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01 落ちこぼれの序章

大幅な加筆修正をしました。内容が変更になっているところがありますのでご容赦ください。

俺は戦場にいる。


15歳の成人を迎えた奴は全員魔力適正テストと言う名の軍選抜試験を受ける。


これは、魔力が使えるかどうかを装置で判定し、使えるものは皆魔法兵として軍に強制加入させられる。この国ではそういう決まりなのである。


魔法兵になるということは家族とも離れ離れになる。中にはホームシックを起こす奴もいるらしい。まあ、俺の場合は親なんぞとっくのとうに他界してるから特にそういった思いをすることなく過ごせる。


親が他界してからは、幼馴染であるベックとコルトールの兄妹の家に引き取られ、過ごさせてもらっていた。ベックとコルトールの両親はとても温厚で優しく、時に厳しく俺に対して家族同然のように愛情をくれた。普通の家族というものを教えてくれた。


そして幼馴染であるベックとコルトールにも感謝しなきゃならない。コルトールはベックの妹で,よく3人で他愛のない話をしたり、遊んでいたのを思い出す。


こんな話今はいい。本題は俺は今戦場にいるということである。先述したテストで俺は見事、魔力適性テストという名の軍選抜試験に落ちた。


では、なぜここにいるかって?


それは徴兵によって集められたからである。


この国では、現在進行形で戦争を行っている。そして、皇国との戦争はわが王国のほうが圧倒的不利に立っているせいか、若者まで戦争に動員されるようになった。


ちなみにベックは俺とは違い魔力適性テストで好成績を叩き出したため、特級軍部に配属されている。いいよなぁと呑気なことを考えていたが、特級部隊の訓練は相当大変らしくデバイスのメールで度々「死にたい」というメッセージが送られてきたりした。

しかし、そんな彼は戦争に華々しく行ってくるという報告会、もとい特級部隊のお披露目会ではとても「死にたい」と言っていたようには思えなかった。


でも、俺はわかった。


否、わかってしまったというべきだろうか。


ベックの笑顔は無理やり笑っているようにしか見えなかった。


まるで絵が丸ごと張り付いたかのような笑顔だった。


無理しているようにしか見えなかったが、俺はなんと言葉をかけていいかわからず、何も言えなかった。


一方、コルトールはベックに並び、魔力適性検査で今年度で二番目と好成績で受かっていた。


そしてベックと一緒の特級部隊に配属させられると思っていたが、驚くべきこと「星」に任命されたのである。


コルトールは金星の星の力を持っているらしい。なんでも後にスキルストーンで確認したところ「金星」という惑星のフォースが使えることがわかったのである。


なぜわかるのかといえば、噂で広がったからである。


それだけ、星の力を使える人は、王国民のあこがれであり、憧憬の眼差しでみられる為に噂が広がりやすいのである。


ちなみに、星とは世界でも7人しかおらずそれぞれ、水星、金星、地球、火星、土星、木星、天王星、海王星と7つに分かれており、それぞれの星の力が使える。


例えば、火星であれば炎の力が使えたり、鉄の力なんてものも使える。そのような感じで星にまつわる力や伝承等にあるような仮想的な力を使える。


一方で俺はというと、体力もなければ、剣技、魔法技術等すべてにおいて、能力が皆無と判断された。


魔力量だけは無駄に多いのに、魔法は一つを除いて全く使えない。


そんな俺でも、唯一使える魔法は、体力強化の魔法のみ。


それでも、だれでも使える魔法である。俺は無駄に多い魔力を使いながら、体力強化の魔法を自分自身にかけることによって、やっとのことで魔法を使っていない一般兵たちの活動領域に達することができるのだ。それも、魔力を最大出力にした状態で。


自分はとんだ落ちこぼれだった。


でも、生まれてきてしまったからには運命はそうそうにかえられないし、自分は自分と言い聞かせて、生きていくしかなかった。


もう一度言う。俺は戦場にいる。そして苛まれている。いや、病んできていると言うべきだろうか。

立て続けに続く攻撃によって死んでゆく兵士たち。

死んでは死んでまた死んでは死んでゆくの繰り返し。

俺たちは理解したくないが、理解してしまった。

俺たちがただの駒であると言うことを。

王国にとって、俺たちは、人ではなく、貴族たちのただの道具。


貴族たちの拍付けのための道具。


クーデタを起こすのにも、皇国の脅威がある以上、起こしたとしても、それに乗じて、皇国が王国を侵略してくることはみんな分かっていた。

俺たちの士気はだだ下がりだった。それでもなお、皇国軍による攻撃は続く。


俺たちの部隊には、金星の力が使える、コルトールも配属されていた。


でも、俺たちの士気は上がらなかった


そして、コルトールは最終兵器・・・・として投入される予定である。


しかし、俺たちは何も知らなかった。皇国の新兵器が投入されたと言うことを。


そして、俺にとって、これ以上にない悲劇を生むことも。


更新は不定期ですが、最後までお付き合いいただければ、幸いです

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