95話 秘密です……
俺たちは、結果的にプライム村の外に滞在して、次の日の朝まで
過ごすことになった。
ミューブル王国の王都【ブレーリト】へ行くために此処で宿をとる商人、
行商、乗合馬車で来た人、王都【ブレーリト】から他の国へ行くために
宿をとる者たちで、午後2時過ぎから集まりだしている。
村を守るための壁の前に、大きなログハウスがあるのが目に入るので、
容赦なく玄関が叩かれ、俺はクチナ(母親)の話で、帰還後に交通事故で
母親が亡くなるのを防ぐには、どうしたら良いのかと考えたいのに、
俺は玄関を開けて、
「初めまして、この家の中を見たいのですが……
小太りの商人が護衛と共に来て言うが、
「窓から見れば、十分だろ?」
そっけなく言うと、
「ブレーリトの何でも屋で見た物が、窓から見てありましたので……
「何でも屋?……
俺の発した言葉に疑問を持った感じで、
「何でも屋で働いている者では……
「俺は、獣族側の勇者で、この国の王に親書を運んでいる最中だ!!」
語気を強めて言うと、
「人族の敵が!! と言い放ち、護衛の2人が剣を構えて、
襲い掛かって来るが、俺は懐に入って、軽く腹を殴り、護衛の2人は
態勢が崩れて地面に倒れそうになるが膝を付いて俺を睨むが、
「相手の力量も分からないで挑むなど、命を捨てるものだぞ!!」
俺の発言に、更に睨みを強めるが、周りに集まっている者たちは
ヒソヒソと話をしていて、
「今度は命が無いと思えよ! 俺は人族の勇者じゃないからな!!」
上から目線で嫌味っぽく言うと、小太りの商人と護衛は、村の方に歩き出して、
周りにいる者たちも村へと帰って行った。
護衛の2人の後ろ姿を見ながら、前のレベルなら剣が無ければ
相手に出来ないほどの強さがあり、クチナから貰った飴が無ければ
危なかったなぁと思っていると、
「つかさ様に無謀に挑んで負けたくせに! よく言える!!」
村に沿って流れている川から、ダルザニアと共に戻って来たクチナが言うので、
「分かっているさ! 聞いていたのかよ……
母さんと言いそうになったが、クチナ欲しさに、クチナに挑んで敗れた
村兵の隊長が横に居たので、
「助けたのか?」
クチナは頷き、隊長は軽く礼をしてから村の方に向かって行った。
見送った後、クチナの隣にいるダルザニアを見てクスクスと笑うと、
「笑うな! 川で魚を取るなら、この格好だと……
だんだんと小声になって行ったダルザニアは赤面していて、
「熊の着ぐるみだよ! 夏は涼しく、冬は暖かい機能付きだよ!!」
自慢するように言うクチナに、
「似合っているけど……な、なんで?」
ダルザニアの格好を見ると、笑いが込み上げてくるが、我慢して言うと、
「剣か小枝で魚を取ろうとしたが、
闘気の練習と言うことで、素手でな……
恥ずかしそうに言うダルザニアに代わって、
「素手と言うと熊でしょう!」
人差し指を立てて、自分の顔に近づけて言うので、
「で、どうやって着せた?」
「着させられそうになって、逃げたが……
悔しそうに言うダルザニアに共感しながら、どう見ても寸胴なクチナが
俊足のダルザニアに勝つなど在り得ないと思ったので、
「後ろの翼を……
クチナは後ろの翼を指して、これ!? 示してから、
「チチチィ…… 人差し指を立てて、手を横に振り、
「私の方が速かった!! このカモシカのような足で!!!」
短い脚を強調するように手で触って見せているが、
「獲ってきた魚は?」
右手に持っている紐で吊るしている魚を見せてから、
「残りは、お前の母親のアイテムボックスにある」
スルーされて固まっているクチナをチラッと見てから、
「夕食の準備に……
ダルザニアも熊の着ぐるみのヘッド部分を脱いで、背中に回して、
クスッと笑った顔を見せてから、
「みそ煮と言うものを作るらしいぞ……
俺たちは言いながら、ログハウスに入って行った。
「負けない、負けないぞ! 認めさせてやるぅぅぅううう!!!」
クチナは、日が傾きだした空に向かって吠えていた。
食卓には、川魚のみそ煮、ザリガニタイプを味付けして鍋で炒めたのが
皿に盛りつけられて、後は、サラダに、日本人と言えば飯だろうと、
ザリガニの可食部を混ぜた御飯である。
早速、食事にかかろうとすると、玄関のベルが鳴りだし、
せっかくの夕食の団欒なのにと少し怒りながら玄関を開けると
其処には、騎士とフードを被った5人の姿があり、その1人が、
「夜分にすまないが、村の方の宿泊は埋まっていて、村兵に聞いたら
此方を教えられて来たのだが……
騎士たちの後ろには馬車があるが、
見ると箱車のみなので、馬は水飲み場に繋いでいるんだろうが、
「俺の家だ! 馬車かテントを張って寝ればいいだろう?」
俺が言うと、仲間と顔を見合わせて、
「お前の家じゃないだろう! この村の物だろう!!」
フードを被った男が言うので、
「俺たちが速攻で建てた! じゃあな……
玄関の扉を閉めようとすると、
「お前、日本人だろ!? 日本人なら……
フードを取って、
「俺たちは、プロールクト王国の勇者救護騎士団に所属の上条のぼる……
合図するようにフードを取った2人を手で指して、
「渡井理登、こちらが工藤進次郎」
呼ばれて一礼をして、更に、
「騎士団長のバルル・シルバ・ラスマス……
帽子を取り、胸の前に置いてから一礼をして、
「最後に、魔法騎士で見習いのロット・ワトソン・トイ・ルクㇳ」
俺に鋭い目つきで見ながら、渋々お辞儀をして、挨拶は終わったが。
「俺の恋人が作った御飯が冷めるから、じゃ!!」
俺は強引に玄関を閉めて食卓に戻ると、
「友達ですよ!!」
クチナが文句を言うが、「俺のために作ったから……
クスッと笑うと、「もう……ともだち……
小さい声で言ってから、ザリガニタイプを両手で持って、
尻尾部分で引っ張るように分けて、盛り付けている皿に
広がっているタレに身を付けて口に入れている。
ダルザニア、アルテイラも笑っていて、良い時間だなって思っていると
窓の外から、凄い形相で見ている先程の方たちは、
「あれは、なんだ!? 「ロボットかな……
「薬用に獲るだけのオースチンマロンを……
「この国に居る勇者の仲間だろ!!
