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8・PM、家を貰う

「まずは飲食店をやってみたいと思います。質問や異議のある方は挙手を」


今朝方、領主と料理長が持ち掛けてきた話をみんなにする。


「はい!各地に周るのが大分遅れる気がしますが、大丈夫なんでしょうか。」


妖天が元気よく手を上げながら質問する。流石ノリがいいな。


「流石に全員は参加させる気はないので、居残り組と外出組を後で役割分担をします。」


ざわめきが起こる、みんなはどっちがいいんだろう。


「はい…どんなお店をやる予定なんでしょうか。」


キリエが控えめに手を上げながら質問する。元気はないが積極的になってくれてよかった。


「従業員の練度もまだわからないので、最初は喫茶店から始めます。料理は軽いパン料理とデザート、飲み物の提供をメインでやっていき、慣れてきたら拡大をしていきます。」


この拡大というのはお店の広さ、内容だけではなく、店舗も増やすという意味合いも含めてだ。

うまくいけば全世界規模で展開を出来るようになるといいな!

みんなは居残りと外出どっちがいいんだろう。


「「外出組がいいです。」」


みんな外に出たいのか…どうしようかな…「じゃあ俺だけ残るか…」

思わずつぶやいてしまった。


「「!?」」


「いや、先輩は残っちゃダメでしょう。竜の国への挨拶も控えてるんですから。」

「それもそうか。じゃあどうやって決めるかなぁ。」


「「ほっ…」」


「とりあえず先輩が決めていいんじゃないですか?お店開店するまではいるんでしょう?一旦決めておいて、状況次第でメンバー変更していきましょう。」


流石頼れる後輩は違うぜ。正樹の言う通り臨機応変も大事だよな。


「そうだな、一応プランは考えてある、暫定だけど俺が最適だと思う割り振りをしてみた。」


外出メンバー

知也、文香、リュン、ブラッド、金光


居残りメンバー

正樹、エリオーネ、キリエ、秦天、柏天、董天、妖天


「経営経験に詳しい元重役’sと街の事情に詳しい妖天、全体の取り纏めとして正樹にお願いしたい。」

(ちょっと先輩!元重役sを押し付けるなんてどういうことですか。)


すまない正樹、こいつらを暴走させずに纏めれそうなのはお前しか思いつかなかったのだよ。


「金光には申し訳ないが、飛行魔法で定期連絡役を頼みたい。」


「まさか知也にアッシーに使われるとわのぅ。」

「ん?すまん嫌だったか、じゃあ妖天とかわr」

「別に嫌じゃないぞ!、ただ感慨深かっただけじゃよ!」


まぁ問題ないならいいか、次は開店までの役割だ。。


仕入れ、メニュー作成

知也、キリエ、料理長、領主


「私が入ってていいのでしょうか?」

「主に仕入れ担当をしてもらおうと思う。適材適所だ、何も問題はない。頼りにしてるよ。」


俺は頭を撫でながら諭すように言う。小さくガッツポーズしながら「がんばります!」と返す姿がほほえましい。

軌道に乗るまで仕入れ先は料理長と領主に手伝ってもらおう。言い出しっぺだし。

俺はメニューとシェフ用のレシピ作成だ。


市場動向調査

正樹、妖天、董天


「よろしくお願いします。正樹様」

「知也係長の片腕と呼ばれた腕前、楽しみにしている。」

「よろしくお願いします、妖天さんに董天…部長」


市場動向は重要だ、下調べはしておいて損はない。顧客のニーズを反映して飽きられない店づくりにしないとな。


テナント設営、授業員教育

文香、エリオーネ、秦天、柏天、金光、


「学生時代のアルバイト経験を活かします~」

「一応顧客とのコミュニケーションは取ってきたから接客はできると思うわ」

「伊達に取締役勤めてないぞ。」

「主と同じで地球での会社員経験を生かすわよ。」

「接客のマニュアルと教育計画を作るのじゃ」


客との問い目に立つ重要な役割だ、計画遂行能力の高い文香と金光に任せておけば大丈夫だろう。

重鎮sは黙ってれば顔はいいから客寄せにに使わせてもらおう。当たりが酷いって?変なプロジェクト回された腹いせだよ?本当だよ?


