19話 寝静まっても……
魔物、動物たちが立ち去り、周りには静寂が戻り、星空の下、
私は気持ちよく入っていた。
暫くして、川岸で石で囲った水浴場から気持ち良く出てから、
籠に入れて置いてあるバスタオルを体に巻きながら小屋に戻った後、
体を綺麗に拭いて、下着をつけて、服を着てから、
魔法で髪を乾かして、コテで毛先をワンカールして、
全体のバランスを姿見鏡でチェックしながら……
この世界では、魔法を発動するには、魔道具が必要で、
どんな小さな魔法でも必要とは、
「忘れていたなぁ……
と呟きながら、ブラウスの裾をフレアスカートから少し出して、
重力の重みの自然な形を作らせて、全体のバランスを
もう一度、姿見鏡でチェックしながら……
今後も、魔道具なしで魔法を使う可能性があるから、
「魔法の杖でも作るかな」
と呟いてから、小屋の窓から見えている木々の地面に落ちている
木の枝などを確認してから、皮袋にバスタオルなどを入れて、
杖として使えそうな木の枝が落ちていないか、
無い場合は、木から切るかで、小屋から外へ歩き出して、
ちょうどいい感じの太さの木の枝を発見して……
思い描いている魔法の杖の長さの木の枝ではないので、
「ちょうどいい長さに繋ぐかな……」
と考えて、同じような太さの木の枝を探しながら歩いて行って、
何本か木の枝を手に入れることが出来たので、
「後は、宝石だけど……
先程の魔物の集団の中にノームが居たので、食い物の代わりに、
宝石を置いていって森の中に帰って行ってる可能性が高いと思って、
手に入れた木の枝を皮袋に入れながら、
魔物たちが居た場所に行くと……
川岸の土砂の所に、数えきれない魔物たちの食い物などが置いてあり、
食べれそうな物は、片っ端から皮袋に入れて行って、
目当ての宝石も地面に置いてあり、宝石だけじゃなく、魔法石も
置いてあったので、思い描いていた魔法の杖が出来上がるけど、
心配なのは、私の神魔素に、
「耐えられるかなぁ……
と心配になるので、神界の材料屋で、
冥界の王に選んでもらって、付与魔法で加工してもらったのが
皮袋に使用しないで入れてあったのを思い出して、確認すると
入っていた。これで材料も揃ったので、先程の小屋に戻ってから、
作業道具を皮袋から出して、魔法の杖を制作する作業に入った。
王都から来た商業ギルド【ジータア】に雇われた冒険者ロッドと
私は雑談しながら歩き、広場でたき火を囲んで夜警をしている
ツヴァイセルたちが、私たちに気が付いたので、
「キョウコ! 見回り、ご苦労さん!!」
ツヴァイセルが叫んだのを聞いて、ロッドは自分の名を
言ってくれないツヴァイセルに、
「俺は……
自分を指で指して催促するけど、ツヴァイセルたちは顔を見合して、
自己紹介した時に名乗ったのを忘れている感じだったので、
「フフッ……私たちの所為かな」
呟いた後、ロッドの方に顔を向いて、
「後は、私たちが見張るから、ロッドは休んで良いわよ」
その言葉を聞いて、ロッドはツヴァイセルが頷いているのを見てから、
「ああ、テントで横になるよ……
私をジッと見てから。「今度、付き合ってくれな」
「会えれば、食事でもいいわよ……
私が言った言葉に、顔が嬉しさを表しながら、「キョウコ、王都で!」
と言ってから、テントのある方に向かって行ったのを見ながら、
「……おやすみなさい」
と言って、手を振った後、
ツヴァイセル、トトアポが座っている所を見渡して、
椅子代わりにしている丸太で、空いている丸太を見つけて、
そこに座りながら、ツヴァイセルと一緒にいた人が居ないので、
「リョクフォンは……?」
トトアポが、月が出ている方に手を上げて、
「月が、あの木に被さったら、俺と交代するために
今は、仮眠をとってるよ」
トトアポが指している方を見てから、
「まだあるけど、体大丈夫?」
家などの残骸の片付けで、顔は疲労感が出ているので、
心配して言ったけど、
「ああ、片付けや魔物の退治でクタクタだが、
やわな体をしてないから大丈夫さ」
更に、たき火に薪を追加しながらツヴァイセルも、
「今日も警戒は必要だが、昨日と違って、
夕方から魔物が姿を現さないから、クタクタでも
大丈夫だろう……
座っている私を観察するように見てから、
