幕間2 見たことがない物……
アス村へ向けて進行している商隊の人数は総勢100名で、
其のうち商人が60名、集められた護衛は
俺たちを含めて40名である。
俺たち【ボンズ・オブ・ジョイ】は、俺とトーラントは
荷物を背負って馬車の列の最後尾を歩いている。
リストォラ、ベターラ、カードル、ケントは
自分の武器以外は持たずに付いて来ている。
リーフ街までの間に魔物か動物が襲ってきた場合に
対処する為である。
他の募集された者たちのグループも俺たちと同じように
歩いている。
馬車は10台が列をなして進んでいる。
馬車の速度は遅く1時間で4kmから6kmしか進まないし、
休憩を挟むので1日の移動距離は30kmも行かない。
原因は馬車を牽引する馬にある。
今は魔物の馬を育てて荷車、箱車、幌車などを牽引する
無くてはならない者になっているが、
商人たちは普通の馬を使いたがる。
普通の馬の数が少ないこと、育成に時間が掛かり
費用も掛かるが見栄として使うのである。
貴族は商人と共同育成と言う形で所有している。
貴族の屋敷に厩舎が無いことも関係している。
普通の馬が牽引する箱車のスピードは遅く、
通常1週間で着くはずのアス村に
2週間弱かかる予定である。
また、アス村まで行く間に街道沿いにある村などで
珍しい物、商売になる物の商談もすると言うことで
馬車に食料を積んでいるが俺たちが背負っているリックサックにも
大量の食糧が入っているので、依頼料が高額とはいえ堪える。
今回、アス村に行く理由は、魔物などが落す鉱石、加工品などが
大量に獲れる場所であり、土地としても豊かな土の恩恵で
畑などで獲れる穀物などの質が良いので、王都の商業ギルドが
アス村の貿易権を習得するために出向いている。
この話は、ナーラサが俺の為に結成した騎士団のトーラントが
王都【ジース】に潜んでいる仲間から聞いた話である。
ジース王国領の中にあるアス村の権利など王の一言で
終わると思うだろうが、此処に障害が出て来る。
トーラントから聞かされたことは俺も初めて知ったことであった。
アス村を管轄しているのはリーフ領を治めるリーフ男爵で
アス村もリーフ男爵の領に入る。
リーフ男爵はジース王に剣を捧げているかと言うと
捧げていないのである。
リーフ領は、元はウエーザー辺境伯爵領の1部であった。
それを聞いたカードルも知らない話だったので
「ウエーザー卿に剣を?」
トーラントに聞く始末で、
これも違って、リーフ領からウエーザー辺境伯爵領が分裂して
今のリーフ領、ウエーザー辺境伯爵領となっている。
聞いていて分からなくなるくらいややこしい。
話しているトーラントも困惑しながら話が続いて、
今のリーフ男爵の祖先は、リーフ街一帯を治める豪族で
リーフ街を守るために先代のジース王と手を取り、
ジース王国の勢いがあったのでジース王国の一部に取り入れられた。
ここからが更にややこしいことに
初代ジース王はリーフ男爵の祖先の子供であった。
と言うことは、今のリーフ街からジース王国が始まったのである。
だが、この話は現リーフ男爵に伝わっていない話で、
ウエーザー辺境伯爵から功績により与えらえた土地だと思っている。
ウエーザー辺境伯爵もそう思っているので、リーフ男爵は税金、品物を
一定額をウエーザー辺境伯爵に納めている。
この話、今の王しか知らないことである。
戴冠式後に先代の王と一緒に居る神メホーラが話すのである。
此処で聞いていた全員が驚くのは、神様って居るのって
言うことである。
神の声など実は誰も聞いたことが無いので、王が神という存在を
作って言っているのだと思っていた。
東の大陸でも神様を拝めて、更に自然の神様を拝めて今日1日の
感謝を神社(俺たちの方では教会)でする人もいるが
その人も神は見たことは無いが、木々に宿ってますからと言われて、
そうですねと返したことがある。
先程、王都に潜んでいる者からの話かと聞くと、
トーラントはナーラサに俺がアス村に行くことを伝えている時に
上記のことをナーラサが話したらしい。
なぜ、ナーラサが知っているかは分からないが話は続いて、
