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1・PM、正午に寝る

主人公へ異世界導入までの話

雑談多く、補足少なくでわかりづらいかもしれませんが

よろしければご覧ください。

「これで本番実装分のタスク全部完了だよ~、おつかれさまー」

「おー、おつかれ文香」

「久しぶりに酷いプロジェクトに当たったねぇ」

「全くだ、部長には今度文句言っとく」

「そろそろ針千本用意しとくよぉ」


のんびりとした声を聞きながらこのプロジェクトの過度期が過ぎたことを実感する。

最後の物騒な言葉はスルーだ。

部長だよね?俺じゃないよね?


「後は顧客の満足度次第か…、とりあえず今日は帰って寝るぞー、絶対起こすなよー」

書類整理も一段落した事を確認し、俺は帰宅の準備に勤しむ。

一週間ぶりの愛しの我が家へ!前回のボーナスで良いベッド買ってから寝るのが楽しみで仕方がない。

この疲れた体を癒してくれる存在の元へ急いで帰らねば!

そう思っていると、溜め息と共に生意気な声が聞こえてくる


「はぁ、何言ってんですかリーダー、振りですか?」

「おいやめろ、縁起でもねぇ!」

「大体あんたが休んでるときに限って障害が起きるんだからしょうがないでしょう?」

「それは違うぞ正樹、文句があるなら俺がいないときにやらかす開発部長に言ってくれ」

「あの人から何か恨みでも買ったんですか?」

「俺が聞きてぇよ…こっちの休暇スケジュールは知らないはずなんだがなぁ」

「まぁさすがに実装するものはこれ以上ないので余程が無い限り大丈夫ですよ、きっと、多分、メイビー、さぁ後は任せて休んでおいてください、来週の最終決議にはビシッと決めてもらわないといけませんからね」

「不安を煽るなよ、まぁお前らのおかげでここまで来れた。最後はばっちり決めて両手を振ってフィニッシュだ。打ち上げは盛大にするから覚悟しとけよ?」

「やっぱり振りじゃないですかヤダー」


気の合う後輩と軽口を叩き合う。

なんだかんだで色々やってくれる頼れる後輩だ。

最初はあんなに頼りなかったのに、今では俺の片腕だ。いや、いつか乗っ取られるなコレ。


なぜこんな状態になっているかというと、

今俺が携わっているプロジェクトは二年間前に発足され、実際に俺たちが従事するようになったのは半年前となる。

なぜ中途半端な期間で配属になったのかというと、敗戦処理というやつだ。

計画も失敗の色が濃厚、かつプロジェクトマネージャー(以下PM)が逃走するという事態。

このままだと数百億が無駄になるという大惨事を如何にして損害を低くしようとするのが俺の所属する部署の役目だ。

とりあえずは今回も成功と言っていいのかな。

被害も少なく、運営が軌道に乗ればすぐにでも取り戻せる額にはなった。

後は営業の仕事だ、頑張れ営業!まだ正午になったばかりだけど俺は帰る!

通勤時間一時間半の道のりが長く感じるぜ、会社の近くに引っ越そうかな社畜だし。


「おかえりなさい知也さん」


家に着くと妻が出迎えてくれる。リア充でサーセン。


「ただいま桃子。今後しばらくは定時で帰れそうだよ。」

「長かったね。いままで終電はあっても帰宅できないなんて無かったのに」

「まぁこれ以上酷いのはこの先ないよ。着替えとか差し入れとかありがとね」

「通い妻みたいで楽しかったわ。ホテルまで用意するなんてすごいね。」


安いビジネスホテルだけどね。もったいないから妻に三日程使ってもらった。

ビジネス街だから観光も何もあったもんじゃないけど、楽しかったなら何よりかな。


「とりあえず目のクマが酷いわ、湯船準備してるからお風呂入った後に寝てくださいね。」


今湯船につかるとそのまま寝そうな気がする。

しかしさっぱりして寝たい。よし、最後の気合だ。俺はさっそく風呂に入る。

鏡に映る自分の顔を見て酷い顔だと苦笑いする。


「明日は普通通り出社?」

「少し早めに出るかな、部長への報告もあるし」

「辰子さんも忙しいのね」


辰子さん?失礼ですがマイ奥様いつの間に部長の名前を呼ぶ仲になられたの?

