94話 立ち止まって……
俺は御者席に座り、恋人の背中を見ながら、ミューブル王国の
西の国境の検問所を後にして、ミューブル王国の王都【ブレーリト】に
向けて、進んでいる。
この箱車を引っ張ているのは馬ではない。
神ソラスが、この世界を創造したが、別の世界を創造した神の地球型惑星で
存在するセント・ギアと言う未知のロボットが箱者を引っ張っている。
この世界にもゴーレムが土や鉄から生まれて活動しているので、
ゴーレムのカテゴリーに入り、鳥、鳥族、鳥の魔物を除くと、
空を飛べる唯一のゴーレムとなる。
セント・ギアの特長の1つに、人との融合によって、人のレベルを20上げて、
魔法が使えない者にも、魔法を使えるようにすることが出来る。
「クチナ! 融合をしてみたいんだが……
俺は御者席でクチナに繋がっている手綱を軽く持ちながら聞くと、
「テルタさん! 昨日も言いましたが、私は、セント・ギアの中で
最強のセント・ギアです。べルールさまのように、神に近し存在に
なりませんと、融合したとたん、あの世行きですよ」
クチナは真面目に言うので、
「そうだったな……
箱者の中で眠っているダルザニアをチラッと見てから、
「人を超えるために、神に近し存在を受け入れた奴もいるけど……
アルテイラは書を読むのを止めて、
「人を超える存在を見ましたから、テルタ殿は、ツカサ殿を超えようとは……
「魔王は、ツカサが倒すんだから、超える必要もないし、
この任務が終わったら、ミューブル王国で帰還するまでクチナと……
爽やかな感じで言う俺に、
「アケミさまは、テルタさんを鍛えるつもりですよ……
クチナの足がキャタピラに変形しているので、凸凹の路面に
吸い付くように走り、箱者の方も車輪には、ただのバネからオイルバンパーに
変わって、凸凹の路面からの衝撃を緩和しているので、俺は立ち上がり、
「引きこもって、クチナと贅沢に暮らす!! ミサトにも言った!!!……
昨日、山頂から隠れていて、一度も姿を現さなかった明美によって、
時間を戻され、
「此処は? ケラ・ピッキデーに襲われた所か……
キツツキの魔物に体当たりされたり、毒がしみ込んだ羽を、俺たちに
飛ばしたりして、ボロボロの剣が更にボロボロになり、ダルザニアが
威嚇のために吠えると、キツツキの魔物は逃げたが、怪我をした箇所を
アルテイラに手当てをしてもらい、暫く休憩した場所だったので、
「これが、時を戻す……神の力……
周りを見ながら呟いていると、アルテイラは、ダルザニアを支えながら
周りを見ているので、
「眠っているのか?」
「どうやら、さっき……
アルテイラは、フッと笑ってから、
「上王陛下の上王妃陛下に倒されてから眠ったままです……」
「蘇生は完ぺきだっただろう……
ダルザニアを抱きかかえているアルテイラを見下ろす感じで言うと、
「息はしていますから、眠ってるだけでしょうな……
ダルザニアが眠っているのは良いんだが、もう少しで襲ってくる魔物を
俺たち2人で、どうやって戦うか。2度目なので相手は分っているが、
「すぐ、国境へ!」
剣がボロボロなのは、時が戻ろうが同じなので、此処から逃げればと思ったが、
時すでに遅しで、
「来ます!!」
アルテイラが叫ぶと同時に、木々が揺れて、キツツキの魔物が襲って来るので、
剣を抜くが、くちばし攻撃に耐えれれるか分からないが、
「崖を背に!」 アルテイラに告げて、覚悟を決めて突進しようとすると、
強い風が俺に当たり、左腕で顔を守っていると、
「こんなの、パパっと片付けないと……
地面にはキツツキの魔物の死骸が落ちていて、その声の方を向くと、
「クチナの友達には成れないわよ!」
剣を鞘に入れて、嫌味っぽく言う美里に、
「友達じゃない! 恋人だ!!」
詰め寄って抗議していると、
「テルタさん! 皆さん!!」
遠くから声がするので、空を見上げると、クチナとべルールの融合体の
セント・ギアが飛んでいて、俺たちの所に舞い降り、融合を解除した後、
「テルタさんの友達のクチナ参上!!」 右手人差し指を天に向けながら
言うので、「恋人だろ!!」
「ダルザニアさんより……」 可愛く言うが、
「魔王は! ツカサが倒して帰るんだから、修行はすることないだろ!!」
クチナに背を向けてから、
「……部屋で、コスプレするから」
「まだ、友達……
周りは俺たちのやり取りに笑っているが、急に頭の中に、
「カーディオン王国の特使が来るよ! べルールには
辛いと思うけど……
「アケミさま! 夫と共に生きると決めた時点で、
兄や陛下と戦う覚悟は出来ています!!」
戸惑いや不安もない言葉に、つかさに嫁いだ女たちは、
凄いなと感心していると、
「テルタさんは、私のために……
自分に指を指して言うクチナに、
「クチナの方が強いから、俺を守ってくれ!!」
「私、アニメ大好きっ子! フュージョンして一緒に……
俺の言葉に対して融合と言うので、それならと傾くが、美里、べルール、
サラウェルが、エッと言う顔をしているので、聞こうにも時間が無いので、
此処を通るカーディオン王国の特使団に、上から山の斜面の岩や木を斬って、
潰すという悪役みたいな行為に戸惑い、アルテイラは困惑したが、
流れ的に、カーディオン王国の特使団の方々は亡くなる運命であり、
亡くならないと並行世界が出来るが、神ソラスは並行世界を
望んでいないので、「どうせ死ぬ運命だ! 派手に行こう!!」
と言う明美に、「それでも神かぁ!!! 言い方っていうものがあるだろう!!!」
叫びつつ、べルールたちは特使団に向けて実行した……
「周りが強い者ばかりで、最強勇者って思っていた時が懐かしい……
クチナの背中を見ながら、昨日のことや人族の大陸に来てからのことを
思い出しながら、北側の山脈の方に目を向けると、
「山の方は、雲に覆いかぶさってるが、此方は
日差しは優しく、心地いいな!」
「はい! ですが、2時間後には、あの雲が此方に来ますので、
雨になりそうです」
雲の動きなどを予想して答えてくれるクチナは、
「あと1時間くらいで、村が見えて来ますので、
そこで雨宿りと、昼の昼食を取りましょう」
その言葉に、「アルテイラ! ダルタニア! 聞いたな!!」
「分かりました。 材料は、この馬車の残り物で……
「なんだ? もう着いたのか?」
ダルタニアは、まだ寝ていたらしく、目を擦りながら言うので、
「村には、1時間後だ!」
