。

 ギルドマスターがテードルに説明を……

 

  食事を終えた俺は、ギルドマスターとマーチネルを連れて

 トーラント、ベターラが寝ているテントに赴き、

  「ポーションと回復魔法で命を繋げているが……

 トーラントは両腕を、ベターラは体中にヒビが入り、

血は止まったが重症のままである。

    「治せないのか?」

  「私では……貴方、時期が来るまで」

 ギルドマスターが未来のマーチネルが憑依した

マーチネルに聞くが、

 少女が来るのを待てと言うので、

  「そうか、で、バムとは?」

    「そのうちね……

 結婚はしていないがバムの子を産んだマーチネルが、

自分と結婚しているのかと聞きたいギルドマスターは

マーチネルに聞くが教えてくれない。

 此処に来るまでに、冒険者ギルドでギルドマスターと

バムは揉めたらしい。

 マーチネルがギルドマスターの隣に座り、ウェイトレスのスゥも

ギルドマスターの向い側に座り、朝食を仲良く食うことになり、

ギルドマスターは困惑していたが、スゥが少し食べたパンを

ギルドマスターに食べさせる時に、貴方と可愛く言ったので

其れに激怒したバムがギルドマスターに絡んだが、

 元Sクラスのギルドマスターに敵うわけもなく壁にめり込んだ。

壁からマーチネルがバムを出すと、バムは従業員に手を出すのかと

激怒して言うが、ギルドマスターを虐めてストレス発散と

スゥは微笑みながら言うと、バムは信用して席に座り

エールをガバガバと飲んでいたそうだ。

 バムはマーチネルとの間に子が居て、王都【ジース】に

結婚はしていないが、女性が何人かいて子供もいるのに

スゥにも手を出している。

 マーチネルたちとバムの関係はスゥには話していない。

  バムは奴隷騎士団の副団長をしているので、

 副団長の重圧からストレスが溜まり、王都から離れて

のんびりしたらと女性たちが言うので、王都から遠いリーフ街の

冒険者ギルドに赴き数件の依頼をこなして王都に戻って行くことを

何回かしていくうちに、スゥと恋仲になり、

バムは結婚を申し込むつもりである。

 バムにとっては正式の妻になる予定だった。

  で、スゥとギルドマスターの方が過ごす時間が長いので

 俺が居ない時に体の関係をと勘違いしたのも

騒動の原因の1つである。

 バムがリーフの冒険者ギルドに来た時にバムについて調べた

ギルドマスターの情報収集力に脱帽である。

 バムが第1近衛騎士団(奴隷騎士団)の副団長と言う

情報を得るなど普通は無理なので……

 