「コウエツたちと、連絡はとっていますが……
窓の外で騒いでいるので、
「母さん、あいつらは?」
「プロールクト王国の勇者救護騎士団ね……
クチナが食後のコーヒーの準備に入りながら、
「勇者は3人とも、治療や回復で、攻撃魔法もないから、
ゲームの時は、後方でポーション作りをしていたわ……
電気コンロにヤカンを置いて、水をポットからヤカンに入れながら、
「騎士団長は帰る際に記憶を変えたけど、戻っているみたいね……
コーヒーポットを棚から出しているのを見ながら、
「記憶は戻るのか?」
「ゲーム時の竜巳さまの力では戻る可能性もあるし……
「戻ったと……
「後は、3人の待遇が悪くなったから、一生懸命に記憶を戻して
支援者にしたんじゃないかな……
コーヒーポットに、コーヒー用の皮を被せて、コーヒー豆をコーヒーミルで
粉砕したのを入れながら、
「見習いの騎士は、王子ね……
その言葉を聞いて、外で騒いでいる方へ向いて、幼さが残るが王子と
言われて見ると、タイザール帝国の皇子より世間を知っている感じで、
「母さん! 何か食い物は?」
俺はテーブル椅子から立ち上がり、
「入れるの? 私の御菓子セットしかないけど……
俺はクスッと笑ってから、
「俺たちの愛の巣にタダで入れてやるんだ! 十分だよ!!」
それを聞いたダルザニア、アルテイラは、真面目な顔で良く言えるなと
呆れた感じで、俺を見ていて、
「愛の巣じゃありません! 秋人さまの家を借りているのです!!」
クチナは叫ぶが、あっ!と気が付いて慌てて電気コンロを消していて、
「デザートも、よろしく!!」
俺が玄関に向かったのを見たプロールクト王国の
勇者救護騎士団の者たちは、玄関の方に向かった。
日が昇り始めて、俺たちは、パンとシチューとサラダで軽く朝食を取った後、
ミューブル王国の王都【ブレーリト】に向けてプライム村を出発した。
プライム村に着いた時は単独だったか、出発した時は、俺たち獣族の人力車、
プロールクト王国の勇者救護騎士団の人力車、王都に向かう商人や行商の馬車と
共に、王都に行くことになったのは良いが、
「くそ! 後ろから押してくれても……
クチナが箱車を引かずに、鍛錬と言うことで、俺が引っ張っている。
ダルザニアが言うには、闘気のコントロールを身に着けるための修行で、
レベル80の闘気が自在にコントロールが出来れば、つかさがレベル150でも
勝てる可能性があると言うので頑張っているが、
「クチナ! 坂道は……
「がんばれ! 男の子!!」
俺と並行して歩くクチナは、応援するだけで手伝ってくれないのは
我慢するが、なぜ箱車の中で、アルテイラ、ダルザニアは居るのは良いが、
ロット以外の勇者救護騎士団が乗っているので、
「俺の仲間以外は降りろ!!」
叫ぶと、
「重い方が、修行には良いので乗っているのだが……」
渡井理登が箱車の中から御者席に移って言うが、
「ロットの方で……
ロッドの方も、俺と同じように箱車を引いている。俺よりも劣る人族最強の
光悦を超えたいがためにしてるわけだが、今がレベル10なので超えるのは
何時になるのやらで、
「レベル80なんだろ、我慢しろ!!」
ダルザニアが箱車の中から叫び、「クチナ! こいつらにも飴を食わして……
「テルタさん、レベルアップ飴は無いですよ!……
御者席に座っている理登を見ながら、
「戦闘系ではないので、たとえ舐めても効果はないですよ……
クチナの言葉に納得する理登と工藤進次郎の間から、
「昨日も聞いたけど、ロットのためにアケミに……
上条のぼるは言いながら御者席に座り、ロットの方を見ながら、
「魔族の大陸の直ぐ目の前の国で、来年、魔王が倒された後の
魔族からの侵攻で最初の国になるから……」
俺たちの帰った後のことを心配するのは分からないでもないが、
人族対魔族のゲームで、勇者救護騎士団の9人は、ミューブル王国の
騎士団に入り、そこで訓練をしてレベルが50近くまで来ているらしい。
更に、ミューブル王国と29か国の戦いで、プロールクト王国の参加した
兵は全て亡くなっている。俺はクチナから聞いて、のぼるも光悦たちから
聞いていて、亡くなった者は転生エリアで希望を叶えて転生した。
俺たちが会ったハゲタカの魔物のように……
なぜ、ロット王子が此処にいるのかというと、ミューブル王国に居る
勇者救護騎士団の9人を連れ戻すため。
ロット王子所属の勇者救護騎士団に入団させるが、死んだ人間が生きてましたと
つかさの女のべルールみたいに問題になるだろうから、
「連れ戻して、どう言い訳するんだ?」
嫌味っぽく言うと、
「たまたま似ていると……
箱車を引く力が抜けて行くなと思いながら、坂道を少し下るように
なったので、
「それで……通るのか……くそぉぉおおお!!!