「そうか……テルタ! 俺の稽古に付き合ってくれ!!」
美里の魔法で蘇生されてから、1日しか経っていないのに、
もう、いつも通りかと呆れながら、
「昨日から言ってるだろ! クチナと甘い生活するって!!」
アルテイラは優しく微笑みながら俺たちを見ていて、
「お前は、まだまだ強くなる。強い男に女は言い寄って来るぞ!!」
ダルザニアはクチナを見ながら、
「クチナも強い男が良いだろう?」
快調に走って箱車を引っ張ているクチナは、
「アニメ一緒に見たり、コスプレを一緒にする男が良いの! 」
と言うのを聞いて、
「言ってる意味が分からないが、共にと言うことか?」
ダルザニアは理解せずに言うので、
「陛下の真似やダルザニアの真似をして、どちらが似てるかと競うのさ」
「俺の真似をして強くなるのか? 鍛錬しなといけないだろう?」
強いとかじゃなく、仕草とか、剣の動きとかを真似て、そのキャラに成りきるん
だけど、これ以上言っても無理だと思い、
「レベル40ですから、もう十分強いの!! コスプレも一緒に
昨日したから、恋人なの!!」
クチナは、「友達です!!」 と叫び、
ダルザニアは、「クチナを恋人にするには、修行だな」
と言うので、「分かったよ! ダイジより強くなったら……
本当は、つかさと言いたいが、帰還までに間に合いそうにないので言ったが、
「恋人と言ってあげる!……
クチナは微笑みながら言うので、ほっとして笑みを見せながら、
「クリスタルに俺の情報を与えて、俺の子をな!」
ダルザニアやアルテイラは驚いた顔をしているが、
「セント・ギア同士しか……
「昨日、言っていたじゃないか……
ミューブル王国の西の国境の検問所は、俺たちが、この日の最後の
訪問者で、「ようこそ! ミューブル王国へ!!」
国境兵が言うが、クチナを見ている他の国境兵が、
「なぜ! 我が国の最高機密のセント・ギアを!!」
最高機密なら、野球の審判などやらすなと思うが、
「べルールから聞いている!」
詰所から出て来た大二が言うと、
「上王妃陛下から……?」
国境兵が言うので、「そうだ! 説明は後だ!」
大二が俺の所に来て、俺が御者席に座っているので見上げてから、
「今日は、2度目だな…… ニヤっとして言うので、
俺たちと一緒で、時を戻ったと思い、「ああ、そうだな……
俺と大二は笑いだしているのを、国境兵たちは分からずに、キョトンと
しているのが更に可笑しく、
「通って良いのか?」と、笑いを押さえながら言うと、
「入国料はタダにするが、もう暗くなる、此処で止まっていけ!!」
大二が言うが、「金貨が乏しいので払えないが……
「要らないぞ! クチナとすることがあるだろう……
コスプレする話を美里から聞いてるのかと思って、
「したくないが……
クチナはブスッとしているので、「遠慮なく泊まるよ! 見るなよ!!」
クスッと笑って大二を見ると、
「兵と見張りだ! 部屋でクチナとイチャイチャしろ!!」
俺たちのために部屋を用意してくれるとは何て良い人だと感心していると、
「馬車の停留所に行きましょう!」
クチナは元気一杯に叫んで、
クチナが引っ張る箱車は、国境の門を潜り停留場に向かった。
俺たちは、国境の壁の裏に聳え立つ砦の3階の部屋を割り与えられて、
俺とクチナ、ダルザニアとアルテイラと分かれて部屋で休むことになった。
ダルザニアは、蘇生されたばかりで体がだるいのか、少しフラフラだったが、
「明日には……いらんことを……
フッと笑って言うダルザニアは、アルテイラの肩を借りて部屋へと向かった。
食事は部屋に用意されていると言うことで、俺たちも部屋に向かう途中、
クチナを最高機密と言った国境兵が駆けつけて来て、「クチナさま!」
と言うので、俺とクチナは立ち留まり、振り返る俺たちを見渡し、
「クチナさま! 私をセント・ギアに!」
突然言い出す国境兵に、「転生は、自殺の場合は、希望など出来ません……
クチナが言うが、「あなたのように! 我が子を……
クチナは言い終わるのを待たずに、国境兵を吹っ飛ばしていて、
驚いた大二たちが駆けつけてきて、「クチナ! なぜ!?」
大二が聞くので、クチナは耳元で喋り、離れると、
「クチナみたいにか……」
「どういうことだ?」
俺が聞こうとすると、気絶している国境兵を残して、
集まった国境兵を解散させてから、
「クチナみたいにゴーレムになって、娘を守りたいらしい……
倒れて気絶している国境兵を見ながら、
「転生か……
「クチナ達は、人と融合するだろう……
大二が言うので振り向いて、
「俺は人間だし、恋人だから融合は出来ないが……
「友達です! パートナー登録が解除になってないから……
さっきは度忘れして融合と言っていたクチナが、激しく抗議しているが、
「魔王が倒れば、俺たちは帰る! その後を考えてだな……
大二は無視するように話して、
確かに、人族、獣族の勇者は、魔王が倒れれば帰還と言うのは、
召喚時の詠唱に入っていたから、確実に帰るが、その後か……
「それで、クチナみたいになってか……
クチナの方をじっと見てから、「前世の記憶ってあるか……
「ありませんよ! と、決めポーズをする格好に、フフっと笑って、
「部屋に行って、やりますか……
クチナと共に部屋に向かう動作に入ると、大二はクチナによって回復されたが
眠っている国境兵を担いで、「時を超えてか……
大二の呟きが、静かな廊下に響くのを聞きながら、
「話せよ!」
「何を……
クチナは首を傾けながら、とぼけた感じで言うので、
「王都に行くまでに話してくれ!」
クチナは口に右手の人差し指を当てながら、何のことだろうと言う感じだが、
「俺とクチナの子って、どうやって作るんだ?」
突然の問いに、
「ええっと、人を超えれば、私のクリスタルが反応して、2体の情報を
集めたクリスタルが出現して、新たなセント・ギアが出来るけど……
出来ないと思ったが、出来るのに頭を搔きながら、
「人を超えなければか……べルールみたいにか……
「私は、人を止めてほしくないかな……でも、それを決めるのは輝太だよ……
悲しく俺を見るクチナに、
「魔王が亡くなるまでは、クチナと甘い生活をするか……
「コスプレ、アニメ、萌絵は見事染まった! 輝太よ! 再教育じゃ!!」
「俺はアニメが嫌いなんだ! アニメなど空想だ!」
俺はボロボロの剣を鞘から抜いて、
「……だがな、此処ではアニメが現実なんだ!