現リーフ男爵はジース王国からの独立を考えている。
その為に、ダァーツ帝国との貿易を活発にしている。
ダァーツ帝国に後ろ盾になってもらう為である。
その動きの邪魔をする為に商業ギルドがアス村に行くのである。
ナーラサは此の件は他国のことなので関わるなと
トーラントに話したらしい。
これは俺も納得して聞いていたが、リーフ男爵が
リーフ街にある冒険者ギルドをダァーツ帝国と組んで
攻めるなら冒険者ギルドに手を貸して戦えと言ったらしい。
その時は私も出ると……
何それと言う感じで話は続き、
リーフ街にある冒険者ギルドは独立国として機能している。
リーフ男爵、ジース王も如何なる者も手を出していけない
場所として存在している。
数年前に、リーフ男爵が冒険者ギルドの特権剥奪を発令して
冒険者ギルドマスターのフルツと衝突した。
圧倒的な数のリーフ男爵と冒険者を集めたが数は少ない
冒険者ギルドでは冒険者ギルド側が勝てないと思われたが
ギルドマスターのフルツの采配により勝ちを得て
独立国として続いている。
ナーラサは、今回リーフ街に1泊はするはずだから、
ギルドマスターのフルツをトーラントに口説いてほしいと
言われたそうだ。
ウーレン共和国の参謀として招き入れたい為に。
冒険者ギルドのある場所は、リーフ男爵の祖先と
神メホーラが家を建てて、子を産んだ場所であり、
その土地が荒れないように不可侵としたのである。
それを聞いて、俺って神様の子なのと驚いていると
血は薄いでしょうと、カードルは言い、
トーラントは苦笑いしながら
「ナーラサさまとパクオット殿下の婚約って、メポーラが
仕組んだらしいな」
言うので、何それと思っていると
俺を無能に仕立てて、ウーレン共和国に嫁がせる。
結婚した後に鍵が掛かっていたスキルが解放されて
才能を輝かせてウーレン共和国を発展させていくだろうと。
だが、スキルの解放が早くなり、冒険者になってジース王国から
出て行くことになった。
この理由はナーラサは知らないそうで、
俺とメポーラだけが知っている少女の行いである。
最後にナーラサからの伝言で、
「50年、添い寝はしてあげるけど、子供は
リストォラと作ってね」
おい、リストォラは顔を真っ赤にして屈んでいて、
俺との婚約が嫌なら破棄しろと思いながら
ナーラサに一発ぶったたいてやると心に決めて
アス村へと進んでいると、リーフ街から近くの村に
着くころには空は濃い青になって来ていた。
そのために此の村で1泊することになった。
その村は奇妙な村であった。
村長と名乗る少年は15歳と言う。
村長を務めるなら40過ぎがするところが多いので
若すぎる。例外はもちろんあるが……
村長の身長は180㎝はあるだろう。
髪は整えずにワイルドにしているが顔は整っていて
リストォラ、雇われた者たちのグループの女性たちは
カッコいい、素敵な方、上げたいとか言い出していて、
俺たちは、彼奴の何処が良いんだと愚痴を零していた。
そんな俺たちをトーラント、ベターラは笑っていた。
服装はチュニックに腰にはベルトを巻いている。
ズボンを穿いて皮靴を履いている。
後から来た女性も同じような格好で、
村長に腕組をするので奥さんだろう。
それを見たリストォラたち女性陣は、嘘っと言って嘆いていた。
いい気味だと俺たちは心で喜んだ。
村長夫婦に商業ギルドのテードルが1泊出来ないかと
頼んでいると、
「村の外壁に沿って馬車を止めてくれ! 馬は……
承諾した村長は馬の数を見ながら
「水、干し草を、あそこに見える木の所に作るから
馬は木々に繋いでくれ」
村の中の木々が茂っている場所を指で示しながら言う村長に
「私たちの泊る所は?」
村の中の木造の建物を見ながらテードルが聞くので
「済まない、空き家は無いから馬車の周りにテントを張ってくれ」
申し訳なさそうに言う村長に、
「魔物が……
此処に来るまでに、ユニコーン・ラビット、ウエーザーアマツバメ、
クローモグラなどに襲われていたので村の外で寝るのはと
不満を言うテードルに、
「見張りは俺たちがする!」
