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ジャン・ケンスキ・スギル

戦闘って難しい

 遊戯世界、ケーンジャン。この世界には独特な決闘法がある。

 

 その決闘法を人は『じゃんけんバトル』と呼び、この世界の人々に親しまれていた。そして、この『じゃんけんバトル』を定めたのが大賢者 ジャン・ケンスキ・ナーノである。

 ...ナーノは天才だった。だが、遊ぶ事が好きだった。そこでナーノは考えた、「俺天才だから天才的な遊びが出来んじゃね?」バカと天才は紙一重とはこの事である。それからナーノはこの世界に元々あった力、『ジャン(りょく)』の研究をし、『じゃんけんバトル』を定めた。ついでに安全で楽しく遊べるようにフィールドを作った。これも彼が天才だからできた事だ。すごい。


 彼が定めた『じゃんけんバトル』の内容はこのようになっている。

・グー、チョキ、パーの3つのどれかを使い闘う。

・相手に有利な手だと威力2倍、不利な場合はその逆。

・レッツ、エンジョイ、じゃんけんバトルの掛け声で始める。

・楽しめ(命令)

 この4つの内容に沿って、『じゃんけんバトル』は行われる。


 『じゃんけんバトル』が定められてから数百年。

 ここに、この世界では珍しい黒髪の青年がいた。

 彼の名は ジャン・ケンスキ・スギルと言う。先程言った大賢者 ナーノの子孫である。彼は生まれた時からじゃんけんバトルが強く、彼の生まれた村では最強であった。

 そんな彼はじゃんけんバトル最強の座を決める『世界じゃんけん最強決定戦』に参加するために、村から出てきたところだ。この決定戦は5年に1回行われる。そしてスギルは来年開催される決定戦のために巨大都市、チョキパーグに向かっていた。


◆◇◆◇◆


「ヒャッハー!ここを通りたければ金出しなぁ!!」

 何だろう、この状況...

 俺、ジャン・ケンスキ・スギルは困っている。急にいかにも盗賊ですよって人が出てきて、俺が進んでいる街道をふさいでいるからだ。俺が今持っている金は多くはない、しかし、ただで金は渡したくない。そこで俺はある提案をした。

「お前がじゃんけんバトルで勝ったら金を渡す、俺が勝ったらここを通してくれ」

「...ハッ、いいぜ。乗ってやるぜぇ!」

 そう言って俺達は少し離れて、構えた。

「それじゃあいくぞ!レッツ!!」

「いいぜぇ!エンジョイィィ!!」

「「じゃんけんバトル!!」」

 俺達は同時に手を出した。俺が出した手は、パー。それに対して盗賊が出した手は、チョキ。俺の不利だ。そんな事を考えているうちに盗賊は右手を掲げて叫んだ。

「こい!クラブカッター!!」

 瞬間、盗賊の右手に大きな蟹の爪が現れた。俺がそれについて考える間もなく、盗賊は俺の目の前まで接近していた。

「くらいやがれぇ!!」

「くそっ、波動パー!ブルー!!」

 盗賊は爪を大きく開き、俺を挟むように攻撃してきたが、俺は咄嗟に青色の波動でそれを防いだ。爪の範囲から直ぐに離れ、俺は盗賊からある程度距離をとった。

「くらえ、波動パー!レッド!!」

「効かねぇ!!」

 出方をうかがうために赤色の波動を放つが、爪によって防がれる。やはり2分の1の差は大きいと感じる。

「(あと3つ、あと3つ出せれば!!)」

「そろそろ終わりだぁ!!クラブスラッシュ!!」

 俺が少し焦っているとき、盗賊は右手を勢いよく振り下ろし、斬撃を放った。

「うおおぉぉ!!波動パー!グリーン(プラス)イエロー!!」

 直ぐに2つの技を合体させ、斬撃を止めようとするが、段々と押されている。今は勢いを弱める事が精一杯だった。

「これは勝ったぁ!!もういっちょ、クラブスラッシュ!!」

 しかし盗賊はもう一度ダメ出しとばかりに技を放ち、勝利を確信していた。

「クッ!波動パー!!パープル!!」

 ダメ元で俺がもう1つ技を出すが、斬撃の勢いは止まらずフィールドにぶつかり砂煙が上がった。

「ヒヒッ、やったか、あ!?」

 盗賊が砂煙へと近づく。俺は直ぐに砂煙を飛び出し、技を放った。

「くらえ!!必殺!!レインボー波動(ウェーブ)!!」

「お前ええええ!!クラブロケットォォォォオ!!」 

 それに気付いた盗賊は怒りを顔に出し、必殺技だと思われる技を出した。俺の必殺技と盗賊の必殺技はぶつかり、大きな衝撃を起こした。拮抗したように見えたが俺の必殺技が盗賊の必殺技を上回った。その結果、波動は盗賊を飲み込んだ。

「なっ!?グアアアァァァァ!!!」

 少しするとフィールドが解かれ、上がっていた砂煙が風で流れていく、その場所には盗賊が仰向けで倒れていた。俺は盗賊の所へ走った。

「おいお前ぇ、俺の必殺をどうやって避けた?」

 盗賊は仰向けのまま俺に質問をした。

「あの時は、波動パー、パープルをもう1回使って自分の体を横にずらしたんだ」

 クラブスラッシュの勢いを止める事は出来ないと判断した俺は素早く技を出しクラブスラッシュを避けた。その時に少しでも迷っていたら俺は負けていただろう。

「ハッ、天才かよ...お前、名前は?」

「ジャン・ケンスキ・スギルだ。来年開催される『世界じゃんけん最強決定戦』に出ようとしている。あんたは?」

「ザン・パ・イデスだ。あれに出んのか、まあ...また会おうぜ、次は勝つ」

「ああ、次も勝ってやる」

 俺達は固く握手をし、また会ったら闘う約束をした。

 俺はイデスと分かれて、再びチョキパーグへと歩き始めた。

スギルとイデスの関係を、友情とゆ(い)うじょう。

...すいません。

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