俺は何時も勇者のコスプレをしているんだ!!」
クチナに向けて軽く振り、ニヤッとする俺を見てクチナも笑っている。
恋人にと思ったセント・ギアと言うロボットは、転生した母親ってオチは、
俺らしいのかと、昨日のことを思い出しながら、
「人を超えるならって……
「上王妃陛下のようにですか……
アルテイラは、べルールのことを思い出して言うが、
「天使化など邪道じゃ! 人を超えるレベルは50。
修行して、その倍のレベル100を超える!!」
ダルザニアは、夕食後、自分が明美の準眷属になったことを話してくれたが、
レベル30なのは変わらないが、自分より強い者と戦えば、
レベル上げは早くなるらしい。つかさは天使化のスキルは
持っていない。ダルザニアには蘇生された時に得ているが、
実は、明美の直接の眷属は、12柱から使用不可と言われていて、
ダルザニアも持てないのだが、蘇生の時のドタバタで、
明美が天使化のスキルを与えた。
「バレなちゃ、良いのよ」
ひどい女神である。
べルールとの再戦も視野に意気込んでいるダルザニアに、
「帰るまでには期間がないが、ダイジのレベル50なら、
甘い生活しながらでも超えれるだろうな」
俺の言葉にガッカリしているダルザニアに変わって、
「友達から恋人になって、別れるんですね……
現魔王が倒された後のことをクチナは言っているので、
「そうなるな……
恋人になって、元の世界に一緒に帰って、世界初の人型完全メイドとかで
特許とって、研究所でクチナモデルを開発してもらい、そのロイヤルティーで
ウハウハな生活をって思っておりましたが、母親を研究材料にされるわけには
いかないので、がっかりした顔で言うと、
「安心しろ! クチナと俺が恋人になり、テルタとの別れなど
忘れさせてやる!」
クチナの方を見てから、「俺専用のセント・ギアを持つ!!」
「嫌ですよ! 人型じゃなく、青いネコ型になるから!!!
と言うクチナに、俺たちは笑って、
「冗談だ!」 ダルザニアは苦笑いしつつ、
「だが、ミューブル王国のこれからを考えれば、
弱い兵には在った方がいいだろうな……
ダルザニアは任務が終わったら、ミューブル王国に永住するみたいなので、
現魔王が倒された後のことを考えているんだなと思いながら、プライム村が
姿を現して来て、村の玄関の門に着いた俺たちに、門の前に立っている
村兵が駆け寄って来て。
「プライム村へようこそ……」
御者席から通じる扉が開いていて、そこから見える
ダルザニアとアルテイラの姿を確認すると、人族ではなく獣族だったので、
笑顔はなく、渋い感じで言うので、御者席に座っている俺が村兵の2人に、
「獣族の大陸の特使で来た!」
村兵の2人は、お互いの顔を見合してから、俺を見ているので、
「心配しないで下さい! 村の外で昼食を取って、
直ぐ、王都に向かいますので……
「いや待て、このゴーレムは、王直属の騎士の物じゃないのか?」
村兵の1人が、俺の言っ言葉に待ったをかける感じで聞いて来て、
「今、この方たちに、
私は騎士さまに命令されて、貸し出されている最中です」
クチナが村兵たちに向けて話したので、
「それじゃ、俺たちは、あそこの木の所で昼食を取りますので」
と言った後、クチナに行こうと言って動こうとしたら、
「待ってくれ! うわさに聞くゴーレムの性能を見たい!!」
声の方に振り向くと、いつの間にか初老の男性が立っていて。
「今から食事です。しっかり食べないと魔物などに襲われたら
力が出ないといけませんので!」
力強くクチナが言うと、「後からで……
どうしても見たいと言う男性に、
「空を飛べるだけで……
クチナは、空を飛べるだけのゴーレムと言うが、
「王都に居るゴーレムと桁が違うと聞いたが……
王都に出向いた時に、他のゴーレムを見て判断している感じで、
「王都のは運搬用で、私は空を飛ぶ専門で、声が出るのも
空から味方に話すためにあるだけのゴーレムです」
「それでもいい!……
西の国境から続く街道を見ながら、
「此処は、王都へ行ける唯一つの道で、物騒な奴らも多い!
いざこざで、村兵では対処が出来ない時がある……
男性は真剣な眼差しで、クチナを見ていて、
「王都の何でも屋に相談すれば……
クチナの言う何でも屋とは何だと、ダルザニアたちと顔を合わすと、
アルテイラは右手の手のひらを天に見せて、さあ? と分かりませんと
ジェスチャーしていると、
「巡回はしているが、この村に滞在はしていない!
お金が掛かる……
最後の言葉に納得していると、
「王都のゴーレムを購入すれば……
アルテイラが進言するが、
「金貨100枚(金貨1枚、10万円)で、何時納品か未定だ!」
この村の兵にしては立派な鎧を着ている男性が言うので、
「現魔王が、1人で作るんです。時間もかかりますし、
現魔王が亡くなれば、終了です」
クチナが言う言葉に驚いている俺たちに、
「王都で聞いたが、魔王制じゃないだろ!?」
クチナに人差し指を指して言うので、
「はい! 私は召喚されたゴーレムです」
「別の……そこの勇者と同じか?……
人族で、獣族と一緒に行動してるのは勇者しかいないので、
すぐ分かるなぁと思っていると、
「ゴーレム! 俺と戦え!」
剣を鞘から抜き、クチナに向けて叫び、
「俺が勝てば! お前を貰う!!」
勝手にほざいて息巻いているが、アルテイラが小声で、
レベルは20で、兵役は20年。王都の騎士団にも誘われたが、
この村を守ると言うことで、村兵の隊長をしているが、
クチナによって、あっという間に空へと飛んで行った。
クチナは箱車を牽引するために、箱車に連結されている
長い棒を持って、「雨も降って来ますから……
空を見上げると、灰色の雲が広がっていて、いつ雨が降っても
おかしくない天気になっていて、「今の兵は……
「挑んで負けたんです。 魔物か動物の餌になっているでしょう……
村兵たちや初老の男性は、青白い顔をして俺たちを見ていて、
飛ばされた村兵の敵討ちと動くこともせず、
騒動があったので見に来た村人は、状況が掴めずに男性や村兵たちに
聞こうにも首を横に振って、何も言わなかった。
このプライム村は、王都や他の国へ行く商人や行商の宿泊村で、
昨日泊まっていた者たちが立ち去り、宿屋の宿泊室の掃除をするか、
昼食を取っている時間帯である。
林の方に着いた後、クチナは箱車から離れて、俺たちも降りた後、
クチナの左腕から右手を動かすと何か大きな物体の影が現れて、
「ログハウス??」
ドォォォオンン……と言う音と共に、家が置かれて、
「雨も降りますから、家の中で調理をしますね」
と言って、家に入って行くが、クチナにはアイテムボックスが
内蔵されているのが今回分かったが、立派な丸太の家で、
玄関には表札があり、名前は上杉と掘ってあり、
北条じゃないので、神ソラスの友人の名かと思うと同時に、
日本人だと思うが、考えない方が良いなと思って、
俺たちは家に入る途中、村兵や村の者たちを見ると驚愕していて、
腰を抜かして地面に座っている者もいる。
プライム村の者たちが、俺たちの家の周りに集まり出して、
クチナが、台所で料理をしている光景に驚きの声が
上がったりと、村人たちが窓から覗いていたりする光景に、
俺たちは見世物かと思いながら、料理が出来上がるのを待つ。
雨も降り出しても覗いているので、風邪をひかないか心配になるが、
「出来ましたよ! つかさ様からの材料提供の、
今日の昼食は、焼うどんです」
キャベツ、イカ、豚肉などが入っていて、香ばしい香りも漂い、
テーブルに皿が4つ置かれて、出来上がりの焼うどんを分けて行く。
「ツカサから……
クチナに言うと、「はい! つかさ様たちの今日のメニューです。
確認しましたら、了解を得られましたので……
言いながら、椅子に座り、どうやって食うのって思っていたら、
フェイスマスクが真ん中から左右に分かれて、人間の口が現れて、
人のように、「水はポットにありますので、皆さん、冷めないうちに
食べて下さいね」と動かしている口は、色っぽかった。
ダルザニアは、少ないと言って、箱車の保存庫から干し肉を
取りに行く際に、村人から焼うどんを食いたいと言われたが、
「人数分しかない! 自分たちの所でも昼食だろ!