テードルの目を真っ直ぐ見る村長に驚いたテードルは
「感謝する」
言いながら後退りしていた。
雇われの者たちのグループの女性たちの1人から
「あの、何処で……
モジモジしながら村長に聞くので
「あの建物で……
村長の妻が発言した女性の所に行くと、何やらコソコソと
話をして、リストォラを含む女性たちが村長の妻と一緒に
村の中で一番小さい建物の中に入っていた。
「どうしたのか?」
テードルが言うので、フッと笑ってから
「お手洗いですよ、尿が……
それ以上は言わなくても分かったので
「臭く……
洗面所が臭すぎて周りに建物があるので環境が悪いだろうと
テードルが言うが、
「水洗ですから」
川もない、水が流れ出る所も無い建物なので、地面に
貯めるのかと思っていると、
「使い方もありますので、見てもらいましょうか」
村長が言うので、気になるテードル、商人たち、俺もトーラントと
共に付いて行くと、
「王都で言ったことが分かる」
トーラントが言うが、
「王都?」
「そうさ!」
目の前の建物に関することが思い出せないでいると、
「色々とあったからな」
トーラントが王都での出来事を言うので
「確かに」
エクスラーヴァが俺を殺そうとしたことなど
唇を噛みながら苦く俺が言うと、
「誰が敵か分からないから気を抜くなよ」
子声で耳元でトーラントが言うので
「村長が?」
「ツカサさまは違う、商人や雇われの中に」
村長の名前は一言も発していないはずで、テードルにも
名前お前に言うのって言う圧力みたいな感じでテードルは
怯えていたので聞いていない。
それがどうしてと
「名前って……
「あ、ああ、忘れてくれ」
不味いとアッとなったトーラントは、
そそくさと村の中に居る鎌を持った男性の方に向かっていた。
「どうしたエルック!?」
雇われの者たちの1人、2刀の短剣を両腰から下げている
エリーモォが聞いてくるので
「トーラントが……
鎌を持った男性と話している姿は、知り合いらしく
鎌を持っていた男性は鎌をトーラントに渡して、
アドバイスをしている。
「あいつは、来たことがあるんだな」
まあ、そうなんだが、俺の護衛なら此方には来てないはずだが、
少年たちも集まって来ていて話が盛り上がっている。
「そうだな……
後から聞いて見るかと思いながら村長の方に向かった。
洗面所に着くと、テードルたちは説明を受けていて、
感心している様子が伺える。
俺も輪に入って、実践しているテードルはズボンを穿いたまま
座ったり、立ったりして、蓋が自動的に閉じたりしている。
「此処から自動的に御湯が……
村長が説明をしていて、竹の皮や木の皮、大きい葉っぱ、布切れなどで
拭くが、村によっては手で拭いて直ぐ近くの水で手を洗う。
暫くは左手は使わないけどな……
水が溜まっている容器の御尻を置く蓋の近くからプシュと
水が飛び出して、テードルたちは驚いている。
俺も凄いと思っていると、リストォラたちが話し込みながら
俺たちの後ろを通るので振り向くと、空は暗く、村の街灯が灯っている。
「どうだった?」
俺に気が付いたリストォラが俺を見るので聞くと、
「無しでは生きられないかと……
言うのが恥ずかしいのか小声で言うので、
「持ち運びは出来ないな」
洗面所の大きさを見ながら言うと、
「そういう時は、携帯洗浄機!!」
ベターラが小さいノズルが付いた物を持って言うと
リストォラたちは覗き込むように見ていて
「野宿の時に御尻を洗えるのよ! あそこに……」
それ以上は言うなとベターラを睨むとフフッと笑っていて、
王都でベターラが言っていたことは此の洗面所のことで、
更に携帯用まであるとは、恐るべしウーレン共和国と思っていると
「これを何処で!!?}
洗面所の購入先を聞いているテードルに
村長がベターラをチラッと見た後に、
「ウーレン共和国の大統領の娘ナーラサからですよ」
「ウーレン?」
俺の婚約者の名を出す村長に洗面所をチラッと見たテードルが
嘘だろうと言う感じで言うと、
「えぇ、ナーラサとは将来を誓い合った仲で、此の村に
国の重要施設を備えて……
何処からともなく先が鋭利な木材が天から降って来て、
