9話 あなたも……
勝人たち【アポロ】のメンバーが受付部屋に入ってきた時、
行列に並んでいる冒険者たちは、ロビーでの騒ぎで、
ドラゴンの足止めをしてくれることを聞いていたので、
先に行かせるように道を開け、受付のカウンターへと俺たちを導いた。
受付嬢は、俺たち【アポロ】のメンバーを見渡して、
俺たちが、受付カウンターに訪れたのは、
ロビーでの騒ぎから、ドラゴンの件だと確信を持って、
俺がカウンターに置いた依頼書を見た後、
「お久しぶりですね。ドラゴンの足止めをしてくれるのですか?」
「ああ、情報を聞きに来た!」
その言葉に、俺たちを囲むように居る冒険者たちは歓喜の叫びを上げた。
その叫びの中で、私は説明をし始めて、
「朝、説明しましたので……馬車を借りますか?」
「えっ!?……あっさ?」
男の子は戸惑いながら言い、後ろにいる、私の美しい妹に
似ている女の子の方を見て、
女の子は、男の子に変わってカウンターの前に出て来て、
私に……
「今、来たばかりで、説明も聞いてません!!!」
そして、
私は椅子から立ち上がり、女の子の耳もとへ口を寄せて
小声で、
「だってぇ……めんぞくさいし、
わかってるからいいでしょう! 明美ちゃん!!」
「ティーナ義姉さま……
周りの冒険者たち同士で盛り上がってるから、
聞いてる人いないからって……」
「1人で受付してるんだし、手抜きも必要よ!!」
私から離れて、勝人くん、恭子ちゃんに話をして、
恭子ちゃんは、私に、
「馬車の貸し出しを出来ますか?」
それを聞いて、明美ちゃんの方を見て、
「明美ちゃん、馬車小屋にいる係りの人に、馬車の準備を
頼んで来てください!」
明美ちゃんは、びっくりするような感じで、
「な……なんで、私がぁ!? 」
私は明美ちゃんに強く、
「私は、忙しい時間に、たったの、たったの1人で切り盛りしてるの……
手伝うのは、義妹の義務よ!」
と言い、
また、明美ちゃんが私の耳もとへ口を寄せて
「手伝う人はいないんですか、私との関係は秘密でしょ!」
「ギルドマスター、主要スタッフは、アス村に行ってるし……
秋人さんから、さっき昼食にって渡されたのを、明美ちゃんに
譲るから、手伝ってぇ!」
明美ちゃんは、渡されていた物を思い出したようで、
「お兄さまが手伝った……」
明美ちゃんは、勝人くん、恭子ちゃんに話をして、
私に向けて、強く、
「やります! ティーナさま、一生ついて行きますわ!!」
私に宣言し、簡単な打ち合わせをした後、
明美ちゃんは馬小屋に、歩いて向かった。
勝人と恭子は、準備が終わるまでに、昼食をしようと食堂に向かって行く間も
冒険者たちから「頼むぞう!」「がんばれ!」「死ぬなよ!」
「お前らに頼るしかない俺らを恨むなよ!」など言われながら愛想よくふるまって
食堂に入って行った。
食堂でも、冒険者たちが、俺たちに質問を浴びせ、質問に答えるのに
苦労をしている俺たちを助けるために……
ウェイトレスのスゥさんが、
俺たちを囲んでいる冒険者たちに……
「質問ばかりして、勝人さんたち困ってるじゃないですか。
食事も出来ずに……ドラゴンとの戦いで負けたらどうするんですか」
スゥさんを見て、
「戦いますが、一応……足止めです」
不満な顔をして、俺に、
「足止め……戦って、倒さないんですか?」
改変前のスゥさんの顔が浮かんで、
「……倒せたら倒します」
俺に、笑みを見せて、
「そうですよね、Aクラスですもの……話もここまでにして、
食事をしない方は立ち去ってください」
俺たちは、ようやく解放されて、テーブルに着くことができ、
メニューを見ながら……
「朝から何も食べらずにいたから、腹ペコ……
多めに食べようかなぁ……」
「そうね、少し多めに食べようかしら。朝から働きすぎだから」
「……確かに……酒の飲みすぎには気を付けるよ」
「迷惑をかけたときは、容赦しないから……」
笑みを見せながら怒った感じでいう恭子を見て、
「…………心得えておきます」
座ってるテーブルの右側の窓から
外の様子を見ながら……
「予定より、だいぶ変わったなぁ……」
俺は、ため息交じりに呟き……
恭子はメニューを見ながら、
「まったくね、今日だけで、すぐ帰る予定だったから……
けど、最初はオークくらいで、依頼受けてと思っていたら、
ドラゴンだし、クラス指定もないし、びっくりしたわよ! ……フフッ 」
「確かに……
話している俺たちの所にスゥさんが
「注文は決まりましたか?」と
注文を聞きに来た…………
ようやく飯が食える!
朝は、此処で食うからって……
そうだな……スゥさんの笑顔を……
勝人さん! 笑顔の後は……
ど、どうして、エリナが!!?
見て癒されたいんだって!!
きょ、恭子さん! よ、予告をぉぉぉお!!!
次回
第10話 直したのに……
会ったことの無い方と話をして……