「恭子は寝ないで大丈夫か?」
ツヴァイセルに微笑んでから、
「大丈夫です。野宿で慣れていますから。それに、
水浴びでリフレッシュしましたから……」
聞きなれない言葉に戸惑いながらも、
「ロッドとは付き合うのか?」
座って腰かけている私に、トトアポが聞いて来るので、
「王都に行く予定は無いので……
「東方の出身だろ? 王都を通って港町に行かないと……
先程のテントに居た時の話で、東の方とは言ったけど、
「父がダァーツ帝国出身で、家もそちらですから……
「ハーフなんだろ?」
私の顔を見ながら優しく言うツヴァイセルの言い方が、
魂が同じ伊藤先生のようで、
「先生、母が東方のバットールです」
と言った後、ハッとして、少し笑いながら2人を見ると、
下を見ていて、声は出して笑っていないけど、
ツヴァイセルが私に笑みを見せながら、
「アケミも言っていたな。君たちに何も教えていないけど……
ツヴァイセルの腰のベルトからぶら下がっている通信石で、
ボブヒルトから、明美も秋人さまが居るのに、伊藤先生には
以前から甘えていたし、先程の1人エッチの後、
暴走した可能性は高いから、これから、明日には、
ツヴァイセルに、自分の正体を話すだろうなと考えて、
「何から、聞きたいですか?」
私が隠すことを諦めたことを察しして、
「ミウラが言っていたが、転生、召喚と言っていたな」
そこから説明をするには、どの様に言おうかと考えてから、
ツヴァイセルの方に向いて、
「ミウラは転生してこの世界に……神様っていると思いますか?」
それを聞いて、ツヴァイセルは、ワインを一口飲んで
考え込んでいるのを見ながら、
「居ると思っていても、実際に会ったことがない存在で、この世界では
宗教もないので、王や皇帝などが神の代わりをしてるという感じでしょうか」
私の話を聞いてから、
「たしかに……そんな感じだな。だが、王や皇帝は、身内ばかりを見て、
我々を見る気もない、神の代わりという感じはないな……
飲み干した木のカップを見ながら、
「神の代わりなんて言わないが、ギルドマスターとして、
微力ながら出来る範囲で、人々を助けたいと思っているよ」
明美が気に入るほどの方だと感心しながら、
「それでいいと思いますよ。神の世界は、あらゆる世界を管理してますが
そこで生きてる生物たちを、ただ見てるだけで何もしません!」
トトアポは呆れた感じで私を見ていたが続けて……
「転生は、神の気まぐれ。ここと違う世界で亡くなった人が、
例えば、そのままの形で、この世界に来るか、
記憶を持って生まれ変わるかですね。
後は、記憶もなく生まれ変わるのは、この場合の転生とは違います」
ツヴァイセルは、信じられないといった感じで、たき火に薪を投げ入れて、
「違う世界か‥…で、召喚は?」
「この世界では、別の世界から呼ぶ力を持った魔術師はいないので
出来ませんが、他の世界では、王や皇帝が自分たちの利益のために
奴隷みたいに呼ぶといった感じですね」
ツヴァイセルは、たき火の中に、また薪を投げ入れながら、
「奴隷かよ!!」
と激しく叫んでいるのを聞きながら、
「お前たちは……」
トトアポは、転生か召喚か
どちらかを言うのだろうと問いかけた言葉に、
「私たちは……遊びで来ました」
少しビクビクしながら2人を見ると、ツヴァイセルは手に持った
薪を落として、トトアポは口を開けて固まっていたので、
「何か質問ありますか……? 」
固まってる2人に話しかけたが、まだ固まったままで、
遠くから明美が来ているのが見えて、手を振っている間に……
「遊びって……」ツヴァイセルが、額に手を当てて考え込んでいると
明美が到着して、座ってる私たちを見渡した後、
「どうしたの?」と私に聞くので、詳しい説明をして、
明美は、ツヴァイセルとトトアポに向けて、
「何か質問はありますか?」
ツヴァイセルが明美の方に向いて、
「遊びで来れるのか?」
「はい。私の力で来ました。遊びと金儲けですね」
明美が嘘を言っていないのを感じて、明美を見て、私を見てから、
「おまえらなぁ、神って、もっとこう、なんていうか
神秘的で、超越したものじゃないのか!!!」
怒って叫ぶツヴァイセルに、