疑問を問い質したいがあまりの眠さに後日でもいいやと思ったのが失敗だった。


「忙しい感じではあるけど表には絶対に出さないんだよなあの人、とりあえず今日は寝るよ」

「はい、おやすみなさい知也さん。」


起こしてくれるだろうけど、念のため目覚ましをセットしてベッドにダイブしてグッバイ意識

包み込みと反発をちょうど良く備えたこのベッドに勝てる人なんていない。絶対にだ。

睡魔に屈した俺はそのまま瞼を閉じた。


突然泣きそうな声が聞こえる

「けて…助けて…、このままでは、あの子が歪んでしまう。」

夢か? かなり綺麗な人が真っ黒な空間で祈りを捧げるように叫んでいる。

どこかで見たことある気がする。

それよりも歪むとは一体どういうことだろう。


「それは、あの子に与えた使命の所為」

こちらの存在に気付いた彼女は嬉しそうな顔で返答する。

どうやらこちらが疑問に思ったことに答えてくれるようだ。

どうせ夢だし、軽く相談に乗ってみますかね。


相談事を要約するとこうだ

・子供に人間に近い自我(感情)を与えたい

 →自立を促すため子供に仕事を与えたが結果が芳しくない。

 →10人の付き人を入れたが結果は変わらず。

・自身も子供とどう接していいのかわからない。

 →与えれるものは与えた。(地位?お金?そこはわからなかった)

 →言うことは聞くけど忠実すぎて命令みたいになっている。


10人も入れて変わらないってどれだけ大きな規模の仕事なんだよ


「世界を作る仕事、今アナタが過ごしている地球を模した星を作る事」


とんでもない規模だった。え、何?ビッグバン起こせちゃうの?

しかし過去をトレース出来るなら可能だろうが、エミュレートで同じ結果が出るとは到底思えないな


「その通りです。人としての種の進化までは順調ですが、それからは未知数で、毎回創造と違う動きをしますので」


人としての種をどこまでと捉えるか悩むとこだな

何を問題としているかだな


「あなたたち地球の存在を『知』とするなら、創造される世界は毎回『力』。なぜか個の力が強くなり、一定の支配体制から抜け出せない。常に狩るもの、狩られるものと二分化される」


うん、物理か情報(精神)かの違いだなキット。

今の地球がそうじゃないって見えてるなら節穴だ。

そう思っていたら彼女が驚いた顔で俺に問いかけてくる。


「驚きました。今の地球をそう見れるのですか。リア充まっしぐらなあなたに」


いきなりはっちゃけてきたなオイ

厳格な雰囲気醸し出しといてリア充って言葉でるんかい

俺の中で彼女のイメージが子育てに失敗したやさぐれたオカンに見えてきた。


「だれがやさぐれたオカンですか」


おっと声に出さなくても相手には聞かれるという理不尽さ

それよりも夢長いな、早く覚めてくれないかな


「夢じゃないですよ!私は本気で悩んでるのですよ知也ちゃん!」


しっかりと聞いてよと言わんばかりの彼女の言葉に、半ば投げやりになってきた俺は驚いた。

俺をちゃん付けで呼ぶ人間に一人しか心当たりがないため、思わず身構えてしまった。

彼女はしまった、という顔を一瞬したがすぐに無表情になる。


「個の力が強くなると、知を磨こうとする者が少なくなる。」


何事もないかのように続けやがった。夢だしまぁいいか、部長こんなに若くないし

でもきれいな人には違いないけどなぁ。

あれ?なんか怒ってる?喜んでる?感情の移り変わりが忙しい人だな。


「なぜ個の力が強くなるのか、原因が今のところ掴めないのです。」


調査の仕方が悪いのでは?というか子供に与えた仕事なのに詳しいな。

あと、それだけの力があるならこっちから技術持っていけばいいのに


「送り込んだ10人からそれぞれ情報は上がってきているのですよ。」

「何度か試してみましたが結果は芳しくなく。結局ロストテクノロジーとなってしまいます、」


すでに実践済みですか、あとは知識をもった人間の異動かな

そう思った瞬間に彼女の顔が明るくなった。


「そうなんです知也ちゃん。色々な難解プロジェクトを達成に導いたあなたなら、いい方向への糸口を掴めるんじゃないかと考えているのです。」


ん?その計画に俺も参加しろと?壮大すぎてついてけないぜ。

彼女が今まで俺がやってきた事を空中にビジョンを出す。スゲーなこれほしい。

俺のプライバシーなんてないじゃないですかヤダー。夢だけど。


「どうですか?ゆったり三食昼寝付き。桃子さんも一緒に異世界旅行なんていかがでしょう」


待ってました!これが言いたかったんです!と言わんばかりの笑顔で彼女はとんでもない事を言ってくる。

ん?今一瞬だけど俺目線じゃないイメージが映ったぞ。明晰夢とはこんな感じなのか。

とりあえず俺は鎌をかけてみることにする。


そういえば部長、このプロジェクト完遂させたらしばらく妻と地方出張でいいって約束ですよね?


「もちろん、あなた好みの所属する部署は抑えてるわよ。今まで苦労を掛けたんだもん。それくらいは朝飯前よ?」

「…」

「…あ…」


どうやら目の前のきれいな人は部長で間違いないらしい。

まぁ夢だけど。てか最初の悲壮感漂う叫びは何だったんだ。


人物紹介は別枠で作ろうと思っております。

だんだん収集がつかなくなってくるこの気持ち、やばいっすね。


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