戻って食ってこい!!」と言ったが、
パンやシチューがメインの世界では珍しいので、
興味を持つのは分かるが、クチナが、村人の所に行って、
もうないことを告げて、代わりに村人たちに飴を渡して、
村人たちは村の方に戻って行った。
俺も飴を貰ったが、酒入りでアルコール濃度が高く、
酒に弱い者は、直ぐ酔って寝る可能性が高い物で、
暫くは、この家には誰も来ないだろう。
クチナもなかなかやるなと思いながら、飴を舐めていた。
雨も本格的に降って来て、垣根から落ちる雫を見ながら、
食後のコーヒーを飲んでいる。
台所では、テキパキと片付けをしているクチナの姿を
チラッと見て、彼女が居る光景に幸せを感じながら、
外では食後の稽古と称して、
雨を斬っているダルザニアの姿をチラッと見ながら。
「まだまだ上がいるって言うことは良いことだろうな」
呟いてるのを聞いたアルテイラは、
「私も、更に上の魔法を神に教授してもらいたく、
瞑想に入りますので……
と告げて、隣の部屋に移って行った。
それを見ながら、あの野球の時にいた神ソラスに
教えを聞くより、ダルザニアを蘇生してくれた美里の主に
教えを聞いた方が良いんじゃないかと、
「アルテイラに、回復系で凄いのをアケミから貰えないか?」
クチナを見ながら話をすると、片付けが終わって、
テーブルの椅子に座るクチナは俺に微笑みながら、
「アルテイラさんは、人としては、もう限界ですね。
魔法も上位の物を持っています。それ以上は人を辞めなければ……
その言葉を聞いて、つかさの女【べルール】も
言っていたなと思い出しながら、
「……そうか」
ため息交じりに呟いたが、実際、アルテイラのレベル20は、魔導士では
上位のレベルである。俺のレベル40も、この世界では魔族を除けば上位で、
人族の勇者【コウエツ】より上だが、ダルザニアに比べれば、
経験などが少ないから、足手まといになっている。
この前のダルザニアの狂戦士化は知らなかった。このことからも
獣族側は、俺たち勇者を盾替わりにしていることが分かる。
召喚された勇者は90人で、男性は20人である。
戦いに赴くのは、その20人で、冒険者の活動、訓練、魔族との戦いで
残っているのは9人である。女性は戦いに出ずに王宮で一代限りの
男爵を与えられ、王宮に住んでいる。今どの様な生活をしているかは
知らされていないが、王との謁見の時に会う杉原夏美は、
召喚時から随分変わって、俺を軽蔑な目で見ていた。
侯爵や伯爵たちとやりまくっているのは、噂や騎士たちから聞かされていた。
つかさの話では、獣族対人族、魔族対人族の2回で、ゲームは終了で、
終了と共に魔王も倒される。
なので、俺がこれ以上レベルを上げることは無いが、暇だし、戻って役に立つか
分からないが、レベル50は超えるつもりだ!
洗い物も終わって、テーブル椅子に腰かけている俺の方に来た
クチナに、
「さっきの飴は、何の飴だ? 母さん!」
クチナもテーブル椅子に腰かけて、俺を微笑んで見た後、
「獣族、魔族に配られたレベル20アップ飴よ」
それを聞いた俺は、「マジで? 俺より上の奴が……
レベル30近くが多いから、俺よりもレベルが上に成っているはずで、
「帰ったら、お払い箱ね!」
嬉しそうに言うクチナに、
「母さん! 帰ったら死ぬ可能性が……
テーブルに置いてある皿に入っているクッキーを食いながら、
「タイザール帝国を滅ぼせればいいでしょ……
エッという顔をする俺に、追い打ちをかけるように、
「舐めたんだから、輝太も上がってるんだけど……
俺は、ハッとして、「……と言うことは、60か!」
クチナは何個目かのクッキーを手に取りながら、
「違うわよ! さっきの飴は輝太専用のレベル40上げの飴なの」
口の周りにクッキーのカスが付きながらクチナが言うので、
「それじゃ労せずに……
目を大きく開けて両手を握り締めながら驚いていると、
フフフッと怖い顔をしながら
「これで、フェニックスの鎧を着て、ようやく80の光悦と同等……
クチナが言うのを聞いて、冷静になって考えると、魔王がレベル90だから、
飴を舐めたらって、クソゲームかと思いつつ、
「これで希望も叶ったし、この国で母さんと甘い生活をして、帰る……
少し悲しげな顔をして、
「帰ったら、大変よ……
俺は、その言葉に、
「話してくれ! 母さんは寿命で亡くなって、転生して……
テーブルに両腕を置いて、ため息をしてから、
「未来のことよ! 本来は喋ったらいけないんだけど……
俺の顔を見てから、「職員室での、いえ、離婚した後、
首を振ってから、
「買い物に、再婚した夫の子と行く時に家に訪ねて来て、
「行くな! と叫んだけど、私は振り切って……
俺は真剣に聞いていて、「その後か……
「車の暴走事故で、歩道に乗り上げた車に……ね」
食堂のキッチンの蛇口の口に溜まった水が落ちる音と、
外の雨の音の響きが続いた後、
「話してくれ、帰還後のことを……
クチナは俺を見て、クッキーを1つ取り、口に入れて食べた後、
コップの水を飲んでいるのを見ながら、
「俺が食う前に全て……
皿にあったクッキーは無くなっていて、ロボットのくせと、
「太るぞ!!