「喜怒哀楽はありますよ。人と変わりませんよ、ねぇ?」
嬉しそうに話をする明美は、伊藤先生と、こんな感じで
何時もじゃれてるのかと思いながら、
「そうね。私の場合は、純粋な神界人じゃないけど……」
明美から同意を求められたので答えると、
ツヴァイセルは、世界が何かわからなくなってきた感じで、
頭を抱えていて、トトアポは肩を落としていて、
明美も空いている丸太に座り、ワインを木のカップに注ぎながら、
しばらく沈黙が続き、立ち直ったツヴァイセルは……
「勝人は……?」
俺の問いに、
「ここと違う世界の、普通の人間ですよ」
明美は簡単に答えるが、勝人が持っていた剣は、
駆け出しの冒険者が持つ物ではない、熟練の冒険者でも、
扱うのが難しく、俺でも無理だと思うくらいの物で、
「簡単に普通って言うが……
「お兄ちゃんより、弱いし……
その言葉に、トトアポ、恭子は驚きつつ、
「俺よりは強いと思うが……
「そうか、な? 剣の腕はそうか……
俺と勝人を比べながら言ってる感じで、
「総合的には、お兄ちゃんの方が上でしょう」
と言うので、勝人を見た感じだと、考えるより行動と言う感じで、
俺の場合は、最初に、状況に応じて作戦を立てて、
仲間の中で作戦に合うものを選んで実行する
感じだから、勝人に劣っているのは剣の腕のみで、
修行をすれば……
「そうか、剣の腕を磨けば、
カツトに劣っている所は無くなるな!」
トトアポが俺の闘志を感じて
「おいおい、もう50過ぎが若い奴と張り合うのか?」
勝人の実力は、トトアポも分かっているので、張り合えるレベルじゃ
ないので、心配して言ってくれるが、明美は勝人より総合力で
俺の方が上だと言ってくれるから、
「ボブとは違うぞ! 俺はまだ現役だ! 勝人より強くなれる!!」
恭子はワインを飲みながら、「明美が言ってるなら……
トトアポは呆れながら、
「武器だって……」
俺が明美を見ていたので
「まさか、武器もらうてかぁ……」
「武器ですか、今、手持ちはないから後日なら、
でも、修行してもらいますけど良いですか?」
トトアポが、俺たちの会話に入って来て、
「俺はしないで……
「お前はお前だ! 俺は修行させてもらう」
「修行したって、若い者には勝てないって!!」
「諦めた奴には無理だろう!!」
明美に同意を求める感じで振り向いて、
「うん! そうだよ」
答えてくれたので、
「修行して、雲の上の存在になってやるよ!!」
「戯言を……
呆れた感じで言うトトアポに、
「お兄ちゃんは若いから、まだまだ伸びるよ」
明美が嬉しいことを言ってくれるので、抱き着くと、
「きゃぁ! もう!!」
少し怒っていたが、離れる際に頬にキスをされて、
「そっちも現役に戻るのか?」と、二ヤニヤと笑うトトアポに、
「駆け出しの時に救ってくれた女神さま一筋だから、
まだだ!!」
「本当なの?」 恭子は目を大きく開けて驚きながら言ってから、
明美の方に向くと、明美は顔を逸らすので、
恭子は丸太から立ち上がり、俺と明美の背中の方に来てから
少し膝を曲げて、俺たちの耳元で、
「女神さま、先生を見つけなければ……
また良い終ってない感じで、続きそうなのを、
「恭子!! それ以上言うなぁ!!!」
それを聞いて笑っている恭子や、俺が女性経験が無いからと
女性との行為の経験などを言い出すトトアポの話に、
興味がある明美や恭子は俺の両脇で聞いていて、
俺は呆れながら聞いていると、
交代のためにリョクフォンが来たので、
トトアポの行為の自慢話が終了したのを悔しかる2人に、
「さて、俺は横になってくるよ」
と言って、トトアポは丸太から立ち上がり、俺も如何するか
と聞く感じで見て来るので、
「このまま此処にいる。昼間に寝かしてもらうからな」
俺の左側に居る恭子も丸太から立ち上がり、
「明日は探索だから、幌荷車で……
恭子は、俺の右側に座ってる明美を見るので、
「私は、このまま朝まで此処にいます」
言った後、俺の顔を見ながら微笑んでいるのにドキドキしながら、
「ゆ、ゆっくり休んでくれ! 日が昇れば朝食の準備だからな」
「ツヴァイセル! 顔が赤いぞ! 酔ったのか?」
トトアポ、恭子に、噛みながら言うのを酔ったからだと思った
リョクフォンは、
「トトアポ、キョウコ!
