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2・PM、さりげに強奪を図る

異世界の一歩手前まで進んだ知也一行

徐々にですが私利私欲に走り出します。

「知也さん、朝ですよ。」


ぼすっと一人分の体重が掛かる。

朝か、やけに会話の内容が具体的な夢だった。

やっぱり疲れてるなぁ。サクッと仕事を終わらせて今日も早めに寝るぞ!


「おはよう桃子、おかげでゆっくり寝れたよ。」

「まだ少しクマ残ってますね、あまり無理しないようにしてくださいね。」


朝の挨拶も手早く済ませ、準備をして早速会社へ向かう。

通勤の合間にメールの確認をしてみる。特に目立った動きは内容で安心だ。


「おはようございます。知也先輩。」


ホームを出て会社の入り口に差し掛かるときに後輩から声を掛けられる。


「おはよう正樹。昨日はサンキュな、おかげでゆっくりできたよ。」

「あれくらいは任せてもらっても大丈夫です。ゆっくりできたら良かったですよ。」


なんだかんだで心配してくれる後輩まじイケメン

上司思いの後輩を持てて俺は嬉しいよ。


「そういえば先輩が帰った後部長がプロジェクト室に来まして、深月さんと先輩とで朝一で部長室に来るよう言われたんですが、何か聞いてますか?」


部長が?まぁプロジェクトの経過報告に向かう予定だったけど、何の用だろ。

正樹も一緒ならわかるが文香までか、何か予想外のトラブルでもあったか。


「他のプロジェトリーダー達は呼ばれてないのか?」

「いえ、念のため僕も確認しましたが、3人でとの事でした。」

「わかった、ありがとう。準備ができたら呼ぶからそれまで業務続けててくれ。」


経過報告用の資料早く纏めて置いてよかった。

ついでだし、経過報告も3人で行くか。


プロジェクト室の自席に座り資料の準備に入る。

作業をしていると社内用のメッセージが立ち上がる。


『深月です。ただいま自席到着しました。部長室に行く際はお声掛けください。』


就業開始5分前、もうそんな時間か。

俺は正樹と文香に部長室前で待つよう内線を入れる


「すまないが部長に経過報告に行ってくる。何かあれば遠慮なく内線で呼び出してくれ。」


プロジェクトメンバーに伝え、自分も席を立つ。

ちなみに正樹と文香はは部署のほうの自席だ。


「おはようございますぅ、結城リーダ~」

「先ほどぶりです。リーダー」


部長室前で改めて2人から挨拶を受ける。

お前ら敬称の使い分けうまいな。俺には無理。

早速ドアをノックする。


「SR3課結城です。今回のプロジェクトの件でご報告に上がりました。」

「入っていいよー。」


気の抜けたような声が返って来たが、いつもの事なのでそのままドアを開けて入る。

部長室内の会議用スペースに既に何人か座っている。

顔ぶれがおかしい。後ろで正樹と文香が青ざめている。


「やっと来たね、重役を待たせるなんて流石にお姉さん冷や冷やしちゃうな」

「どの口がそんなことを言えるんですか、なんですかお姉さんって。どう考えてもB」

「わぁぁあストップストップ!!!先輩ストップ」


正樹が突っ込み入るのは珍しいな、いつもらしくない。

まぁ仕方がないか。


「知也さん、さすがに重役のまえでは自重したほうが~」


文香は相変わらずのんびりだなぁ。でも顔色が悪いな。


「相変わらずじゃのぉお前さんは。」

「工場長!久しぶりですね。お元気でしたか?」

「ふぉっふぉ、こんな老骨覚えておいてくれるのは嬉しいが、もっと先に挨拶するべき相手がいるじゃろ。」


わかっている。目の前にいる人たちが誰かは。


「会社を窮地に立たせておいてノコノコと手柄だけ掠め取ろうとする輩共よりも、工場長、あなたのほうが大事です。」


だって俺の受け入れ先でお願いしてるんだもん!憧れの悠々自適の工場ライフ!


