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これはただの復讐の物語  作者: ぱんだうさぎさん
3/5

これはただの初戦の物語

 この森では時間の感覚が無い。


 なぜならいつも空は真っ暗、吹雪で視界も最悪だからだ。


 一応時計は持ってきているので朝か夜かはわかるが景色としては違いなど無かった。


 それでも一応昼間に進み、夜は休むという冒険者基本方針を守る事にした。


 アリスとPTを組んで1日目。


 朝7時に出発をし2時間程進んだあたりで危険な気配を複数感じた。


「アリス、何かいる。少し後ろに下がってくれ」


「わかりましたわ!」


 ひいふうみい…ざっと20匹か。


 そいつらはこの視界の悪さでもこちらの位置は把握しているようで囲むように近づいてくる。


 まぁここで生きている生物なんだから当たり前だよなぁ。


 視界の端で何かの影が飛び出して来た。


「ガゥゥゥゥゥゥゥゥグァアァ!」


 狼型の魔獣である。


 今まで戦った事のある狼型と異なるのは頭に角が2本生えているところだった。


 しかもスピードも相当速い。


 だが…。


 チン。


 飛び出して来た最初の1匹の首は胴体と永遠の別れになりました。


「…え?」


 アリスが驚いたように呟いた。


 アリスにはこの魔獣が何で真っ二つになったか見えなかったのだろう。


 だが説明をしている暇は無い。


 間髪いれず今度は4匹同時に襲いかかって来た。


 1匹はアリスの後ろからである。


 俺は地を蹴りアリス後方の一匹の首を刎ねた後もう一度地を蹴り更に加速して前3匹を葬った。


 アリスは恐らくはじめての実戦で何が起こっているのかわからない様子だったが想定内であったし泣き喚かないだけマシだった。


 あっとう間に5匹も仲間を倒された魔獣は怯んだのか攻撃が止んだ。


 これが野生動物程度ならこのまま逃げて行く展開もあり得たろうが奴らは魔獣。


 魔獣は知能が高く自分たち以外の生物を殺す事だけを目的に生きているような存在である。


 この程度は決して逃げないし諦めない。


 円陣を組みながらジリジリと迫ってきていた。


 残り15匹ならこのまま一気に…と思った瞬間、後ろから強い魔力の奔流を感じた。


「永遠なる煉獄の棘よ顕現し眼前の敵を縛り燃やし尽くせ!」


煉獄の棘(ヘルフレイムソーン)!」


 魔力が解き放たれると俺達を囲んでいた魔獣のことごとくが真っ赤に燃える棘に全身を覆われ動く事もできずに燃え尽きて行った。


「こいつは驚いたな…」


 正直な感想だった。


 多分実戦は始めてで相手は通常よりあきらかに強い魔獣。


 しかも使った魔法は上級に位置する物である。


 それを15匹同時に仕留めるなど俺の知る魔術師では一人くらいしか思い当たらなかった。


 アリスは天才なのかもしれない。


「ハァハァ、成功しましたわ。」


「ありがとう助かった。しかし実戦ははじめてだよな?」


「はいですわ。怖かったですわ…でもハルさんが守ってくださったので魔術を使う事ができましたの!」


「大したもんだ。君はきっと一流の大魔術師になれるよ」


「えへへ、褒めても何もでませんわ」


 満更でもなさそうである。


「それに先生の教えが良かったのですわ」


 先生とはおそらくジョイスの事だろう。


「それにしてもハルさんこそ凄いんですのね!あまりに速くて何をしたのかすら分かりませんでしたわ!」


 両手をたたき目をキラキラさせながらそう言った。


「それにその剣も変わった形をしていますの。」


「ああ、この剣は刀っていう種類の剣で大陸より海を越えて遥かに遠い所にある俺の故郷の武器だ」


「大陸の剣は叩き潰す、または叩っ斬るという使い方が一般的だがこの刀は斬る事に特化している。どっちが優れてるかは使い手次第としか言いようが無いが俺はこの故郷の武器が一番馴染むんだ」


「わたくしの知らない事はまだまだたくさんありますのね。これから沢山知っていきたいですわ!」


 と引き続き目をキラキラさせながらそう言った。


 なるほど、好奇心は旺盛そうである。


「若いんだからこれから沢山の物を見て聞いて学ぶといいさ」


「はいですわ!」


 こうして死の森での初めての戦いを制し俺達はまた進む事にした。


 アリスは足手まといになるだろうと想定していたがこの一戦で危なっかしい所もあるが頼もしい相棒かもしれないと思い始めていた。


 ジョイスの元に辿り着くまでの間限定ではあるだろうが…。

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