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4-1話 熟女好き令息 ロペス伯爵登場



「辺境伯様の言われたとおり、子爵令息様は素晴らしい方で安心いたしました」


 3年生になって早々、辺境伯家の屋敷でお見合い中です。


 辺境伯の孫娘をロリコンから守ったことから、辺境伯の派閥の子爵令息を紹介して頂きました。


「フラン嬢はお美しく、私にはもったいないくらいです」


 紹介された子爵令息は、年上でもあり、女性の扱いに慣れているようです。


「王宮でお働きになっているなんて、優秀なんですね」

 一番の有望株と聞いています。


「フラン嬢は、成績優秀だと聞いております」


 う〜ん、可もなく不可もない印象です。

 恋愛の始まりって、こんな感じなのでしょうか。


 私に魅力が足りないのかな?


   ・・・


 そういえば、従者の女の子から言われた情報を思い出します。


「フラン様、お見合い相手の子爵令息様ですが・・・」


 従者見習いの女の子が、珍しく言いよどんでいました。


「噂では、悪い女官に魅了されているようです」


「その悪い女官は、普段はおとなしい印象なのですが、狙った令息には妖艶な美魔女となって確実に落としているようです」


 女の子の情報は、内部の方から得ており、信頼性があります。


   ・・・


「これは、辺境伯様には言わないで欲しいのだが」

 子爵令息が小声になります。


「私は、包容力のある豊満な女性から言い寄られているので、お見合いの返答は、少し待って頂きたい」


 なるほど、自分は熟女好きで、熟女の恋人がいるって事ですね。


「はい、時間をかけて考えるのは良いことだと思います」


 家族が欲しいと、お見合いしましたが、ダメですね、今回も。



   ◇



「フラン嬢、申し訳ない」


 辺境伯家の屋敷で、孫娘とのお茶会中に、辺境伯がいらっしゃいました。


「先日のお見合いは、無かったことにして頂きたい」

 辺境伯が頭を下げます。


「お見合いですから、私に至らない所があったのかと思います」


「いや、子爵令息が浮気をした」


 子爵令息は、王宮で女官と浮気していることが、判ったそうです。


「そのお相手は良いお方なのでしょうか」


 女官を心配するフリをして、情報を引き出します。


「いや、あれは対立しているロペス伯爵の刺客だ」

 大物の名前が出てきました。


「有望な文官を、次々と落としている」

 貴族社会は、裏で足を引っ張り合っています。


「しばらくは泳がして、証拠を集める」

 面白いことになりそうです。



   ◇



 また、朝から教室が騒がしいです。


「フラン様、セレーナ様がロペス伯爵家の養女になるみたいです」


 女の子は、困った顔をしていますが、内心は楽しそうです。


「その伯爵家は、辺境伯様と対立している派閥の筆頭ですね」


 貴族には派閥があります。


 辺境伯家は、第一王子の後ろ盾であり、保守派の筆頭です。


 対立しているロペス伯爵家は、第二王子の後ろ盾であり、革新派の筆頭です。


 と言うことは、第二王子と美人令嬢ことセレーナ様を結婚させる計画ですね。


 実のところ、この王国では、第二王子は聖女と結婚する予言があるので、お相手として聖女見習いの私の名前も上がっていたんですよね。



 第一王子との恋のライバルが消えて、嬉しいです。



「大丈夫、フラン? 顔が暗いよ」

 美乳令嬢が、私を心配して声をかけてくれました。


「ありがとう、私、どうしたのかしら」

 気持ちが沈んでいます。


 あ、第二王子が教室に入りました。

 美乳令嬢は、自分の席に戻ります。


 一瞬、教室が静かになりましたが、すぐに元に戻りました。



 彼の席は、私の隣です。


「おはよう、フラン」

「おはようございます」


 何事もなかったように、一日が始まります。




(次回予告)

 第二王子の動向が気になるフラン。次回は、辺境伯との話し合い。


 ティファニーは、聖女の道を歩むのか?

 辺境伯は、フランの過去を知っているのか?



お読みいただきありがとうございました。


よろしければ、下にある☆☆☆☆☆から、作品を評価して頂ければ幸いです。


面白かったら星5つ、もう少し頑張れでしたら星1つなど、正直に感じた気持ちを聞かせて頂ければ、とても嬉しいです。


ありがとうございました、読者様のご多幸を祈願いたします。


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