「ふぉっふぉ、まったく、この方々の機嫌次第では話すら無くなるぞぃ」

「こらこら知也ちゃん、確執はこの場では持ち込まないと約束したでしょう?」

「した覚えがありませんね、俺をこの場に呼んだ理由は何です?」


疲れも取れてないせいか俺の苛立ちは急上昇してしまった。


(やべぇ、久しぶりに敵対モードの先輩になっちゃったよ深月さん)

(知也さんの重役嫌いは知ってたけどこんなにも露骨だなんて~)


おっと、後ろの二人には悪影響だな、抑えないと…


「まずは今回押し付けたプロジェクトの経過報告と、知也ちゃんに朗報です。」


(押し付けたって言いきっちゃった)

(どうしてだろう~朗報って言ってるのに全然安心感がないよ~)


話が進まないのでプロジェクトの現状を説明する。

もちろん当てつけのように、どのように軌道に乗せるかを重点的に説明する。


「ふむ、こういうやり方もあるのか」

「しかし予測値がこうも割り出せるとは、前計画もほぼその通りに進んでおるしの…」


営業や開発の両方の陣営から詰めに詰めた予測値だ、余程のことがない限り大丈夫なはずだ。

俺は両陣営を信じている。前回も前々回もこの数値で進んでいる。彼らが作り出した実績、経験は間違いないものだ。


「同じ部署、同じプロジェクトの進め方をしたつもりじゃったが、こうも差が出るとは、挙句に任せたものには逃げられる始末」

「紛うことなき彼の実績じゃし、我らの落ち度じゃ。」


重役一同が立ち上がる。


「知也係長、今までの非礼をお詫びする。」

「恥を忍んでお願い申し上げる。我らが主を助けてはくれまいか」


おぃぃ!?なんだこの展開!?主ってなんだ主って、そんなキャラだったのあんたら!?

後ろの二人も呆然としている。


「知也ちゃん、夢でも話したよね?」


その瞬間部長の姿が光り、夢で見た女性の姿になる。

そして重役は彼女に向かって跪く。


「はぁぁぁあ!?」x3


俺たちは素っ頓狂な声をあげてしまった。


「5分だけ時間下さい。」

落ち着くために後ろの二人と共にいったん部屋を出る。


「どういうことですか先輩!てかうちの会社大丈夫なんですかアレ!」

「知らねぇよ!突然すぎて俺も理解が追い付かんわ!」


正樹が俺を責め立てるよう言ってくるが分かるわけがない。


「でも~、部長(仮)が夢で説明したって言ってたよね~」


仮になっちゃった。文香の中で部長の株がなぜかダダ下がり中

異世界立て直して(ハート)なんて誰が言えるか!信じてもらえねぇよ!

とりあえず俺が出した結論は


「よーし、2人とも、業務にもどるかぁ」

現実逃避だ。よし席に帰ろう。

俺がそのまま進むと壁にぶつかったような感覚を覚えた。


「す、進めねぇ!?」

まじかよ、逃げ道塞がれた!


「何なんですかこれー」

「通れない~」


2人も進もうとするが、何かに阻まれているようだ。

仕方がないので状況だけ聞きに戻る事にする。

掻い摘んでだが2人には夢であった状況を説明する。

さっきの事象もあってか、すんなりと受け入れられた。


「おかえりなさい3人ともー」


戻るとそこにはうちの部長と4人の少女がいた。


「ちなみに元重役’sよ」


突っ込みどころが多すぎてもうどうでも良くなってきた。


「それで部長、約束ののんびりした部署は異世界のことですか?」


念のため自分のことを先に聞いておく。


「それは違うわ、ちゃんと用意してあるわよ。静岡の工場長の元にね。」


少女となった工場長を見る。してやったりの笑顔だ。これ確信犯だわ。

「騙すつもりはなかったんじゃよ。人間の生は短いからのぅ。まさか打ち明けることになるとはのぅ」

口調そのままかよ!