村長の頭に当たり、村長は地面に倒れたので
誰もが血は流れていないが死亡したと思っていると
「つかさ!! 変なこと言うな!」
「だったら、ナルエは!!」
「面白い展開に」
「キスするなぁ!!!」
頭の中に男と女の声が響いているが、周りを見ると、少年、少女が
笑っていて、20過ぎの女性たちも笑っている。
「痛いなぁ、沙良め……
頭を右手で触って平気な感じで立ち上がる村長に
俺も含めて驚いていると、村長が俺の横を通り過ぎる時に
「俺が婚約者って言ったとき喜んだろ、殿下」
小声を聞いて村長に振り向くが、
「1時間後に恒例の宴やるぞ!!」
鎌を持っている男性の所に集まっている少年たち
俺たちの近くに居る少年、少女たちが
「「「「 おおぉぉぉおおおお!!!!! 」」」」
叫んで、宴の準備に入って行った。
俺たちは村の20過ぎの女性たちと共に馬車の周りに
テントを張って行き、
「手際が良いですな、村の外には」
テードルがテントを仲間と共に張っている
女性に聞くと
「リーフ街にも行ったことはありませんわ」
女性は言うが、此の村からリーフ街まで半日の距離で
朝から出れば其の日に着くので、女性は嘘を言ってるなと思って
テントを張っていると
「そうですか、綺麗な手ですね」
「息子は、シミだらけ、皺だらけの汚い手って!」
テードルは嘘と知りつつ女性の言葉に納得して、
テントを固定する為に地面に打ち込んだ杭に紐を結んでいる
女性の手を見ながら言うと
変な言葉が出て来たので
「え、えっと息子さんは何歳?」
「私は何歳に見えます?」
テードルが恐る恐る聞くと女性が私の年齢を当ててみてと言うので
俺はリストォラに「18くらいだよな」と言うと
「どうせ年増ですよ!!」
さっき迄は20過ぎかなと思っていましたが
化粧はしてるが軽めなので20歳は行っていないと思って
言ったが、リストォラは18歳なのに自分を年増と言うので、
比べると、冒険者稼業をしているので肌は荒れてます。
手も剣を持つのでゴツゴツしてますが、
「年増でもリスのことが好きだよ」
思わず声が出てしまい、作業を中断したリストォラは
屈んで両手で顔を隠していた。
「18ですか? 息子さんは2歳とか……
俺と考えが一緒のテードルが言うと、
「嬉しいですわ、今夜……
テードルが夜の誘いをしてることに気が付いている女性が
承諾の言葉を言うので、息子が居ても問題は無いと
「貴方の家は……
テードルは普通に声を出して喋っているので
商人たちも村の女性にアタックしようかと考えいるようだが
子供のケントが居るので、
「ケント、ちょっと向こうに行こうか」
ケントを林の方に連れて行って大人の話が終わるまで
林の中で休もうかと思って言うと、
「パクにぃ、リスねぇと添い寝ばかりじゃなくって
挿入しないの?」
信じられない言葉を言うので、
「ど、どこで、子供が言う……
「ギルドでよくリスねぇが口説かれる時に聞くから、挿入て何?」
荒くれ者が多い冒険者たちに
リストォラが口説かれてることなど
初めて知ったが、
「大人になればな……
「その大人のパクオットは、なぜリストォラとしないんだ」
トレイにバーベキュー用の肉や、肉と野菜を細い串に刺したのが
並んでいるのを持つ村長が背中から言うので振り向いて、
「お前には関係ないだろ! リスとは……
リストォラにアピールしても添い寝以上にしてくれないんだからと
最後まで言おうとしたら、
「他に好きな奴いるのか?」
その言葉で少女が浮かんで、
「い、居るわけないだろ!! リス一筋!!」
慌てて消すように言うと、
「パクちゃあああぁぁんんん!!!!!……」
空から悪魔が落ちて来た。
ドォオオオオオオオ!!!!と、もの凄い音と共に
パクオットを巻き添えにセント・ギア【ムラサキ】が
クレーターの中心にいて、成層圏から落ちて来たのかと
思いながら、パクオット! 沙良は俺が御前の分まで幸せにすると
誓っていると、ムラサキが起き上がり、パクオットを抱きかかえて
咄嗟に避けた俺の所に来てから、
「やぁ!」
笑顔で言うムラサキに、
「生きてるの?……
