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第九幕

 学校を抜け出したものの、僕はとても不安になった。


「はぁ。あんなにキレなければ良かったな」


 こんなセリフを何回ため息混じりにつぶやいたか。でも僕は今帰る訳にはいかない。


 だってそうだろ。今帰ったら、何だったんだって話だよ。僕はそんな馬鹿な事はしないさ。


(うってつけじゃないか)


 「僕」が話しかけてきた。


 なにが?

(状況だ。オレが昨日言ったじゃねぇか。今から会え、あいつになぁ)

 はぁ!

(なに驚いてんだ!!当たり前だろぉが。さっさと会ってこい)

 僕は居場所さえも知らないんだよ?

(ヴァンパイアをなめるんじゃねぇぞ。直感だ、ヴァンパイアの直感に従えぇ)

 そんな事言ったって、僕はまだヴァンパイアになったことすらない。

(うるせぇ。てめぇは分かってねぇだけだ。てめぇはもうなったことはあるんだぁ)

 む、無理だよ。

(黙ってやんねぇと叩き斬るぞぉ)

 

 僕はひたすら考えた。ヴァンパイアについて。


 ヴァンパイアとは何だ?夜の生き物。不死。超人的。黒マント。ハット。そして血。


 血?


 僕は昨日のことを思い出し始めた。

よろしくお願いします。

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