力を入れて坂道を、
「力じゃなく闘気でやれ!!」
ダルザニアから注意されて、下まで行きそうになったが、クチナが支えてくれて、
「テルタさん! ツカサさまも闘気コントロールは苦手ですから、
どんな状況でも出来るように……
クチナの励ましに闘気の方に意識していくと、体が光出して、体が軽くなったのか
一気に坂道を上がり、街道から広がる光景を眺めながら、先行している
商人、行商たちの馬車が村に入って行くが、俺たちは、今月の終わりには
獣族の大陸に戻っていなければならないので、村には入らずに、
このまま王都【ブレーリト】へ行くが、
「お前らとも此処でお別れだな……
ハア、ハアと息を切らしているロット王子を見ながら、
「いや、このまま一緒に行く! ロット! バルル!! 行けるか!?」
「ノボル! ぼ、僕はレベル80上げの飴を貰って……魔王と同等になれば、
騎士や魔導士を……き、鍛えて強くさせるのも……は、早い!
ミューブル王国に行った騎士たちも……つ、付いて来てくれる……
この修行を、の、乗り切れば……ゴーレムが頼んで……
クチナの方を見ながら話してから、疲れから地面に手をついて、
肩で息をしているので、バルル団長が水を差し入れていて、
「クチナ、約束していたのか?」
クチナは惚ける感じで、「言ったかなぁぁ……
ひでえ奴と思いながら、のぼる達も同じ思いで憐みの眼差しで
ロット王子を見ていて、
「母さん! スマホ貸せ!」
のぼる達は、その言葉に驚き、クチナを見ていて、
「知らないのか? アケミに連絡だ!!」
クチナは左腕からスマートフォンを出している光景に、
「スマホは、コウエツとの連絡用に持っているが、
君の母さんが持っているとは思わなかったので……
「俺専用に購入してくれたらしい……
俺はクチナからスマートフォンを受け取り、どう使えば
良いんだと聞いてるのを見ながら、
「君の母さんも知らなかった。
変だと思ったんだ数が少ない割に……
工藤進次郎は苦笑いしながら言うので、
「私たちが此方に来る前に大量に購入して、
あなた方に渡しましたので……
クチナが微笑みながら言うのを見た後に、
「お前らって、何も知らないの?」
「ツカサが結婚したとか、タツミが魔王の娘をもう1人……
理登が確認するように言うので、
「コウエ……そうか情報を漏らさないために……
納得したのか、2人に話をしていて、
「他国に居る方には話せませんな、我々も帰ってからも……
アルテイラが言うのを聞いて、「そうだな……
明美に繋がって、スマートフォンから、
『ハロー、ボンジュール! あなたの悩みを解決!!
今日のゲストは、ティーナちゃんだぁ!!!』
『何が悩みかな、悩みかな? 直ぐ借金のために魔王討伐に行く
合間の貴重な時間を貴方の悩みに答えるよ!!』
俺は途中からスピーカーモードに変えて、その声を聞いたロット王子は、
息を切らしていたのが嘘のように俺の元に素早く着て、
「僕をレベル90に!! 僕1人で、魔族を滅ぼす力を!!」
スマートフォンに向けて叫ぶと、
『都合の良いアイテムなんて無いわよ、無いわよ!』
「僕の横に居るテルタさまは、飴を貰ってレベル80に……
それを聞いて、小声で明美と話をしているのは聞き取れなかったが、
『それは、人族以外にとソラスから頼まれたから……
人族側には与えられない物……
明美が言うが、「そこのゴーレムが!!!」
雄たけびに近い感じで叫ぶと、
『クチナが……ならいいけど、1人では無理だけど……
「あ、ありがとうございます! 犠牲が少なく……
涙を流しながら言葉を言っていると、
『私は時間が来たから、来たから行くよ!』
『今度は何処?』
『明美ちゃんの隣のクラスの子が召喚されて……
『予定がないけど……
『明美ちゃんにとっては、未来になるのか、なるのかぁ……』
と言っていて、『新城くんかぁ、勝人には黙っていよう!』
『なぜじゃ?
