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安全確認
見えない傷を必死で探す横を、人が流れるように通り過ぎていく。
笑いながら歩く人。
スマートフォンを見たままの人。
走っていく子ども。
誰も足元を気にしていない。
誰も立ち止まらない。
その背中を見送るたびに、
僕の中で、別の不安が積み重なっていく。
――どうして、平気なんだろう。
――どうして、疑わないんだろう。
僕は、ずっと「確かめて」きた。
子どもの頃、
失敗しないように。
怒られないように。
嫌われないように。
正解を選んで、
空気を読んで、
期待を外さないように。
そうしていれば、
少なくとも落ちることはないと、
信じてきた。
だから今だって、
確かめずには進めなかった。
それが、安全でいるための唯一の方法だと信じて。




