前へ目次 次へ 5/8 証明を 「そんなに気になるならさ」 言いながら踏み出した彼は、橋の上で振り返った。 「割ってみようか?」 冗談みたいな言い方だったけど、その瞳は本気だった。 「やめ――…」 言うより早く、黒髪の少年は踏み出していた。 手の届かない先で、軽くジャンプする。 思わず目を閉じてしまった。 どん、という音。 橋はほん少し揺れた気がした。 …それだけだった。 恐る恐る目を開くと、黒髪の少年はどこにも落ちてなどいなかった。 「ほら、大丈夫でしょ?」 黒髪の少年は軽やかに着地して、そう笑った。