『友達で、心配して自分も行くとか言い出すから……
『竜巳ちゃんの言う通り、勝人君が行くと、依頼が無くなるから……
『並行世界が出来る可能性もあって、帰還が変になるからさ』
『知っていても言えないって言うのは辛いですね……アナタ……
『杉本の時の天理もそうだったよ……
『あの時はね……
俺たちを無視して話をしているので、
「王都まで、この修行をすれば……
『あ、ごめんね! 今すぐ90にしてあげるけど……
なんだ、その展開はと思っていると、
『その代わりに、今から……
スマートフォンの会話が切れたと同時に、
4人の姿が目の前に現れて、
「俺たちと戦ってもらう!!」
俺と言う言葉が似合わない女性のような男性が言うと、
「あいつは、タツミ!!」
のぼるが言い、「ダーク系を使い、洗脳が得意だ!!」
渡井理登が叫び、「おさげの女は……最強の魔族!!!」
進次郎が吼えると、ダルザニアが箱車から出て来て、
「最強だと!!? 幼い少女が???」
ダルザニアが戸惑うのも無理はない。
少女が幼く強く感じないためで、
「あれが、クチナの息子……弱いわ」
髪をアップしてクスクスと笑っている魔族の女性に、
「これだけの強者が居ても、私たちより弱いとは……
賢そうな魔族の女性に言われて、
「魔王の王女たちで、タツミ殿の妻なのですか?」
アルテイラも出て来て言うので、
「そうなのじゃ!! 良いことを教えてやるのじゃ!!」
おさげの女が言うので、女性のような男性は空に顔を向けていて、
「兄さま達は、私たちの夫になりました……
髪を団子にして、そこから少し髪が垂れている魔族の女性が言うと、
4人が光出して、1人にまとまり、
「「「「 俺が魔族の大陸の次期王の王妃であり、
魔族の大陸を、真に治める者じゃぁぁああ!!!! 」」」」
おさげ髪が1本だったのが2本になったくらいで外見は幼い女性なのに、
外見で判断するなっていう見本のような者で、
「タツミとキューイルだけじゃ!!!
「29か国の時には……
「次期王の……その王より……
3人がそれぞれ言うが、
「「「「 ロットと言ったな!
レベル90でも敵わない者を知るのじゃ 」」」」
さっきロック王子の体が光っていたので、レベル90には成っていると思うが、
「「「「 明美が身体強化で上げた!!
時間が過ぎれば元のレベルに戻るぞ! 」」」」
ロッド王子の方を見ながら融合体は言うが、
「ぼぼぼ、僕が勝てば……
鞘から抜かずに、剣のグリップを震えながら握って言うと、
「「「「 勝てれば、クチナと同じ200に出来る飴を……
その言葉を聞いて、クチナってレベル30じゃなかったのと、
クチナを見ると、首を横に振って違うよっと
アピールしているのを無視して、
「だったら俺も!!!
「私は30ですよ! タッキュールさんって、お、ちゃ、め!!」
口に手を付けて言って笑っているのも無視して、
「クチナ! 剣を!! 俺の剣じゃ!!!」
叫ぶと、「私の剣を!! セント・ドラゴン・ソードよ!!」
投げてくるので、「危ないぞ!」
肩を少し上げてニコッとするクチナを見て叫ぶのを終えると、
頭の中に、「魔族の大陸に攻め込まなければ、戦闘には参加しないから……
明美が言うが、つまり攻め込むなって言うことで、魔族の大陸は内紛以外では
安泰と言うことで、ミューブル王国か、目の前の魔族の女性の所に居れば、
不安もなく過ごせるわけで、帰還してもなって思っていると、
「相手が相手だ!! 邪道は使いたくないが……
ダルザニアが言いだして……
あの辰巳さま達が融合した融合体との模擬戦の後、
新年明けてから13日目の昼に、
「もうすぐで、王都が見えますよ!!」
私は息子たちが乗っている箱車を引きながら叫んでいると、
「ようやくだな……
御者席に座ってる息子は、長かったなと言う感じで言った後に、
ロットちゃんの方に振り向いて、
「これで、お別れだな……
一緒に居た時間は少なかったですが、息子を兄のように慕ってくれて
息子も別れが寂しそうに言いますが、
「そうですね……今後また会えたら、僕を弟に……
息子の顔を見て言うロットちゃんに、
「お前の方が兄だろう?」
「年齢も上ですし、身内のように接してくれて、
頼りがいのあるテルタさんに……
照れた感じで言うロットちゃんに、
「一国の王子様が弟なんて……
少し考えてから、「俺が兄貴で、次期王ってか?」
ロットちゃんに人差し指を指して言うと、
「はい! 反対されても!!」
強く言うロットちゃんに、
「内紛が起こるぞ!!」
笑いながら言うと、
「魔族、人族の国々からの恐怖が薄まるためなら、
国内の膿を出さないと……
息子は、ため息してから、
「魔王が倒されれば帰還する、無理だよ!!」
「で、でも、魔族の王女は、人族の勇者と……
私の方に顔の向きを変えて言うので、
「帰還すれば、もう2度と会うことは無いですから、子作りに
励むそうですよ……
「で、でも……
並行して走っている馬車の方を見ながら、
「この国のしっぱぁあ、しっかぁあ……勇者は……
息子はクスクス笑い、箱車の中にいるダルザニアさんや
アルテイラさんは苦笑していて、
「俺たちも、この大陸に入る前はそうだったから、はっきり言っていいぞ!」
ロットちゃんもクスッと笑った後に、
「この国の失格勇者が、魔王が考案したゲームに参加しなかったのは