大まかに役割決めをしたところで動きますか。

とりあえずキリエと街を散策しながら打ち合わせする。


「よし、じゃあベースとなるメニューから決めようか、仕入れについては材料がある程度決まったら料理長に相談してみよう。」


「わかりました知也様。」


クゥゥ


「ふあ!?」


キリエが慌ててお腹を押さえる。もう昼だな…メニューつくりの一環だ、何か作るか。

神様もお腹空くのか…気の遠くなる歳月をどうやって過ごしてきたんだろう。


「お腹からすごい音がしました知也様!これは何でしょうか?」


うん?いままで知らなかったっぽい…どういうことだ?後でエリオーネに聞いてみよう。


「お腹が空いたーって体がご飯を欲しがっているということだ。キリエは何か食べたいものはあるか」

「で…てきれば先日頂きましたプリンがいいです!これが空腹というものですか、お腹が鳴ったとき恥ずかしいですが、心地良い気分になってしまいました、なんだか生きてるってかんじですね。」


さっそくデザートからかぁ、なんか重たいな、色々と。ちゃんと主食も準備してあげないと。

しないと仕入れ先はまだ確立してないからな、今日は商店街で材料を買うか。


「これだけ買えば十分だろう。宿に戻って厨房を借りるか。」

「楽しみです!プリンとレアチーズケーキ以外も作れるのですね!楽しみです!」


相当楽しみなようだ、大切なことなので二回言ったんですね、わかります。

昨日の件でしっかりと胃袋をつかんだようだ。


宿に戻るとロビーにいた女性から声をかけられた。


「トモヤ様ですね、私は領主の使いです。お住いの準備が整いましたので、引き渡しの前によろしければ一度見にきていただけませんか?」


おお、もう準備できたのか、早いな。せっかくだし見に行くかな。


「早速で悪いけど厨房はつかえるかい?」

「はい、すべて万全です。」

「決まりだ。料理は新居でやろう。キリエ、すまないが食事はもう少し待てるか?」

「大丈夫です!お屋敷楽しみです!」

「少し下準備したい10分だけ待ってくれ」


パンの種を練ってからボウルに移し持って、俺とキリエと領主の使いで早速屋敷へ向かう。

到着した俺は驚愕と困惑した。


「ひ…広すぎるだろ。」


広大な庭園、しかもよく手入れが行き届いている、屋敷は二階建てだが、何坪分あるんだこれ。

メンテナンス無理だろ…庭師とか家政婦専属で雇わないといけないレベルだな…

まぁ後で考えるか。早速キッチンへ向かおう。広々とした良いキッチンだ。

ここに来るまで一時間ぐらい、種の様子はいい感じで発酵している。


よし、ガス抜きして更に30分二次発酵だ。


その間に色々準備してっと。


「キリエ、少し時間がかかるから屋敷の中を見て回るといいぞ。気に入った部屋があったら自分の部屋にしていいぞ、早い者勝ちだ。」

「わかりました、散策してきます!」


まぁ観測室とかだだっ広い部屋にいたんだ、自分の部屋って言われても喜ばないか。

俺は星一つ丸々と覗けるあの場所を思い返していた。いいよな、星が綺麗だった…ずっと眺めていたい。

さて気持ちを切り替えて準備しますか。


ひき肉ねって、パンを焼いて~っと一時間くらいして完成

今回準備したのはハンバーグサンドにフレンチトーストだ。


「知也様、今戻りました!私の部屋決まりました!」


おや?予想外に嬉しそう。後で見させてもらおう。


「よかったなキリエ、とりあえず食事の用意ができたから先に食べようか」

「はい!たのしみです!」


まぁあれから二時間近く待たせてしまったからな、お腹ペコペコだろう。


「それでは私はこれで。」

「使いの方も、つき合わせて悪かった、よければ一緒に食べないか?」

「…よろしいのですか?」

「もちろんだ、簡単なもので申し訳ないが。」

「とんでもありません。それではお言葉に甘えて頂きます。」


現地人の感想も聞きたいしな、体裁よく実験台になってもらうぜ。

俺は料理を食堂に運ぶ。


「これはどうやって食べるのでしょうか?」


2人とも困惑している。やはり見るのは初めてのようだ。

俺はサンドイッチを手に取り口に運ぶ。2人も真似して口に運ぶ。


「プリンとは対極的な味だけど美味しい!」

「!?これは、牛肉ですか?しかし柔らかいし何より口の中に広がるこの味、すごくおいしいです。」


気に入ってくれたようだ。よかった。メニューの一つは確定だ。


「トモヤ様、このお肉はどこで手に入れられたのですか?とてもこの街で売っているものとは思えないのですが。」

