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最期の事件

201×年は私にとって特別な日であった。先月結婚した百合華と私が新婚旅行のためにスイスに行っていた時である。私は比奈内宗助のことなど忘れて夢が丘と名付けられた場所に行く。そこでは当時では、大きいとされているハーフティンバー造りの2階に泊まり静かにひとときの安息日を得ていた。

 そのスイスの気候は私の肌に合っていた。寒く寒冷化した土地であっても、その荒野の荒冷を涼しいと感じる程だ。私は安堂百合華に手を引かれ町並み、風土に触れた。時に最大事務次官から国立のファロラ図書館へ謁見の誘いがあるため赴くこともあった。私はそこで少しばかりスイスの風俗に触れたこともあった。

 さて私も人の狂気や事件から遠く離れた土地で一ヶ月が経つ。私は幸せの絶頂期に居たと考えるている。しかしそれは一つの多額な債権から絶望のどん底へ落とされた。私は14日目の晩に自室の部屋で蝋燭を炊たその輝きで本を読んでいた。

 私はすきま風から冷たい荒風が家へ入るのを確認していた。荒ら風は目の前の窓から吹いておりその風は冷たく乾いた風に冷水の雨の匂いを運んだ。そよ風は運が悪いのなんと目の前の蝋燭の火を消したのだった。

 真人は直ぐにことの異常さに気が付いた。私は宗助の顔を思い出した。このときほど道を示してくれる男の存在が頼りになるとは思いもよらなかった。

 私は戸棚の明かりが消えたにも拘らずしたの階層に居る百合華が何も言わないことはとても違和感があった。私の心に恐怖は無かったから、壁に背を凭れ除きは見することは無かっただろう。私は銃のホルスターを抜くと一階へ続く簡素な階段を経て階段を降りた。

 真人階段から左周りに回る。一周したが銃の先を無遠慮に増える闇の鼻先へ突きつけるが、何も捉えることはなかった。真人の目が闇に慣れる頃に私の背後からシューズの柔い音が聞こえた。私は本当に運が良いことに自身の利き耳を彼のなるシューズの音に合わせて銃を向けた。

 真人の身体は階段の裏から向かって左に仰向けの状態でいた。音がなる、10メートル、5メートルと近づきとうとう、私の目の中にしっりと捉えた。

「真人、辞めてくれ」

「宗助、どうして人の家へ不法に侵入などしている」

「これに事情はある」

「お前のどこに」

「事情はどこぞの怪盗に金品を盗まれた」

「これは犯罪捜査」

「お取り込みのところ失礼」

「君の捜査はなかなかに面白かった。君が私に行き着く過程はまさに私の知的な楽しみである。しかし、こうまで私の組織を破壊されてしまうと私も生命の危機を意識せざる終えなくなる。生きていけなくなる。手に終えなくなる。たから宗助よ、これは警告だよ、君は単に一個人を追い詰めているようだがそれは違う。私の組織には君が計り知れない、知りえないほどの力が働いているのだよ」

 森下は自身の服の中から手帳を取り出した。

 手帳にはある文言が書かれてあるが私に読むことはできなかった。文字は私の読める文字と読めない文字があった。それは要約すると英語かいなかということである。

 

「6月30百年単位の予定を狂わす結果になる。その帳尻を合わすために私は9月30日に自身の計画を変更せざる終えなかった。10月14日には私の組織は壊滅できな被害を受けざる終えなかった。1月31日は計画の帳尻合わせのために資産を減らす必要にせまられた」

「君は手をひくべきだ宗助」

「ああ、ケイネス伯爵にも手を貸したな。あれは哀れだった宗助は知らないよだが、あれの前に妻が一人いてその妻の夢であるびっく万の金での生活をしたいとの要望であったためだ。君は私が利益控除のために利用したと考えているが違う。私は彼の妻に対する経緯に共感し彼の万の金だったか、それに協力し利用したのだ」

「それが君が死なない道だ」

 宗助は聞くとピシャリと背筋をただした。

「いや、話の面白さについつい見惚れてしまい大事なことものを見逃すところでしたよ」

 まじじとと森下を見る。

「私は私が死ぬのであれば公益秩序のために命を使います」

「交渉は決裂のようだな。精々あがいてくれたまえ、命に明日からきおつけて、いや、今からか。」

「そうですか」

 ゆりか

「握手を」

 森下は握手を求めたのだ、比奈内宗助に対してである。宗助は苦笑いをしたが、握手に応じた。その手は震えているようだ。私は、森下から手紙を貰っていた。

「こちらこそ」

 森下は満面の笑みを溢していた。私はその顔から笑顔が消える瞬間を恐れた。その為か二人の不法侵入する者が居るにも関わらず私は、ホルスターに手をかけられないでいた。

 しかし、だ。私は彼がホルスターに手を繋ぐかけた時に自身の使命を自覚した。天命に似た衝動に突き動かされ、私のホルスターに有る拳銃は、世界最大の犯罪者の頭部に突き当てられることになる。

「喜んで」

 若干その手は震えていた。右手には拳銃を携えていた。私もホルスターに手を繋ぐ。その時、森下は虎を睨む目の如し獰猛な猛獣の眼差しで私を睨みつけられ、私は目を反らしてしまった。「そのホルスターを抜かない方が良い」と冷酷にいい放つ。私は絶対零度の眼差しにとらえられた。

