火の女神は炎を司る。
本日二つ目です。
今回は短い。
ほのぼののタグはそろそろ取らないと行けないと思った。
この辺やるつもりなかったからなぁ。
あたしは村の中で唯一治癒魔法が使えた。
みんなの特別だった。
神々にも才能が認められた。
嬉しかった。でも当然だとも思った。
あたしは選ばれたのだから!
特別なのだから!
でも、特別は私だけじゃなかった。
選ばれた者ばかりが集まる学園ではあたしは特別じゃなかった。
ただの人まで落とされた。
違う。そんなのあたしじゃない!
認めない!
あたしは他の人と違う。すぐれた才能を持っている。
持ってるはずなんだ!
それなのに。それなのに! それなのに!!
止めて! 奪わないで! その位置はあたしの位置なの!
なんなの!? なんでなの!? なんなのよあんたは!!
あんたなんか! 大したことないのに! あたしの方が凄いのに!
あたしの方が! あたしの方が!!
あんたなんか! 居なくなれば
「あーあ……。せっかく、良い感じに育ったのに~」
やんなっちゃう。
仕方ないから摘んじゃおう。
「どうしたの?」
「んー。なかなかに良い嫉妬の炎を持ってた子がいたから育てたんだけど~。小夏ちゃんに嫉妬向けちゃったから、摘んじゃったー」
「摘んだって、また姉さんに怒られるわよ?」
「いいじゃない~。命まで奪ったわけじゃないしー」
「そうだけど」
「それにあの子に誤解される方があたしは困るし~」
「それもそうね」
「なんか、思ったようにならないなぁ。あさひちゃんも全然恋愛広げてくれないしー! もっともぉーっと、かき乱しちゃえばいいのにぃー。つまんなーい」
「そうよねぇ。でも、無理じゃない? って気づいたのよね、私も。向こう側はこちらに迷惑がかからないようにって一応選考して連れて来てるみたいだし」
「えぇー!? じゃあなんのために学園作ったのぉー?」
「だからね。こちらから選んで連れてこればいいんじゃないかなって。弾かれる魂を」
「おねぇちゃんナイスー」
「ふふ、楽しみ。今度は魅力をちょっと強めでもいいかも」
「要らない魂だもんねぇー」
その日、目が覚めたら世界が違って見えた。
ああ、あたし、今まで自分のためにしか力を使って来なかった。
神様から頂いたこの力はあたしのためにあるんじゃない。みんなのために、正義のためにあるんだ。
目が覚めた。
今まであったあたしの中の感情はけして良いものではなかったのだ!
ああ! あたしは今、全てを悟ったの! あたしは間違ってた!
もっとみんなのために頑張らなきゃ。もっと正しい事に力を使わなきゃ!
もっと、もっと。あたしの力はみんなのためにあるんだから!!
「あー、やっぱり性格かわっちゃったかぁー 。ま、仕方ないね!」