あまりにも強く、神の眷属でもあり、その力を見せないためで……
「見せてしまったから、勇者や騎士団の女性が全て嫁いだと……
息子は呆れた感じで言うと、
「勇者救護騎士団の唯1人の女性騎士が嫁いだと聞いた時……
並行している馬車を再度見てから、
「僕は、姉が生きていたこと、僕たちに見せたことのない笑顔で
スマホに映っていたのにビックリして、今回、会いに行くこと、
我が国の騎士を連れ戻るために一緒に来ています……
フッとため息をしてから、
「その失格勇者が、王の上の上王に就いたということは
この世界に戻れると言うことでしょう」
私は何も言わずに、街道の先の王都を真っ直ぐ見ながら箱車を引っ張ていると、
「だろうな……俺は神の眷属じゃないから……
箱車の中に通じる扉が開いている方をチラッと見た後に、
「ダルザニア、アルテイラは、眷属や補佐をするから、
ロットの権限で、国に入れたらどうだ?」
ロットちゃんもチラッと見てから、
「獣族では、僕が良くても……
「何処も一緒だ! 獣族は、人族、魔族を嫌っている。
例外を除けば、人族、魔族は奴隷だ!……
ダルザニアさんがロットちゃんを見ながら言うと、
「私も、魔族が人族の宴に参加など、人族は正気かと思いましたな……
この大陸に来た時のことを思い出すように語るアルテイラさんに、
「今、こうして獣族の方と一緒の馬車に居るなど、
考えもしなかった……
「そうだな……恋人がゴーレムって言うのもビックリしたろ!!?」
「テルタさん! 友達ですよ!」
私が反論すると、
「いい加減認めろよ! あの模擬戦でも、天使化した
ダルザニアを簡単にあしらったが、俺は傷を付けた!!」
「ダルザニアさんを倒した時に背後から襲ったけど、避けられた時に
軽く付けただけでしょ……
俺は強いんだぞっと言う息子に言うと、
「それでもだぁぁあああ!!!!」
息子が叫ぶのを、皆が笑い合い、
「テルタさん! 王都には暫く滞在しますから、
今後のことを話し合いましょう……」
と言うロットちゃんに、
「帰還するんだぞ! それでもか?」
息子の目を真っ直ぐ見ながら、
「はい! そうです!!」
「分かった……恋人のクチナを王にしよう!!」
「私も帰還しますよ! 友達のテルタさん!!」
「何処へ行くんだ!? 恋人のクチナは?」
「アケミさまが王女をしているソリュート王国に……
「アキトって言う神の妹だろ? 王女って?」
「本来、ウエスギ公爵、ウエスギ公など新たに建てるんですが、
アキトさまと結婚しますから、そのままに……
私が言ったことに、「それは、兄妹で……
ロットちゃんは、私に繋がっている手綱を引っ張るので、
その場に止まって、
「血は繋がってませんよ! 詳しくは言えませんが……
「そうか、姉と結婚すれば、最強の失格勇者が付いてくるんだぁあああ!!!」
明るい感じで言うロットちゃんに向けて、
「王や側近が反対するだろう! 普通!!!」
ロットちゃんを見ながら、全員が思ったのは言うまでもありません。
「それでは、王都で……
ロットちゃんは、のぼるさん達の馬車に乗り込み、王都【ブレーリト】の
南門へと続く街道を走りだしました。
私たちは、西門へと向かうので、街道の分岐を右折せずに、
真っ直ぐ進み始めました。
「今頃は、王都で王との謁見を終えて、船の上だったなぁ……
クチナを見ながら御者席から言うと、
「情報は、どのように……」
「知ってるから隠す必要はないけど、
ミューブル王国を探っている密偵から……
「記憶を変えて戻ってもらってますから……
クチナが言った言葉にクスッと笑った後に、
「潜伏期間は、1週間未満で、魔族と人族が住んでいるロブシェリルを
中心に情報を集めていで、王都には、俺と同じ勇者が向かったはずで、
合流して……
結果は想像通りだと思いながら言うと、
「輝太の友達たちは、宮殿の地下牢で過ごしていますよ」
俺は苦笑いしながら、「記憶変えて……
「記憶は変えるけど、一緒に帰る予定と聞いたから、
それまでは、優雅な生活を……
「優雅ねぇ……
空を見上げながら言うと、
「毎日、やることないから、ワオーって……
箱車を引っ張ている棒から離して、左手を頬に付けて叫ぶので、
異種族間だから、心配がないとはいえ、つかさには先を越され、
残っている勇者の誰が行ったのか、人族の大陸に行く前には
教えてくれなかったが、そいつにも先を越されて、
「母さん! 俺は……
「無いから出来ないけど、私と繋がる人と……
「王都に居ると言うが、知ってるんだろ?」
前は知らないと言っていたが、もう一度聞くと、
「教えてくれなかったわ! つかさ様も知らされていないわ!!」
前と同じ回答で、つかさにも教えていないのは、
「先に知ること自体が禁句と言うことか……
走っている街道から見えて来る王都【ブレーリト】の
時計塔を見ながら言うと、
「やりまくってる奴らに、テルタは母さんを紹介したら
良いだろうよ」
ダルザニアが言うので、
「よし! 世界最強の恋人を紹介してやるぜ!!」
ガッツポーズしながら吠えると、
「何度も行ってるでしょう! と、も、だ、ち、です!!」
俺と一緒に行動したいからと、国境から共に行動していて、
大二を超えれば、セント・ギアだけど、俺の子を望み、
更に、他人を巻き込んで、俺の子を産むクチナに、
「転生した母さんなんて言えるわけないだろう!
