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6・PM、ペットを飼う

「ぐぉぉぉ!」


竜のうめき声が聞こえる。痛いだろうなぁあれ。


「これしきの傷、何ともないわ!」


おお、回復した!翼も元通りだ。再生能力に限りがあればいいが…千日手は避けたいな。


「切りが無いですね。」

「さすがとかげだね~」


そう言いつつ容赦ない砲撃を続けるお前らが若干怖くなってきたよ俺は。

金光と妖天が俺の元に集まる。


「助かったのじゃ、すまなかった。」

「あいつの再生能力は恐らく限りが無いです。このままだとこちらの体力が奪われるだけです。」


やっぱり無限かぁ。さてどうするか、弱点でもあるのか。

なぜ魔王の周りが夜になるのか。ドラキュラかな?ちょっと試してみるか。


「正樹!空に向かって広範囲にそのビームみたいの撃ってくれ!」

「わかりました!」


空に向かってビームかぁ、爽快だろうなぁ。

お、結構凄い勢いでビームが放たれたな。暗雲が晴れて通常の日差しに戻っていくぞ。


「明るくなったところで~とりあえず撃ってみましょうか~」


文香が間髪入れずに水色のビームを打ち、竜の足を貫くも即座に回復される。

意味深に夜にするんじゃねーよ!違ってたのがちょっと恥ずかしいじゃねーか!

どうするかなぁ…また夜に戻っちゃった。

あ、スキャンしてみればよかったのか。そーれスキャンっと


名前:ブラッド(約60億)

真名:ブラッド=アシュフォード

レベル:90

職業:飛龍

力:2000


力強いな、さすが竜。あいつ苗字アシュフォードって言うのか。かっこいいな。

名前と真名が分かれてるな、真名があるということは神代の関係者なのかな?

なんかいっぱいスキルがあるなぁ、さすが年の功。


「金光、あのブラッドとかいう竜って神代に関わる者なのか?」

「よくわかったのぅ、あやつは始祖たる者での、神が用意した箱舟に乗りこの星の生誕時からいるのじゃ。ある意味次元渡航者じゃの。」


まぁ年齢もすごいもんなあ。よし、試してみるか。俺は竜の元へ駆け足で向かう。


「知也、何処へいくのじゃ!?」

「ちょっとあの竜をペットにしてくる。援護よろしく。」


向こうも警戒しているのか到着まで何もしてこなかった。援護必要なかったぜ!

竜の足元についた途端、竜が話しかけてきた。


「お前は何者だ。」

「俺は結城知也、こことは違う次元から来たものだ。まぁここと似たような星だよ。」

「単なる惑星出身者がそのような禍々しい力を持つというのか。」

「禍々しい?それを言ったらお前のほうが禍々しいだろ、勝手に夜にしやがって。」


失礼な奴だな、いきなり人の事を禍々しいといいやがって。


「お前の力に比べたら赤子の様な力よ。そうか、まだ力を理解してないのか。」

「リソース改変の力のことか?」

「その力も十分脅威ではあるが、そうではない。もっと根幹を揺るがす程の力だ」

「今のところわからんな。それよりも何しに来たんだ、街を潰すつもりならさせないぞ?」


リソース改変の力でもないのか、俺に竜を脅威とさせる程のそんな力が眠ってるの?胸が熱くなるな!


「街などどうでもい、お前の様子を見に来ただけだ。力を理解してないならここで不穏の目を摘む!」


おっと、問答無用モードになりそうだな。早めに手を打つか。


「ブラッド=アシュフォード」

「なっ!?」


その名前を呼んだ瞬間竜の体が光り、その光が俺の体へ入っていく。

竜の過去が俺の目の前を交差する。神への憎しみ、理不尽に新世界へ連れていかれた怒り。

なるほど、こいつは怒っているのか。すべてに対して。でも暴れ狂ってないだけ良いやつだな。


「ブラッド、今日から俺の下僕となれ。」

「かしこまりました、我が主よ。」


真名があると楽だな。なるべく早め早めのスキャンをすることにしよう。

後ろの金光と妖天は青ざめている。どうしたんだろう。


「知也よ、なぜそやつの真名を知っておるのじゃ。」

「なぜって、スキャンしたら普通に見れたぞ?」

「そんな!神ですらそんな権限ないのに!」


そう言う事か、まずったな、迂闊に口にするべきではなかったか?


