第四幕
いきなりあらわれた男性は、少しずつ僕の方へ歩み寄ってきた。そして、僕が瞬くと同時に僕の前から消えた。
「お前は特別なのだよ」
男は僕の後ろでささやいた。僕は振り向くと同時に腕で振り払った。
「なんだよ!?」
男は振り払おうとした僕の手をいとも簡単につかむと、さっきよりさらに顔を近づけた。
「お前はもう、気づいているはずだぞ?」
男は僕の耳元のすぐそばで囁いた。
「だから、何だよ?!」
「今朝起きた出来事の事だよ。覚えていないわけはないよな」
「・・・ん、まぁ」
思い出そうとすると、変な記憶まで混ざってきた。
僕が母さんや父さん、姉さんを殺している夢だ。僕は、爪が異常なまでに伸びていて翼まで生えていた。体の色はブラックで、背も高くなっていた。僕の家は僕によって軽く粉砕された。僕は逃げまとう家族達を無惨に殺していくのだ。そして爪の間には家族の血が。
有り得ない。だって、僕は寝ていたののだ。起きたら家族が・・・
「あれ?!」
(え?なんか変じゃないか?)
「あ、あれ?!」
(僕が起きたときに、自分の部屋の真っ正面で眠ってたのはなぜ?僕の爪の間に挟まっていた赤い何かは何なの?それに鮮明に覚えているあの記憶は?)
答えは1つしかなかった。
「そう。お前は自分の母、父、姉を殺したのだよ」
そこには、僕が記憶で見た「僕」と同じ化け物が立っていた。改めて見ると、目はつり上がり耳も尖っていた。背は軽く2メートルを超していて、体中の筋肉は膨張していた。それ以外はだいたい一緒だったが、記憶で見たときよりも威圧感が圧倒的だった。
男はゆっくりと口を開いた。
「そして、お前は俺と同じ・・・ヴァンパイアなのだよ!」
中々大変です




