第9話:最終決戦! 神山レイジVS山奥SEO学園のヤンキー魂
旧研究棟の最上階。
そこは普段、生徒たちが近寄らない物置のような場所だという。
LEDのランプがちらつき、コンピューターが多数並んでいる部屋の真ん中に、神山レイジが立っていた。
彼の背後の大型モニターには赤い文字で「ドメイン破壊プログラム — カウントダウン開始」と表示されている。
神山レイジ「ハッ、霧生がやられても関係ねえ。こっちのシステムが完成すれば、お前らのサイト(=学園)は ‘検索圏外’ に消し去られる運命さ」
篝ショウとレンは、息を切らしながら部屋に突入する。
仲間たちも後ろでサポートに回っているが、神山レイジが不気味に笑ってこちらを見つめる。
レン「サブディレ連合のやり方は、ニッチでさえあれば金になりゃいいって感じだったけど……ここまで卑劣な手を使う必要がどこにあるんだ?」
神山レイジ「効率こそ正義だ。学園なんて所詮は ‘公開しているサイト’ にすぎねぇ。競合を潰してトップを取る。それが最速で稼ぐコツだろうが」
篝ショウ「オレたちは地味でも ‘ユーザー本位’ に情報を提供してきた。その努力を、一瞬で潰されてたまるかよ!」
神山レイジはリモコンのボタンに指をかける。
モニターのカウントダウンが残り30秒を切る。
焦るレンだが、ここはヤンキー魂で突っ込むしかない。
二人は駆け出し、レイジを囲もうとするが——レイジの動きは素早い。
篝ショウのパンチを軽やかにいなし、レンの突進も見事にさばいてくる。
まさに経験豊富な強者の動きだ。
神山レイジ「やっぱりお前らじゃオレには勝てねぇよ。ほら、あと10秒でドメイン破壊の完成だ」
篝ショウ「くっ……!」
仲間たちの声が背後から聞こえる。
「レン! 篝! がんばれー!」
その声に鼓舞されるように、レンは最後の力を振り絞る。
レン「篝、アイツの右腕を止めてくれ! リモコンだけ押さえりゃ何とかなる!」
篝ショウ「上等だ!」
二人はアイコンタクトで息を合わせると、篝ショウが素早いステップでレイジの右腕を狙う。
レイジは迎撃しようと構えを取るが、今度はレンが下からタックルを仕掛け、バランスを崩させた。
その一瞬に、篝ショウの拳がレイジの手首を掴み、リモコンを叩き落とす。
神山レイジ「なっ……!」
リモコンが床に転げ、カウントダウンの画面がピピピとエラーを起こし始める。
レイジは慌ててリモコンを拾おうとするが、レンが間髪入れずに肩から体当たりをかまし、レイジは大きくふっとばされる。
レイジ「ぐはっ……!」
床に倒れこむレイジの目の前で、リモコンはバチバチと火花を散らしながら壊れていく。
大型モニターの赤い文字も消え、破壊プログラムが停止したことを示す。
篝ショウ「終わりだな、神山レイジ。オレたちの学園をなめんじゃねぇ」
神山レイジ「くっ……覚えてろ……!」
こうして“ドメイン破壊”は阻止され、サブディレ連合は実質的に崩壊した。
暗闇と混乱に包まれた深山SEO学園は、仲間たちの応援とレン&篝ショウの奮闘によって、ようやく平和を取り戻すのだった。