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せっかくのお祭り…と思ったら

 

 

 紅茶詰めの作業はすべて無事終わり、今日から冬至祭りが始まる。

 

 町へ出て、あちこちで料理やお菓子を食べながら、紅茶を飲み歩こう! と思っていたのに…。

 

 

 私は風邪をひいて熱を出し、寝込んでいた。

 

「せっかくのお祭りなのに…」

 

「熱もけっこう高いですね。また無理して夜遅くまで仕事をされたんでしょう。まったく…」

 

 ナシーラが、ふぅとため息をついた。

 

 

「休めってことですよ。おとなしくしててください」

 

「なにもお祭りの日に風邪ひかなくてもいいのに…」

 

 

「姉さま、すごいね! これ」

 

 部屋にルキオが入ってきた。

 

 

「ルキオ様、エルラ様は具合が悪いのです。お静かに」

 

「ああ、ごめん、ナシーラ。でもさ、この書類見てよ。臨時雇いのルークがやってくれたんだって。

 さすがだね。彼、アスメディク家の事務仕事をしてただけあるよ。紅茶の作業はひと段落したし、しばらくルークに事務仕事を手伝ってもらおうと思うんだ」

 

 

 えっ! アスメディク家のご令息を、これ以上こき使うっていうの!?

 

 でも身分のことは内緒だし、ルクバート様は構わないみたいだし、ルキオは助かるし…。

 

 

「ルークには、聞いてみたの…? 」

 

「うん。彼もいいって言ってくれたよ。だからしばらくルークはここに滞在することになるね。本当に助かる、良かったよ」

 

 あ、そうなの…。まあ、いいか…。

 

 

 ああ、もうダメ。熱で体はだるいし頭もぼーっとする。とにかく今は寝かせて…。

 

 

 ベッドに寝たままぼんやりと窓の外を見上げると、また雪が降っている。アルフェラッツ様に紅茶は届いたかな。

 

 

 広間が騒がしい。領民のみんなが食べ物を持ち寄って、紅茶やお酒を飲んでいるんだろうな…。

 

 

 

 ***********

 

 

 

「エルラ様、エルラ様…」

 

 いつのまにか眠ってしまっていた私は、ナシーラの声で目を覚ました。

 

 熱はまだあるみたいで、意識はぼーっとしている。

 


「申し訳ありません。お休みのところ」

 

「…どうしたの…? 」

 

「実は…、王太子殿下がお越しになっているのです」

 

 

 一瞬、時がとまった。

 

 え…? 今なんて言った?

 

 

「一応、エルラ様は風邪で熱もあり、寝込んでいると申し上げたのですが、遠いところをお越しいただいたので、客間にお通しし、今、領主様が対応されています。いかがなさいますか…? 」

 

 

 ほんとに? アルフェラッツ様がいらしてるの?

 

 

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