それに、俺と一緒になるために……
「つかさ様を超えたらと言ってるでしょ!!」
クチナは怒こった感じで言うので、
「レベル100超えたら……
150は、到底無理なので、100ならと聞くと、
「駄目、ダメ! 私のレベル200超えたら考える!!」
更にハードルを高く言うクチナに、
「前は、融合体に言われて、嘘とか言っていたよなぁ!!!」
「そうだっけ?」
俺たちは言い争いながら、
日差しが少しきつくなってきた昼頃に、
目的地のミューブル王国の
王都【ブレーリト】の西の城壁の門に到着した。
王都【ブレーリト】の西の城壁の門で入都待ちする
商人や行商、近くの村から来る特産品を売りに来る村民たちで、
賑わっている。
門へと続く街道の周辺は、テントや小屋が立ち並び、
馬車を止める駐車場もあり、更に馬のための水飲み場も
設置されていて、
「王都だけあるな! 」
セント・ギア【クチナ】に牽引されている箱車が
並んでいる列にゆっくり進む御者席から眺めて言っていると、
「月末に戴冠式がありますから、建設も終盤に差し掛かっています」
クチナの説明に、改めて小屋などを見渡すと、
新しい材も使われているが、灰色ぽい材も使われているので、
「年季の入った材も使っているのか?」
「半年前に在りました、人族対魔族のゲームで使用されたスタンドの
木材も使用しています」
クチナが説明をしながら、列の一番後ろの馬車の後ろに並んで、
俺たちは、入都出来るまで箱車から降りて、目の前に
広がる草原を見ていた。
「兵もいますな。此処で宿泊が出来るのは良いですな」
アルテイラは、自分の目で確かめる様に見ながら言うのを、
「王都が狭いって言うことだろ!!」
ダルザニアの口調に、並んでいる馬車から顔を出す人々に、
「我々は獣族の大陸から来ました。何分、何もわからないので
彼の言動をお許しください」
アルテイラは丁寧にお辞儀をしながら言うと、
「初めて、この光景を見れば、誰でも思いますよ」
体格のいい顎髭を生やした人懐こい顔をしている男が
アルテイラに語り、
「ありがとうございます」
「私は、リ・フレタ王国で薬を売っていますが、
魔族の大陸から仕入れている薬があるので、
3ヶ月前から仕入れのために来ています」
此処からリ・フレタ王国まで歩いて2週間はかかる。
薬なら飲み薬で、ポーションがあり、程度の差があれ、
何処でも手に入るが、魔族の大陸というフレーズを聞いて、
その男に聞こうとすると、
「ラッタクリーム王国の命の水ですね」
クチナが発言したので、俺たちは振り向くが、男はクチナを
見上げて、「おお……運搬用のゴーレムかと思いましたが
ミューブル王国と魔族の大陸の友好の証として、ミューブル王国に
贈られたゴーレムですか?」
「はい、そうです」
クチナは、この世界と違う世界のロボットだが、
この世界では魔王制と言うことになっている。
「噂で聞いていただけで、目にするのは初めてです」
男はクチナに手を差し出したので、クチナも手を出すかと思って
見ていると出さないので、「握手くらい良いだろう?」
俺の問いに、「この人、手で触った物の鑑定をするから、イヤァ!!」
クチナの言葉に男は驚き、「さすがですね、失礼をしました」
お辞儀をしていて、それを見ていた同じ鑑定スキル持ちのアルテイラは、
「あなたに掛かれば、偽物も直ぐ分かりますな」
フード付きのコートで、獣族と分からないようにしている
アルテイラが男性に言うと、
「あなたも?……
「最近、鑑定しても、分からないことだらけですが……
「私もですよ」
2人は笑いながら握手をしていて、
「神ソラスさまの補佐役ですか?」
ステータスは偽装しているのに、的確に言うので、
アルテイラは驚くが、
「王直属の魔法騎士団の方ですか?」
アルテイラも的確に言うので、男性は苦笑いして、
2人は手を放して、お互いを見つつ黙っていた。
列が少し動き出し、クチナも箱車を引きながら動き出すので、
俺たちもクチナに合わして、並んで歩き出す。
男は見破られてしまったので、自分の馬車の方に戻って行った。
アルテイラが獣族からと言ったことや、フードで顔を隠していても、
ローブから見える尻尾などで獣族と分かるが、並んでいる者たちは
騒ぐわけでもなく、各国に許可されて来ていると思っているのだろう。
先ほどの男も、クチナが気になって来たくらいで、俺たちには
警戒心もなく話をしてくれた内容の中で、魔族の大陸産の
命の水が気になったので、
「クチナぁ、命の水って……
クチナの説明では、
魔族の公爵か伯爵の魔導士が創る製品。
50対50のどちらかで、確実に生き返ることは無い。
蘇生が出来ても、何かしらの障害がある。
例えば、レベルが大幅に下がり、元に戻る事が無いなど。
