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6話「食糧危機」

遅くなってすみません。少し短めです。

「ムシャムシャ!」

「サラ、少しは行儀というのを意識してはどうです?」

「うるせぇ! ノロノロしてっとお前の肉奪うぞ!」

「あっちょっと! やめてください! 本当野蛮なんですから」

「あぁ? やるのか?」

「いいですよ。やりましょう。外へ行きましょうか」

「いいじゃねぇか」

「はぁ、」

 この通り朝からシルフィーとサラは騒がしく喧嘩ばかりしている。

 いい加減勘弁してほしいね。


「シュバルト、少しの間家事を頼むよ。」

「はい。主人様」

 シュバルトはなんか家政夫みたいになってしまった。

 俺は愛しい従魔達にご飯をあげなくてはならないからサラとシルフィーの面倒を見てられないし、家事もやってられない。


「さぁ、ご飯でしゅよ〜」

「「ハムハムッ! ムシャムシャ!」」

 はぁ〜癒される。

 宮廷魔導師だった頃はこんな気持ちなかったなぁ。

 俺が求めていたのはこれなのかもしれない。


 こんな調子で数十日が経過した。


「主人様! 大変です!」

「どうした? そんなに慌てて」

 俺がいつも通り従魔達にご飯をあげていたら血相を変えて走って来たシルフィーがいた。


「はぁ、はぁ、無いんです。」

「え? 何が無いって?」

「食糧がないんです!!!」

「え、えぇぇぇぇぇ!!」

 俺は急いで食糧庫を見に行った。


「か、空っぽだ。」

 氷魔法を応用した食糧庫の中身は数日前まで猪で埋め尽くされていた。

 なのだが、それももう跡形もなく消え去ってしまった。


「これからどうしましょう。」

 俺たちは食糧庫の前で立ち尽くした。

 小鳥の鳴き声と従魔達の遊ぶ可愛い声だけが聞こえてくる。


「ふぅ。食った食った。」

 立ち尽くしてた俺たちの横を平然とサラが通っていく。


「サラ! あなたですね!」

「あ? 何がだよ!」

「あなたのせいで食糧庫の肉が全部なくなったのですよ!? どうしてくれるんですか!?」

「あぁ、え、そ、それは…」

「サラも何かいい解決策を考えてください」

「んだよ。畑でも作ればいいじゃねぇか!」

 サラもシルフィーもそっぽを向いていた。


「「それだ!!」」

 全員が一斉に外に出た。


「今回は俺の出番だ。」

「大丈夫ですか? 主人様」

「大丈夫。任せて」

 俺のスキルは【究極魔法】なのだが、【究極魔法】の効果には全魔法適性があるらしく俺は全魔法の中級までの魔法なら使いこなせる。


「初級土魔法〈土耕(アース・プラウ)〉」

 俺は余っている土地を

 この魔法は農家専用で開発された魔法なのだが、覚えていてよかった。


「では、私は種を出しましょう。」

 シルフィーは次々と種を出した。

 畑に種を植えて、水魔法で水をやれば。


「完成だ!」

「最高の出来です! 主人様!」

「ところで、何の種を植えたんだ?」

「えっと、わかりません。」

「え? わからないのか?」

「えぇ、【種生成】は私が覚える唯一の生産スキルなのですが、スキルレベルが低すぎて何と種を生み出せるのかわからなくて。」

「そうなのか。って、スキルにレベルなんてあるのか!?」

 今まで文献にはスキルのレベルなんて言う説明は一切なかったはず。


「わからなかったのも無理はありません。スキルレベルが伝わってたのも1900年ほど前のことでしたので。」

「そうか」

 1900年前はこの世界の誕生の日と近いな。


「それより、何が育つか楽しみですね!」

「そうだね! ゆっくり待つとしよう。」

「はい。主人様」

 そこから数ヶ月と時が進んだ。


「主人様。」

「なんだ?」

「なんでしょうね。これ」

「一旦掘り上げてみるか」

「そうですね」

 俺達は畑から出ていた茎を引っこ抜いた。


「これは」

「ポテトですかね?」

 根の部分になっていたのはポテトみたいなやつだった。


「一応食べてみるか」

「そうですね。焼いてみましょうか」

「焼くだって! だったら俺に任せろ!」

「サラ、じゃあ頼むよ。」

「おうよ!」

 サラはポテトのようなやつをこんがり焼いてくれた。


「じゃぁ」

「「いただきまーす」」

 一斉に焼いたポテトみたいなやつを食べ始めた。


「「う、美味い!」」

「これはポテトそのものです!」

「あぁ、そうだな! これで今後の食糧問題は解決できそうだ!」

 それからの俺らの主食はポテトになった。

最後までお読みいただきありがとうございます!

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