「私はロボット! 太ることなんてありませんわ!! ホホホ……
高笑いをしているクチナに、隣の部屋から、
「イチャつくのは良いですが、静かに!!」
アルテイラに注意されて、「で、俺は元の姿に戻るのか……
俺が召喚された時は13歳、今は19歳、体も成長しているので、
13歳時の体に戻るのか聞くと、
「学校からラインで連絡があって、早退して駆けつけて、職員室
に居る輝太を見て……
「見てどうした……
「昨日の夜に見た輝太が、カッコよくなってるじゃない!!
幼くって出来なかったコスプレ……
興奮するクチナの頭を叩いてから、
「と言うことは、このままか……
中学校の学生服を、人族の大陸に来る前に着てみたが、
小さくて着れなかったので、もし学生服を着た状態なら、パンパンで
動くと破れるだろうなぁと思っていると、
「ジャージを着ていたわね。先生から借りたみたい……
帰宅するから下駄箱に向かう途中の階段の踊り場で召喚されたから、
戻った時に先生に見つかって、ひと騒動があってから、職員室に連れられて、
俺の学生服を着てる状態を見て、先生がジャージを借してくれて、
着替えた後か、
「杉原は……
「隣の部屋に居たみたいだけど、此方に服を脱ぎながら、
淫らなことを口走って、女教師が制止させて部屋に戻そうとした
みたいだけど、女教師にキスをしたり、服脱がし始めたりして……
ゆっくり、丁寧に話をするクチナに、
「その手は止めろ!!」
女性の胸を揉むような感じの手の動きを注意すると、
「デカくって良い胸! 爆乳キャラのコスプ……
クチナの頭を叩いて、
「真面目に話せ!!」
「もうぅ……
頭に手を置いて痛いなぁっていうジェスチャーしてますが、
此方も痛いのを我慢しているんだけどなっと思いながら、
「母さんが来る前に、救急車とか……
「輝太が先生に何度も言っているみたいだったけど……
箱に入ったチョコレートスティックをパッチンパッチンと食べながら
言うので、
「俺にも……
嫌そうな顔をしたが、渋々、箱が開いた方を向けて、1本とって、
「で、それから…… 口に入れて、カチィと折って食べていると、
「教頭先生からの連絡待ちで、救急車も呼ばないみたいだったわね……
「隠蔽か……
頷くクチナは、「ラインで来た時に、貴方の息子が女性を学校の階段で
淫らな行為を……事情を聞いていますので、直ぐにって……
箱から2本取って、一気にパチィィーンと折って食べた後、
残りも口に入れて食べた後、
「杉原の両親は……?」
「呼んだみたいだけど……先生たちは……
「憶測だが、階段で淫らな行為をしていた男女が、生徒で、
在学中の2年生で……
「このまま通っても、他の生徒からの虐めとかで問題があるから、
休学して……
「問題ある生徒は、他の学校に丸投げか、でも、私学に行くお金もないぞ!」
「そうなのよね、お父さんも金ないし、私……なに……
俺は冷たい目でクチナを見て、
「給料を全部、アニメ関係に使ってる奴が言うか!!?」
驚くように、「全部じゃないわ! ダブった物のオークションや
ユーキューブの収益は、家に入れてるわ!!」
「いくら……
ジト目でクチナを見ると、
「5万…… 可愛く言うクチナに、
「1000万稼いでるとか言っていたぞ! 姉貴が……
テーブルに肘を着いて、右手をグーにして頬に当てながら言うと、
「明美さま達は、異世界動画で億いってるから、私たちなんて……
上には上がいるからと言うが、俺は目を凄めていると、
「市立だから、不登校でも卒業させてくれるから……」
義務教育なので、中退は無いと思っていたので、
俺は勉強もできないから中卒でも良いが、
「杉原は……
クチナは、更にお菓子セットを出して、食う準備をしているので、
「ロボットとはいえ、食いすぎだろ……
「私にとって、辛い話だから……
「で、杉原は!」
食う準備が出来上がり、ビスケットを持って、
「両親とNPO法人の青少年を守る会の人に、
教頭先生が学校外で起こったことにと
言いながら入って来たわね」
学校としては、行為が学校で行われようとしていたこと、
不法侵入者だと思ったのが、在学中の学生で、
少年が大人になってることも隠したいわけで、
「で、どうなった!?」
クチナは食べてばかりで、俺はテーブルに立て掛けている剣が鞘に入った状態の
鞘に手を伸ばすと、
「剣を私に当てただけで折れるわよ……
苦笑いしながら、「で、どうなるんですか? お母さま」
両手の平を合わして、お願いしますと哀願すると、
「NPOの人が、救急車を呼んだことに、職員室の先生たちは青ざめていたわね」
抹茶マカロンと書かれた袋を開けて、中身を手に持って放り上げるように、
口に入れて食べ終わってから、
「輝太たちは、大阪に今年から開校した学校に編入ということで、
話をまとめて、輝太は退学して、9月から……
「大阪に行くのか? どんなところ……
「さあ? 小中専門の引きこもりや不登校対応で、自宅からインターネットで
参加も出来て、出席だけとるとか……
パンフレットがあるので、クチナは左腕から出して見せてくれて、
眺めた後、
「国が対策したのか?……
「そうね、明美さま達が、裏から手をまわしているけど……
歯切れが悪い感じで言うので、
パンフレットを再度見ると、ものずごく小さい字で、
「ホルモンバランスが崩れて、急成長した小中学生を救う学校です」
もっと細かい字で、「異世界に行って、体が戻らなかった者に朗報だ!
中学までは此処で学業をすれば、中学卒業と認定されるぞ!
高校は自分で行くかどうか考えろ!!」 と書かれていて、
国も異世界のことは認知している感じで、
「この学校……俺たちの為……?」
「不登校対策がメインよ!」
と言って、パンフレットを俺から奪って、左腕のアイテムボックスに
入れてから、「勇太さんのお父さまが、勇太さんの為に入れたの!!