ただし、魔族は平均寿命が500年なので元に戻ることもある。
魔族からミューブル王国から各商人へ渡る値段は、
5金貨、8金貨となり、商人は16金貨くらいで売るらしい。
「仕入れ価格を聞くと、ボッタくりと言う感じがするなぁ」
クチナはクスッと笑った後、
「普通の回復薬より効き目はありますから、重病者用として。
この世界の魔導士では重病者を助けることは出来ませんから」
クチナの言う通り、神ソラスでも蘇生は出来ないのを聞いているので、
魔導士が出来ないのは納得はするが、ダルザニアを蘇生した美里は、
蘇生が出来るし、この世界のレベル上限100を超える人でもある。
レベル50で人を超えると言われているので、その倍は神の域であり
美里は神の域である。
美里は神ソラスよりレベルが上で、美里がゾッコン中の明美は、
時間を止めたり出来る神であり、
「姿は現してくれなかったが、アケミなら死ぬ前の時間に戻せるだろうし、
完璧な命の水くらい簡単に出来るだろう?」
「神界では普通に売ってますよ」
俺は立ち止まり、クチナに体を寄せて、
「マジで!?」
ニヤッとするクチナが、
「ものすごく高くって、借金して買うんですよ」
「買う奴って、どんな理由?」
「ソラスさまみたいに、世界を創り、その世界で気に入った方が
寿命より早く亡くなった時などですね」
借金してでも買いたいほどの人物を蘇生したいと言うことは、
「要は、結婚は出来ないけど、片思いとか?」
「そんな感じですね」
クチナは明美の所有物で、神界にも行っていると思うので、
「クチナは手に入れられるのか?」
「……輝太、私、蘇生できるから」
ジト目で言うクチナに、
「帰還した後に、商売できるかなって……
「命の水をめぐって、輝太が危険な目に遭うわよ」
自信満々に、
「アケミに……
「帰還後の世界では、アケミさまは要るけど、力もないアケミさまよ」
クチナが訳の分からないことを言うので、
「どういうことだ?」
「並行世界と言うことよ! 神の力を持った明美さまは、
輝太の世界には居ないのよ」
それを聞いて、この世界に来ている明美たちは、俺とは別の世界の人間と
言うことで、
「力が無くなって、敵を排除できないから、無理かぁ……
大儲け出来るかなっと期待したけど、諦めるが、
「だったら、この世界の命の水は?」
「許可が居るわ! 許可がないと唯の回復薬よ!!」
それを聞いて、対策は完璧で、
「やれやれ、敵は予想済みか……
クスッと笑うクチナと、列が動くたびに並行して歩いていると、
俺たちの会話が途切れたのを確認して、
「あの男は商人か魔法騎士か……
その言葉を発したダルザニアに、
「リ・フレタ王国の王都【リ・ミラーライ二】で
店を構えています。
薬屋で、店の名はクリスと言います。
王の家臣でもあり、魔法騎士団所属です。
クリス・ウエイト・フィールドと言う名で、侯爵です」
それを聞いて、何処にでもいる感じの人なのにと思って、
「人は見かけに寄らずか」
「……ですな、その命の水を研究しているのでしょう」
俺の発言に、頷くようにアルテイラは話してから、
「クチナ殿! ゴーレムは?」
先程、男から出た運搬用のゴーレムの話が、
男から聞けなかったので、アルテイラがクチナに質問をして、
俺は、そんなことも言っていたなと思い出して、
「クチナは良く知ってるから、教えてください」
クチナは、周りを気にしないでゴーレムについて語り出した。
「私のように、人と同じ魂で生きているゴーレムと違います。
この世界の精霊は、私たちの魔法の補助をしません。漂っているだけです。
精霊は木などに宿りますが、その木などと成長を共にして生きていきます。
木なら材になった時は、感謝の気持ちを持って行えば材に留まり、
材を扱う方を、ほんの少しだけ助けるかも知れません」
クチナの話が横に逸れて行くので、顔をしかめて聞いてると、
「その話は、神ソラスさまより、司教に選ばれた時に聞きました」
アルテイラは、精霊の話が自分が聞いた話と
同じだったことに喜んでいるみたいだが、
「精霊の話じゃなく、ゴーレム!!」
「テルタさん! 慌てないで下さい!!」
ダルタニアは聞く気がないのか、進んでいる門の所を見ながら
ブツブツ言っていて、援護してくれないことに肩を落として、
「ゴーレムの話!!」
並んで歩いているクチナに叫ぶと
「何時も言ってるでしょ! 話には順序があると!
最後だけ分かっていても理解できないと!!」
何時も、母が買う雑誌に載っている小説の最後だけ読んで、
小説が良いかどうかと言う俺に、母が言う何時ものセリフが出たので、
「最後だけで良いの! ゴーレムが居る理由は!?」
「輝太! そこに座りなさい!!」
強く言うクチナに逆らえず、地面に正座する俺に、
「あなたは、いつも結果だけを求めすぎます!!