「彼女らを先ず紹介するわね。左から秦天(しんてん)柏天はくてん董天とうてん金光こんこうよ」


「秦天だ、社長取り締まり役をしておる。会社の状況を知り、危うんで立ち上がってくれたことを感謝する。だが隠し予算で何回でも倒産できるから安心しておくれ。知らなかったから無理かもかもしれぬがの。今いる我が社のスタッフは我が身命にかけても意地でも飢えさせぬ。」


「柏天よ、専務やってるわ。あなたのことは主から何度も聞いてるわよ。不躾なお願いかもしれないけど、主の相談に乗ってあげてほしいの。言い訳じゃないけど、決して手柄を横取りするつもりなんてなかったのよ。」


「董天と申す。企画部長を任命されている。此度は我が計画で多大な迷惑をかけた、真に申し訳ない。」


「金光じゃよ、一応主直下10人の取り纏めをやっておる。しがない地方の工場長じゃよ。お主には改めて説明する必要はなさそうじゃの。」


どこの演技団体だよ!何か、うちの部長は通天か?


「改めて自己紹介するわね。私の名前はエリオーネ。神の席に身を置くもの。なぜか自我を持ってしまったうつろわざるモノよ」


自我を持つって大変なんだなぁ、めっちゃうつろってるじゃん今

てかみんな今の名前と全然関係ないね!

あれもう一人いるよね、俺と文香は部長(仮)たち5人の後ろに隠れてる人影を見て驚愕する。


「桃子…?」

「桃子さん?」

「桃子さんって、先輩の奥さんの?」


見間違いようがない、もしかして妻も雑技団の仲間なのか!?


「ごめんね知也さん、私は事情を先週聞いてたの」

「うん?」


どうやら違うようだ、俺は一安心する。

なぜ妻へ先に説明する必要があったのか。


「知也ちゃんの寝所に夢見石を設置するためよ。」


名前のままなんだろうな、人の夢に介入してくるなんて質が悪すぎるだろう。

まぁ夢での事前説明が無かったら更に混乱してたかもな。


「拒否権もある事はわかりました。妻まで丸め込まれてるようだと余程行ってほしいみたいですが。」


5人の顔が急に引き締まる


「主が夢でも説明した通り、現在主の娘が地球の環境を作るために銀河を複数立ててるわ。」

「我々はこの星のノウハウを得るべくいろいろな処に入り込み、その技術を異世界へと導入していった」

「しかし、思うようにはいかず。ある程度世界が自律したら介入できなくなるのだ」

「しかも無限にも思えた次元空間リソースが実は有限だったんじゃよ。このままじゃと主の管理する領域すべてが無に帰すでの」


「じゃあ作るの辞めさせればいいじゃないか。」


俺は率直な疑問を投げかける。


「一度使命として出したものを取り下げることができないのよ」


神の世界の不文律らしい


「私の矜持には反するけど、リソース改変の力まで与えたわ」


うん?なんかとんでもない事言いやがったぞ。

存在そのものを改変できる力。確かにそれがあれば容易いはず。なぜ使わない。


「使い方がわからないのでは無いかと推測される。」

「いや教えればいいだけだろ!」


思わず叫んじまったい。

とりあえず、埒が明かないのでこちらから切り出す。本人と話したほうが手っ取り早そうだ。


「それじゃあ娘さんの元に案内してください。さっさと行きますよ。」


正樹と文香はどうするかな?