召喚された方しか見えない文章よ!!」
クチナが言うのを聞いて、異世界を認めない方たちからすれば、
国が異世界を認めている。 だが、そんなわけも分からない物に行ったか
どうかわからない者のために、貴重な税金を使って行うべきじゃない。
病気の可能性もあるのだからと言うことだろう。そのため、社会問題になっている
不登校者を救済するために用意していた学校に盛り込んだのだろう。
「そうか…… で、セント・ギアに転生したのは……
「話さないとね…… 湯呑に入った茶を飲んだ後、
「相手の両親が、輝太と私たちに対して、弁護士を立てて、
損害賠償を求めて来たわ」
「何の?」 弁護士を立てるほどのことかと思ったので言うと、
「入院中でも、気が付くと自慰を始めたり、看護婦や先生に
求めたりして、その度に睡眠薬など投与されていたらしいわ」
「要は、その責任?」
クチナは頷いた後に、
「輝太との行為によって、中毒になったから……
俺は手を横に振って、
「俺はしてない! 戻っても同じことを言うと思うけど……
「こっちに来ても獣族の人とはしてないし、リトルシニアリーグを辞めて
モテる要素が無くなったからねぇ」
クチナの言う通り、獣族の女性にはモテてましたよ。行為自体はしなかったのは
戻ることも考えていたし、勇者として、女性と付き合う暇があれば鍛錬をして、
魔王を倒すのが使命だと思っていたから。
リトルシニアリーグを辞めたのは、自分にとって何かが違うと思って
辞めたんだけど、母親が、時間が空いたから、冬コミに向けて
キャラ研究と言うのに反発しながら、召喚迄過ごしていた。
リトルリーグに入ったのは、野球をするキャラのコスプレをさせるために
母親に入れられんたけど、選手として大会にも出ていたので、
それなりに楽しかった。
「ずっと、見ていたのかよ!」
「たまに……
何処からとは聞きたくなかったので聞かなかったが、
「容疑は晴れたんだろ?」
クチナは頷きながら、あられを何個か口に入れて、カリカリ砕いた後、
モグモグしていて、
「で、どうなったの!!?」
食べ終わって、「検査の結果、容疑は晴れたけど、急激な成長は、輝太との
関係でとか、娘の将来を駄目にしたとか、娘の状態の説明はとか、
輝太が異世界のことを言っても信じてもらえなかったし、向こうの両親は、
弁護士を立てていたにもかかわらず、私の会社や、コンビニに押しかけて、
騒いだりして……
「気持ちは分かるな。異世界に行って、あんな状態になりましたって、
信じるわけないよな……」
「萌絵が同じようになって、男に言われて信じることはできないわ……
アニメ大好きっ子のクチナでも、そうなのかと思いながら、
「そうなると、杉原の両親はエスカレートしていった……
「そうなの……コンビニでは、アルバイトの子にクレームを言ったり、
何処で調べたのか、私たちの動画のコメント欄に暴言を書いたりして……
「俺には……
「避けてたみたい……力とか無くなってたけど、威圧感はあるから……
クスッと笑って言うクチナに、
「戻ったら……で!?」
「萌絵が路上で襲われたんだけど、ちょうど通りかかった
中学生のバンドの子たちが助けてくれて、警察に……
「姉貴が、で……
「釈放されてから、自分の子を病院で体罰をするようになって……
俺は、ペットボトルの御茶を飲んで聞いていて、
「私は怖くなって、輝太と関わってると……
クチナの声は震えていて、
「離婚を、お父さんに告げて、承諾してくれて……
ため息をしてから、「……そうか」
「6月の梅雨に入った時に離婚をして、一週間後には再婚したわ」
俺は、それを聞いてガクッと体を崩したが、
「は、早くないか? 不倫していたのかよ!!」
「違います! 同じコスプレ仲間で、輝太も何回も会ってる
武人君のお父さん」
足立武人は、小学1年生の6歳で、お父さんは弁護士である。
クチナと一緒で、アニメオタクであり、コミケなどに参加する時は
弁護士の仕事で人と会う約束もボイコットするくらいの男で、
事務所の人も飽きられてる男。だけど、評価は高いと言う変な男で、
「仲良かったよなぁ、俺にも小遣いをくれたり……
クチナは頭を搔きながら、
「お父さんのコンビニの経営の危機が度々ありまして、
その度に、私の給料や私名義で借金をしまして、
それで、相談に乗ってもらったりして、離婚をしたらと……
戻っても親父に言えないなぁと思いながら、
「何回か寝たのかよ!?」
「離婚後は……ホテルで……
照れながら言うクチナに、
「その前は……
「無いわよ! 直ちゃんとは寝てても、輝太と思って……
「なんで、俺?」
「だってぇ、あそこが理想の形だから……
頬を染めて言うクチナに、
「年齢を考えろ! 41歳のおばさん!!」
寝てる時に部屋に入って見たのかと思いながら吠えると、
少し引き気味に、
「だ、だけど、成長して戻って来た輝太の姿を見た時、
戸籍では13歳だけど、見た目がねぇ!
私は出来ると! 輝太の子を!!!」
聞いていて恐ろしいわと思いながら、
「で、再婚後、どうなった!!?」
「最初に言った通り、暴走の自動車が歩道に乗り上げて来て、
武人を守りながら撥ねられて、頭を強く打って亡くなりました」
笑いながら言うクチナに、
「……そうか」
笑いながら言うなと思っていると、俺を覗き込むように、
「目が覚めたら、白い空間に居てね、神様が、自動車の暴走は、
急にエンジンが異常な振動をして、更に、安全装置が
働かなったことが原因だったんだけど、
新聞にはドライバーの運転ミスとしか
書かれていなかったって聞いた後、
望む転生が出来ますかって……
「望んだのが、セント・ギアなのか?」
首を横に振ってから、
「輝太の子って言ったら……
「言ったら……
「出来ないって! 転生先が決まっていて、その流れを変えると
すべての流れを変える必要があると言うでしょう」
少し怒り気味にクチナは、
「だから、輝太のお嫁さんになるようにして下さいと願ったら……
「子から、お嫁さんに変えたら、よりハードル高くないか?」
また、俺を覗き込むように、
「出来るって!」
「確かに、ロボットでも嫁さんに出来るな……
乾いた感じで笑っていると、
「子供もって言ったら……
「セント・ギアで……
「人間の子で! スマホで輝太関係を、裏から調べてくれて、
これから輝太と会う子と上手くいけば……
俺にグイっと顔を近づけていうクチナに、
「王都で会うのか?」
頷くクチナだったが、
「男か女かは教えてくれなかったわ!」
悔しそうに親指と人差し指でパッチンと鳴らしながら言いクチナに、
「転生は、ロボットなんだから……
目の前のクチナを見ながら言うと、
「だから、魂を繋げて、その子を通して、私の情報を持った子を……
「王都に行くの止めようか? その子が可哀そうだ!!」
俺の発言に、何か思い出すように考えてから、
「輝太とは、付き合うことは無くって、ただ会うだけで……
不思議そうに言うクチナに。
「会うだけ? 友達とか……
だけど、クチナと魂を繋げるなら女性だとは思うが、
「私の記憶ボックスでも……
クチナも神様との話を思い出せそうにないので、
「王都に行って、会った奴をアルテイラに調べてもらうか?
