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時かける少女  作者: 大橋むつお
78/90

78・スタートラック・18

時かける少女・78 

『スタートラック・18』         





☆………コスモス星・1


 三丁目星を出て一週間になる。コスモスに元気がなくなってきた。


「コスモス、やっぱりしばらく寝てるか?」

「コスモスさん、具合悪いんですか?」

「……寝ても無駄かもしれません」

「大丈夫や、シールド張っとくよってに」

「シールドも無駄かもしれません……」

「起きてたら確実に危ないで」

「ですよね……では失礼します」


 コスモスは、ため息一つつくと、キャビンの一つに入っていった。


「バルス、コスモスのキャビンを封鎖しとけ」

「了解……封鎖」


 ガビーン


 一階下のキャビンブロックで、重々しくキャビンを封鎖する音がした。むかし検索して知った火葬場の二重の扉をしめる音に似ていた。


「ミナホ、コスモスの変わりにシートについてくれるか」

「はい、準備はしておきました」

「次の星まではオートやさかい、特別にすることは無いと思うねんけどな」

「一応、コスモスさんのスキルとメモリーはコピーしてあります」

「いつの間に?」

「船長が、悩み始めてから……」

「見透かされてたか。ほな二日前からやな」

「いいえ、五日前から……」

「そんな前からか……」

「船長は、自覚なさっている以上に、クルーの心配してるんですよ」

「さいでっか……」

「言っておきますけど、コスモスさんが過去にやった判断や行動はとれますけど、それを超える事態には対応できないかも……」


 マーク船長は沈黙してしまった。


「どうしても寄らなきゃならない星なの?」


 沈黙を破って、ミナコが咎めるように聞いた。

「次のコスモス星で、エネルギーを補充しないと、目的地に着けねえんだよ」

 ポチが、人の言葉で喋った。

「じゃ、その目的地ってのは……?」

「分かんねんだよ。1000光年や、そこいらは飛べるけど、おいらの予感も、船長の勘も、もっと先だって言っている」

「この先、800光年は、燃料を補給する星はあらへんよってな」

「じゃ、なぜコスモスさん、閉じこめちゃうの?」

「あいつの素材はコスモス星の鉱石からでけてる。着いたら出て行って帰ってけえへんからな」

 どういう意味だろ?

「コスモス星の勢力圏に入ります」

「シールド、全周展開」


 バルスがシールドをマックスに張った。


「シールド言うのんは、外からの影響は防げるけど、中から外に出て行くのは阻止でけへんよってにな」

「見ろよ、ミナコ。コスモス星の部分拡大だ」

 ポチがアゴをしゃくった。モニターには、何百隻という宇宙船が着地しているのが分かった。中には、相当古い船もいて、半ば朽ち果てている。

「十分後周回軌道に入ります」

「よし、全パッシブ閉鎖、各自のCPUも全てのアクセスを切れ、みなこ、ハンベも落としとけ……」

「え、ハンベまで……」

「これだけの人数や、必要もないやろ」

 ハンベはハンドベルト型携帯端末で、昔のスパコンの十倍の能力がある。この時代の人間にはスマホのような必需品である。ミナコは不承不承ハンベを外した。


「コスモスの機能はスリープしてるやろな?」

「動力ごと落としています。再起動には丸一日はかかりますね」

 周回軌道に入り、ファルコン・Zの着陸に向けてのチェックが行われる。みなパッシブ閉鎖しているので、チェックはいちいち口頭で行われた。


 そして、ファルコン・Zはゆっくりと着陸態勢に入った……。



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