「わしらの真名も見えるのか?」


身内でスキャンしたのは、エルマの二人とキリエとマサキと文香か。

キリエに真名あったっけ?あまり理解せず使ってるからなぁ。少しづつ整理してこ。

とりあえずちょうどいいや2人をスキャンしてみよう。


名前:金光(百億)

真名:イリア=ランドローム

レベル:90

職業:巫女

力:1800


名前:妖天(百億)

真名:スフィア=ランドローム

レベル:90

職業:巫女

力:1500


「…本当は可愛らしい名前なんだな」

「!?やはり見えるのか」


しかし年齢すごいな。

どうする、口封じに真名を言って黙らせるようにするか。


「わしらは神にすでに真名を伝え契約しておるでの、神が死なぬ限り、お主に真名を言われたところで大丈夫じゃよ。」


口封じは駄目らしい。まぁしょうがないか。

翌々考えると知られたところで特に俺に不具合ないや。


「安心せい、どのみちこんなの口にできんわい。」

「全くです。さすがにこれは私の胸の内に留めておきますよ。」


金光はともかく妖天は会ったばかりだというのに、信用しすぎじゃないですかねぇ。


「スフィア=ランドロームか、また可愛らしい名前だな。」


俺は思わず言葉に発してしまった。まぁエリオーネが主だって言ってるし大丈夫だろ。

名前の由来はやっぱり、大分前に俺がエリオーネに面白いですよって貸した文庫本の影響かな…

すごいはまってたもんなぁ。あれ?俺のせいかも?時の流れが違うから時系列わかんねぇな。


「可愛らしいだなんてそんな…えっ!?」


妖天の体が光り、その光が俺の中に入ってくる。

妖天の過去が俺の前を交差する。苦労してるな、金光への報告が生きがいか。

これが使命に生きるもの…か。

てかなんで!?大丈夫じゃなかったの!?


「妖天、いままで通りでいいぞ。」

「はい、ご主人様。」


妖天が目を瞑ると体が光りだし、消えていく。

ふぅ、エリオーネの時の経験が無かったら慌てふためいてたわ…


「知也様、事実として私の主はエリオーネ様から知也様になりました。責任…とってくださいね。」


金光が口をパクパクしている。本当にこれが元工場長なのか?可愛すぎだろマジで、神は残酷だ…どんな面してんだろうそして親の顔を見てみたい。あぁ身近にいたわ神様親子。しかし、主がいるのに上書きしちゃったの?俺がエリオーネの主になったからなのか?


「ありえぬ…神をも超える禁忌の行為じゃぞ…」

「だから禍々しいといっただろうが金光」


ブラッドが金光に諭すように呟く。さてどうする。この流れで金光もやってしまうか。俺は目を光らせながら金光を見る。


「ピッ!?」


冗談だよ、さすがにそこまで鬼畜じゃない。ピッってなんだよ可愛すぎだろう。


「とりあえず、今回の問題は解決でいいな。」

「あ、ああ、ブラッドもお主の元だと安心じゃ。」


しかし、でかいな。そして夜だな。どうにかしないと。

ようやく正樹たちがこっちに来た。


「先輩、終わったようですね。」

「疲れたよ~異世界の宿屋楽しみだよ~」

「おうお疲れー、前回のプロジェクトよりは楽だっただろ」


正樹と文香も笑いながら肯定する。他の駆り出された面子も街の中へ戻っていく。


「正樹殿に文香殿、我が名はブラッド、先ほどの攻撃はお見事でした。此度より我が主、知也様の僕となりました。以後お見知りおきを願う。」


「本当にぺ…従えたんですか先輩…ブラッドさん、こちらこそよろしくお願いします。」

「近くで見ると本当におおきいね~、よろしくね~」


特に禍根が無くてよかった。まぁこちらから一方的に攻撃してただけなんだけどね!

