10話 直したのに……
俺は、メニューから選んだのを
スゥさんに、
「リトルラビットのシチュー、ポークのパスタ、パンと
フルーボアのスープパスタ、サラダと
白ワインで……
食後酒でリキュールを……」
と注文をして、スゥさんは、
「……時間かかりますが、良いですか?」
「馬車の準備もあるし、良いですよ」
注文の様子を見ていた恭子は
「残さず食べないといけないわよ」
クスクスと笑う恭子に、
「お前は、おふくろか!!」
俺と恭子のやり取りを見て、
クスクスと笑いながら スゥさんは恭子の方を向いて、
「キョウコちゃんは?」
スゥさんを見ながら、
「そうね……ローストポークとソーセージとリンゴ酒……
移動中の食糧で、ベーコンを6人分……」
「はい、かしこまりました。」
と言って、スゥさんは厨房に向かった。
食堂を見渡して、床に血の跡があったり、壁に大きな凹みが
あったりで……
恭子が、不思議そうに眺めていると……
「気になるか?」
と急に言われたので、その声の方に振り向くと、
キュイラスが傷つき、服もあちこち破れた、あご髭を生やした
線の細い男が立っていて、
「……ええ」
その男は、俺の隣に座って……
「俺は、バムのパーティー【インダルジ・バトル】のホォイっていうんだ」
「初めまして、キョウコと言います」
「俺は、カツトです。よろしく……」
俺と恭子を見ながら、
「ああ……わかいなぁ……何歳だい?」
「俺も恭子も15歳です」
「成人したばかりか……冒険者としては何年だい?」
「もうすぐ6年です……10歳から親と共に冒険者として……
「私は、8年になります。友人の親と一緒に冒険者をして、
十分出来るようになったので、
3年前に、私と勝人と友人たちと組んで、
冒険者をしています」
「そうか……装備も良いのを持ってるようだし、十分稼いでいるんだな」
「ええ……で、床の血の跡って? 」
ホォイは、床の血の跡を見て、別れを悲しくように……
「俺は、バムと一緒に、昨日の昼まで、ここに居たんだが、
掲示板で単独で出来そうな
依頼があって、それを完了して
帰ってきたのが、今日の昼前さぁ」
「バムさんとは一緒に行動しなかったのですか?」
「バムは、ここで王都の騎士団が、いつ来てもいいように
待っているのと……
ここのウェイトレスのスゥと……まぁな……あってな……
言葉を濁して言うので、
「別に、隠すことないですよ……してますし」
「私は、まだだけど……」
少し驚いた感じで、
「そうか……で、スゥから、さっき聞いたんだが……
スゥに、新しく手に入れた剣を見せた時に
誤って、剣を落として太ももを切った時のが
床の血の跡で、壁は、切った痛みで壁に強くぶつけたときの
凹みだそうだ」
血の跡や凹みを確認してから、
頭の中で、
「うまく改変出来てる感じね」
と言ってる間も、ホォイは、
「十分な回復してくれる魔術師もアス村に行き、
薬草や回復ポーション、残ってる魔術師では十分な回復も出来ずに、
サーベルウルフと……俺がいれば…………
ここの冒険者たちは、意気地のない者ばかりで……
バム1人で……
悔しく、後悔してる顔をして、更に、
「スゥは教えてくれた後、泣き出してしまったが、
今は無理に愛想よくしている感じで、見てて……辛いよ」
「そうだったんですか……でも、バムさんって10人も妻がいて……
とっさに、ホォイは私を睨みつけて、
「スゥには言うなよ……詳しくは言えないが、バムはスゥのことも
他の女たちと同等に見ていて、一緒になろうとは思っていたんだ!!」
スゥさんが、厨房から出来上がった料理を運んでくるのを見た
ホォイは、慌てる感じで……
右手の親指、人差し指、中指を立てて、
手首を少し曲げてポーズして……
「それじゃな、スゥに変なこと言うなよ」
玄関ロビーの方へ去っていった。
去って行くホォイさんを見ながら恭子は、
「フゥ……片付けの時に直したのに……」
苦労が水の泡っていう感じで言うので、
「改変の都合もあるから仕方がないよ」
「……そうね」
スゥさんが料理を俺たちの所に運んできて、テーブルの上に料理を並べながら
「ホォイさんと、何の話をしてたんですか?」
と、俺たちに聞くので、
「ドラゴンについての注意とか……いろいろとね」
恭子は、俺に同意を求めるように見て、
「ああぁ、いろいろなぁ……」
そのやり取りを聞いて、バムについての事だと思い、
悲しむような感じでスゥさんは、
「そうですか……
と言った後、気を取り直して、
「まだまだ料理は出てきますから
ゆっくり食べていって下さいね」
「ええ、ありがとう……スゥさん」
俺は並んだ料理を眺めて、
「よし、食うかぁぁ!!!……」
俺たちは、料理を食べ始めた……
ドンドン出てくる料理に、周りに居る冒険者や、食堂の入り口から
見ているホォイさん達は、唖然としながら見ていたが、
俺たちは気にせずに、全て完食した。
改変の都合で、王都に居たのにね……
明美がよくやるが、此処までは出来ないからな。
人と神界のシステムじゃ……
バムさんの人気も高いから、あのまま……
第11話
見ないで下さい……
街は破壊して、逃亡生活ね!
自分の世界に戻れば……
この世界に来れないわよ! 明美は気に入ってる人いるみたいだし……
それだったら、娼館で働いて身を隠すか?
私の裸を見ても良いのは、お兄さまだけ!!
勝人のバッカァァアア!!!
あら、良い雰囲気で……