う、うう……と気絶しながら声を出しているパクオットを
見ながら言うと、
「明美さま成分があるから、フフフ……
今日の明美さま成分補充と言う感じでパクオットを
抱きかかえているムラサキを見ながら、
沙良が此の世界に転生した時に、
パクオットは沙良の婚約者となった。
その時の転生空間に明美、沙良、此の世界の神メホーラが居て
転生する沙良に明美は上位準眷属、メポーラは下位準眷属を与えた。
ついでに沙良に関わる人にも加護を明美が与えた。
その加護のおかげでパクオットは気絶という奇跡で
助かっている。パクオットの闘気に明美の魔素が混じっているので
ムラサキが明美さま成分補充と言ってニコニコして抱いている。
だが、今の衝撃で商業ギルドの方は、方は……
スマートフォンを出して、
「明美! 今すぐ、全員を蘇生しろ!!!」
怒鳴りながら明美に向かって言うと
『パクオットを殺す人達でしょ! ねぇ沙良』
『そうね、愛が無いとはいえ、国の為には此のままで』
沙良が変わって言うが、
「あのなぁ、突然消えて、パクオットだけって可笑しいだろ!!」
『そう? 光ちゃん! どうする?』
パクオットだけ生きていれば問題ないわと言う感じで言うので
パクオットが此処までに来た間に関わった人たちの記憶を
竜巳に、マジック・ボールで変えるのは大変で、メポーラの家の
施設での記憶操作も簡単ではない。明美御殿の施設なら
記憶操作は簡単にできるが、メポーラの家の施設と
繋がっていないので、明美御殿と繋げるのに1か月は掛かる。
明美は蘇生するのに光悦に聞くと、
『ナルエをくれたら考える』
「誰が、沙良をよこせ!!」
俺の妻の1人ナルエを渡せと言うので、負けじと沙良を要求すると
『沙良は俺にゾッコンだ!』
「ナルエは俺に一筋だ!!」
光悦は沙良は俺に夢中だと言うので、こちらも
言い返していると、突然、誰かに頭を叩かれて
「いい加減にしろ!」
俺からスマートフォンを奪って、
「アドラーだ! 沙良の部下も死んでいる。
明美! 時空管理省の担当が困るぞ!!」
『しょうがない、それじゃ、
ブリィング・サムボディ・バック・トォ・ライフ』
明美に、明美担当のエルナが、テードルたち死ぬ予定のない方が
多く亡くなり、エルナが調整に困るぞとアドラーが言うと、蘇生魔法を
渋々唱えて、死体になっている者たちから光が溢れて、暫くすると
光が収まると起き上がり、そのタイミングで明美は時間を少し戻して
何事も無く、テードルが母さんを口説いている場面へと戻った。
「18ですか……えっ、何処に????」
テードルが口説いていたはずの母さんが目の前に居ないので
「女性は?」
周りに聞くので、
「母さんは村の中ですよ!」
「母さん?」
俺が答えると、俺を見ながら言うので、
「俺の母さんで、今年45歳になるババアです」
本当の年齢を言ってあげると嘘と言う顔をして
目を大きく開けていると、
「バカ息子ぉぉおおお!! ババアっと言うなぁぁあああ!!!!」
俺に向かって突進してくる母さんのアッパーカットを
避け切れずに拭き飛ばされて、
「さすが、つかさの動きは読めるか」
「仲のいい親子ですね」
アドラーが微笑んでムラサキに言うと
ムラサキは俺とババアとの良好な関係を称えていた。
俺の母さんは、俺が明美の上位準眷属になった時に
俺が心配だと言うことで、明美も母さんの気持ちを汲み取って
俺の両親を上位準眷属にしている。
クラスメートたちの両親も同様である。
俺たちが剣や魔法で戦うのに対して、両親たちは俺たちが
無事に帰って来るのを信じて待っている側なので
戦えるスキルは持たずに、防御、回復が少し出来るくらいの
レベル10くらいである。
冒険者ギルドの依頼を終えて、両親に「ただいま」と
言うと、無事に帰って来たと俺を抱きしめてくれた時は
普通に生きていける世界から危険な世界に飛び込んだ俺の
我が儘に何時も済まないと言う気持ちであった。
それも最初だけで、最近じゃ俺の給料や依頼料の
5分の1持っていくんじゃねぇ。
妻も100人以上いるから、共働きと言っても生活するのに
莫大なお金が掛かるんだぞ!!