ゴーレムが、どうやって動くか考えましたか?」
俺はクチナを見上げて、
「だから、それを聞きたいんだろ!!」
「ですから、精霊の話をし出したのです!」
精霊とゴーレムとの関係性があるのか、エル・エランドゥ国の
ゴーレムを調査した結果、精霊を使って、ゴーレム量産の話を
聞いたことを思い出して……
「なるほど、運搬用のゴーレムは精霊を使って、と言うことですな」
俺が言う前に、アルテイラがクチナに言うと、
「魔王が、アンデットを製作するのに精霊を使ってるの。
それの応用で、土や砂や木などで製作するの。
たまに、死んだ人の魂が転生エリアに行かずに、この世界で
彷徨っているのを使ってしまう場合もあるみたい」
それを聞いて、魔王のアンデットの秘密が分かって勉強になったなぁ
と思っていると、
「ですが、精霊は何もしないはず。アンデットに宿っても……
「そこに秘密があるの!」
クチナは悪戯っぽく笑って言うので、
「秘密ですか?」
アルテイラは考えても分からないようで、
「精霊を魔法で制御して動かすの」
魔王だけのことはあるなと聞いて思っていると、
「それは闇の魔法の……
魔族のみが使える魔法で、アルテイラは、その名を苦しそうに言うと、
「それは出来ないわ。精霊に頼むのよ!
その命令の魔素を与えて動かすんだけど、
聞いてくれない場合もあるみたい」
「頼むのですか?……
アルテイラは驚いたように言うと、
「そのためのおやつが魔素と……
確認するようにクチナに尋ねると、
「そうゆうことね」
「それなら、エル・エランドゥ国の王は、魔族の王よりは
劣っていても、ゴーレムの生産は出来るはず!」
習った書では、エル・エランドゥ国が最初の人の誕生の場所で、
獣族、魔族、人族の祖先であると書かれているから、魔王が出来るなら
アルテイラの言う通りだが、
「それは難しいわ。形を作っても、宿すことが出来ないわ」
「魔王が出来るのです。出来ないはずは……」
クチナに、再度いうが、
「無理ですよ! 精霊は何もしないで漂うことが好きで、
命令や他人の為に動くことなどしませんから」
「え! でも……
アルテイラも俺も、クチナの矛盾な言葉に戸惑い、
「フフッ……それは秘密です」
「そこまで言って……
俺は、この世界のゴーレムの秘密が分かったけど、
肝心なことが聞けずに怒って言うと、
「君! 俺も同じ気持ちだが、聞かないことが良いぞ!!」
王都に入る入都検査をしている男が言うので、
「いや……此処まで周りに喋ってるんだぞ!
皆、聞き耳立てて聞いてる。クチナ言えよ!!」
口に人差し指を当てて、言わないよとアピールしていて、
「俺は知ってるが……知ってるからこそ言わない方が……
長袖のシャツに手袋、ジャケットをその上に着ていて、髪は肩まであり、
一見、女が男装した感じの顔たちで、ジーンズ風のズボンに皮靴を
履いて、剣などは所持していない、日本人みたいなので、
「勇者か?」
「元な……アキヒトだ!」
明希人に、「俺はテルタ! タイザール帝国の勇者!!」
と言って、お互いに握手をして、
「並ばずに来れば、直ぐ入都させたのに、なぜ並んだ?」
クチナの方を見ながら言うので、
「テルタさんと、お話がゆっくり出来るから並びました」
「商人の正体と、精霊とゴーレムの話と、おや……
クチナが凄い形相で明希人を睨んだために喋るのを止めたので、
「おやってなんだ? クチナも睨むなって!!」
明希人は、咳ばらいをしてから、
「クチナは食いしん坊で、おやつの話をしないと……
「食いしん坊ではありません!!」
強く言うので、明希人は後退り、城門兵が、
「このまま入って行って構いません!」
告げるが、
「アキヒトと言ったな! 俺と勝負しろ!!」
ダルタニアが睨みながら明希人に言うと、
「俺は、幸運のスキルがある。俺には勝てない!!」
不幸も幸運になるスキルかと思っていると、
「ツカサさまに全敗、ミサトさまにも全敗、コウエツさまに
2勝8敗、ユウタさまで引き分けで、意味のないスキルですね」
と言われて、壁に手を付けて落ち込んでいるが、
「先ほどから見ていた中で、最強だと思ったから、
勝負したい!」
その言葉で元気が出たのか、
「良いだろう! 勝負しよう」
鞘に入った剣を何処かから出して、ダルタニアと勝負する場所などを
話す前に、
「アルテイラ! テルタ! 先に宮殿に向かっ行ってくれ!」
と言われて、
「それでは宮殿に行きましょう!」
クチナが箱車を引っ張りながら動き出して、
俺たちは、明希人と勝負をするダルタニアを、その場に残して、
ようやく目的地のミューブル王国の王都【ブレーリト】に
入って行った。
ダルザニアにとっては、天国だな
上を目指す! 自分の殻を破る! テルタは!?
クチナと甘い生活……
親に甘えてどうする! 親だって何時までもいるわけじゃないんだぞ!!
2億年以上生きてるらしいが……
クチナを見てから、
……こ。恋人なら、守らな、いや、守られる方になるか……
次回
第96話 自慢の彼女です……
貴方のゴーレムを兄さまに!
恋人だから無理!!
友達ですよ!!
私の体で…… とローブを捲って……
何を描いてるんだ!
この前、会った少女をネタに……
同人誌なんて、描いてどうするんだ!!
夏のコッミクス・マーケットに……