「」

 私は彼のいまいましい顔を見ながら皿に出てくるコース料理を食していた。彼もここに居る給仕たちと同様か以上に謙虚であると好きになるのだがな。

「6月30日は不幸な日だ」

 森下は薄色の雫が書かれたペンダントを開けた。ペンダントにはある一人の男性が居た。男性はある友人と会食をしている時であった。

「そうなのですか」

 そこには比奈内宗助がここ、『シャトル』で会員限定のフルコースメニューを食している時の写真であった。

「私の歴史と言うものを見たいかね」

 有れは何だったか、確かしょうもない理由で捕まった男が頭脳だけは一丁前であったので、最低限の自由と言うものを保証してやったのにまさか殺人を犯した。

「聞くことはできます」

  私は一人のウェイターに話しかけた。ウェイターは嫌がっていたがチップを貰えると言うと話に食いついて来た。であるからして私は話した。

 私はその事件を解決した宗助の手法について事細かに話した。森下は給仕のことなどきに止めなかった。彼の中には彼意外居なかった。

「六才のとき私は文字が書けなかった。12才では数学ができずに学校生活が馴染めなかった。14才の日には私は自身の英語の才能の無さに情けなさを感じ勉学へ身がおきなかった。そして今や齢80と言う年になろうとしているときに私の幸福を邪魔しようとする輩が現れようとしている。私へ厄災が来るのはいつも六年おきだ。それを解決しなければならない」

 ウェイターはしばし無言であった。自身が発明した自動支払い機に指を突っ込むと清算を済ませた。

「上半期が終わる。私も自身の責務と向き合う時期が来たかな」

 森下は自身のスマートフォンを、見る。スマートフォンに書いてある文字はどこか子供っぽく見えた。そこには佳代子、リコル、バーディの名前が書かれていた。

「ありがとうございました」

 ウェイターの規則的かつ礼儀正しい声が響いた。

「礼儀の但し子だ」

 彼はそう言うと懐から皮財布を取り出した。それはもう取り出すことはないと決めていた長財布であった。

「君、名前は」

 森下は恥ずかしいそうに言う。森下は財布から1万円を取り出した。

「轟です」

 ウェイターは頬が張り裂けそうになった。

「ふむ、キラキラネームと言うことか」

 森下は目を下げた。

「まあ、そうなりますね」

「貰えませんよ」

「なら、良い」

 彼は自身の指の爪を剥ぐようかく。

「貰わない方が気持ちよくはると感じましたので貰いませんでした。」

 彼は「ほほう」と言う。

「礼儀とは素晴らしいものだ。礼儀の所作は例え心が無くても、相手が同じ人間だと思い接してくれるからだ。そうすれば例えば例え心が無くても自身が誠実であると印象付けることができる、心の所作であるからだ。」

 ブランデーを口に含みそのまま息をした。私の舌に、辛い塩辛とは違う甘口の重い味がした。私はそれを人生の重さと勘違いしていた。しかし、本当はブランデーの味と人生観は全く関係ないのである。

「恐れいります。」

 老人は壁を窓越しから見ていた。それは授業中に窓辺を見て社会に思いを馳せる男の顔と一緒であった。顔がスリムになった気がする。

「又のご利用をお待ちしております。」

 私はそっと玄関の扉を閉めた。


 男性は民泊をしてくださった女性のもとへ行く。私は彼女にお礼を言いながら頭を下げた。女性はただ「大げさです」と言い手を差しのべた。

 彼女に民泊としては妥当である銀貨三十枚をわたした。

 女性の目はどこか気が抜けた、麻色の大雑把な髪色をした細身の女性である。女性は私が頭をあげると青いブルー色の瞳で見つめ、熟れたピンクの色をした口で私を見るのだ。

「すまない、君に頼みごとをしたい」

 彼は一枚の手紙を私に渡した。

「手紙をさっき君が三十枚銀貨を私した女性に渡してくれ。彼女に渡すときには比奈内宗助からのお詫びの手紙と言い渡ししててくれ」

「手紙の内容を見てもよろしいですか」

 真人は宗助が本当に困っている顔を見ることになった。

「いや、」

 中の封筒を見て見るとそこには一枚の手紙が入っていた。

「行って参ります兵隊長どの」

 私は敬礼をすると民泊の家まで行く。

「すみません、少しよろしいですか」

 私は彼の真似をして呼び鈴を鳴らす。受け付けをしてくれた女性であった。

「比奈内宗助からお詫びの手紙です」

 彼女が備え付けの電話に手を掛けようとした。

「比奈内?え、誰」

 手紙の中を見てみると白紙の紙が一枚入っていた。私は青ざめて彼が行く『銀杏の滝』に行った。

 水しぶきの横に手紙が置いて有り真人はそれを拾う。その手紙は厚い朱印で封が付けられていた。手紙の後ろには書体で『比奈内宗助』と書かれていた。私は絶壁の下を除くと暗やみと総じて先の見えない闇になっていた。

 宗助は森下と対峙していた。雨が降りしきる中で轟々と轟く滝の側の崖の中で彼は宗助に揉みくちゃにされながら、降りしきる滝壺の水しぶきと平行して滝壺を見る側の立場に居た。

 しかし、宗助は間もなく滝の中へ落とされる寸前で身を翻し森下の掴みかかる猛攻を阻止しようとした。森下は行方を眩ましたまま居なくなった。

 願わくばもう二度と私と私に関係している人間の近くに森下菊之介が影響していないことを切に願うばかりである。

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