表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

カウント

作者: 小御門 遊

カチャ、カチャ、カチャ。


時刻は正午前。彼は今交通量調査のアルバイトをしている。


カチャ、カチャカチャ、カチャ。


目の前に人が通過するたび、カウンターを押していく。


カチャ、カチャ、カチャ。


初めの内はマジメにやっていた彼だったが、延々と繰り返される作業に飽きてきた。


カチャ、カチャカチャ、カチャ。


そしてこの作業をしているのは彼一人ではない。


カチャ、カチャ、カチャ。


彼は思う。自分一人適当に押しても問題ないだろう、と。


カチャ、カチャカチャ、カチャ。


こんなに小気味よく人が通る訳は無く、既に自分のリズムで刻んでいた。

彼はもう、ほとんど前を見ていなかった。



カチャ、カチャ。


彼女は今、交通量調査のアルバイトをしている。


カチャ、カチャ、カチャ。


彼女は責任感のある女性で、このバイトにも真面目に取り組んでいた。


カチャ、カチャカチャ、カチャ。


彼女は正確にカウンターを刻む。


カチャ、カチャ、カチャ。


違和感を感じたのいつからだろうか。いつもより人が多い気がする。


カチャ、カチャカチャ、カチャ。


カチャ、カチャ、カチャ。


カチャ、カチャ、カチャ、カチャカチャ、カチャ、カチャカチャ、カチャカチャカチャカチャカチャ、カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ――――――。


彼女は正確にカウンターを刻む。

時刻は正午過ぎ。カウントは既にゼロを廻り、いつしか通りは人で溢れかえっていた。




初短編です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