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顔を洗って

作者: 奥田 繭

あゆむことを忘れた放浪者は

今いる場所の価値を夢想し

見えない鎖を磨き出す


老いたものを笑う若年者は

時の瞬間を捉え損ねて

自身の井戸にふたをする


財宝さがしに夢中な冒険家は

他人のむくろを土足で乗り越え

臭いをまとって悦にいる


自分を哀れむ道化師は

大木の影を独り占めして

他人の汗には見てみぬふり


世界は広く世界は狭く

世界は異なり世界は同じ

だから周りをのぞき見すれば

飽いた自分の顔がにやり


泣くなら泣けばいい好きなだけ

それから背筋を伸ばして立ち上がり

まずは顔を洗って出直してきやがれ









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― 新着の感想 ―
[良い点] 喩えがいいですね。 読んでいて大事なことに気付けたように思います。
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