[第三話]学校へ向かう
マイと話し始めて一時間が経った。
まだ、わからないことも多いが俺は学校へ行く準備を急いですることにした。
遅刻してあの鬼教師に怒鳴られるのは勘弁だからな。
俺は事情あって、高校生なのにひとり暮らしをしている。家ではウサギのミミを飼っているのだがもう可愛くてたまらないっ!!完全に俺の家族のアイドルだ。
寂しさを少しでもかるくするため、玄関にはミミに見立てたウサギの人形がおいてあり毎日「いってきます!」「ただいま!」と張り切って言うのだが、今日はマイがいるのでやめておくことにした。さすがに恥ずかしいからな···。
[ガチャッ]
俺の部屋の鍵をしめ学校へ向かう。
学校までは歩いて30分ほどチャリで10分の距離なので、余裕があるときはトレーニングもかねて歩いていくのだが、今日はマイがいるため歩いて行くことにした。
「あの、学校へ私がいっていいのでしょうか。」
マイが心配そうに聞いてきた。
「大丈夫!!···って訳ではないな。でも、仮にマイが俺の家で待ってたとしてもその仮の肉体が消えちまうんだろ?」
「そーですね。もうそろそろ切れてしまうかもっ···」
突然マイの姿が消えてしまった。
「すみません、魔法の効果が切れてしまったそうです。」
やっぱりそうだったか。
俺の見た目はまた女の子になってしまった。
これが俺が抱えることになった一番の問題だ。
「なぁ、マイ。この姿どうにかならないのか?制服ダボダボなっちまったし。これじゃ学校いっても追い出されちまう。」
「や、やってみる。。」
マイが呪文ようなものを唱え始めた。
「我の姿を隠し、仮の姿を写し出せっ!!」
『アナザーハイド』
呪文を唱え終わった瞬間俺の見た目が変化したようだ。元の俺とほぼおなじなのだが。
「あーあー。」
やっぱり声は変わってないか···
マイいわく声を変える呪文、というか魔術をまだ習ってないそうだ。
とりあえずこの声で頑張って乗り切るしか道はないようだ。
ってかのんびりしすぎたっ!
時間がやばぁーいっ!
俺は学校へ走って向かうこととなった。