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ダンジョンのやること

俺は死んだ。死後の世界がどうとかは宗教とか、研究者の中でまだもめあっている世の中だった。


高校生だった俺、鷹之宮八代は、ある日、震度六の地震で、自宅の家屋の下敷きになり死んだはずだ。


死ぬっという瞬間には身動きが取れず、何も考えることができなかったと思う。今のように、こうして振り返ることなんてできないはずだ。


今の自分の状況はわからない。視界がブラックアウトしたままで、特に視力が悪かったわけではないのに、何も見ることができない。


しかし、今どこかもわからぬこの場で、なんとなく感じることがある。死んだ後の世界、あまり悪くないのかもと。


ここにいる時間は、体感時間でまだ五分くらいだ。だから、そんなに焦って何かなるわけでもないし、ただ黙ってここにいる。


何もない。しかし、生前の手の感覚だとか、まだあるわけで、決して形状変化して、スライムになりことはないのは確かだ。


そして、もう五分ほどたったそのとき、転生、という文字が自分に刻まれたかのように浮かぶ。


気付けば体も宙に浮くような感覚で、下のほうから光が立ち上ってくる。


いきなりのことで驚くべきであろうが、なぜか、眠気に襲われた俺は目をつぶってしまう。


やすらかな気分だ、気持ちがいい…








次に目が覚めた時、そこは多少寒いところであった。よく見れば、周りは洞窟の最奥のようで、ごつごつした岩しかない。


その反対には出口があった。いや、出口といっていいのだろうか。


轟々と荒い風が吹いているかと思えば、外は猛吹雪。俺はこんな環境の近くで気を失っていたのだ。


そして、猛吹雪にしては、異常に寒さを感じない。体温が著しく低下して、気持ち悪くなるみたいなことにはならないだろう。


もう、人間を辞めたみたいだ。一度言ってみたかった。しかし、洞窟に再度戻ってまた引き返してみても何も見つからない。


俺はここで何かをする必要があるのではないか。適当な転移ではないかとか、思考回路がウミガメのスープみたいになってきた。


すると、何もなかった上に、洞窟を出ようとした八代に、また、刻まれるような情報が入ってきた。


転移成功、その者をダンジョンマスターとする。


ダンジョンマスターは、ダンジョンを形成し、ダンジョンポイント、dpを使い、ダンジョンの維持と自らの安全を両立する。


ダンジョンマスターには、自分を鑑定する力、ダンジョンに干渉する力、低級の魔物を召喚する力を持つ。


三つ目に関しては、ダンジョンの形成とともに、使えるdpで卵を買うことで、確率で知能を有する者が生まれるかもしれない。


ダンジョンはダンジョンマスターの死亡時に消失し、魔物は残る。


現在の状況で言えば、人間と魔族、二つの勢力に対して、ダンジョンマスターという中立を保つものが現れたと仮定する。


人間側はダンジョンを経験値として、魔族は経験値扱いを協力とみなして、敵対してくる。


ダンジョンマスターはその脅威から、召喚した魔物を、統率して、これに当たらなければならない。


ダンジョンマスターのレベルは1だ。それを上げていくことでステータスが上がる。〆て値10000を目指すがいい。


言い忘れていたが、今のdpはそのダンジョンが本来持っていたものだ。活用してもよい。


分からないことがあったら、今から送る結晶の首飾りを壁に掲げてみるがいい。示してくれるはずだ。







要するに、俺は今ダンジョンマスターであり、倒されてはいけないようだ。


かといって、いきなり魔物になったわけでもなくて、食欲はあるみたいだ、魔物でさえそうだ。


早速ではあるが、俺は、このダンジョンに干渉する。すると、ダンジョンの感覚がわかってきた。


あれだ、GAMEのマップみたいに、この洞窟辺りが感覚的に同調した。これがほんとのテリトリー。


そして、ステータスの確認、これは大事だ。鑑定をしてみる。





ステータス

ダンジョンマスターレベル1

鷹之宮八代

hp 100

sp ∞[90]

攻 100

守 100

運 100

dp 100


固有スキル 鑑定 干渉 低級召喚





大体は聞いた通りだ。今してる鑑定でspが10減った。干渉は消費してない、おそらく、もっと大々的なことに使えば消費することになる。マップは心配なしだ。レベルも後々上がる。


攻と守ね。わかりやすい。だけども、このステータスは今はいい。戦闘をしないからだ。


人間だってそうだが、戦闘をするときに、守が高いほうが前衛に回ることが多いだろう。デコイだし、攻もあったらなおいいからな。


しかし、ダンジョンは主に防衛、しかも自分の命が優先だ。ステータスを上げてもなるべく前に出ることは避けたい。


あとは、食欲だろうな。寒さに強くはなったけど、根本的なところは生き物だからだ。


ん?今の俺は消極的か?そうだ、地震で死んで何もできなかった不甲斐なさと、今度こそは堅実に生きようという意思を背負っているんだ。


とにかく、そうとなれば、俺の代わりに前衛に出てくれる魔物を召喚しなければいけないのだが、これが発動しない。


おそらく、dpがたりないのが理由かと思ったが、その召喚には、何か物がなければいけないらしいと結晶が示してくれた。


しかし、ここにあるのは、岩と外にある雪くらいだ。仕方ない、それにしy、ガァァァ、なんだ!?


洞窟の入り口のほうから、大きい音が聞こえてきたので、恐る恐る近寄ってみると、見事に入り口ギリギリの高さまで、雪が積もっていた。


…とりあえず、雪どけるか。
















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