アルテイラの鑑定なら、俺に好意を持っている奴も分かると思って言った後、
「転生した後は……
「記憶を消されて、今の姿になりました」
自分をアピールするように、
両手を広げて嬉しそうに、クチナは言いました。
冷蔵庫から、チョコレートのホールケーキを出して、
テーブルに置くクチナに、
「なんで、記憶が戻ったの母さん?」
包丁をケーキに入れて、8等分にしながら、
「遥か昔に、邪悪なセント・ギアが誕生して、
対抗するために、当時最高の技工師に作られたんだけど、
相手は強制的にパートナーと融合を解除する力があって……
皿に分けて、俺の前に置くクチナは話を続けて、
「その隙を狙われて敗北したわ」
クチナの話を聞いていて、
「その邪悪が、ずっと君臨したのか?」
キッチンの棚からフォークを取りながら、
「伝説のセント・ギア【ウイング・マグナム】と相打ちで……
「ふぅん……母さんは、敗北から?」
俺にフォークを渡して、テーブル椅子に座り、
「クリスタルは無傷だったから、長い年月、地層に埋もれていて、
明美さま達に発見されて……
フォークでケーキを割きながら、
「アケミっね……
時間を戻したり、つかさ同様にダルザニアを眷属にして、べルールのように
天使化まで与えた女性で、母さんを復活させた女性でもある。
ケーキをフォークに刺して、口に入れると甘く溶ける感じで美味しいが、
「アケミって、神としてはどのくらい……
俺が言うと、瞑想が終わったアルテイラが、
「私も聞きたいですな……
そう言いながら、テーブル椅子に座り、クチナを見た後、
「ソラスさまは旅行中で、アケミさまと話をしていましたが……
俺はアルテイラを見ながら、
「本人は下級神と言ってましたが……
アルテイラが言った後、クチナを見て、
「嘘だろうな……
「輝太や召喚された勇者たちの世界で生まれたから……
首を少し傾けて言うクチナに、
「生まれたから下級神か? ソラスは?」
「中級神で、世界を創ったり、神界の会社に勤めているわね……
アルテイラは、ケーキを手で掴んで口に入れて食べ終えた後、
「甘いですな……
ひと言いってから、クチナの方を見て、
「アケミさまの眷属の方に、ソラスさまの娘を嫁がせるのは、
普通に考えて、在り得ないと思いますな……
人族の大陸のウインライム法皇国の次期法皇であったソラスの娘【ナルエ】が、
つかさの嫁になったことを嬉しそうに話すソラスを思い出して、
アルテイラの言う通り、下級神の眷属に嫁ぐのは降格を意味すると思ったので、
「クチナ! 知ってるんだろう?」
ケーキを食べて、紅茶が入ったカップを口に着けて目を閉じて飲んだ後、
目を開けてから、
「明美さまから話しても良いと許可をもらったわ……
許可をもらわないと話せない内容は、スタンドで、魔物のハゲタカの母親が
俺たちにペラペラと喋っていたが、普通は死を与えられるくらいのことを
仕出かしていたわけで、
「聞くの無しで……
「私は聞きたいですな、ソラスさまの関係を良好なものにしたいので……
アルテイラは聞きたいので聞けばいいと思い、テーブル椅子から立ち上がり、
雨が小降りのなか、ダルザニアが稽古をしている方に向かおうとすると、
クチナが俺を抱きしめて、
「離せ! うっかり話すと……
「誰も信じないわよ!……
俺を見下ろす感じで言うクチナは、
「将来、12柱の誰かと代わる12柱候補なんて、
明美さまが本来の力の解放を見た方や、幼稚園で一緒だった
友人や友人の母親たちしか信じていないわよ……
アルテイラが、俺を抱きかかえているクチナに、
「ソラスさまも……
「そうよ! 明美さまに12柱の方が猛烈に求婚してるけど、
2年後に秋人さまと結婚でしょ……
ミューブル王国に、セント・ギアを貸したのが、
確か秋人だったなと思っていると、
「それで、眷属の方を……
「そう……何時なるかは不明だけど、明美さまが12柱の
1柱になった時は、息子か娘が、側近や神界で治めている界の
頂点に立てるわ……
「12柱の奴にも断ってるのに、ソラスの娘には……
2人の会話を聞いていて、疑問に思ったので言うと、
「輝太が7歳の時に、明美さまが美里さまを眷属にしたら、美里さまの
魔素が暴走して地球を消滅させたのよ。
その再生に、ソラスさまの力を借りたから……
「それで、ツカサ殿に……
「つかさ様が気に入ればだけどね……
自分の娘だけでなく、
「だけど……ダイジ達に分けてやれって感じだな……
つかさに寄り添ってる奴らは、明美の力にも惹かれてるのかと
思うが、多すぎだと思って言うと、
「輝太! 貴方も、つかさに負けじと、100いや1000人行くわよ!!
ハーレム! ハーレム!! 私がほ……
俺はクチナが手を緩めた瞬間、背負い投げを行って、床にドッスウゥゥン……と
倒れて床にめり込んだクチナに、
「ハーレムは作らない! 母さんで十分だ!!」
王都で出会う者が、俺とどうゆう関係になるかは分からないが、
明美によって復活したクチナは、俺と一緒になるために生きてきたから、
改めて、俺はクチナに、
「恋人になって、俺の子を……
床から立ち上がって、
「つかさ様を超えないと……友達です!!」
と言うクチナに、
「ダイジだろ!!」
「フィックス・タイム」と詠唱して床が破れた前の状態に戻したクチナは、
「レベル80になったので……
「ツカサは?……
「レベル150ですよ。がんばれ男の子!!」
それを聞いて、「それは……
途方もないレベルで、魔王より遥か上で無理なので、
「帰るまでに、恋人と言わしてやる!!」
どんな手を使ってでもと思って叫ぶと、
「がんばれ! 男の子!!」
絶対言わないわよと言う感じで応援されて、俺が苦笑いをしていると、
アルテイラは俺たちを見て笑っていて、ダルザニアがリビングに入って来ると、
「何を騒いでいる?」
「クチナに、俺のことを恋人と言わせる戦いを……
「母親を恋人とは言わないだろう……
知っているのに驚いていると、
「鍛錬中にアケミからな……
魂は同じでも、もう別人だからと考えていると、
「友達でいいでしょ!!」
可愛く言うクチナに、「絶対に言わしてやる!!」
俺が叫ぶと、リビングに笑いが巻き起こった。
病院の個室の窓から、車いすに乗っている患者と看護婦が一緒に
歩いている光景やベンチに腰かけている患者を眺めながら、
「そうか……私のせいで……
ベットから上半身だけ起こして呟く杉原に、
「お前のせいじゃないって……
俺の方を向いて、
「両親を自殺に……
「俺の姉貴を暴漢しようとした時点で、救いは無かったよ……
「そう……私が召喚されて、こんな体にならなければ……
召喚された先での環境もあるからとチラッと見ながら。
「異世界のことも話したし、体は大きくなったが、直ぐ戻ってこれた……
それを聞いて、悲しむ杉原に、
「外交官への道が閉ざされたわけでもないのに、
道が閉ざされたと思い、お前に暴力を振るっていた……
「両親も望んでいたから……
「そのレールから外れたからと思って……
「遺書とかは……
「俺の恨みや憎しいが書いてあって! 社会的に抹消を……て」
「そう……
下を向いて涙を流している杉原に、
「警察も、俺の落ち度はないって言ってるから……
俺は杉原の方に振り返り、
「これからどうするんだ?」
「NPOの方が養子縁組を進めてくれて、大阪の石川さんの養女に……
「俺の方は、9月から大阪の学校で寮生活だから会えるな」
首を横に振って、
「あッ! そうか一緒の……
首を横に振って、
「此方で通うのか? 見た目が……
頬を少し膨らまして、首を横に振って、
「通信教育で! 輝太のお父様の手伝い!!」
「養子先が決まってるのに……
不思議に思っていると、
「お父様のコンビニは人手不足で、激戦区でしょ!!」
「そうだけど……
「石川さんも承諾してくれて、退院後は輝太の家に同居するわ」
一週間前に正気に戻って、明後日には退院だけど、物事が物凄く動いている
ことに驚くが、さっきまで両親のことで悲しんでいたことが嘘のように
元気に話すのを聞いて、
「同居は……見せれない物体が……
母が亡くなり、葬式が終わった5日後に、クチナが明美と共に
訪問しに来て、そのまま、クチナは居候となり、
周りには、縫いぐるみのクチナと通しているが、ずっと居れば、
ロボットで魔法を使うことなどバレてしまうし、杉原の今の姿を見たら、
確実に、アメコミコスプレを進めるはず!
