ピアス
見えないところにはまだ
ピアスが一つ二つある
痛みはとうに消えたはずなのに
血管が浮き出て
血を流そうと悶えてる
触れ合いがなくなった今
それは一層強く
あろうとする
そのうち勝手に馴染んで終わる
分からないなりに考えたさ
かいた汗の分まで
耳たぶが炎症を起こす
訳もなく
ただ痒いからという気持ちで
掻きむしる
そして軽い耳鳴り
開けた穴からくすぐられ
そのうち身体も虚を空けた
くちなしになるのかな
見えないところにはまだ
ピアスが一つ二つある
何かで埋めたいから
そんな理由だったと思う
痛みはとうに消えたはずなのに
血管が浮き出て
脈を波打たせる
血を流そうと悶えてる