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怖い
気がつくと、私は町会長にしかられていた。
そして、研一さんには弟は居なかった。
研二さんは、結衣ちゃんのお父さんの訪問を境に、本当に跡形もなく消えてしまった。
子供達は、泣き叫び、そうして、この不気味な話は、研一さんのお母さんの記憶から、不思議な展開を迎えた。
研一さんの曾祖父に、研二と言う名前の人がいたらしいと言うものだった。
それは、騒ぎを咎める人達を黙らせることが出来たが、それにしても、どことなく、変な気がした。
勝山先生の年齢と研二さんの年齢が会わない気がしたのだ。
モヤモヤする私に、町会長が笑って言った。
「まあ、あまり考えない方がいい。狐か、タネキに化かされただけなのだろうから。」
なんとも釈然としない私の恐怖は、この超会長のコメントで、わらわらと人が立ち上がったところから始まる。
50代でも…やはり、一人は怖いものなのだ。