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世の中甘い話には裏がある

自分の文章量が少なくて改めて作家さんの凄さが分かります。拙い作品ではありますがお付き合いしていただけると幸いです。

気が付くと、きれいな庭の泉のほとりのベンチで寝ていた。全く見覚えのない光景に焦るが、ふと、自分がトラックに撥ねられたことに気が付いた。トラックに撥ねられたのが夢だったのかとも思ったが、それだと見ず知らずの場所で寝ている説明がつかないのでここはあの世なんだと、自分は死んでしまったのだと思い知らされる。服装は制服で鞄もある。自分が事故にあったばかりとはとても思えない。


それにしても日差しがとても心地よい。


2度寝しようかなどと考えながらまどろんでいるとこちらに近付いてくる人影に気が付いた。


どうでもいい話だが僕は基本、自分の名前を呼ばれるか、相手が自分に用があると確定するまで反応しないようにしている。心当たりもない

のに反応してろくな思いをしたことがない。


御手洗一(みたらいはじめ)さん、ですね。」


という女性の声が聞こえる。ああ、自分が呼ばれたのだと振り向くと、僕は息を呑んだ。ものすっごい美人だった。展開的に女神様だろうか

とは思っていたが、まさかここまでの美人だとは思っていなかった。大きく透き通るような青色の瞳、切れ長の目、筋の通った鼻、陶磁器の

ような白い肌、サラサラの銀髪、そのどれをとっても完璧だった。


「大丈夫ですか?」


と言われ、はっと意識が戻った。女性経験のない高校生にはあまりにも刺激的だった。もはや恋愛感情を抱かせないほどの、圧倒的美人だった。


「は、はい…」


と、ただ一言、絞り出すように声を出すと女神様(仮称)はふふっと笑い、



「私は女神で名前を奈瀬那瀬乃七糶媛なせのなのせのななのせひめといいます。“ナセ”とでも呼んで下さい。御手洗(みたらい)さんに話したいことがあるのでついてきてもらってもいいですか?」


と、話してきた。勿論ついていくけども………

このシチュエーションで!日本の神様かよ!てか、”な”が多いよこの女神様!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こうして目的もわからないままこのななな系女神についていった僕なのだが、そこはさっきの庭の直ぐ側の建物の一室、広い会議室のような

場所だった。



手前の席に案内され、僕が座るとなな神様は机を挟んで向かい側に座った。緊張するのでできればもう少し遠いところに座ってほしかった。

まあ、こちらがどうこう言えた立場ではないし恐れ多くて言えたもんじゃ無い。



「突然ですが、異世界転生しませんか?」


王道展開キター!女神様にこれを言われるというシュミレーションを何回してきたことか。

ただ、ここで『はい、したいです!』と即答するほど僕は馬鹿ではない。この世の中(あの世だけれども)、甘い話には必ず裏があるのだ。


慎重に、どんな場所なのか聞いてから決めたいものだ。



「それは、ありますけど……。どんな異世界かにもよりますかね。」


ロクに話も聞かずに連れて行かれた先が思い描いていた異世界と違うなんてありがちな展開ではないか。最悪のパターンは丸腰でモンスター退治か悪役令嬢だ。


このような思惑を知ってか知らずしてか、なな神様は詳しく説明してくれた。


「わたしたちは地球と天国の魂の総数が多くなってきているので、死んだ人の魂を魂が少ない世界へと送るようにしています。

その世界はモンスターが蔓延っており出生率が低いので、モンスターが大量発生している元凶となっている魔王を倒して、人の住みやすい世

界にしてほしいのです。」


とのことだ。なるほど、よくありそうな話ではないか。神様は世界に干渉しないルールなので魔王を倒すことも、その世界の人に力を貸すの

も駄目らしい。


まあ、これを聞くと納得できた。なかなか面白そうではないか。しかも、異世界に転生するにあたりスキルも一つ貰えるようだ。更に、転生

者のためにスキルウィンドウも用意しているらしい。


予め用意しているということは転生者が一定数いるということでは……、とは思ったが世の中俺Tueeeeeeeなんてそうそう無いのだ。先駆者

がいて安心とでも思うことにした。



「それでどうです?異世界転生しませんか?」



なな神様が聞いてくる。



「はい、行きます。よろしくお願いします。」



行かないわけがなかった。

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