明美の上位準眷属なったおかげで、母さんは見た目20歳くらいの
若さに戻り、クラスメートの母親も同様な姿で、母さんと一緒に
夜の街にナンパされに行っている。
親父は其の行動を知ってはいるが、若さを取り戻した行動と
思って無視をしている。
ほとんどが路上でのナンパで終わっているが、位置アプリで
場所は直ぐ分かるので、ホテルに連れ込まれた時は
俺が乗り込んで、ナンパ男をボコボコにして、ムラサキか竜巳に
ナンパ男の記憶の改ざんして貰っている。
だから、母さんが45歳だと思い出させる為に言っているが
すぐキレて殴るのは止めてほしい。
母さん程度の攻撃は避けれるが、避けたらいけないオーラの為に
受けている。親子のコミュニケーションだと思ってくれ。
ちなみに、親父は母さん同様に若くなったが、威厳が無くなるし
年齢を重ねた重みが無くなると言うので、上位準眷属になる前の姿である。
クラスメートの父親たちも同様である。
中等部から俺たちのクラスメートになった者たちは、
美里を除いて、両親には秘密にしている。
中等部からは大人だから、親まで準眷属にすることはないと言う
明美の考えから……
(新曲、ミラージュ・ガール! 来月、天理の結婚式用の……
(3人の踊りを見るのじゃ!!
(明日から、つかさと一緒に登校が出来るので……
(キューイルに負けないんだから!!
(ダーリンとの融合で勝負じゃ!!!
(ホヤホヤカップル雑談!!!
(どうでした、杉田羅未来さんの味は? アドラーさん
(……ノーコメント
(ウイング・マグナムゥゥウウウ!!!
(てると君は相手いないね
(僕はマグナムと……
(テルトォォォオオ!!!!
(これは全て夢だよ、忘れてね……
目を覚めるとテントの中に居て、テントの隙間から
朝を告げる朝日の光が入って来ている。
「……夢か?
夢にしてはリアルで、見たことが無いゴーレム、
ガンガン頭に響く音楽、人が融合?
此の世のものとは思えない光景……
「? な、なんだ?」
右手に柔らかい物を掴んでいるようで
掴んでいる方に顔を向けて
驚くように起き上がると、
「う、うぅ……
生まれた姿のままのリストォラが横で眠ていて、
「えっ!……
俺は服を着たままなので、一線は超えてないよなと
そっと立ち上がり、リストォラに毛布を掛けて外に出ると
昨日まで在った村が無くなっていた。
夜の見張りをしていたトーラントが丸太に座っているのを
見つけたので、トーラントの方に歩きながら、
「おはよう、見張りをすっぽかして……
俺に気が付いたトーラントが
「疲れもある、俺は御前の護衛だからな」
夜の見張りも順番に商業ギルドに雇われた者たちで
交代するので、トーラントの次は俺だったんだが、
俺の次も熟睡して交代しなかったようだ。
「すまない……
アドラーの向いの地面に置いてある丸太に座ると、
「飲むか?」
トーラントが焚火の上に石と鉄板で作った簡易コンロに乗っている
ポットを右手で持ってから
左手に持っている木のコップに注ぎながら言うので、
「遠慮なくもらうよ」
木のコップを受け取り、熱そうなので少し冷めてからと
「村って在ったよな」
「村? 何だそれ?」
「馬車の裏に、若い村長で!!」
村が突然なくなったのでトーラントに聞くと、首を傾げながら
村なんて在ったかと言うので、洗面所、宴、歌、ゴーレムなどを
覚えていることを熱く語るが、
「夢でも見ていたか? リストォラとはしたか?」
トーラントは夢と言うついでにリストォラと一線を越えたかと
ニヤッとして聞いてくるので、
「するわけないだろ!」
少し冷めた御湯を一口飲んでから吐き捨てるように言うと、
「せっかく、裸で横に居たのにか?」
覗いていたのかリストォラの裸をとトーラントを睨むと、
「睨むなって! ベターラから……
「詳しく聞かせろよ」
リストォラが裸で寝ることを薦めたのはベターラと言うので
詳細を聞くと、
