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1話「極刑」

ちゃんと書きました!楽しんで読んでください!

「エルフィード……残念だが、我が、宮廷魔導師協議会は君に失望したよ。直ちに極刑と処す……」


 だだっ広い教会のど真ん中で俺は鎖に繋がり目の前にいる白髭を生やした宮廷魔導議長が俺、エルフィード=アルフレッドに宮廷魔導師の権限と死刑宣告をされた……


 俺がこうなった理由は1ヶ月前に遡る。

 俺は宮廷魔導師としての最上位、第Ⅰ階級宮廷魔導師として活躍をしていた。

 部下に慕われ、毎日最高な仕事をしていた。

 そんな中だった。

 俺に第Ⅰ階級宮廷魔導師としての依頼が降りて来た。

 上司から依頼書を貰い俺は唖然としてしまった。


「どうした? お前なら完璧にできる依頼だろ?」

「いや、しかし、王女の護衛とは……」

「何心配すんな。護衛と言っても初級ダンジョンの1階層を1周するだけだ簡単だからやってみろ」

「はぁ……」

 ため息混じりで返事をして俺は依頼を引き受けることにした。

 後日、俺は王女護衛依頼のもう1人の宮廷魔導師のエルリックと当日の打ち合わせをして当日を迎えた。


 当日

 依頼のある初級ダンジョンに依頼開始の30分前に着き、エルリックと最終確認をした。

 依頼開始時刻の5分前に荷車から降りるピンク色の派手な格好をした可憐な王女様が降りてこちらに向かってくる。

 俺とエルリックは胸に手を当て右足を少し後ろに下げ


「お待ちしておりました。王女様」

 と、言いゆっくりと頭を下げた。

 これが貴族の礼儀であり、しなかった者は万死に値すると言う。


「ご機嫌麗しゅう宮廷魔導師殿。私はメリアール=グラットルデと申します。」

 ドレスの両端を両手で持ち上げ綺麗な挨拶を交わす。

 王女の側近にはメイドが1人と体格のいいボディーガードが1人の計2人が後ろに待機していた。

 時間も時間なので俺とエルリックは王女様の両脇に立ちダンジョンへと入っていく。


 初級ダンジョンはスライムやドードーといった知能の低い魔物のみ出ることで有名だ。

 そして、なぜこのダンジョンに王女様が入るのかと言うとこの国の儀式故である。


 この国、王都グラットルデ王国は神聖暦1400年以上の歴史を持ち、神聖暦200年あたりから他国の王権を握る唯一の国であり最も栄えている城下町がある。

 そして、神聖暦900年に第14代女王の元、王女の即位を譲り受ける為の儀式を定めたのが初めだとされている。

 少し長くなったが、その儀式を行うための場を初級ダンジョンになったわけだ。

 

 少し時間が経ち初級ダンジョンの1階層の半分を回ったくらいだった。

 半分くらいになると鍾乳洞が増え、入り口が見えないほど入り組む…

 王女を挟んで俺とエルリックが前と後ろを歩いていた。

 前を歩いていた俺に突然の眠気が俺を襲いフラフラの状態になってしまった。


「ありがとうございます。お嬢様」

「えぇ、この男を追い出すためなら…」

 霞んで映る鍾乳洞にエルリックと王女様。

 そして、エルリックは王女様の服をビリビリに破く姿を見た。


「やめ……ろ……」

 最後の力を振り絞り声を出したが、俺の声はかすれたようにエルリックに届かなかった。


 目を覚ました俺は手と足を鎖で繋がれ、口に何かを詰め込まれ身動き、話すことさえできない状況にいた。

 俺が鎖を外そうと魔法を使うと何か別の魔法によって取り消された。

 首を動かし、俺は辺りを見た。

 俺が鎖で繋がれている場所は王都の王城にある地下牢の中だった。

 俺は凍える背中と手と額に冷や汗が流れる感覚が伝わってくる。

 俺の檻の周りには俺を逃さないようにと魔導師達が出入り口に4人体制で俺を見張っている。

 服も宮廷魔導師専用の制服から囚人用のボロボロの服へと変わっていた。

 俺は何をやったのだろうか……


「只今より、審議に入る。連れて行け」

 檻の奥に見える真っ直ぐな道の奥から1人の兵が来た。

 その顔は、俺を蔑み怪訝な表情をしていた。

 寝転がったまま動けなかった俺の体は監視の魔導師達により外され鎖を繋がれたまま連れて行かれた


 真っ直ぐな道を抜けた先には神々しいほどのステンドガラスが輝いていた。

 俺はその教会のど真ん中で立膝をつかされて槍が2本、クロス状に立てられた所に俺の首を無理やり乗せられた。


「これより、被告エルフィード=アルフレッドの審議を開始する!」

 そして俺は身に覚えのない質問を幾度とされた。

 どうやら俺は王女の護衛依頼中に強姦、依頼放棄を繰り返し王女は服を破られ命からがら逃げたという。

 もちろん、全ての質問に首を縦に振ることは無かった。

 俺はやってないし、今まで恋人は作らず仕事一筋でやってきたんだ。

 ここで死ぬのが怖いと俺は心の底から思っていた。

 目の前で座っている議長はチャームポイントの白髭を触り困ったような表情をした。


「エルフィード……残念だが、我が、宮廷魔導師協議会は君に失望したよ。直ちに極刑と処す……」

 こうして俺の死刑が確定されたわけだ。

 後日、俺は国民全体が見れる言わば公開処刑を実行される。


 当日

 俺は魔導師とその他兵士によって首切りの処刑台に首を置かれた。


「これより、死刑囚エルフィード=アルフレッドの極刑を行う!!」

 死刑執行人の兵士が大声を上げ国民全体に伝える。


 国民からは「クズ」だの、「クソ野郎」だの……言われて散々だが、俺が死ねば全てが終わると全ての感情を押し殺して極刑を待つ……

 ……静かだ。

 何もかもが終わると思うと世界がこんなにも静かになるとは……

 俺は死ぬ寸前、生きる事を諦めた。

 怒り、憎悪、冤罪などの全ての負の原因が押し寄せてくる。


「憎いか?」

 突然、俺の頭にどす黒い声が響いた。


「あいつらが、憎いか? 苦しめたいか?」

 あぁ、できるものならやりたいさ!

 今まで抑えられてきた感情が沸々と湧き上がってくる。

 怒り、悲しみ、憎悪、全てにおいて沸点は当に越していた。


《【究極魔法】の条件が解放されました。これより発動に移行します》


 俺が処刑台の上で暴れ始めた頃、頭に別の声の持ち主が話しかけてきた。

 その時、俺は意識を失いずっと優しい女の人の声が聞こえていた。


「……さい。起きて……さい。起きてください!」

 耳元で突然大声が響き、飛び跳ねるように目を覚ますと目の前には2人の女の子と1体の幽霊?がいた。

最後までお読みいただきありがとうございます!

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