大きさはともかく、ずっと夜は嫌だな。農作物に影響が出ちゃいそうだ。


「ブラッド、すまないが闇夜のスキルを外すぞ。」


俺はリソース改変の力でブラッドのスキルを操作する。

周りが夜になるのはこのスキルのせいらしい。パッシブってなんだよ迷惑だな。

スキルをオフにした途端、周りが明るくなった。


「あとは大きさですね。先ほどの妖天さんの話ですと恭順すれば竜人になれるのですよね?」

「我は知也様に忠誠を誓えばこそだが、神に恭順する気はない。知也様が望めば別だが。」


チラッチラッと確認を取ろうとブラッドはこっちを見る。

こっちみんな。まぁ無理やり変えさせるつもりもないし。


「そんなときこそリソース改変の力の真骨頂さ!」


うぉ!いきなり現れんな!リュンがいきなり目の前に現れる。


「リュン、原因はつかめたのか?」


現れたのはそう言う事だろう。


「ばっちりさ!まぁともあれ、この子を小さくすればいいんだね。」

「おお、お前がやるのか、すまない任せた。」


手間が省けたといわんばかりに俺は丸投げする。

リュンが右手を高く挙げると同時に叫ぶ


「小さくなぁれ~」


気の抜ける叫び声で本当に小さくなった。しかもぬいぐるみみたいだな。

よし、これペットにしよう。あれ?どこ行った?

少し目を離したら消えた。瞬きするレベルだよ!?


「かわいいね~、どうなってるんだろ~」


先ほどまで巨大だった竜は文香に抱きかかえられるように捕まっていた。

どうやら超スピードでブラッドを攫っていったみたいだ。

異世界のスキルって恐ろしいな。そして驚くほど使いこなしているな…文香

ブラッドが助けてほしそうな目で見てくるが、もうこうなったらスルーを決め込もう。

飽きたら離してくれるよきっと。


「積もる話もあるだろうから、一旦宿屋に行こうか。」


俺は切り上げるためにみんなに伝えると、

レファが申し訳なさそうにこちらへ来た。


「申し訳ありませんが、妖天殿とどなたか有志でギルドまで来てもらえないでしょうか」


どうやら事後処理をしたいらしい。まぁブラッドが小さくなったからと言って

安心できるものかわからないし、事後報告するにも当事者がいないと纏まらないからな。

まぁしょうがないか。


「わかりました。知也様、正樹様、文香様、私で参ります。」


妖天がレファにそう告げると、レファはギルドへ戻っていった。


「まぁギルドの免許証発行してもらってないし、ちょうどいいか。金光、すまないがちょっと行ってくるからリュンと一緒に宿に行っててくれないか。」

「わかったのじゃ、ではリュン様こちらなのじゃ。」

「そんな畏まらなくていいよ金光ちゃん。」

「しかし、あなたは上位の存在…」

「知也を見習いなさい、見てあのふてぶてしさ!あれくらいやらないと疲れるだけよ?」


おい、さり気にディスんなよ。リュン相手だと気を使っても無駄だと悟っただけだ。

そういや高次元体にも真名ってあるのかな。

気を使わなくていいって言ってるようなもんだし、もう一回スキャンしてみよう。


名前:リュン(∞)

真名:リュン=サテラ=グランバニア

レベル:99

職業:使徒

力:5000


やはりスペック高いな。スキル欄が目が追い付かないほどある。

ミドルネームあるのか、おっしゃれー


「知也…さすがに突然スキャンされると恥ずかしいな」

「お、おぅ、すまない次回からちゃんと許可貰ってからやるよ」


予想外のしおらしさに罪悪感が芽生えてしまった。


「何かあったの?前回と同じだと思うけど」

「いや、俺が意識するしないでステータスの見え方が違うらしいんだ。」

「へー、権限の問題もあるから見れる見れないは出てくるだろうけど、意識の仕方でも変わってくるなんて珍しいね。何か意識してでも見たいのあったの?」


リュンが興味を示した。真名の事言ってみるか。リュンだし大丈夫だろう。


「職業と真名について調べたんだよ。」

「あー、気になるよね。真名なんてエルマでも下位に位置付く者しか見れないからね。見れなかったっしょ」


下位に位置付く者しかみれないのか、こいつは上位の存在なんだよな?