「お供しますよ先輩」

「乗り掛かった舟ですね~」


ついてくる気満々のようだ。すげぇ決断力。俺は妻が目の前にいるからいいけど、

正樹は彼女、文香は彼…いないからいいのか。

「ちなみに僕は先週振られましたから身軽ですよ」

「知也さん~、失礼な事考えてませんか~?」


「行き帰りなら大丈夫よ、いつでもできるようにするから」

OK大分都合のいい展開だ。まぁ曲がり何も神様か。よく世界滅びなかったな今まで。


「桃花は待っていてくれ。どうせすぐ戻るよ。」

「わかりましたわ。知也さん、みなさんもお気を付けください。」


万が一あっても対応しきれないだろうが、誰か一人残っていたほうがいいだろう。


「では部長(仮)お手数をお掛けしますが、ご案内の程よろしくおねがいいたします。」

「なんか貶されている気がしますが、まぁ良いでしょう」


エリオーネこと部長の右手が青白く光ると同時に部長室入口の隣に小振りの扉が現れる。


「ここを通ればキリエがいる次元、異世界へと通じます。まずは検閲官の部屋になりますので安心して通ってください。」


扉を潜った先は、地球が一望できる宇宙空間に佇む宇宙船のような建造物だった。


「これが異世界か、地球と似ているな。」


青い星がそこには存在していた。

よく見ると地形が地球とは違っているようにも見える。

うん、日本がないな、あとオーストラリアも。


「これが地球を模して造られた星です。名前は特にないですが。地上に降りる際はそこの魔法陣に立って降りたいと念じれば行けます。ただし戻る際はこちらの誰かがいないと戻れないので注意してください。」


エリオーネが魔法陣について説明してくれる。

便利だな、一家に一台職場に繋げば通勤超楽そうだ。交通インフラが一気に不要になるなこれ。

それよりも娘さんはどちらに?この部屋は魔法陣と、通ってきた扉しかない景色以外は殺風景な場所だ。


「キリエ、姿を見せてください。お客様がお出でです。」

「はい、お母様」


突如空間に幼い子供が現れる。10歳くらいか? 


「この世界であなたの計画を補佐する知也ちゃんです。言う事を聞くのですよ」

「わかりましたお母様。知也様、よろしくお願いします。私の事はキリエとお呼び下さい。」


礼儀正しい素直な子だ。命令に忠実という事か。てか部長、まだ受けるとは言ってないんですがねぇ。

まぁいいや、早速手を打ってみるか。こっちの世界に来てからすごく調子がいい。


「早速だけどキリエ」

「はい、知也様」

「リソース改変の力を俺にくれないか。」

「わかりました。あなたに、私の力を注ぎます…」

「キリエ、少しずつでいいからな」

「わかりました。許容量を超えないよう調整いたします。」


驚くほど素直だ。そしてやはり人の身には余るかこの力

おや部長の顔色が悪いな。


「だめです知也ちゃん!その力は人の身では耐えられない!」

「大丈夫ですよ、少しずつ慣らせば。」


工場長こと金光も慌ただしく俺の元へ寄る。

「どういうことじゃ、普通なら力に触れただけで発狂するもんじゃが」


どうやらこの世界にきて体が改変されたらしい。

それは正樹や文香にも表れているようだ。


「ものすごく頭の中がクリアになっていく感覚ですよ。想像するだけで炎が」

ボッ

「出ましたね~、私も何か出せそうかな~」

ジャー

何もないところから水が出る。


「クラスチェンジとでも言うの?人間の身で異世界へと来たから?」


神様ですよね?疑問形で聞かれても俺も初めての事なのでわかりませんよ。

人の異動は事例がなかったのかな?、いや今の異世界の環境を聞く限りだといるはずだ。

意図的に情報が上に回ってこないようになっている?十天君の誰かか。

今はとりあえず現状を調べよう。


突如頭に思い浮かぶ。そして唱える。

「リソース解析」


正樹と文香の体が白く包まれる。

情報が一気に流れてくる。身体情報から力の強さ、知力などなど。そして付加情報。

正樹に火のスキル、文香には水のスキルが付与されている。

正樹は思わずつぶやき、俺も思った事を返す。


「テンプレ?」

「言うな」


徐々に初回構想とずれていってるヤバス


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