ベターラが此処までの道中で俺に好意を抱いている感じで
絡んでいるのを見ているうちに、リストォラとしては、私の方が
俺のことをもっと好きだと言う感情が高まり、ベターラとの差を
見せつけるためにと考えていたが、相談する相手がベターラしか
居なかったのでベターラに聞くと、ベターラはトーラントの恋人で
俺のことは弟くらいにしか見ていないそうだと分かったが、
それでも不安なリストォラにアドバイスをしたのが、
裸での添い寝であった。
俺が寝ている間に襲いなさいとも言っていたが、
さすがにリストォラも無理だったらしい。
「此のままで良いとは思ってないだろ」
トーラントがリストォラとの関係、ウーレン共和国の
ナーラサとの関係をどうするのかと聞くので
「南の大陸に行く、東の大陸でリスと共に過ごすさ」
トーラントに会ってから何回も言っていたことを告げると
「だったら、なぜ抱かない!」
「今の関係が良いんだよ」
トーラントが子供じゃあるまいにと言うが、
何時もの決まり文句を言うと、
「好きな奴が要るな! ナーラサさまに報告をしないといけない!」
「要るわけないだろ! 王宮じゃ何時も1人。
この稼業中に女はリスしかいないのに」
要るなら教えろと言うが、俺の横に何時もいる
リストォラだけと言うと
「だったら、抱け!!」
「今の関係が!!」
トーラントが言うので反論していると
「朝から、煩いわよ!!」
薄く、透けている服を着ているベターラが文句を言うので
「な、何か着ません?」
目をつぶって言うと、
「着てるでしょ」
「裸同然なので……
「リストォラで見られてないの?」
「見たことが無いので……
文句を言う前にコートか何か着てくださいと言うと
リストォラで慣れてるでしょとベターラは言うけど、
俺は無いと言うと、トーラントと顔を見合してから
「白状しなさい! 好きな人を!!」
「い、いないです!!」
ベターラが言い出すので、これ以上この場に居たら
白状させられると思って、
俺はトーラントたちから逃げだした。
それを見ながらトーラントは
「どうやら、昨日の記憶があるみたいだな」
「アケミさまも完璧と思ってもミスはあるのね」
つかさ様たちの宴の記憶を明美さまがパクオット殿下たちから
消したつもりが、パクオット殿下は記憶が残っているので
ベターラに言うと、完璧人間はいないわねと言うので
「あぁ、パクオット殿下はラーラサさま、リストォラ以外に
好きな人が居るのは確かだな」
「リストォラのように、ナーラサさまが
受け入れる方なら良いんだけど」
頷いてから、此処までの道中で感じていたパクオット殿下が
恋焦がれている女性がいると確信して言うと
ナーラサさまが、パクオット殿下を共に支える者として
リストォラを受け入れているので、リストォラのような方であれば
ナーラサさまも認めるだろうとベターラが希望を言うので
「……そうだな」
「私たちの結婚も伸びそうね」
「南の大陸まで付き合うとな」
「そうね」
頷くと、ベターラが俺たちの結婚のことを言い出すので
アス村からウーレン共和国に行くなら良いが、パクオット殿下が
何度も言っている南の大陸に行くと言うなら、
ナーラサさまから受けている護衛の為に行くことになり
婚姻届けも出せないし、子供も作れない。
ナーラサさまの結婚式の1か月後に結婚式をする予定であった。
「皆が起きる、着替えてくれ」
「殿下が起きて来なかったら、もう一回したかったのに」
「魔法で後30分は寝てるはずなんだけどな」
記憶を変えるついでに今までの疲れも取ってもらおうと
魔法でぐっすり眠ってもらったが、そろそろ解ける時間で、
パクオット殿下には見られたが、ケードルたちには
ベターラの姿を見せたくないので言うと、
「殿下って、アケミさまのことが好きなのかな」
「在りえないだろ、会ったことが無いのに」
「……そうね」
突然、パクオット殿下が明美さまのことが好きと
