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10月28日

初投稿です。色々至らないところもあるかと思いますがよろしくお願いします。



その日は、冬の訪れを感じる少し肌寒い日だった。特に何の変哲もない一日。そう思っていた。




僕、御手洗一(みたらいはじめ)は17歳。ゲームや漫画が好きな高校2年生。生物部所属、彼女ナシ。どこにでもいるような男子高校生だ。



その日は、部活もなく、学校で勉強する気にもならなかったので4時半頃に学校を出た。電車通学をしているので学校から駅まで歩かなくてはならない。日の入りもだいぶ早くなったなあなんて思いながら黙々と歩く。



ここで弁明しておきたいのだが、僕は決して一緒に帰る友達がいないわけではない。特に活動理念があるわけでもなく駄弁っているだけの部

活のメンバー田口、武野、一ノ瀬。クラスの友達数人。まあ、一般には少ないと思われる人数だろうが、高校生活を送るのには十分だ。みん

な、何かしらの用事があって一緒に帰れなかった。まあ、これから起こることを考えると、一緒に帰らなくて良かったとも思う。



終礼後すぐに学校を出たので、同じ高校の人を見ることもなく駅前の信号機についた。この信号は車通りが大きい広い道なのでなかなか青に

ならない。駅前で人通りも多いので、歩道橋でもつければいいのにと通るたびに思う。ぼーっと駅の方向を見ていると、信号機の向こう側で

僕と同じように青になるのを待っている会社帰りであろうスーツ姿のお兄さんが何か叫んでいる事に気がついた。何やら慌てた様子で大きな

ジェスチャーで必死に何かを訴えかけている。



「 ヨ ケ ロ ! 」 ー ?



その直後、右半身に何かとてつもない衝撃を感じ、思いっきり左に吹っ飛ばされる。



ああ、トラックがぶつかったんだな、なんて妙に冷静な頭で考える。死ぬということが直感で分かった。ぶつかったのに痛くない。怖いより、諦めや後悔が浮かぶ。なんだか不思議な気分だ。家族は泣くだろうか。友達は泣くのだろうか。そんな事を考えながら、頭に次々と親しい人の顔が浮かんでは消える。



僕は数秒間宙を舞い、そのまま地面に叩きつけられ、そして…


  

             

                   ー意識が途絶えた



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



その日の夜のニュースは下校中の高校生がよそ見運転で突っ込んだトラックに衝突し死亡したニュースでもちきりだった。


国内の多くの人が彼の死を悼んだ。


こうして、彼、御手洗一(みたらいはじめ)は死んだのだ。


本日19時に更新します。

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