それに驚いて、病院に逆戻りの可能性もあるので、
「大阪の方で……
「王都で御会いしたクチナお母さまと、コスプレしたり、お父様の
コンビニ【YOマート】で、働いたりして……
両手を合わしながら言う杉原に、
「王都って? クチナは3日前に……
俺を見てクスッと笑う杉原は、
「私の前世は、カーディオン王国の第1王女のアーシーリヴァよ!」
ミューブル王国の王都で会ったアーシーリヴァは、俺の天王剣や
クチナを欲しがるために付きまとっていたが、
クチナもアーシーリヴァの容姿を見てコスプレを勧めていたが、
俺たちと友達にもならずに亡くなって、
「転生は良いけど、王都で会う人って、母さんとは……
ビクビクしながら聞くと、
「クチナお母さまが望んでいた方は私です。
王都で、あなたと会った時に、お兄さまが王位に就いたら、
あなたの元に嫁ぎたいと思うほどの衝撃がありました……
「そんな素振もなかったし、学校でも避けられていたし……
「2年生になって、新しいクラスで、輝太とは2年生からで……
俺はベットに腰かけて、
「友達作りが始まったばかりで、女子とは話さないな……
杉原に笑みを見せてから、
「王都でも数回会ったくらいで、それも武器の話ばかりで、
武闘大会の勇者との対決で、杉原の兄貴が死んで、
激怒した杉原が、ドラゴンを召喚して……
俺の話を頷きながら聞いている杉原は、
「召喚後、力尽きて倒れる間に願ったの……
その後は聞かなくても分かる。俺の元に……
俺は杉原の顔を見ていて、
「前世の記憶は……
「教室で初めて会った時……噂も聞いていたし、知り合いから
動画サイトを教えてもらって……
「引いただろ……?」
俺の顔を見ながら、
「前世ではしていた格好もあったから、
その道に行こうかなって……
「でも、外交官に……
「両親に黙って、輝太の家に押しかけて……
悪魔のような笑みを見せながら言う杉原に、
「でも、将来の夢……
「両親が言っていただけで……
天井を見上げてから、
「夏には家出をして、輝太と関係を持って……
それを聞いて、召喚される、されないにかかわらず、あの両親と
戦う羽目になるのかと思いながら、
「持たないし、向こうでも関係はなかったし……
「分かってる! 異種族間では子は出来ないから、貴方のために
この体を作って来たわ……
巨乳を俺の腕に挟みながら上目使いで見る杉原に、こうまで言われて、
振るなど出来ないし、クチナが人の子を願うのを叶えたいから、
「19までは友達で、親父のコンビニを継いでからは、こい、つつッ……
杉原は目を閉じて軽く縦に頷き、俺は人生初めての唇を重ねた。
杉原が退院後、本州が梅雨が明けだして、関東は今月の終わりの
予想に修正されて、テレビの気象予報士は司会の人に突っ込まれて
いたが、朝の陽射しが柔らかく垂らしている道路を
クチナ、夏美と俺は、親父がコンビニを開いている幹線道路に向けて
歩きながら、すれ違う方たちに挨拶をしながら……
「よく、バレないわね……
「偽装魔法を掛けてますから、縫いぐるみと……
俺はクスッと笑ってから、
「武人は、母さんが亡くなって、学校を休んでるらしいから、
会いに行かないとな……
「私の葬式にも出なかった輝太に会うかな?……
可愛らしい格好を見せて言うクチナに、
「死ぬ前に会ったから、大丈夫さ!!」
夏美は俺に寄り添って、
「ビックリするでしょうね?」
甘える感じで言うので、
「青い狸じゃないって言うだろうな……
「武人は染まってないから言いません!! 萌絵の方です!!」
怒るクチナに、
「姉貴なら、白き竜から鳥に変形しないなんて駄目でしょうって
駄目出し言うだろうな……
「人が中に入っているのです。変形など出来ませんって……
立ち止まって力説しているクチナを見て笑っている
通行人たちを見渡した後、
ミューブル王国の王都【ブレーリト】で起こったことを
思い出しながら、通行人たちに囲まれているクチナを置いて、
寄り添う夏美と共に、再び歩き出した。
これで、テレビがあれば、もう言うことなし!
ネットばかり見ているのに……
ニュースくらいはテレビだよ!
ネットの方が早いのに……
お前が、受信料払ってるんだから見ないと損って……
食事する時だけでもね。後は、ネットに繋げてるから、大画面でアニメ祭り!!!
普通の家なら親が言うが、俺が「アニメばかり見て!」って言う……
次回
第95話 秘密です……
俺の幸運の女神は、麗しき女性を馬車と共に使わす
麗しいと言うより、ゴーレムだからな……
そうですな、逞しいですか……
おい! クチナ! なぜ、2人を投げ飛ばした!!
足に虫が付いたから……
か、か弱い女性だから虫が怖いよな……ハハァ、ァ……
ダルザニア、大丈夫ですか……?
あいつを超えるのが先だな……




