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第十二幕

 僕の体に始めから変化は出なかった。けど、耳を澄ませば台所の沙也加さんの包丁でトントンと何かを切っている音がはっきりと聞こえた。洗面所から台所まではかなり離れているから、聞こえるハズはないのに・・・。僕は半ヴァンパイアになったのかもしれない。

 

 「でも、まだ分かんないぞ。まだ」


 僕のただの聞き間違いかもしれないし、さっきは気が動転していたのかもしれない。確かに都合が良すぎるのはある。だけども、今はそんなことは関係ないのだ。まずは僕が半ヴァンパイアにちゃんとなれているのかを確かめないと。


 僕は頭を掻いた。どうやって確かめるかが思い浮かばないのだ。そもそも、ヴァンパイアって何だよ。僕は顔を上げて、鏡を見た。


 「どこがどうなるとヴァンパイアなんだかなぁ」


 僕はそんな事をつぶやきながら、洗面器をギュッと握った。

 

 グッ


 変な音がしたと思い、洗面器を見ると僕の指によって変形していた。

  


 「う、うそだろ?」


 手を離すとそこにはくっきりと僕の手形が残っていた。


 「も、もしかして。これが半ヴァンパイアの力?」


 体は変化しなくても、力だけは変化するってことなのか。


 「それなら・・・」


 僕は、洗面器をなおした。変形した洗面器の部分を指で元通りにしたのだ。まるで粘土のちょっと固まった物を触っているみたいだった。しかし、全然辛くはなかった。


 「光ちゃん。出来たわよ」

 「あ、はい」


 僕は素早くリビングに行き、なるべく早めにご飯をすませた。それから、沙也加さんに丁寧にお礼を言ってから家をでた。


 今の僕は半ヴァンパイアだ。「僕」が言っていたことを実現させてみよう。


 僕は頭の中に、あいつの顔を思い浮かべた。すると、あいつの居場所が頭の中に直接流れ込んできた。僕は頭を手で押さえながら、それを読み取った。


 「はぁはぁ。頭の中に情報が入ってくるのは気持ちいいものじゃないな」


 僕は一人で率直な感想を述べた。


 「でも、居場所は分かった・・・体育館だ!」

来週は旅行に行くので「ヴァンパイア・ロード」は更新できません。

すみませんが、再来週まで待っていてください。

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