「仮に真名を言い当てた場合はどうなるんだ?例えば俺がお前の真名を言い当てた場合。」

「例えどんな上位のものでも先に契約を結んでいなければいけるよ。その例えで言うと、私は既に契約してるからね。言われても平気だよ。」


なんかフラグが立った気がする。これ行けるパターンだ。


「リュンの契約主が、リュンの契約を外すことはできるのか?」

「何何?私を下僕にしたいの?照れちゃうなー?契約を外すのはさすがにそれは~無理かなぁ。基本的には死ぬまでだよ。」


基本的には、ですか、そうですか。よし、やってみよう。


「知也、駄目じゃ!絶対ダメじゃ!」


金光が必死に俺の胸倉をつかみ揺らす。やめてくれぇ力強いんだよー。

どうやら俺がやろうとしている意図が読めたらしい。まぁ試すんだけどね。


「リュン=サテラ=グランバニア」

「へ?それ私の真名、どうして!?」


リュンが驚愕の表情を浮かべる。うん、さっきから周り驚かせてばかりだな。

金光は「何事もありませんように…」と手を合わせ呟いてる。まぁ下僕になってもならなくても変わんないって。

そうしてリュンの体が光りだす。


「う、うそ!?なんで!?」


最初はみんなそう言うんです。合掌。あ、金光が倒れた。


リュンから発した光が俺の中に入ってくる。

俺は今更ながら気づいた。こいつの年齢無限だ、大丈夫なのかな。


無限と表示されてるがあくまで無限に近いだけで際限はあったみたいだ。

その中で掻い摘んで上位者になったところだけがピックアップされた。こんなのでいいのか契約。

しかしまぁ、言動、行動とは裏腹に想像を絶する経験をしてるな、今後は少し優しくしてあげるか。


「リュン、ある程度は俺の言う事聞いてもらうが、今のままでいいぞ。」

「はい、ご主人様。」


リュンの体が光り、その光が閉じていく。

光が収まった瞬間リュンは膝をつく。


「何よこれー…知也、酷いよ…」

「すまなかった、まさか本当にできるとは思わなかったんだよ。」


そういって俺はリュンを優しくなでてあげる。


「…ん、まぁ長い人生、こう言う事もあるか!」

「そうだ、何が起こるかわからないのが人生だ」

「人…神として人を超越してるもんだと思ってたけど、やはり根本的な所は人…なんだね」


切り替えが早いところがこいつのいい所だ、早く誰か貰ってあげて!

アレクトルとかいいじゃないか、イケメンだし。正樹も今フリーだぞ


「そうやって自分は対象にはいれないの?どうせならあなたがいい。」

「俺は妻一筋だからな。」


好意を寄せてくれるのは男として嬉しいが、妻がいる身としては断るしかない。辛いところだよね!


「先輩、いい話で終わらせたつもりですか?」

「ドン引きだよ~、桃花さんに会った時に報告だからね~」


後輩2人にはごまかせなかったらしい。

どう見ても少女へ強引に首輪をつけたようなものだ。

あ、金光が目を覚ました。


「金光ちゃん、宿に行こうかー。」

「リュン様…普段通りということは、さっきのは夢じゃったか…よかったのじゃ。」


金光はまだ現実を受け止めきれないらしい。


「もう、金光ちゃんまだ他人行儀だよ。いい?もう私は知也の奴隷なのよ?他人行儀する必要ないんだからね!」


おいぃ!言葉を選べぇぇ!間違ってないけど間違ってるだろ!?

首をギリギリと曲げて金光がこちらを見る。弁解のしようも無い。俺は笑顔とサムズアップを金光に向ける。


「知也ぁぁぁ」


あ、また倒れた。人の名前を断末魔みたいにあげるなよ。


「もう知也!また倒れちゃったじゃない!」

「半分はお前のせいだからな!?」



次回、ギルドカード発行と土地取得の予定です。

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