ベターラが言うが、接点が無いので在り得ないと言うと
着替えのためにベターラはテントの中に入って行った。
馬が繋がっている木々の所から昨日まで存在していた
村の跡地を見ながら、
あの空から聞こえた声は少女の声だった。
ナーラサ、いや沙良と言っていた少女は
ウーレン共和国の沙良の部屋に居るようで、
会えないかもしれないが、アス村からウーレン共和国に
行こうかと考えている。
男の声もしていて、沙良と親しい感じで、少女にも
親しい感じで、2人とも男を旦那様と言っていたかと
記憶している。
と言うことは、沙良は俺と結婚する前に他の男と結婚を
しているのに、ジース王国との繋がりの為に俺とも結婚をする。
だから、子供はリストォラと言っていたのかと。
少女も男と結婚をしている感じだが、少女は御兄さまと
結婚式を挙げると言っていたので、複数の男と
結婚しているのかもしれない。
兄というなら身内か? 王族だとたまにあるので
在り得ない話でもない。
それをエールを飲みながら聞いていて、
もし、少女と会えたら、他に男が居ても其の仲間に入れて貰って
少女と過ごしたいなと思ってしまうのは
少女、明美のことが心底好きだから思うのだろう。
心地よい風を感じながら少女のことを考えていると
リストォラが何時もの服を着ながら
「朝食の準備が!!」
声を掛けるので、
「腹いっぱい食べて、リーフ街に行くか」
返事をすると、
「食べ過ぎは良くないので、腹八分目にして下さい!!」
注意されて、その言葉にクスッと笑いながら此方に来る
リストォラと合流してから、俺はリストォラの右肩に右手を置いて
俺に方にリストォラの体を俺の方に寄せて、
ゆっくりとリストォラと共に馬車が並ぶ所に歩いて行った。
ねぇ、宇都宮くん……
三浦さん、なに?
するのよね……
そうだね
ベストカップルなんだよね
天理が選んだから……
アドラーさんが来るとは思わなかった
そうだね、独身貴族も終わりだね
金ないけどね、フフッ……
鎌の修理が此れからタダだ!!って、喜んで……
動機が不純
似たり寄ったりだと……
ファンの子は怒るかな?
アイドルじゃないから……
アイドルじゃないの?
インディーズバンドで地味に活動してますから
そうね、ファンだと思って手紙貰うと……
北条宛だもんなぁ
フフフッ……
笑うなよ、そっちはどうなの? 俳優として
恋人?
そう
美人なら男の1人、2人はいるわよ
学園じゃ、
何よ!
モテないなと
もう、知ってるくせに、地味に過ごしていますから
そうだね、去年の戦隊の敵のボスの娘役は……
あれは恥ずかしかった! あそこの毛剃ったもん!!
そうなの?
子供番組で、衣装がギリギリ
タイツとか……
綺麗な透き通ったきめ細かさな肌を見せるんだと、バカ監督が
大変だったね
オファーが来ても、オーディションもやらない!
他は?
やるわよ! おとなしめの役を受けて
俳優をしてる時の三浦は好きだから、ホッとした
俳優の時だけ?
俺たちって、家族みたいなもんだろ
そうね……
だからさぁ……
家族から婚約者に変わるだけよ
北条みたいにさぁ……
一番が私なら
俺も一番にしてほしい
よろしくね
あぁ、ティーナさんより胸が小さいけど……
悪かったわね!!
次回
幕間3 リーフ街……
凄いな、あの胸……
あれさぁ、何本挟めるかな
3本以上は
だな
今日から受付をするティーナだ!
皆さん、よろしくお願いします
俺は口説くぞ!
アレは先に貰う!
言っとくが、既婚者だぞ!
誰と!?
俺だ!!
嘘だぁ!! ギルマスは女嫌いだろ!!
家に居ても暇だから王都から連れて来たんだ!!
聞いてないぞ! 結婚してるなんて!!
半年前に結婚したんです、ねぇ貴方
分かったか!!!
嘘だ!
嘘だ!!
マスターに恋をしていた私は……
独身だと分かったら、ギルドに男どもが……
すみません、胸揉みます?
女嫌いなので……
珍しい人ね