「いや、この街で売っていたものだ。調理法次第ではこのようになるということだ。」

「調理の仕方…ですか、門外不出のようなものですよね、このように昇華できるとは。」


門外不出って大袈裟だな。まぁ確かに肉自体の質は筋張っていて固いからな。品種改良していけばもっと美味しくできそうだ。


「不思議な匂い、昨日のプリンと少し似ています。」

「美味しかったです、つぎはこの黄色いパンですね。」


俺はナイフとフォークを準備する。さすがにこれの使い方はわかるな、昨日の会食で使っているのをみている。


「これは!?味もプリンと似ているけど優しい味、美味しいです!」

「!?これはなんですか!今まで食べたことのない味です!美味しすぎます!」


おっとハンバーグよりも好評だ。さすが甘味は正義。

プリンよりも手軽にできるしこれもメニューに入れるか。

そういえばこっちの世界に冷蔵庫に変わる物がないな。使いの人に聞いてみよう。


「物を冷やす箱ですか、聞いたことないですね。」


やはりないか、プリンもそうだがケーキや生ものの保管をどうにかしたかったのだが。

何か方法が無いものか。後で妖天に相談してみよう。

さて、食べ終わったことだし、俺も部屋を見て回るかな。その前に使いの人を見送るか。


「こんなおいしい料理まで頂いて、本当にすいません。名残惜しくなってしまいます。」

「美味しかったならそれは作った甲斐もあったというものでだ。また遊びに来た際にでも用意しよう。」

「ほ、ほんとうですか!」

「お、おう、あと悪いんだが戻るついでに宿にいる面子にこちらへ来るよう行ってくれないか。」

「お安い御用です!」


凄い喰い気味だ。また胃袋を掴んでしまった。使いのの人を見送った後、俺も部屋を見て回る。


「こっちです。知也様!私の部屋!」


キリエがうれしそうに案内する。余程気に入ったのか。

部屋に入ってみると薄いピンクの天蓋がかかったベッドに白いかわいらしい机と椅子、壁には動物の絵画がある。子供の部屋らしい。

こんな部屋もあるのか、領主が気を利かせてくれたのかな。てか一日でこれだけのクオリティ、すごいな。


「よし、じゃあ約束通りこの部屋はキリエのものだ、何か欲しいのがあったら遠慮なく言うんだぞ」

「ありがとうございます知也様!」


やはり見た目の年相応だよな、とても惑星作成してたとは思えないな、世界は広いぜ…

さて俺の部屋はどこにしようかなぁ。


部屋の数も結構あるな、今いるメンバーに一人ずつ割り振ってもかなり余りが出る。

家賃収入も考えるか?色々と考えているうちに大分時間が経っていたようだ。

考えを纏めたいが、纏めるものが紙かぁ、ノート型でもいいからPC欲しいな…

でもネットも電気もないしな…


キュイーン


うん?何か音が聞こえた気がしたが…

突然空間に画面が現れた。さっきまで纏めたいと思った事が表示されている。

俺は色々と念じてみる。どうやらPCの代用ができそうな便利な代物が現れた。


「キリエ、これは何かわかるか?」

「これはリソースウィンドウです。改変の力を使用するときに現れるものですね」


なるほど、キリエに貰った力のおかげだったのか。


「何か改変されるのですか?」

「いや、今のところメモ帳変わりだ。こんな感じで出せばみんなにも説明しやすいだろう?」


俺は画面をいくつも広げてキリエに纏めたものを見せてみる。


「確かにわかりやすいです!そのような使い方もあるのですね。」


まぁ機能的には無駄遣いだろうな。万物の力がメモ帳にしか使われないと知ったら神も発狂するだろうか。

あ、こっちの神はポンコツだから大丈夫か。ついついエリオーネが神だとか上司だとか忘れてしまう。


残りのメンバーも到着したようだし、部屋の割り振りと確認だ。


「みんな、足りないものは調達するから俺に言ってくれ。」


周りが整理整頓している間に晩御飯でも準備するか。

宿じゃなくなったから食事の準備を誰かがしないとなぁ。

毎回作るのはさすがに面倒だし、当番制にするか。


「知也様、私も手伝います!」


キリエが手伝いを申し出てくれる。

今日一日付き添っていたが、本当にいい子だ。

こっちの常識は俺もまだ分からないけど、できる範囲で色々教えて行こう。


下準備はちゃくちゃくと

段取りはだいじだよね。

当の作者の段取りは限りなく悪い。

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