表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

低級召喚と突然の来訪者

一応、入り口付近の雪をどかし終えた俺は、とりあえず、やり切った気分になった。


これは体がもう疲れたということか、ひと段落着いたからなのか、どっちなのだ。


さっき言っていた話に戻すと、低級召喚ができないということだが、もしかしたら、こんな雪とダンジョンの岩ばかりでもできるのではないか。


だってそれくらいしか、材料がない。スケルトンとかだったら、人の死体とかが必要だろうが安易に使える代物じゃない。


というか、人間使ってスケルトンだったらなんか割合取れなくない?それこそ、上位種族みたいなやつを出すために運任せだとか。やだな。


幸い、雪と岩なら、コスパはいいし、失敗したとしても、dp次第でやり直せるな。


八代は、自分の目の前に、それこそ、雪だるまのような形の雪と、少し大きめの漬物石くらいの丸い石をいくつか用意した。


そして、低級召喚を唱える。すると、雪と石を囲むように光が現れ、どんどん輝いてゆく。


そのまぶしさに、八代は目をつむるが、その光が収まった後には、なにやら丸い図体を持つ、見た目は氷のように透き通る石で作られている何かが発現していた。


やはり、モンスターだからか、間接は外れているようにも見える。というかほぼ腕は胴体から離れて横に浮いてる。


八代は、試しにそいつに触れてみる。さすがに、自分が生み出したから襲われることはないと思って。


すると、その丸い図体に一つの丸い赤いライトのような物が浮かんだ。まるで信号機の赤色のようだ。


それは、どうやら、その魔物?の意思の表れのようで、今はもぞもぞと体を動かそうとして、遅い動きを何度か繰り返している。


これはもう成功といえよう。その性能はまだ鑑定していないが、マップでどうやら味方扱いの緑色のアイコンとして存在している。


八代は早速鑑定をしてみることにした。





ステータス

アイスゴーレム(希少種) レベル1

体 200

攻 300

守 250

運 10


スキル 引き寄せ 

特性 スノーボールボディー 鈍足 




なんか希少種なんだけど、確かに見た目がシュールだな。丸くて、俺のイメージだと、もっと角ばった体をしていると思った。


次に引き寄せというスキル。どうやら普通のスキルのようだ。固有スキルとは効果や希少なことで分かれているんだとか。


でもこれは使える。引き寄せは、ある条件のタゲ取りのようだ。それというのも、こいつより小さい敵であれば引き付けることができるらしい。


で、こいつは見たところ、3メートルくらいはある。このままでは、入り口すら通れないが、広くて高い洞窟の中でなら活躍してくれそうだ。


その次に、特性ときた。ダンジョンマスターの俺にはなかったものだ。実質人間だからな。


スノーボールボディーは、寒さと滑りやすさから、耐寒と対物理といった感じだ。しかし、弱点もあり、高温の炎、場所にはめっぽう弱いらしい。


で、次の鈍足なんだが、明らかに普通のデメリット。足が遅い。ただそれだけ。だから、遠征とかには向かないということだな。


ステータスは、俺より高くて悪くないが、この戦力だと囲まれて死ぬオチが見える。


やることとしては、これで終わりなんだが、とりあえず、こいつがどんなものなのか試してみる必要がある。


八代は、ダンジョンにある岩を持ってきて、アイスゴーレムに、攻撃を命じる。



すると、アイスゴーレムは、その丸い球体に似合わぬとってつけたような腕を振り上げて、岩の上から落とした。


すると、岩にひびが入り、普通に割れた。これなら人間の頭蓋骨くらいどうってことないな。


凄まじい攻撃を披露したアイスゴーレムだが、次は鈍足の効果はいかにと、洞窟の奥のほうまで歩けと命令した。


すると、律儀にまっすぐに洞窟の奥に進むアイスゴーレムだが、その横に歩きでついていく八代に、すぐに抜かされてしまう。


これは、タゲを取ることと上手くつり合いが取れているというべきか、タゲが取れなかったら大惨事ともいうべき性能だ。


こいつは希少種だが、普通のアイスゴーレムならどうなるのかと、ステータス的な面でどういう違いが生まれるのかと八代は気になってきた。


同じように、雪と今回は普通の変哲もない、少し大きいだけの石を持ってきて、低級召喚をしてみる。


すると、何も起こらなかった。そして感覚的に、自分の中の力が、ガスが抜けるみたいにプスッ、と少し恥ずかしい音を立てるようなことが生じた。


八代は自分のステータス画面を見てみる。すると、さっきあったdpが、100から20まで大幅に減少していた。


アイスゴーレムの解析に夢中で、自分のdp残量に目がいってなかったのだ。


しかし、80も消費かと、初めての低級召喚ををして、希少種を生み出したのに、それでも不安になる八代。それは、地震の時に、何もできなかったときの、再来の予感なのか。


八代は、とりあえず、アイスゴーレムにできるだけ矢面になってもらうよう入り口付近ギリギリに配置したその時、誰か助けて、と誰かが近づいてくる。おそらく人間の声。


すると、なにやら女性らしきシルエットが洞窟の前に現れ、そのまま洞窟に入ってくる。


しかし、アイスゴーレムには気づいていないのか、そのまま走ってきたスピードで、アイスゴーレムに激突、ゴンッとでもいう鈍い音が出そうな衝突で、その人物は気を失ってしまった。


初の人間と対面、それは敵とも味方ともつかないマヌケな気絶ということで、八代は思わず、は?と呆けた感じになってしまったのであった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