 マーチネルは仲間の所に戻ると言うので

俺たちはテントから出てから、ギルドマスターが

ケケルットに話を聞きたいと言うので、食事後から

見かけなかったケケルットが何処かの家かテントに居るので

俺はケケルットを一緒に探すために、

ギルドマスターに付いて行く。

 ダァーツ帝国の冒険者ギルド職員【ケケルット】は

家族と共にアス村に滞在して、ダァーツ帝国の冒険者ギルド、

商業ギルドにアス村の情報を伝えることを

村長の許可の元に行っている。

  アス村との貿易の為である。

    ジース王国の情報も含まれるが……


 「何を聞くんだ?」

「ダァーツ帝国がジース王国に戦争を仕掛けるかどうかさ」

  リーフ男爵と裏で繋がっているダァーツ帝国だが、

 ジース王国の戦力はダァーツ帝国に少し劣るくらいである。

全面的に争えば双方痛み分けで終わるので、

俺が産まれてからは一度も戦争は無い。

 他の国とも戦争は無いので平和な時代が続きている。

   「在り得ないだろ?」

 「今回のドラゴン襲来で攻め込むことを決めるはずだ!!」

 戦争などしないと言う俺に向かって、自信満々に戦争だと

言い切るギルドマスターに、

 「理由は?」

   「ドラゴンがドラゴン山脈に戻ると思うか……

 問いかけると、ドラゴンの行き先を言うので、

  「ジース王国を回るか……

 「本来はリーフ男爵が動いた後だろうが、ドラゴンのおかげで」

   「攻めやすくなった!!」

 俺もギルドマスターの読みが分かり、通信石は無くなったが

ダァーツ帝国との遣り取りの詳細を聞くためにケケルットに

会うのだと……

 俺とギルドマスターは、俺たちに少女が此れから

絡んでくると思うので、俺が危機に面すれば

ダァーツ帝国と少女が戦うかも知れないので、

ダァーツ帝国は判断を誤ったなと思うが、

 少女の存在を知らなければ、俺でもチャンスと思うので

仕方がないかなと考えながら、ケケルットが居る場所を

探し出して、両親を看病しているケケルットに

  ギルドマスターはダァーツ帝国に関する話を聞いた。


 次の日になり、リーフ街の冒険者ギルドより

ジース王が第2近衛騎士団をドラゴン討伐にリーフ街に

向けて出発した報告が通信石を使って俺たちに伝わった。

 各冒険者ギルドに、ドラゴンの足止めの依頼を、

ジース王自身が依頼を出している。

 最後の止めは第2近衛騎士団がすると……

  リーフ街の冒険者ギルドから王都の商業ギルドに

 テードルが無事なことを伝えてもらっているが、

けが人が多いことも告げている。

 リーフ街の冒険者ギルドにツヴァイセル自らアス村支援の

依頼を出している。

 報酬は、食堂での食事を30回無料にする。

  昼過ぎにはアス村支援の馬車がリーフ街から出発した。

 リーフ男爵もアス村がドラゴンに襲われたことは知っているが

沈黙している。

 ギルドマスターはリーフ街の混乱回避のために、リーフ街の

街の人たちには伝えないように緘口令を出している。

 ジース王国内もドラゴンが来た時の対応の為に見張りを

出しているが、ギルドマスターのように国民に対して

緘口令を出しているようだ。

 昼過ぎからギルドマスターと共に来た冒険者たちが

軽症者をリーフ街の教会に運ぶために準備している傍らで

俺とリストォラはマーチネルと剣の修行に入っている。

 マーチネルが作った亜空間で……

  

 また、次の日になり、

ドラゴン探索(少女と会う為)に、マーチネルから受け取った

紙を見ながら行き先を確認している。

 ギルドマスターは俺が先に会うなと嫌味を言うが、

年齢を考えろとリストォラから隠れてコソコソと話しているので

リストォラはジト目で俺たちを睨んでいる。

 役目が終わったと未来から来たマーチネルたちは告げて

マーチネルたちの体から離れて行った。

 元に戻ったマーチネルは、なぜ此処に居るのという感じで

仲間のバムはとミウラに聞いていた。

 バムには、ジース王が近衛騎士団をドラゴン討伐の為に

出すはずで、ルート的にリーフ街に来る可能性があるから

近衛騎士団をアス村に先導するようにマーチネルが告げて

冒険者ギルドに留まらせたんだろうと

ミウラは自分が言ったことを忘れるなという感じで

怒りながら喋っていた、

 

 さて、俺は幌馬車の御者席に座り、

  「深追いはするなよ!」

 ギルドマスターが俺を見ながら言うので、

    「分かってるが、翼くらいは斬るよ」

 「斬れるのか?」

   「その為の修業さ!」

 ギルドマスターが御者席に座り、耳元で、

  「プロポーズの言葉、考えとけよ!」

 「あんたは?」

   マーチネルから貰った紙を

  ギルドマスターは見ながら

   「お兄ちゃん枠だと」 

  「義理の兄妹ですか!?」

 その言葉を聞いて笑みを見せると

  「少女が来たら分かるとさ……

 フンという感じでギルドマスターが言うので、

  「それじゃ、俺も今日からツヴァイセルを御兄さんと!」

 「振られろ!!」

   2人で喋っていると

 「コソコソ話をしてますが……

   カードルが幌馬車に荷を乗せたことを告げに来たので

 「終わったのか?」

   「少しは手伝って下さい!!」

 リストォラが文句を言うのを見ながら

ギルドマスターが降りたので、開いた御者席に座る

リストォラの顔を見ながら、

 「ギルマスと最終確認だから……

   「もう、ギルマスと恋人みたい!!」

 その言葉に俺とツヴァイセルは顔を見合わせて、

  「「 こんな奴と兄弟になりたくない!! 」」

 リストォラに向けて同時に言うと、

  「兄弟? どういう?」

    リストォラは困惑しながら言うので、

 「兄弟のように仲良くな!!」

   「そうそう、長い付き合いになるから!!」

 苦し紛れに言う俺たちに、

  「南の大陸に行って、東の大陸にリスねぇと

    イチャイチャするから会わないよね?」

 ケントが言うので頬を染めるリストォラ、カードルも

そうでしたなと言う顔をして俺たちを見ている。

 「色々と有るから! 行くぞ!! 乗れ!!」

   これ以上言えるかと強引に幌馬車を動かして言い出すと

 「止めて下さい! 私は魔術師で飛び乗れません!!」

   カードルが言うので、幌馬車を止めて、

 カードルたちを乗せてアス村を後にした。

   目指すはウエーザー山脈!!