ツヴァイセルは年で酒に弱くなったみたいだが……
立っている恭子たちから、座っている俺たちに視線を移してから、
「俺がマスターとなって、こいつらを
しっかり働かして、魔物がこないようにするぜ!
安心して寝てくれ!!!」
最後は、右拳の甲を恭子たちに見せながら、自信満々に
リョクフォンが叫んだのを、恭子やトトアポが呆れながら、
「何も知らないことは、すごいことだなって、初めて知ったぜ!」
「そうね、追い続けた人が好きだった方は、
自分の来世だったと……
クスっと笑ってから、トトアポを見ながら言う恭子に、
俺の初恋が終了したことを簡単に言うなと思いながら、
「キョウコに告白して、即刻、いつも通りに振られたのか?」
トトアポに向けて言うリョクフォンに、俺たちは笑いながら、
「何か、変なこと言ったか?」
俺の方を見ながら言うが、
「ないわよ。振ったから……」
右手を振りながら、恭子は幌荷車などが並ぶ方に歩き出して行って、
「怪物なんかに告らないさ!」
「怪物? お前の顔の方が怪物だろ!」
怪物の意味が違うのになと言う顔をしてから、
「お前も似たようなもんだろ!」
フッと笑ってから、リョクフォンに、「……あと頼むな!」
「あ、後は任せとけって!!!」
「毒入りの飯を食わせるからな!!」
と言いながら、テントの方に歩き出して行くのを、
「毒の耐性があるから、無駄だぁ!!!」
叫んでいるリョクフォンを見ながら、
「良い奴らだろ?」
「うん! お兄ちゃん!!」
明美が言ったのを聞いたリョクフォンは、
「お前ら、兄妹だったのか?」
俺たちに振り向いて言うのを聞いて、
「フフッ……修行は知り合いに頼みますけど……」
「あぁ、わかった。フ、フッ……ハハハハァァァァァァァ……」
笑いだす俺たちに戸惑いながら、
「何を笑ってるんだよ! 腹違いの兄妹なんだろ……
こうして、リョクフォンを、明美は魔法で眠らせて、
更に防音魔法を2重にして……
俺の初恋の明美と朝まで語り合った。
そこまで、私のことを……
助けて貰った時の、アケミの姿にな……
年を取っていないからビックリした?
此処で会った時に、似た子かと思ったくらいだけど……
お兄ちゃんは、顔も良いし、スタイルも良いから、
結婚相手に不自由しなかったのに……
ギルドの運営とかで、結婚など考える余裕もなかったよ!
それは、逃げだよ! 私がこの世界の人で紹介するよ!!
分かった! 俺の初めては、お前じゃないのが残念だけどな
次回
幕間1 王子、王都に戻って……
殿下が、隣の国の大統領の娘と……
結婚などしないから……
でも、許嫁で! 来月には……
一度も会ったことが無いのに結婚など出来ないよ!
……殿下ぁぁ!!!
泣くな! リストォラ……
女の子を泣かすなんて、最低ねパクオット!
明美! 君の胸の谷間で泣かしてくれ!!
何かあったの?
秋人さんは仕方がないが、俺だけで満足しなかったことで……
思いっきり泣いてね……で、過去を見てどう?
おおぅい、そこの君!
何で、で、ですか!!
商業ギルドの依頼など受けずに、東の大陸に行くんだ!
!!!? 殿下が2人???
パク! 私との情熱的な出会いは!!
ない方が良い!
ひ、酷い!!
ええっと……あなた方は?
私は明美、あそこに居るのが、沙良に、美里ね!
私も含めて、あなたの妻たちだよ!
私は、リストォラだけで……
だから! 東の大陸へ行くんだ!
あなた方は……
未来から来たの! あなたは妊娠中で、もうすぐ生まれるわ!
奴隷なのに、結婚して……
商業ギルドの依頼でアス村に行けば、結婚出来るわ!!
殿下! 行きましょう!! 私たちの結婚のために!!
此処での記憶が曖昧にされて……