 夜になり野営をしている私たちは夕食を終えて、

周りを警戒しつつ焚火の前でゆっくりしています。

 殿下は何も書いていない白い紙を見ながら

街道の先にあるウエーザー山脈を見ています。

 「殿下、ドラゴンはあそこに?」

   「あぁ、ひと暴れしたから眠っていると思う。

     何処からも報告が上がっていないから……

 アス村を襲ったドラゴンは何処かに飛び立ちましたが

他の街、村を襲ったと言う話はアス村を

出発する時でもありませんでした。

 何処かに潜伏している可能性は高いですが、

  「どうして、ウエーザー山脈と?」

 「勘さ! 勘ではだめか?」

   「いえ……

 何も書いてない紙を見ている殿下に

  「その紙……

 「あぁ、この紙は見たことないから……

   渡された紙は今まで見たことも無いツルツルの紙で

    「ギルドに?」

 「東の大陸の奴らに見せると驚くなと思って……

   確かに竹や麻、羊皮紙と違い光沢感もあり

  東の大陸の方に見せれば更に紙の技術が上がるかも……

 でも、何も書いてないのに手で線を引くようにしているので、

  「何が書いてあるんですか?」

    「あぁ、到着場所までにある途中の村に着く時間が

      書いてあるから、此処からどれくらい……

 「どうしたんです?」

   「いや、ちょっと川に……

 椅子代わりの丸太から立ち上がり、私から紙を奪って

逃げて行きました。

  尿をしに行ったのでしょうか?

   焚火に薪を入れていると、

 「代わろうか?」  

  カードルさまが私に言うので、

   「はい!」

 返事をすると、

 「殿下は?」

   カードルさまが聞くので、

「川の方に……

  「そうですか、仮眠して……

    答えると、優しく言って下さりますが、

   気になることがあったので

 「最近の殿下ですが……

   「気になりますかな?」

 カードルさまに聞くと、カードルさまも

気になっているようなので頷くと、

   「恋をしてますな」

 その言葉に胸が苦しくなり、

  「誰と!!?}

    「リストォラ、貴方にですよ」

 カードルさまに聞くと、私と言うけど

  「でも……

 「婚約者とは会って話をしないといけませんが、

   そのことを考えて、リストォラのことを深く愛していたと

    思い直したのでしょう」

 カードルさまは言いますが、ギルドマスターとのじゃれ合いは

どこか、同じ女性を巡っての争いにも感じています。

 私では無いのは確かです。

  王都から此処までに焦りがあったのか、大胆に

 攻めてしまいましたが、今までにもチャンスがあったのに、

奴隷と言う立場で断っていたのが悔やまれます。

 さっきも、何も書いていない紙を見ながらニヤニヤしているので

ウエーザー山脈に女が居るのでしょう。

 もし居たら、殿下を誘惑するなと言います。

  「どうしました?」

 考え事をしていた為にカードルさまが心配して

聞いてくるので、

 「何も、馬車の中で……

   「そうですか」

 私が答えると、焚火に薪を入れてから、

私を見ながら優しく微笑んで言うカードルさまに

  「仮眠します」

 告げて、幌馬車の方に向かいながら、

  話次第では、女を斬ると心に決めて

   幌馬車の中で横になりました。

 

 ウエーザー山脈の麓で出会った少女は

   私たちにとって、その後の人生を変える人物であった。






 パクオットの話は終わりか?

長かったねぇ

  ダァーツ帝国って言う敵も出て来て

此方が本編って言う感じ!!

 ダンジョン行ったりして……

  つかさって、沙良を諦めてないの?

光ちゃんもそうだけど、言ってるだけだよ

  そうなんだ

 俺はエリナ一筋!

妹たちと弟をよろしく 

 エリナだけ……

  想われてるの知ってるくせに!!

私の結婚式で発表だぁ!!!!

 ハーレムは嫌だ!!

  私は1人だけ

えっ!? 勇太が召喚された先で……

  勇太がでしょ! 私を満足させるには必要よ

 エリナもそう思っているのか?

  他の男に行く可能性はあるかも……

 エリナの望むことは何でもするぞ!!

妹たちと弟、よろしく!!

 エッ! 

  次回 第20話 出発……


 決戦場へ向けて出発!!

凄い数! 

 前金も払っているからな

  これで負けるなら歴史に無能と書かれますな

 書かれるかよ! 優秀、先読みと書かれるさ!! 

ジース王国を占領してどうするの?

 俺の采配でジースの国民を豊かにする

  王や貴族は……

 頭は1つで良いからな

王女とか娶るの?

 しないさ、アイリ1人さ!

前世で30人でしょ……

 だ、誰に……

夢でね

 高校の時に、1人だけだよ

ふぅん、ホント?

 俺の目を見ろよ! 嘘を言ってる目か?

分かったわ!

 まさか、会社の同僚が……

どうしたの?

 夢なんだろ

そう、コウキの愛の歴史って言うタイトルで!

 凄い、タイトルだね

そう、神様が浮気したら電撃で!

 ハハハ……神様って?

黄色いロボットで、虎模様のビキニを……

 本当に夢?

そうよ! 浮気したら……

 しません! 

してほしいなぁ……言いたい言葉があるのに

 ハハハ……

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